民族の正義=共同体意識→外国人の政治活動1

権力と言うのは目に見える範囲で威令が行き届けば良いのではない・・大統領の目に見えるところや大通りだけでなく,中くらいの通りや路地裏まで行き渡らないと安定権力とは言えません。
法・権力の信頼喪失は、即ち共同体帰属意識の喪失へ繋がり・・自己中心主義・・見つからなければ悪いことをしても良い気風・強い者勝ちになり・社会が混乱して行きます。
正義とは何か?と言えば、長年の民族経験で積み重ねて来た共同体維持ルールですから,正義の乱れる社会で共同体が良くなる筈がありません。
犯罪の多い社会・正義が乱れているアメリカは共同体意識が乱れているか、未成立・不十分社会と言うべきです。
日本のように共同体意識の堅固な社会では物理的権力空白時と言うべき敗戦直後でも治安が殆ど乱れませんでしたし、3、11大震災でも世界が驚いたように犯罪より助け合う方に向かいます。
敗戦直後の権力空白時にも、負けてしまったので助け合って挽回するしかないと言うのが普通の意識で、違法行為を働いたのが、共同体意識の薄い朝鮮人中心だったことがこれを示しています。
民族の窮迫時に朝鮮人が共同体敵視の行為を働いたトラウマが、未だに日本人に残っている・・これコソを朝鮮人が歴史教訓にすべきことです。
韓国人に対する日本人のトラウマと同様に、中国人もおかしな人たちです。
現在南京事件に対する日本側の反論書物をアパホテルにおいていることを中国政府が問題視したことが切っ掛けで?例によって中国政府主導らしい、在日中国人によるアパホテルに対する威嚇デモが企画された報道が出ています。
横断幕などを見るとさすがに南京事件を理由にする対日攻撃はありませんでしたが、南京事件否定の書籍をホテルにおいていることが(思想統制している中国ではあるまいし)自由な日本で何故行けないのか?
ソモソモ日本に来てまで反対運動される筋合いがない・・日本人としては不愉快に思う人の方が多いからでしょうから、表向きの横断幕を見ると「中日友好」「日本が好き」と言うようなのが目立ちました。
中日友好のために南京虐殺事件を批判的に紹介するアパホテルに対する業務妨害的デモを企画するのか不明です・・「中日友好」のためには中国政府が大々的宣伝している「南京大虐殺」の主張をそのまま認めるべきと言う一方的立場をデモの実施で示そうとしているように見えます。
中国は、自分は言論規制や各種規制で自由な経済政治行動を許さないままで、相手国には民主主義・自由主義国だから、何でも許されると言う論理で押し通す自分勝手な自由主義(ダンピング輸出など)を謳歌しています。
これをトランプ氏が激しく批判しているのです。
相互主義が国際ルールの基本ですが、黙っているといくらでも図々しく圧して来る国相手には、譲っても仕方ない・・国際ルールを厳しく適用すべきだと思う人が増えているのではないでしょうか?
反日の意図が見え透ぎ過ぎていて、日本人に不快感を与えるのが明らかなデモを中国や韓国の人が日本に来てワザワザやる感覚が日本人には理解不能です。
1昨年ころには終戦記念日には韓国人が来て靖国神社周辺で天皇陛下の顔写真か似顔絵だったかに竹槍を突き刺した形のデモ行進をしていましたが、彼らは日本人・社会に何を訴えてたくて来ているのか不思議な印象を持ちました。
マスコミが彼らを応援するために?報道するのを楽しみにしているかも知れませんが、デモって元々自己主張支持者を増やすためのアッピールとすれば日本人の反感を広げるためのデモって意味不明です。
昨年靖国神社に爆発物を仕掛けていた韓国人が再入国しようとして検挙されましたが、爆発させれば日本国民の支持が広がると思っていたとは思えません。
日本の支持を広げる目的ではなく、本国向けパフォーマンスと見るべきでしょう。
そう言う目で見ればここ10年前後が激しくなっていた外国人のデモは了解可能です。
シバキ隊と言う名称の慰安婦問題応援団のようなマスコミ別働隊デモをマスコミが報道していましたが、ソモソモ日本で何のためにデモしているのか不明のために誰も支持しない結果、最近は自然消滅状態です。
最近では沖縄に転進?していることが知られるようになりましたが、長距離進出するコスト・・彼らの出動資金をどこが出していたのかがニュース女子などで話題になって来て東京新聞などは・・社説でその種報道を否定するなど火消しに必死の様子です。
在日外国人も多様な意見があっても良いですが、中国政府主張に反する日本人の個人主張を圧迫するために政治運動するのは入管法の精神に反するものです。
いわゆるマクリーン判決をウイキペデイアで見ると如何にも政治活動の自由が保障されたかのような紹介ですが、(虚偽紹介と批判されない程度のすれすれ?と言う感じです)少し長くなりますが、判決要旨を最高裁自体のデータを引用してありのまま紹介しておきます。
外国人の政治活動の自由と在留許可更新に際しての裁量の範囲に関する最高裁判例要旨は以下のとおりです。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=53255
昭和50(行ツ)120 事件名 在留期間更新不許可処分取消
裁判年月日 昭和53年10月4日法廷名  最高裁判所大法廷
一 外国人は、憲法上、わが国に在留する権利ないし引き続き在留することを要求しうる権利を保障されていない。
二 出入国管理令二一条三項に基づく在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由の有無の判断は「法務大臣の裁量に任されているものであり、上陸拒否事由又は退去強制事由に準ずる事由に該当しない限り更新を不許可にすることが許されないものではない。
三 裁判所は、出入国管理令二一条三項に基づく法務大臣の在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由の有無の判断についてそれが違法となるかどうかを審査するにあたつては、右判断が法務大臣の裁量権の行使としてされたものであることを前提として、その判断の基礎とされた重要な事実に誤認があること等により右判断が全く事実の基礎を欠くかどうか、又は事実に対する評価が明白に合理性を欠くこと等により右判断が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかであるかどうかについて審理し、それが認められる場合に限り、右判断が裁量権の範囲を超え又はその濫用があつたものとして違法であるとすることができる。
四 政治活動の自由に関する憲法の保障は、わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、わが国に在留する外国人に対しても及ぶ。
五 外国人に対する憲法の基本的人権の保障は、在留の許否を決する国の裁量を拘束するまでの保障すなわち、在留期間中の憲法の基本的人権の保障を受ける行為を在留期間の更新の際に消極的な事情として斟酌されないことまでの保障を含むものではない。
六 上告人の本件活動は、外国人の在留期間中の政治活動として直ちに憲法の保障が及ばないものであるとはいえないが、そのなかにわが国の出入国管理政策に対する非難行動あるいはわが国の基本的な外交政策を非難し日米間の友好関係に影響を及ぼすおそれがないとはいえないものが含まれており、法務大臣が右活動を斟酌して在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるものとはいえないと判断したとしても、裁量権の範囲を超え又はその濫用があつたものということはできない。 」
要約すると政治活動の自由はあるが、在留更新では法務大臣に裁量権があり、政治活動をしたかどうかを裁量事実に含めても構わないと言うことです。
裁量前提事実の事実誤認の有無は司法審査の対象になるものの、外交の基本政策に対する非難行為を裁量の対象に含めることが許されると書いています。
ウイキペデイアに引用されている文献紹介を引用しておきましょう。
「この判示を導き出したのは、在留更新の許否に関する法務大臣の裁量権は広範であり、司法審査の範囲は限定される。その論拠となったのは、国際慣習法上、外国人の入国の自由は保障されず、日本国憲法もその立場をとっている。
^ 参政権的機能を果たす政治活動の自由については、国民の場合と異なる特別の制約が許されると解する(通説・判例 芦部信喜『憲法学Ⅱ』[1994]151-153頁、本判決の立場)。」

事後審査社会→訴訟と保険の発達2

入国審査その他行政の仕事は(ちょっとした届けで市役所に行ったら受け付けてくれないレベル)いい加減で良い・・不満な人は弁護士に頼んで裁判すればいいと言うのでは困ります。
現在の国際競争で言えば、製品不良率の多少・・歩留まり率こそが商品価値の差です。
発火事故のあったサムスン製スマホで言えば、「発火したら取り替えます」では誰も買わないでしょう。
アメリカ製造業衰退の基礎原因は相手国の不公正障壁によるのではなく、「後で司法救済を受ければ良い」と言う政治が象徴しているように良いものを努力して作る習慣がない・・「粗雑・粗悪品」で何が悪い・・クレームがあれば後で治せば良いと言う価値観・習慣によると見るべきです。
アメリカのベルトコンンベアー方式の発明は緻密作業に適応出来ない・民度レベルの開き直りであったことを書いて来ました。
この延長で、ドンドンと作業分化・簡略化が進み結果的に、未熟練工でも役に立つ・・新興国への工場移転に繋がったことも書いてきました。
これの道徳的裏付け・正義論が・・不良品前提の事後審査制度であり、この両輪が今のアメリカ経済斜陽化に繋がっていることを、Jan 22, 2017「新興国台頭と日本の進むべき道2」以来書いて来ました。
日本でも外車輸入が伸びているのにアメリカ車だけ負けている事実が国際競争力低下を物語っています。
大統領令が無茶苦茶でも兎も角出れば有効(ここではトランプ大統領令が無茶苦茶というのではなく一般の大統領令を書いています。)・・被害を受けた国民が後で裁判して救済を受けるしかない事後審査制度では、強い者勝ちの社会になります。
アメリカで警官による射殺事件が多いのは、犯罪者に射たれるのを待っていて、うたれたら相手を殺人犯で検挙してくれるのでは間に合わない・法の支配など待っていられない・・「早い者勝ち」の論理・・正義感があるからです。
アメリカ流の粗雑社会とセットの事後審査主義のあり方を世界が支持しているかと言えば、製品市場でアメリカ製品が負け続けている結果を見れば世界は粗悪品→事後審査よりは、事前に安全な検査したものを求めていることが分ります。
政府・大統領令が間違っていれば裁判すれば良いと言われても、戦時中に日系人は違法に?強制収用されても実際に裁判出来ませんでしたし、今回の入国禁止令でも対象になる7カ国出身米国人自身が抗議の動きすら(怖くて)出来ていません。
化粧品その他での被害者が1000人いても実際に裁判出来る人は滅多にいない・・この救済のために懲罰的損害賠償制度が発達しましたが、資力のない人が泣き寝入りするしかない現実を無視出来ません。
2月4日に移民概念の紹介でアメリカ法律事務所の移民制度の説明を紹介しましたが、その説明文には「移民手続に精通した弁護士に依頼しましょう」と言う案内が一杯出て来ます。
そうすれば「入国審査でのトラブルにすぐに対応します」と言う案内です。
と言うことは、弁護士次第で釈放されたり、されなかったりする社会・・日本では補助金その他いろんな申請するのに弁護士がついて行かなくとも、とおるべきものは通る・・間違いないのが前提です。
役所の窓口でダメだったものが弁護士を頼んでも、役所滅多にないミスがあったときだけですから、100に1も助からない・・99・9%の有罪率と同じ・・お上を信用している社会です。
アメリカでは弁護士を頼んでおけば、100のうち99助かる・・逆から言えば弁護士なしにうっかり空港にも行けない恐るべき社会です。
国民にとっては被害がしょっちゅうあって,その後に裁判出来るよりもお上にしっかりしてもらって、被害のない・少ない・・弁護士に頼む必要が少ない社会が良いのが日本人の意識・・正義感です。
日本では、訴えられるべき役所や企業の方が弁護士をつけて欲しいと言う逆の現象が起きています。
クレームを付けられている役所や企業の方が、正しいことをしている自信があるからです。
損害保険に弁護士保険が普及したのもこの延長で、業界として保険会社側だけ弁護士がつくよりは、被害者側にも弁護士がついた方が無茶言われないメリットがあります。
・・弁護士同士だと訴訟前の示談成立率が高くなるので、訴訟事件が減って却って保険会社の顧問弁護士に払うコストが低くなるメリットがある上に弁護士付き保険として割り増し保険料を取れるプラスがあります。
日本ではお上に対する不信感が低い上に役所や企業から説明されても理解し切れない人も、弁護士の論理的説明に納得する人が多いことにもよります。
ただ一定のモノ分りの悪い人、保険で弁護士料が出る・・お金の負担がないことから、「負けても良いから裁判してくれ」と言うモラルハザードもあって、これが最近弁護士にとって苦痛になっているようです(保険関係の弁護士の話)。
「お金が保険から出るから・・」と言われても、負けるに決まっている無茶な主張をしたくないので困るのです。
いくら保険が完備していても、強盗や殺人被害がない方が良い・・服部君事件でも分るように子供の訪問でも強盗と間違って銃で撃つような・不安に怯えて暮らしている・ピリピリした社会が理想ではありません。
自衛のために銃を所持なければならないとすれば、アメリカは法治国家ではあるが、法が行き渡らない・治安の悪いクニではないでしょうか?
道徳教育としては、何をしても後で捕まらなければ良い・・裁判で有罪にさえならなければ良いと言うことになりませんか?
裁判になっても腕利きの弁護士を頼めるかどうかによって結果も変わって来る社会って日本人からすれば不思議です。
賄賂や、コネで結果が変わるのとどう違うのか・・実質賭博行為でも公営競馬などなら犯罪ではないと言うのに似ています。
自助努力次第と言えば聞こえが良いですが、裁判する資力のない人には法が(あまねく)行き渡らない法治国家と言う表現は言語矛盾です。
日本は昔から厳しい法がなくとも、むやみに争わず自発的に道路や畑を綺麗にし,犯罪の少ない社会です。
アメリカの法治主義とは、法に頼るよりは各自が銃をもって自衛しろと言うことにつながります。
「法の支配」は権力から人民を守るためにあると言われて来ましたが、国民を守るための法秩序が実は頼りにならないとすれば,法制定権力・・政府への信頼が失われ・・ひいては共同体自体への信頼も失い・常時自分で銃を持っているしかなくなる・役所へ行くのに弁護士同行しないと不安な社会です。
どこの世界でも治安維持こそが権力維持の基礎と言われる所以で,治安を維持出来ない権力は国民の信を受けていないことと同義です。
屈強な護衛を連れて歩けば,目の見える範囲・・数十〜数百メートル四方に威令が行き届くでしょうが,見えないところであかんべエをされている人と,護衛が多くいらないし威張らないが,見えないところでも尊敬されている人ではどちらの方が威令が遠く,多くに届いているかの違いです。
この意味ではトランプ氏は何事もみんな自分でやらないと気が済まない・・一見華々しいですが,逆から見ると間接的に多くを動かす能力が不足している・・まだ組織化されていないだけか?ように見えます。
アメリカに限らず政府の仕事は多種多様・複雑ですから、目に見えないところで実直に働く人に支えられないと政治が回って行かなくなります。

事後審査社会→訴訟と保険の発達1

大統領令と民主主義のテーマに戻りますと、逮捕・拘束などの人権条項も仮に法で決められているルール無視で(日系人収容のように)大統領令だけで拘束出来るとすれば,法を作るべき議会の存在意義がありません。
罪刑法定主義など近代法の歴史は、法が国王(権力)からの人権侵害の防波堤・・人権を守るために出来たと習って来た(真実は支配の道具ですが・・)歴史から見てもおかしな制度です。
さすがに今回の入国申請者拘束には、直ぐに司法救済を求める人がいたらしく,米国時間2月3日に執行停止を命じる?決定が出て、日本時間2月5日付報道では、これが全国的執行停止効があると書いていましたので、個別審査妥当性ではなく命令そのものに対する違憲判断だったことになるのかな?
大統領が率先して法または憲法に違反行為をしていると言う司法判断となりますから、従来型価値観によれば政権のメンツ丸つぶれです。
これまで書いているように既存ルール破棄のための政権だと開き直れば別ですが・・・。
権力意思を遠くに及ぼすために法制度がある側面(これが本質でしょう)から見れば、権力中枢が法制度を自ら無視をしていることになると、国民は何に従って良いか分らなくなる・・社会が混乱して権力そのものの基礎が瓦解します。
これを防ぐために諸葛孔明は「泣いて馬謖を切」ったのです。
権力者は自らの権力貫徹手段である「法」を守らなくても良いと言うアナウンスを流すと自己矛盾に陥ります。
現在世界中が固唾をのんで見守らざるを得ないのは、世界覇者アメリカの最高権力者になったトランプ氏の構想する新たな世界秩序が不明であることによります。
クーデタや革命政権が権力掌握すると一刻も早く新秩序を宣言し、混乱を沈静化させるのに必死になる所以です。
革命政権の場合、日常的民事刑事手続きを除き一時的に革命の本質に関わる事項について司法機能の全面的ストップをかけるのが普通です。
トランプ政権は合法的政権獲得している関係で、既存ルールに従うしかないのが事態をややこしくしています。
そこで直ちに政権は異議申し立てすると報道されていましたが、2月6日の報道では控訴審で異議申し立てが通らなかったので、地裁の差し止め決定がそのままになったと報道されていましたが、7日の報道によると差し止めの取り消しが認めらなかっただけで本案の口頭弁論が開かれるようです。
どちらが負けても最高裁に訴えるでしょうから、最終的には最高裁の判断次第になります。
こうなると現在4対4の最高裁判事構成を覆すことになる欠員1名の判事任命がどうなるかが大きな争点になって来ます。
アメリカは日本と違い政治任命ですから、判事の政党色がはっきりしています。
だからこそオバマ政権時代には、共和党多数の議会承認を得られず約1年間も欠員のママだったのです。
トランプ政権としては議会多数派になっているので政権寄り判事任命に自信があるのでしょう。
これが出来上がると議会は共和党多数ですし、司法とのねじれも解消されることになります。
訴訟の帰趨は措くとしても、このシリーズの関心は大統領が議会の同意なしに大統領令に署名さえすれば、違憲判断が出るまで法に優先して有効になる・・これが日系人だけ強制収容出来た法原理です・・人権保障としては非常に怖いシステムであることの関心です。
大統領令が議会より優位の法を作れる・・次々と大統領令を出すと法制定の議会はいらない・・憲法違反まで主張しないと救済されないのでは,先進国の証しは三権分立制度が確立していることであると学校教育は噓を教えて来たのではないか?となりませんか。
現状を見ると司法権と大統領府との2権分立でしかありません。
その司法権も政党色で選ばれるのですから、日本とは大違いです。
大統領令の濫発で為政者が(自制心なく)法制度無視行為をドンドンやって、その都度司法権による差し止めが繰り返されるようになると、・そのうち国中で法を無視する行動が頻発するようになるのではないでしょうか?
ただし、元々革命は既存法の延長では出来ませんので、トランプ政権の政策が既存秩序に対する挑戦・一種の「革命」とすれば既存法に矛盾する政策を打ち出すのは当然のことですので、既存秩序に反することを非難論拠にするのは間違っています。
従来型革命は数週間の暴動等を経て短期間でぶちこわすものですが、今回は選挙を経ているので革命に見え難いだけ・新しい形式の革命?だったことに後でなるのかも知れません。
革命だったのか無茶苦茶だったのかは昨日書いたように時間をかけて分ることです。
このシリーズではトランプ政策の是非ではなく、戦時中の共産党親和政策や日系人強制収容や戦後の米中和解や戦後のスーパー301条などを軸にアメリカの民主主義・自由主義の主張は自国のヘゲモニー維持を主目的にした表向きの宣伝だけだったのはないかの関心で書いていますので元に戻ります。
司法の救済があっても,政府が率先して法(長年共同体意識を培って来た合意・人類が長年掛けて積み上げて来た歴史遺産)を無視してドンドン違法行為をしてこれを自慢しているようでは,個別救済の司法救済では間にあいません。
大災害が起きると既存のセーフテイーネットでは間に合わないのと同じで、司法救済制度も政府は滅多に違法行為をしない前提で成り立っているものです。
日本で違憲判断が出ると政府はこれを尊重してすぐに法改正しますが,トランプ大統領に限らず自分の意見に合わないと「受入れない」と宣言するのがアメリカのやり方です。
クリントン氏がオバマの移民に関する大統領令を違憲とする「最高裁判決を受入れがたい」と宣言していたことを2月3日に紹介しました。
・・我が国でも左翼系は自分の意に沿うと画期的判決と言い、主張が通らないと反動判決と批判しているのと同じです。
要するに相手の意見を受入れる許容性がない民度・社会・・元々違う意見を認め包み込んで行く能力がない民度では、民主主義の実践は無理です。
事後審査に戻しますと、刑事制度は犯罪を摘発して処罰することが直接の目的ですが,処罰することで犯罪が起きないようにすることが本来の目的です。
報復心だけを基準にすると刑罰重視を時代遅れだと非難し、被告人の人権ばかり・服役内容も快適なホテルみたいな方向へ進み過ぎます。
刑事政策は、本来の目的は治安維持ですが、これの協力を得るために被害者の報復心も利用していると言うべきです。
犯罪がいくら発生しても良い・・後で検挙するから・・と言うのでは,治安維持を目的とする刑事政策に反しています。
泥棒や無法者が町を闊歩する自由があって,一般人が被害にあえば訴えれば良いですよ・・と言うのでは国民は安心して生活出来ません。
大統領や役人が率先して実質違法行為をしていても、不満なら裁判すれば良い・・裁判制度が完備しているから間違っていれば違憲判断してくれるよ!これが法治国家だと言うのでしょうか?
裁判出来ないよりもマシですが・・。
日本の刑事裁判では99、何%の有罪率であることが有名ですが、文化人が「これでは裁判の意味がない」と嘆くのが普通ですが本当にそうでしょうか?
大分前に(小泉改革だったか?)我が国も、事前審査をやめてアメリカのように事後審査の社会になるべきだと言う論調が風靡して、その方向に舵を切り始めましたが民族意識・・常識と合わないらしく、あまり定着しているように見えません。
粗悪品でも何でも作って市場に出して「中毒事故が起きたら損害賠償して治せば良い」と言うのでは、国民が困ります。
犯罪検挙も確かな証拠もなくても、先ずは検挙して勝敗は裁判所が決めてくれたら良いと言う運用も同じ発想です。
これでは裁判の無罪率が上がるわけですが、大雑把な捜査ですぐに裁判される(・・その代わり原則として保釈を認めて長期勾留を防ぐ運用ですが・・)のでは国民は叶いません。
戦後は何でもアメリカ迎合・100%受入れている韓国では、最近も検察が証拠もないのにデモの勢いに圧されてサムスン副会長の逮捕請求して裁判所にはねられました。
数年前には、ソウル産經新聞支局長に対する名誉毀損罪の起訴でも分りますが、(仮に身柄拘束されなくとも)あとで裁判で無罪になってもその間の言論萎縮効果・・被告人にされた方の精神苦痛は絶大です。

異民族と価値観分裂2→横断的価値共通

新興国ではそれまで裸足で歩いていたような庶民が徐々に大手企業の工員・・準中間層に育って来ると、何千人の工場に僅かしかいない大卒幹部に憧れて子供に学歴をつけさせる動きが始まります。
こうして韓国でも中国でも膨大な大卒が生まれているのですが、幹部の必要性が急膨張する訳がないので中韓共に大卒の就職難・・中国で有名な蟻族が生まれるようになります。
取り残された内陸部と成長した沿海部の格差よりは、大卒の不満の方が社会不安のマグマとして大きいように見えます。
生産技術の単純化により未熟練労働者でも物を作れる→先進国では工場の海外移転で中間層や管理職がその分不要になって行く・・他方で大卒の中で研究員や金融等にレベルアップ出来るのはホンの一握りですから、先進国、中進国、新興国を問わず、世界中で大卒過剰時代の到来・これがチュニジアその他世界中で不満層の拡大・・混乱の芽になっています。
格差社会とは言い得て妙ですが、グロ−バリズムによって先進国では潤う人材はホンの一握りであって、20世紀の中間層の多くはグロ−バリズムによる恩恵がないどころか、逆に無用化してふるい落とされる対象にされてきました。
従来中国の急激な発展が生み出す格差危機到来をマスコミが指摘していましたが、新興国ではせっかく苦労して子供を大学にやったのに上流階層へアップする夢が実現できないだけに比べて、先進国では既存の地位からの脱落ですからより打撃が大きかったことになります。
アップルの大成功を見れば分りますが、アメリカ人自体の関与は全世界従業員の内でホンの僅かです。
20世紀に隆盛を誇ったGEの家電等製造を中心としていたときの国内製造業従業員数と比較すれば明らかです。
変化に比例して流れ作業向け人員や中間管理職も大幅に減ってます。
日本の場合欧米や中韓と違い、エリートはゴルフなどをして遊んでいる階級ではなく率先して働く社会ですから、海外工場や店舗進出すると、現地指導要員等の需要や国際的マネジメント需要などがあって、むしろ管理職候補が足りないくらいで国際化進展によるダメージは殆どありません。
(追記ですが、偶然今日の日経夕刊トップに管理職の中途採用枠を大量に増やしている→不足状況が出ています)
今朝か昨日の日経新聞では、クルマの黒字増加は、輸出台数が減っても高級車輸出にシフトしているからだと言う解説が出ていました。
同じクルマでも高級車にシフトすると熟練工の需要比率が上がります。
農産品も高級化して輸出品になって来ると熟練の技が必要です。
大卒というだけで高給を得ていたエリートの地位低下の激しいのはエリートと人民の階級差を前提とする欧米社会のことで、このの受け売りで「格差社会反対」と言っても、日本ではみんな幸せに働いているのでピンと来ないのです。
PC(政治禁句)が何故広がったか?国際資本がグローバル化を進めるには異民族混合雇用が必須・これの批判を封じる必要、ヘイトスピーチ等として厳しく批判し、マスコミ等が「ヘイト」として洪水のような批判をしては、政治生命を抹殺する必要があったからです。
イギリスのEU離脱に対しては金融機関職員が自由に欧州へ出張出来ないのではないかと言う心配が頻りに報道されています。
ロンドンから金融機関が逃げるのではないかと言うのが一般的推測ですが、金融業者にとっては出入国の自由度に死活的重要性があることを表しているのでしょう。
アメリカは移民社会であり、しかも次々と入って来ることから、民族一体感に基づく共通価値が弱いことを書いて来ました。
最近PC(ヘイトスピーチなどの政治禁句)が何故批判されるようになったか・・・・アメリカでは、多民族社会のために民族的一体感に基づく正義感を縦割り的に見れば分裂しているとは言え、横断的に見ればある程度の最大公約数があるはずです。
その最大公約数としては、最近グロ−バリストによるPC(政治禁句)が行き過ぎていたことによる反発蓄積があるでしょう。
グローバル化による被害を受けているアメリカ国民大多数の不満は、民族縦割りではなく多民族横断的に起きていることに注目する必要があります。
ドンド入って来る新参者に職を奪われるのは白人だけではなく、ヒスパニックも黒人も既存住民に取っては共通の不満です。
雇用が失われる不安・・これが民族の壁を乗り越える民族横断的最大公約数になっているとみれば、トランプ旋風の原動力は少なくとも現にアメリカにいる人(・・この範囲は国籍のあるもの、グリ−ンカードのある者など細かく分かれますが)の雇用を守り幸福を考える政治をして欲しいと言うものだったのではないでしょうか?
この程度の主張・価値観の主張、括りならば、民族別の縦割りの壁乗り越えが可能です・・この最大公約数(マスコミの良いう人種差別キャンペインとは対局です)をトランプ氏が掌握したようにみえます。
トランプ氏の主張では、新たな正義が見え難い・・まだ見えないと書いて来ましたが、グローバリズム反対、雇用を守る点と言う公約数では、はっきりしているしその手始めに入国制限を始めたとすれば、一貫しています。
グロ−バリズは既にがっちりと国際秩序を形成してしまっているので、どうやってぶちこわして行くか・・成功するか失敗するかはすぐには分らない・・むしろ直線的成功はないと思って時間をかけて見守るしかないでしょう。
憲法論に戻りますと、今回の入国禁止措置が違憲か否かで司法の場で揉めていますが、戦時中に米国籍を持っていたのに日系と言うだけで強制収用したのは、文字どおり米国人の人権を侵害し違憲だったことになります。
憲法では国民の国籍離脱の自由があるだけであって、外国人をどう言う基準で受入れるかについては主権国家の裁量です。
憲法
第二十二条  何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
○2  何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
上記は、日本の憲法であって日本国籍を有する者の人権保障を書いたものであって、外国人が自由に出入りするのを日本政府が保障したものでないことは誰が考えても明らかでしょう。
そうとすれば、今回のアメリカの訴訟騒ぎは外国人の入国をどう言う基準で「認めるか拒否する」かですから、日本で言えば出入国管理法の違反運用を理由に裁決取り消しにはなっても、憲法違反がテーマになりません。
アメリカの憲法で外国人の入国自由権が保障されているなら別ですが、一般的には法にしたがって出入出来ると言う規定がある程度でしょう。
ところが、アメリカでは、これまで書いて来たように後で出来た大統領令が既存法に優越するとすれば、大統領令が既存法に反していると言う主張が出来ない・・法律違反の主張が出来ないことになるので、憲法違反しか法的には争えないことになります。
だから憲法違反で争っているのでしょうが、いくらアメリカでも外国人に入国の権利を憲法上無制限に認めているとは、到底想定出来ません。
これまでの差し止め決定は、立法の裁量範囲としても、特定国人だけ禁止するのは裁量範囲を越えていると言う論理なのでしょうか?
これに対しトラン政権では7カ国はオバマ政権のときから指定されていたと言う反論になっているのでしょう。
新規入国禁止だけではなくアメリカのグリーンカード保持者さえも再入国禁止されているようですから、海外出張していた人が再入国出来ない・・アメリカにいる家族と一生会えないと人権問題になる・・報道だけでは見えませんので見守るしかありません。
民主党系は憲法違反に持ち込みたいし、共和党系では「外国人には憲法上の権利がない」ここまでは立法?裁量の範囲内となるのでしょうか?
報道では多くの州政府が意見書を出しているらしいですが、入国禁止措置が州経済活動にどれだけのマイナス影響を及ぼしているかの意見は、本来政治論であって憲法論とは関係のないことですが、政党色の強い裁判官には影響力があるのでしょうか。
憲法論はアメリカ人に任せるとして、トランプ氏の既存秩序への挑戦・・特に二国間協定の押しつけは日本に大きな影響があるので日本では大きな心配のタネです。
グローバル化からの脱却が始まると日本にも大きな影響がありますので、トランプ氏が国内経済や国際経済をどのように構想しているかが見えない不安ですが、それは追々発表して行く流れで見て行くしかありません。
一般の国内政治でも国際波及効果を無視出来ませんが、ましてグローバル化反対政策となれば国内外一体的解決が必須ですが、規模が大きい分に比例して反作用も大きくなり、困難・行きつ戻りつの紆余曲折が予想されます。
フランス革命、イギリス2度の革命・アメリカのボストン茶事件、明治維新でも、全て前もって筋書きが決まっていたことはありません。
フランス革命の例を見ても、いろんな体制変更があって落ち着くまで長期間を要していますから、5年や十年で落ちつかないからと言って必ずしも時代錯誤の運動とは言えません。
既存秩序を前提にすると部分的改善案の場合、提案者は起承転結全て論理的説明する必要がありますが、世界的な秩序転換が始まる場合には始めから何もかも整合的な説明を期待するのは無理があります。
5〜10年は先の見えない無秩序・混沌時代が続く覚悟・・日本がうまく生き抜いて行くには手探りの応用力が求められます。
混沌時代が来ると、過去の学習に得意な秀才ではどうして良いか不明で出番がなくなるので、エリートほど必死の反対をするしかないでしょうが、既存秩序をぶちこわそうとしている相手に既存秩序に矛盾すると批判していてもかみ合っていません。
この際大規模に既存秩序変革を選択するかどうかは裁判所ではなく選挙、民意で決めるべきです。
今回の選挙の洗礼を受けていない各州知事の意見の多数で決めるのでは、大統領戦の結果を無視することになりそうですが、アメリカ国民が決めることです。

大統領令5(民主主義制度と民度)

トランプ大統領の課税アップ宣言・その実行するための大統領令の国内法的側面に戻ります。
幾多の革命が課税を巡って起きたことで知られるとおり欧米では,課税権は議会の絶対に譲れない専権事項・・正義とおしえられて来ました。
我が国でも租税法律主義と言って行政府には課税権がありません。
フランス革命以降、法がない限り人権制約出来ない仕組みを持つことが近代国家と言えるための基本とおしえられて来ました・・これも先進国の共通価値観です。
憲法
十八条  何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
第三十条  国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
関税引き上げによる究極の影響を受けるのは外国の輸出業者,・・例えばメキシコや中国ですので、国民相手ではなく対外行為だから国民の人権に関係ないからトランプ氏がイキナリ無茶出来るのだと思っている方が多いと思われますが,実は関税を納税するのはアメリカ国内輸入(業)者です。
以下のとおり,日本法で言えば関税納付義務者は輸入者・国民ないし内国企業ですし、この原理はどこのクニでも同じでしょう。
※消費税で考えれば分りますが、消費者が納めるべきと言ってもパンや牛乳を買った個々の消費者から具体的に徴収する方法がないので、業者が代わって納付義務を負うのが法の原則です。
輸出した外国人相手に「払え」と言っても(トヨタなどアメリカに進出している大手は別として外国に住んでいる個人的輸出業者相手に)取りようがありません。
輸入者に負担があると、喩えば国内企業からの仕入れ商品より1割安いから輸入している場合,関税で2割取られると仕入れが割高になるので結果的に輸入が減る結果、実質的輸出が減る・・対外標的の政治問題になっているのですが,法的には国民に対する課税強化です。
国民に対する課税強化が国会無視・・大統領令だけで決められるとすれば・課税法律主義の原理に正面から反します。
関税法(昭和二十九年四月二日法律第六十一号)
(納税義務者)
第六条  関税は、この法律又は関税定率法 その他関税に関する法律に別段の規定がある場合を除く外、貨物を輸入する者が、これを納める義務がある。」
実際の被害を受けるのは外国ですから、国民の反対がないと見込んでいる・・国内多数であれば何をして良いかの議論の一場面です。
july 16, 2013「民意に基づく政治4(大統領制と議院内閣制3)」前後で大統領制は選任手続を世襲から選挙にしただけでその後は一任支配を前提にした社会・・個々の政治テーマで民意を聞くとまとまらない社会に妥当する制度だと言うことを連載したことがあります。
日本では、法や憲法がないときから・・古代から何事もムラ社会では寄り合いで納得の上で決めて行く社会ですが,PC(きれいごととして)だけで民意重視必要と習っただけの社会・・実際の納得を前提にしていない社会では、合意形成が形式に流れ勝ちです。
投票箱民主義と揶揄される所以です。
民族共同体意識の確立されていない社会で・・PC(きれいごと)流行批判を2月4日に紹介しましたが、形式的人権擁護論だけでは解決で来ません。
合意で政治をする・本当の意味の民主主義社会になり切れていない・投票箱民主主義社会の底の浅さが大統領令の乱用・・亡霊が出て来ることによって露呈します。
現在社会でしかも世界の指導国を任じていたアメリカで,こう言う専制的命令が(トランプ氏個人資質の問題ではなく,クリントン政権もそうでしたし)過去の積み上げた法令無視で自由自在・・専制君主並みに大統領令が出て来て・・しかもPC・偽善的表現を棄てて猛威を振るい始めた・・アメリカ社会の本音が出て来たことに驚いているのが世界の現状です。
本音と言うより、これが本当のレベルだったのです。
どんな立派な制度があってもそれを運用する能力・・構成員の多くが心の底からみんなの意見や気持を尊重するかどうかは民度次第と言うことでしょう。
「仏作って魂入れず」の状況です。
ナチスも、民主主義・ワイマール憲法下で委任立法制度の悪用で猛威を振るったものでしたし、ソ連のスターリンの独裁・恐怖政治も下部組織から順に持ち上がる形式主義を悪用したものでした。
大学自治会やその他組織で意見集約行為が形式に堕して一握りの活動家が私物化してしまったのは、構成員の未熟性に帰すると思われます。
大学生程度では、まだ自主運営するには十分成熟していないから「形式論・・多数決さえ取れば良い」だろうと反対論を無視することの繰り返しで誰も参加しなくなる・・反対者が減る一方でドンドン尖鋭化します。
学生自治会の場合参加しなければ良いのですが、逃げることが出来ない国民・・・これを国家規模で貫徹し収容所列島にしてしまったのがソ連の民主主義でした。
人民みんなが声を上げてデモ出来るわけではない・・政治に携わる人は、文字どおり声なき声を十分斟酌・忖度しながら政治をする度量が必要です。
アメリカで、歴代大統領が自制して来た大統領令の濫発をトランプ氏が始めた・・しかも過去に蓄積して来た人類の智恵・・各種国際合意全部について「ちゃぶ台返し」のように全面否定する選挙スローガンを掲げ、政権につくとそのまま実行し始めた・・しかも法的にこれにブレーキをかけるのは司法権しかないのでは驚きです。
司法権による救済は国内人権侵害対応しかしない・・国際合意・・国際的正義の破棄には何ら権限もないので、被害国としては押し止める力があるかどうかだけで、相手に抵抗する力がない場合、暴走しっぱなしになります。
これではまさに中国やロシアのやりたい放題の仲間入りです。
トランプ氏は、今後世界の指導国の地位・国際的に歴史上形成されて来た正義・・格好付けを放棄して横暴・・やりたい放題やると言う主義主張のようにみえますが・・。
これはアメリカ人(ピープル)レベル低く、いわゆるPC(政治禁句・きれいごと)政治について行けない・・疲れたことによります。
成金が上流社会に参加してみて複雑な礼儀作法に疲れ切った状態に似ています。
自由主義の本家グローバリズム・・金融等業務では成功している・・尤も恩恵を受けているアメリカとイギリスがそろって移民反対に転じた理由は、グローバル化成功しているからこそ早過ぎる進行速度について行けない一般国民の不満が大きくなったと見るべきです。
急激な高度成長する新興国で、ついて行けない階層とのギャップが大きくなるのが普通ですが、新興国では底辺層の工員等現場系の仕事から増える関係で恩恵を受ける層が厚く大きな社会問題になりません。
格差といっても農村に残っていて都市労働者になり損ねる不満とこれまで得ていた地位喪失の不満とは質が違います。
高度成長期に農村に取り残されて成長の恩恵にあずかれない不満に比べれば、既存の地位喪失・・失業や降格倒産の方がダメージの方が圧倒的に大きくなります。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。