大統領令4と法(異民族と価値観分裂1)

アメリカ国籍を持っているのに、日系人と言うだけで強制収容したり、クリントン政権の対日100%もの極端な差別課税を課すための行政命令?・・今回のアラブ7ヵ国人だけ標的の入国禁止令・・メキシコ国境に壁を作るなどの共通性をみると人種差別や対外行為・要は国内少数派相手ならば、法に基づかずに何でも出来るような大統領令制度が有効なクニって?近代法治国家と言えるかの疑問でこのシリーズを書いています。
フィリッピン大統領の犯人射殺命令に対しても、(これがフィリッピン社会に適合しているかどうかの判断は別として反対者さえ少なければ良いのかの基準ここでは書いています)犯罪集団が反対デモ出来ませんし、その支持者も少ないでしょう。 
反対さえ少なければ正義に反するかどうか無視して何をしても良いので社会が成り立つかの疑問です。
正義の基準と言うと何が正義か不明・・「アラブ人を収容所に入れることがテロを防ぐために正義」だと言う多数決が仮にあるとした場合、誰が正義を決めるのだと言う意見が出て来そうです。
喩えば、誰も疑わない正義→1+1=2が正しいときに、多数決で1+1=4にしたり、3+3を2にしたり出来るクニ・社会が成り立つのでしょうか?
1ヶ月すると大統領の考えが変わって大統領令で1+1=6にしたり、3+3を5に変えたりする社会って持続可能でしょうか?
数学的合理的基準・・合理性無視の政治は出来ないとしても、「天賦不可譲の人権」思想を数学的正しさの必要性と同一視出来ないことも確かです。
何が人権でどう言う場合にどこまでの制約が許されるかの基準・正義は、民族ごとの歴史的経験・・積み重ねによるしかないと思われます。
この種の正義は共同体の長い期間を経た共通意識によるとすれば、共同体の理想型は価値観共有社会と言うべきです。
同じく国際正義も長年かけて合意形成されて来たものを当面の「正義」として尊重するしか秩序が保てません。
日本の場合で言えば、漸進的変化・・既存価値を認めた上で、(古いお祭りや、様式美がそのまま残って行く)新たな価値を積み上げて行くので社会が何千年も安定的に推移して来ました。
これが大災害時にも略奪に走らずじっと救援を待つ・・相互信頼社会が構築されている基礎構造です。
長年かけて形成された民族合意・国内秩序や国際合意・国際秩序が気にいらないからとイキナリ、否定・ちゃぶ台返しの主張は、国内的には民族共同体意識の否定・・国際的には既存国際秩序の否定を企図することになります。
既存秩序破壊を訴えるのは、漸進主義主張より激しい分(家の修理をしますと言うより、ビルを建て替えると言う方が夢があります)人目を引きつけますが、トランプ氏の主張は現秩序を破壊したあと何をするのかがもう1つはっきりしないことが問題です。
反政府運動や国際秩序挑戦者としてならば、(赤ちゃんは泣くだけで良い・・自分で解決策を示す必要がありません)不満をぶっつけるばかりでも意味がありますが、権力者である大統領になっても既存秩序破壊を主張し続けるだけでその先の展望を示さないのでは、自己のよって立つ共同体統合をぶちこわす自己矛盾行為となるリスクがあります。
トランプ氏の場合アメリカンファーストと言うだけで(政治家たるもの国益第1は当然で全く新味がない)国内外に対して移民排斥論以外に新しい方向性・・正義を示せていません。
移民排斥論も・・「家に閉じこもりましょう」と言う次元で、その後の国家運営の提案がありません。
移民排斥や二国間主義=管理貿易逆戻り政策は、その先にどのような国際秩序を構想しているのかがまるで見えていません。
何と書く「強い者が何をしても勝手」と言うルール不要の野獣の世界に戻るような印象を受けます。
もっとも政治はすぐに分らなくていいのですが・・新たな価値観の提示が出来ないままで既存秩序をぶっ壊すだけで終わると(鎖国も1つの政策ですが・・これが国益になることをきちんと説明出来ないと)、単なるストレス解消・・民衆騒動・・(赤ちゃんが泣きわめくだけのような)暴動を政治家が煽動しているだけになります。
高校生が不満だからと、校舎のガラスを割って歩いたり、授業が荒れて授業にならない→教育政策の見直し、赤ちゃんが泣く場合、ミルクやおむつの取り替えあるいは、どこか具合が悪いのかなど気が付く効果・・対策の必要性を訴える効果がありますが、為政者・権力者は自ら政策を立案する立場であり世間に訴える立場ではありません。
過去に積み重ねて来た正義感・生き方が間違っていると主張する場合、間違っている・・納得出来ないと騒ぐだけなら民衆暴動や子供が泣き叫ぶのと区別がつかない・・どうするかを提案すべきがリーダーの責任です。
移民を多く入れると経験して来た歴史の違う集団同士になるのですから、価値の分裂が起きるのを防げない・・来たばかりでものの考え方習慣の違う人と同胞意識がある訳がありません。
トランプ氏は、移民を制限することによって、共同体意識を時間をかけて築いて行く長期展望を考えているのかも知れません。
隣近所の人とは挨拶程度で良いのですが、他人と同居するとなれば、余程気が合わない限りイヤだと思うのが普通です。
これを無視して「寛容の精神で受入れましょう」と移民導入を煽って来たのが、いわゆるPCの流布強制であり欧米社会でした。
外国人が観光や商用で短期間だけ来る程度では許容範囲ですが、毎日一緒に暮らすとなれば、許容範囲を超えていると思う人が普通ではないでしょうか?
異民族と一緒でも良いと覚悟を定めて移民して来た外国人自身が、一定数以上になって来ると◯◯人町など集団で居住するようになるのが普通であることを見れば、移民自体が気の合う仲間・・気持ちの通じる仲間を求めていることが分ります。
これが普通の人情であり、「異民族と仲良く暮らしましょう」と言うのは、やせ我慢・・無理があります。
よその人は他所の人のままで、一定の距離を置いてあっさりとつきあうのが大人の智恵です。
敢えてべたべたと同居する必要はありません。
民族的言えば、外国人が入って来ても一定期間限定の訪問者程度に限定しようとするのは1つの許された主張だと思います。
労働力獲得目的に異民族を多く入れることによる共同体意識拡散〜対立のマイナス(これは低賃金労働者導入だけの問題ではなく知的労働者の方が出身民族の価値観を身につけていることが多いために逆にリスクが高くなります)に気が付かないで来たのが欧米です。
あるいは気が付いていても金儲けの方を優先して敢えて無視して(特に民族差別を厳しく批判する)PCを事実上流布させて言論統制して来たトガメが出て来たとも言えます。
移民導入論者によって多様な人材が入れば多様な発想が可能になるメリットがしょっちゅう・・ダイバーシテイーなどと宣伝されますが、古くは遣唐使、南宋の朱子学や水墨画、禅宗、火縄銃、幕末欧米文化流入、明治維新でのお雇い外国人等々の歴史を見ても、鉄砲職人集団や学者集団や僧侶集団、画家音楽家などが大量に移民してくる必要がなかったことが明らかです。
日本の精神界に大きな影響を与えた仏教伝来でさえ、古くは来日したのは鑑真和上程度ですし、大量に人材導入した明治維新時の御雇外国人でも、各分野ごとにせいぜい1〜2名で、しかもあっという間に御引き取り願ったことが知られています。
全人口比で言えば10万人に1人2人程度の流入により違った角度からの意見を求め刺激を受けるのはわさびのように重要ですが、各分野で何万人・・合計人口の5%〜1割も入って来る必要がありません。
一定量以上になると自衛のために出身別に集団を作り固まる傾向(今は地域的に固まって住まなくとも通信手段の発達で別の形)があるので、却っていつまでも地元民と融合出来なくなるリスクが高まります。
アメリカも旧ユーゴスラビアのようなモザイク国家になりかけているのではないでしょうか?
これを抑制するために移民流入を抑制すること自体は政策判断の範囲内であって合理的であり、かつ主権行為ですし、これが何故憲法違反になるのかは(大統領令自体見ていないこととアメリカの憲法条文を知らないので)不明です。

大統領令4と法の優劣

レーガン大統領のトキに議会で成立したスーパー301条は2年間限定の時限立法だったので失効していた筈ですが,クリントン大統領が301条を行政命令で復活させたと1月27日に紹介しましたが,ここでズバリ大統領令・行政命令とはどう言うものかを見ておきましょう。
大統領令に関するウイキペデイア(正確かどうかは別として一応の解説)からの引用です。
「君主国や立憲君主国における勅令に相当し、法律と同等の効力を持つが、アメリカの大統領令の場合、権限の制限範囲はアメリカ合衆国憲法で明確に規定されているわけではない。
アメリカ合衆国大統領は、1789年以降、行政官による任務遂行の命令に助言するために大統領令を発してきた。大統領令は連邦議会の制定する法律に従い、その法律による大統領への委任を受けて発することもあり、その場合法的強制力が付与される。」
「日本で有名なものに1942年2月19日付けのフランクリン・ルーズベルト大統領による『大統領令9066号』がある。これは軍が国防上の必要があると認めた場合には強制的に立ち退きさせることを認めたもので、これが大規模な日系人の強制収用の根拠となった。」
仮に大統領令に戦前の勅令同様の効力があるとしても,法と抵触する場合どちらが優先すると言うルールがないと混乱します。
上記ウイキペデイア説明では「法と同等の効力を持つ」となっていますが,同等と言うことは法理論上後から出来た法が改正法になりますから,後法優先と言う意味でしょう。
喩えば、逮捕状がなければ逮捕出来ないと言う法律があっても,大統領の指定したものは無制限逮捕・勾留権をもつと言う大統領令が仮に出るとそれが優先することになります。
この適用例が何らの違法行為もしていないのに日系人と言うだけで日系人に対する強制収容・資産没収令の執行だったのでしょう。
フィリッピンのドウテルテ大統領の麻薬犯罪者現場射殺命令?も同じ原理かも知れません。
現在トランプ大統領が関税をイキナリ45%に引き上げるとか水責めなどの拷問取り調べ復活を主張しているのが報道されても・・日本的に膨大な法改正が必要と言う前提で考えると緻密膨大な関税関連法や移民法・・人権保障手続が網の目のように張り巡らされている現在、「無茶なことがそう簡単に実現出来る訳がない」・・・これらの法改正には数年かかるがその間事実上の運用で嫌がらせされるのが怖いので企業などがなびいているだけと思っていた人が大多数だったでしょう。
こう言う前提論で選挙時の極端なスロ−ガンは、大統領になれば現実的なものに修正されて行くだろうと言う読みが一般的でした。
ところが、就任後も選挙中の放言?とおり,有言実行とばかりに続々と大統領令が出て来て、直ちに入国制限が始まったのでみんな驚いています。
入国制限や関税を35〜45%にしたい思えば議会を通さずに大統領令に署名さえすれば、(ウイキペデイアの解説によれば)現行法より後から出来た大統領令が優先する以上、数分間の署名だけで即時発効してしまうとすれば、法改正の困難さに直面して現実化されることはなさそうです。
日本では法を一瞬にして無効化出来る制度がないので,そんな乱暴なことが出来るわけがないと思うのが普通ですが,アメリカでは彼が大統領令に署名すると既存の人権保障手続による制約を即時に無効化出来る前提になっているとすれば、全てその場で実現出来るシステムですから彼は自信を持って言っていたことになります。
ただ無茶をやれば支持率が下がるので、その塩梅をどのように見ているか・・支持が下がっても次の選挙に出ない覚悟ならば何でも出来ます。
(支持さえあれば何でも出来てしまう制度の危うさは別に書きます)です。
移民法も膨大ですし、関税法も緻密に出来あがっていますが,45%とか35%課税と言っても簡単に議会を通せないだろうと思う人が多かったのですが、トランプ氏が大統領令の威力を前提にしていたとすれば納得です。
自由自在に現行法と同等の命令(後で作った法が優先とすれば)を発効させられるのが大統領令となれば,どんなに緻密な法令システムが出来上がっていても署名だけで即時に無効化してしまえる・・生殺予奪の権を持つ専制君主制とほぼ同じです。
ある犯罪は懲役5年と決まっている場合,大統領令で「10年」と決めればそのときからそれが優先させられるとすれば驚くべき制度です。
議会による法の制定には(関連業界の意見聴取など)与野党の綱引きを経るなど膨大な時間がかかります・・数年かけてやっと法が成立しても、極端なことを言えば,大統領がその法律を気に入らなければ,その10〜30分後に反対内容の大統領令に署名すれば,逆の法が生じてしまいます。
戦前日本の勅令だって天皇が個人の思いつきで出していたものではなく,それなりの手続を経て出していたものですし,日本の政令は閣議決定が必要であり,省令も省内のしかるべき手順を踏んで決まります。
局長通達でさえ内部手順があり局長が個人的に出す文書が全部通達になるものではありません。
ところがアメリカの大統領制は、日本の閣議のような手続がいらない・・各行政部門のトップは大統領の部下・・企業の部長みたいな扱いで社長は直截なんでも出来る企業のようなシステムに見えます。
大統領令を無効化するにはもう一度大統領令に反対の法案を可決すれば,後から出来た法が有効になりますが,大統領署名には順次の内部手続すらいらないとすれば、その10〜30分もあれば次の署名が出来るので効力否定競争では大統領の方が格段に有利です。
司法によるチェック・・憲法違反の無効判決を仮に得ても、直後にちょっと変えてまた施行すれば、次の最高裁判決が出るまでの期間は有効です。
国内政治の争点は憲法問題は滅多にない・・ちょっとしたことでしょっ中法律が出来ているので(憲法違反になるような政治案件は少ないので,)大方は大統領令を後出しされたらおしまいです。
例えば税率を何%にするか,産業振興のための◯◯法など新たな分野でこれを刑事処罰の対象にするか、ある種の犯罪の刑を何年にするかなどの意見相違で法律が議会を通過した場合、憲法違反をテーマにするのは難しいのが普通です。
結果的に大統領の意見に反した法律を審議会を経て何年もかけて議会で通しても・直後に懲役何年・税率何%(消費税適用除外品目など)と言う大統領令を出されたら直ぐ変更になってしまうのでは,議員が地元民の意向を吸い上げ,議会で何年も議論した意味がなくなります。
これでは議会と大統領の関係は対等どころか圧倒的に大統領有利・・殆ど専制支配と変わりません。
実際にはこう言う泥仕合は起こらなかったのは・・国民の支持が少ない大統領令を濫発すると次の選挙で落選するし、明白な憲法違反を繰り返すと革命騒動が起きるでしょうから,歴代大統領が自制して来たので大きな問題が起きないまま現在に来たと思われます。
この結果、せいぜい反発の少ない少数民族・・戦時中の日系人だけ、(ドイツ系民は何千万人もいるので出来なかった?)今回はアラブ人だけを標的にしているように,少数者迫害向けの大統領令が多くなる傾向があります。
今回もマスコミが支持率の多少を気にしているのは,法律論・・人権保障よりは、「多数の支持さえあれば良い」と言う実際的効果の重要性を意識しているからです。
支持率の多さだけを基準に少数民族に対して何をしても良いと言うのでは,(実際今回の入国制限で最も被害を受けるアラブ系米国人が反対運動さえ出来ていない弱さをみれば・・)ナチスのユダヤ人迫害とどのように違うのかの基準が見えません。
戦時中の日系人迫害に対して日系人は反対運動することが出来ませんでしたし,数年前にはトヨタ標的の言いがかり的騒動でも「でっち上げ」と言う反論さえ許さない雰囲気でした。
古くはハンマーで日本製品をぶちこわす・・ナチスバリにいつもスケープゴートを作り上げては、マスコミ挙げて興奮する・・巨額課徴金を徴収するなどの繰り返しでした。
専制君主以上の権限を持つ大統領制と民主主義の関係を日本が危惧しても意味がない・・ソモソモ全人類破滅に追い込む核のボタンすらも,彼・大統領一人の判断で出来る制度設計からすれば専制的権力を持っていても驚くにあたらないかも知れません。
「民意に基づく政治4(大統領制と議院内閣制3)」その他で民主主義のランク付けでJuly 16, 2013「議院内閣制に比べて大統領制は民度が一段遅れた社会向け・・専制支配権力行使を前提に任期と選任手続が担保されるようになった違いだけ」と言う意見を連載して来ましたが,大統領令にその制度的担保が残されていたことになります。

アメリカの民主主義と大統領令3(移民)

入国関連法・・アメリカの場合「移民法」に国家安全保障上の緊急条項みたいなモノがあってイラクその他からの入国者を一律に「危険人物」(根拠のない)認定をしたのかも知れません。
ここで横道にそれますが、アメリカ関係報道では「不法移民」と言う報道が多いので,住み着いている移民をイメージしますが、日本の出入国管理法をアメリカでは「移民法 Immigration Acts.」と言う名の法律で管理しているだけのことです。
喩えば、留学ビザ、観光ビザ、ビジネスビザ、就労ビザ・研修・経営ビザ等々・あるいはアメリカのトヨタ工場に働いていた日本人が日本本社へ出張して(数週間帰国)アメリカに帰るときの再入国も全て「移民法」に基づいて申請する仕組みですので念のため・・。
ビザの種類については以下の「「アメリカ移民法基礎」の説明が詳細ですので,参考のため・・関心のある方はご覧下さい。
http://asoajapan.org/investusa/librarydocs/040129RichardGoldstein.pdf
日本では単に不法入国とかオーバーステイと言うのをアメリカの場合,マスコミが「不法移民」と翻訳している可能性があるために,この辺,正確に翻訳してるいるのか不明・・語感が違い過ぎる点に気をつけるべきでしょう。
今回イラク系などの社員が海外出張してアメリカに帰って来たら、再入国禁止されたと言うことが問題になっているようですから、日本語イメージの移民拒否とは大分実態が違っています。
日本人は,外国人が日本人になろうとして来た人だけを「移民」とイメージし,短期ビザ等で来ている人は単に「出入国している人」と言うイメージで分けていますが,(出入国管理法であって,移民法ではありません)法的には入国して来た人の中に就労ビザその他の区別があるだけです。
その後帰化して国籍を取る(これは国籍法)かどうかだけ(帰化した人ではあっても)で「移民」と言う概念はありません。
グーグルで「移民」の辞書検索してもアメリカの移民制度などの説明ばかりで,日本語の説明が出て来ません。
ソモソモ帰化人の熟語自体が,663年に白村江の海戦敗北の結果、「朝鮮半島から帰って来た人」と言う意味(最近では,満州からの引揚者と同じ)でしかありません。
要するに日本語の「移民」の定義がはっきりしないまま、何となくブラジルなどへ定住目的で行った人のイメージが定着している程度で実は意味不明のママですから、アメリカで出入国管理をしているに過ぎないイミグラントを「移民」と翻訳しないで「入国者」と翻訳する方が良いかも知れません。
翻訳の正確性などどうでも良いと思う方がいると思いますが,政治的に見るとかなり重要です。
私はどちらの肩を持つものではありませんが,トランプ陣営の主張では「移民を受入れる基準は主権国家・それぞれの民族が勝手に決めるのが何故悪いんだ」と言う主張があったように思いますが、こういわれると一応尤もに聞こえます。
しかし、民族の仲間として受入れる日本語のイメージする「移民受け入れ」(帰化許可)と,短期に商用や観光等で来る人も含めてどこのクニの人を入れないと言うのとでは次元が違っています。
個々人で言えば誰と同居するか(民族の仲間と認めて帰化を認めるかどうかは)は主観的な要件(好き嫌い)で良いでしょうが,レストランや劇場等で客を宗教や人種の基準で選ぶと言って良いかとなると別問題です。
日本の歌舞伎など関心がないからアラブ人や韓国人が見ないのは勝手ですが,「◯◯人お断り」と言うは行き過ぎでしょう。
高級ホテルやレストランは単価を高くしているだけであって、貧しい人はお金を持っていてもお断りといえないものです。
特定国からのビジネスその他の入国を一律禁止するのも主権の一種ですが,相手が不快感を持つから主権行為とはいえ乱暴なことを言ってよいかどうかは別問題です。
表現の自由があるとしても口に出して言って良いことと悪いことがある・・相手が不快感を持たないように自制し婉曲的方法で接するのが大人の智恵であり国際礼儀です。
この辺の区別なく,「表現の自由があるから何を言おうと勝手だ,誰を移民として受入れるかは主権行為で勝手だ」と言うのは論理の飛躍であり問題のすり替えと言うか、田舎者の智恵です。
(目上の人の家を訪問するのに身だしなみを整えず行ったり、乱暴な口の聞き方をするのは表現の自由の問題ではなく「失礼」と言う次元です)
以上のとおり日本語のイメージする「移民受け入れ」基準と一般的な入国お断りとは次元の違うものですから、翻訳がズレていると日本人に伝わるイメージ効果は大きな差になってしまいます。
話題を大統領令の効力に戻しますと,大統領が直截特定人物を危険と認定することは物理的不可能ですから「このクニ・教徒を危険人物と認定しろ」と言うような一定基準設定の大統領令があったとすれば・・入国手続関連官憲でもない大統領が「司々」の認定手続を経ない個人的意見でイキナリ作れる制度になっていることになります。
入国差し止めの大統領令が法的効力を発揮しているかのような報道によればアメリカの誇る「デュープロセス」「法の支配」尊重主義が本当に機能しているのか不思議・疑問です。
日本人は昔から孔孟の教えを尊びますが,肝腎の中国人の殆ど誰も尊敬していない・・解放後具体的中国人が良く知られるようになると彼らの行動基準にしていないかのように思う人が増えましたが、アメリカも外国には民主主義・自由競争や人権重視を自慢しますが実態はお粗末なのかも知れません。
「イギリス紳士」と習って育ちましたが,イギリスに行ってみると当たり前のことですが「紳士」は殆どいない・・貧弱な人が圧倒的多数でした。
この違いを私は中国の場合,士大夫層と人民が画然と分れているからとし、欧米は市民とピープルの階層分離社会である・・日本のように上下渾然一体社会ではないと書いて来ました。
最近PC(ポリテカルコレクトネスpolitical correctness、)が大流行りと言われますが,政治的にこれが良いとなると誰もが政治禁句を強調してこれを言う人を批判する・・そうすることによって自分が先端人権運動家になったつもりになっていると言われます。
10数年前にこのコラムで書いたことがありますが,共産党支持者・前衛活動家が,女性の地位向上と言いながら自分の妻に対する視線評価が蔑視的なのに(私は自分の能力が低いこともあって,結婚後妻に対する尊敬の念が深まる一方でしたので)驚いたことがあります。
活動家が演説で人権擁護を言ってれば,自分は最先端人権重視家になったつもりになっている人が多いのを昔から実感しています。
外に向かって偉そうなこと言う人は実は怪しいことが多く人権や民主主義を主張する筈の学生運動では、内部の言論の自由や人権無視・・内ゲバに明け暮れていることは周知のとおりですし、弁護士会も外部に向かって偉そうなことを言っていますが,将来的には内部の言論の自由がどうなっているかその内問題になって来るでしょう。
そう言えば日弁連では、総会成立の定足数を設けると言う会則改正案を次回総会議案として出しています。
委任状でよいにしても一定数以上の委任が集まらないと総会が成立しないのですから、将来的には極端な活動家に牛耳られてしまう・・全学連のような空洞化を防ぐ一助になるでしょう。
「少数者の総会招集権を妨害するものだ」と言う反対意見が送られて来ましたが・・。
少数派が僅かな出席者で総会決議を得ようとする方がおかしい・・矛盾に見えますが、難しい駆け引きは分りません。

アメリカの民主主義2(大統領令とは?2)

大統領令に署名さえすれば,イキナリ現場で特定国出身者だけ一律に入国拒否したり拘束したり出来るかのような報道を見ると(報道ぶりからすれば)具体的審査の結果ではないように見えます。
ただし,上記は反トランプ立場?の報道によるだけで,疑いの濃厚な特定国出身だけ厳しく質問・審査したら,怪しい人物が引っかかった・・やはり厳重検査して良かったことになるのかも知れません。
特定国出身到着者全員が入国拒否されたのかどうか知りたいところです。
全員またはこれに近いとなれば具体的審査の結果だと言うのは無理ですから,予め特定国出身者だけ入国させない命令であったことになりそうです。
いずれかについては大統領令自体にどう書いているか見れば直ぐ分ることですから,誰か早くアップデートとして欲しいものです。
※後記2月5日MSN報道で毎日新聞名で大統領令が要約されて出ました。
もしも具体的審査の結果ではなかったとした場合のことですが,
第1に考えられるのは,オバマ大統領が2014年頃に不法入国して15年以上経過している人で子供のいる人には,特別な在留資格(3年間先送り・Deferred )を与えようとして議会(共和党に)に反対されて実現出来なかった政策・DAPA (Deferred Action for Parents of Americans and Lawful Permanent Residents)を,大統領令で断行したことがあります(内容を含めてうろ覚えで正確ではありません)ので、これの撤回署名だったかも知れません。
現状は以下のとおりです。
http://www.cnn.co.jp/usa/35084845.htmlによると以下のとおりです。
「オバマ大統領の移民政策は、子どもが米国籍もしくは合法的な居住者である不法移民(約430万人)については一時的に強制送還の対象から外し、合法的な就労に道を開くというもので2014年に発表された。」
「だがテキサス州を初めとする26州はこれに反発、大統領権限での改革は憲法違反だとする裁判を起こした。15年には連邦地裁が州側の言い分を認めて実施を差し止める決定を下し、高裁でもそれが支持された。」
「民主党の候補指名を確実としたヒラリー・クリントン前国務長官は最高裁の判断は「受け入れがたい」と声明で述べた。一方、共和党の指名候補となるのが確実なドナルド・トランプ氏は「(裁判所は)われわれの安全を守ってくれた」とツイートした。」
上記によると26州が執行停止決定を取っていて,最高裁では4対4の可否同数で決着がつかなかった状態・・高裁決定が維持されている・・効力がないが、訴訟していない26州以外では大統領令が施行されていることになるのかな?
※追記です
2月5日のmsn報道では、今回の入国禁止令はワシントンの連邦地裁で違憲判決?が出て、全米の入国手続再開と出ていますから、個別審査の結果ではなく一律禁止命令だったたように見えますし1地裁で違憲判決が出ても全米で効力があるようです。
【ロサンゼルス長野宏美】中東・アフリカの7カ国からの入国を一時禁止する大統領令について、米西部ワシントン州シアトルの連邦地裁は3日、一時差し止めを命じる仮処分の決定を出した。命令は全米に適用され、即時効力が及ぶ・・」
全国で効力があるとすればオバマの大統領令が全米で執行停止されたままだったことになります。
そうするとAB両地裁で別の判決が出るとどうなるのか?この報道だけではアメリカの制度は意味不明です。
マスコミが一方的に報道していたので,オバマの大統領令がそのまま施行されているとばかり思っている人が多いと思いますが,国内意見の実態は上記のとおり拮抗していたのです。
こう言うややこしい・国論が割れていた状況であったことを日本では全く報道せずに、極論主張のトランプと言うイメージばかりだったので,彼の勝利を「驚き」としているのです。
今,トランプ氏が最高裁判事に推薦している人は保守論客と言うことですから,任命されたら4対4の均衡を破って憲法違反決定になると言われています。
トランプ氏側の言い分は,http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/52001959.htmlによれば以下のとおりです。
「日曜日の午後にトランプは移民に厳しい大統領令を発令しました。しかし同時にトランプは、ホワイトハウスにて、「・・今回の大統領令と、2011年にオバマ元大統領が発令した大統領令は同じ内容である。彼はイラクからの難民に対するビザの発給を6ヶ月間禁止した。」と述べました。
さらに、トランプは、「イラク、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア(無期)、イエメンは一時的に入国に禁止したが、これらの国々はオバマ政権が”テロを支援し訓練している国”と名指しした国々である
「プリーバス首席補佐官は、NBCのインタビューにて「アメリカには325000万人の外国人旅行者が入国している。今回、詳しい入国審査を行う目的で空港で拘束した109人については、オバマ政権と連邦議会がテロを支援、訓練している国として名指しした国から来た者たちだ。」と述べました。
以上によると元々オバマ政権がリストに上げていたクニからの入国審査を強化した結果、一部不審者を拒否したり拘束しただけで、一律拒否したわけではなさそうに見えます。
そうとすれば審査をまじめにしているだけのことになります。
今回の大統領令記載の文言自体を(マスコミの解釈ではなく)早く知りたいものですが、何故かマスコミが翻訳文を報じない・・煽りに徹しているようなので本当のことがよく分りませんが,その内いろんな立場から出て来るでしょう。
※上記2月5日朝のMSNに報道によれば、違憲決定が出たのであれば、個別審査の結果ではなく一律禁止命令であったことが推測されます。
とすればトランプ陣営の「審査強化しただけ」と言う主張は事実に反していたことになります。
繰り返しますが、ここのテーマは国民の多くが支持しているかどうかを知りたくて書いているのではなく,支持さえあれば強制収用所送りなど既存法制度無視の大統領令が今でも有効になる国かどうかを知りたくて書いています。
憲法違反で差し止めになれば良いのではなく,そんな大変な裁判をしない限りさしあたり有効として強制出来てしまうクニかどうかです。
ところで大統領令の位置づけですが,学校で習っている三権分立の原理からしてこれが非常に怪しいと言う関心からこの数日このテーマで書いています。
これまで書いて来たように,アメリカの人道主義と言っても黒人差別、日系人差別(日系人強制収用・・戦後では,クリントン政権の日本標的の100%関税の強迫など)をして来た歴史から見ると人権はアメリカ人・あるいはキリスト教徒だけにあって外国人(白人以外)には人権・・法の保護がないという基本的システムであるような疑いがあります。
トランプ氏の大統領令で具体的事由に関係なく仮に一律入国拒否出来るとしている場合を考えてみましょう。
既存法令無視で大統領令だけでどうしてこんな乱暴なことが出来るかの疑問です。
日本の場合上陸拒否出来る事由は法定(限定列挙)されていて,その中には、総理大臣等が超法規的に「指定したものを拒否し拘束出来る」と言うような乱暴な条項はありません。
入国であれ逮捕などの条件であれ,厳格な法定手続を定めながら,総理または大臣等指定するものを例外とすれば法で拒否理由を限定記載する意味がなくなりますから,そんな法規が国会に上程されたら,それこそ法治国家の全面否定・憲法違反の疑いで大騒ぎになるでしょう。
逆に上記法定事項に該当しても法務大臣は特別に許可出来ると言う逆の救済条項があるだけです・・これなら裁量があっても人権侵害になりません。
出入国管理及び難民認定法
(昭和二十六年十月四日政令第三百十九号)
(上陸の拒否)
第五条  次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に上陸することができない。
各号省略
(上陸の拒否の特例)
第五条の二  法務大臣は、外国人について、前条第一項第四号、第五号、第七号、第九号又は第九号の二に該当する特定の事由がある場合であつても、当該外国人に第二十六条第一項の規定により再入国の許可を与えた場合その他の法務省令で定める場合において、相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、当該事由のみによつては上陸を拒否しないこととすることができる。」

アラブ7カ国入国拒否(大統領令とは?1)

ここで少し話題が変わりますが、入国禁止に関する大統領令に関して法律家として気になる点を書いておきます。
ただし,ナマの実を知らないで報道だけを前提にしていますので,正確に何が行なわれているのかよく分らないままで気になる点を書いています。
後日徐々に正確な情報が出たら,この意見はその限度で自動的に修正されるものと思ってお読み下さい。
アメリカの価値観は,人種差別・自分が強ければ何をしても良いと言う意味の「裸の」自由主義価値観でないか?と言う基本的疑問でこのコラムを書いて来ました。
英米法のルールオブローは人民を支配者から守るためのものであって,中国の専制君主の支配道具・・命令貫徹のためのマニュアル・法家思想とは方向性が違うと習って来ましたが,本当か?と言う疑問です。
アメリカに都合が良ければ守れと言うが,自分が主導した国際ルールでも自国に都合が悪くなると国際合意を無視する・・国連やユネスコ分担金支払い拒否などの繰り返しがアメリカの行動基本でした。
クリントンも日本に対して100%課税の大統領令署名で脅しましたし、トランプ氏の一方的高関税脅しもWTOルール違反になるか?などハナから問題にしていません・・文句あるなら脱退すると言う基本です。
こう言う自分勝手を繰り返して来たアメリカと日本とは基本的価値観が違っていると言う意見を前提に、安倍総理の価値観外交は便法としては有効だが本質的に違っていることを「2014/02/05/「価値観外交に頼る危険性12(米中韓の一体性4)」その他で書きました。
上記のとおり,私はアメリカは本来の法治国家・人権尊重国家と言えるかの疑問を基本的に持っていますが、今回は対外勝手主義に留まらず国内法制度上も議会無視で何でも出来そうな(上記のとおり報道イメージだけで書いているので正確には乱暴なことは出来ないのかも知れませんが・・)大統領令の効力・・専制・恣意的支配をそのまま許す制度設計・・大統領令1枚でイキナリ入国停止出来る法制度についての疑問を以下書いて行きます。
対外的にルール無視することの多い政府が国内法的にも同じ制度設計だったのかな?と言う疑問です。
外で整理整頓出来ない人が自宅だけ綺麗に片付けられるとは思えないのと同じ発想・・国内人権侵害も同様に酷いのじゃないか?本当は法治国家ではない?と言う疑問が今回の大統領令の騒動によって気になり始めました。
戦時中の(アメリカ国籍を有している)日系人強制収容・資産全面没収は、ルールオブローの国と言われるのに、法によらずにルーズベルトの大統領令だけでやったことです。
三権分立→行政府の長(大統領)は議会の制定した法に従って施行実施するものと思って来た日本人にとっては,驚きでしょう。
日本のような閣議決定すらもいらない・大統領一存で数秒で書ける大統領令とは何か?法に超越する効力があるらしいことに対する疑問です。
日系人と言う枠組みだけで犯罪も何も悪いことをしていない国民を大統領令と言う超法規的命令1つで強制収容→監禁罪や強盗罪を合法化する制度を持っているクニが、専制支配の中国王朝とどこが違うのか?もう一度見直してみる必要がないかの関心です。
一党独裁の中国でさえ党の機関決定等が必要です。
権力闘争を乗り切った習近平は、常務委員会を腹心で固めるだけに留まらず機関決定不要にしたい・・骨抜きを図るために大統領制移行を目論んでいると言われています。
議院内閣制の場合の総理大臣は政令その他重要事項決定には閣議決定が必要であり各省大臣の所管事項を直接行うことは出来ません。
大統領制の場合には各省長官は、命令する部下でしかないので機関決定制度自体不要ですから全面的独裁・・なんらの手続き不要です。
議会議決=法の範囲内しか権限がないからこそ、その範囲内でオールマイティも許されると言う理解が普通でしょう。
ところが立法府の議決に反する大統領令で国民である日系人を拘束できるとなれば、大統領は専制君主とどこが違うかの疑問です。
行政府の大統領が議会議決・・法律・・刑事訴訟手続き等の要件によらずに日系人とはいえ米国籍のある日系人を大統領令を根拠に何故資産没収し強制収容出来たのか?
もしもこれが合法行為であった・・違法な監禁罪、強盗罪に当たらないと言うならば、大統領令が法に優先することになります。
戦後日系人の名誉回復したと言うだけで(犯罪行為をしていないのだから名誉回復など・・当たり前過ぎます)・法によらない人権侵害に携わった人らを強盗や殺人監禁罪等で処罰しないのは、法に優越する大統領令に従ったからと言う解釈によるのでしょうか?
ちなみに、命令に従って法律違反しても違法性がない、責任がないと言い出すとギャングの親分の命令で何をしても良いことになります。
ですから,関与した主な公務員一人処罰されなかったと言うことは,大統領令が人権条項等に反した拘束であっても違法ではないと言う意味でしょう。
今回での入国騒動に戻します。
複雑な移民法に基づいてアメリカ政府から予めビザを得てはるばるアメリカに到着して入国手続している人を、どう言う法制度上の根拠があって、大統領令1つで入国禁止したり拘束出来るようになっているのか不思議な印象を受ける人が多いでしょう。
入国審査官が個別最終判断権を行使した結果言動が怪しかったならばわかりますが、大統領令で特定国出身者だけを(具体的嫌疑なく)一律拒否し拘束出来るかのような報道を見ると、今でも大統領が日系人、中国系と指定する収用命令に署名さえすればすぐにも既存の法令に関係なく強制収容出来る法制度になっているような心配が起きて来ます。
報道の仕方が偏っているのか、上記日系人強制収用を許して来たことや戦後でもクリントン政権が大統領令で対日100%課税で脅して来たことがあることから見ると制度が前近代的なまま残っているようにも見える・・どちらかハッキリしない疑問で書いています。
トランプ氏擁護者は,「どう言う人を入国させるかを決めるのは主権国家として当然の権利である」と言い、今回の措置に対する「支持率が50%を超えている」と言いますが,既にビザ発給されて到着した、形式要件の揃っている筈のひとを出身地域で一律拒否する理由にはならないし、(熱狂的)支持さえあれば,法に基づかず・無視して人権侵害して良いかの議論からすればズレています。
移民規制の妥当性に関しては、昨日書いたとおり,国内に移民との低賃金競争を持ち込んで良いかどうかはよその国のことですから,好きにして下さいと言うことですが,ここの関心はこんな重大なことが議会ではなく,大統領の一存で何故実行出来るのか、法の支配とは何かと言う関心です。
アメリカが宣伝して来た法治国・人権保障国触れ込みの信憑性です。
ただし報道では実態が見えません・・実際にはビザには良いことを書いていたが,到着した人物のチェックをしたら爆弾・銃器を持っていたとか、申告内容の辻褄が合わないなどの場合には,入国審査官の判断で入国拒否したりその場で拘束するのはどこのクニでもしている当然のことです。
トランプ氏が,テロ支援国の7カ国だけ厳重審査しろと言う程度の命令しただけならば法治国として何らの問題もないでしょう。
もしも厳重審査命令だけならば,大騒ぎする必要がない・・反トランプ派マスコミの煽り過ぎです。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。