ロシアの台頭と資源(民族文化の有無)1

話題がズレますが、もう少しロシアの(独自文化のない)民族意識・・とは何か?という疑問について書いて行きます。
エルミタージュ美術館はドイツ諸候の娘であったエカテリーナ2世が(1700年代後半から、ナポレン戦争終わりまでの治世)ころにドイツ〜フランス、イギリスその他の収集家の持っていた「所蔵品をまとめ買い」する方法で蒐集を始めたことに始まります。
映画を見ていると成金になって文化も身につけようとしても自分で選別する能力がないので?、自慢の作品の多くは西欧の有名所蔵家の所蔵品を金にアカしてまとめ買いした印象です。自国文化の紹介でないのはもしかしたらイギリスまたはアメリカ系映画だったからかも知れません。
何を見に行くかを知らないまま、妻に連れて行かれる習慣なのでどこの映画会社だったかを見損なってしまいましたが・・字幕に頼ってみていますが、聞こえてくる発音は英語だったようでした。
エカテリーナ2世はトルコと戦いクリミヤを奪いウクライナの大半を領有し、スウエーデンと戦いバルト三国を吸収したり・ポーランド分割を主導するなど大活躍です。
シベリアでいつから金が産出されるようになったかネット検索には出て来ませんので根拠がありませんが、その資金背景を想像すると、約100年前のピョートル大帝がシベリアに版図を拡大した効果が現れている・資源獲得・・金産出によるバブルがあったからではないでしょうか。
金回りの良さが相次ぐ対外戦争を可能にし地位相応の立派な宮殿やこれを飾る絵画・彫刻などの文化導入の欲求となり、国内改革も進めていわゆる啓蒙的専制君主・トキのリーダーの一人に数えられるようなりましたが、アレクサンダー大王や漢の武帝など外征を積極化した王朝はその後兵役に徴用される庶民の発言力の高まりや不満が蓄積し財政的にも負の遺産を受けつぐのが普通です。
エカテリーナ2世は、「どうせ先のこと」だという気安さから、啓蒙的人気取り・・人民に期待をいd化せるなどキレイごとを言い過ぎたので、農奴たちも期待してしまい後継者が苦しんだと原因を作ったのではないでしょうか?
贅沢するとその後が大変なように、お金だけはなく人民を兵士等として贅沢に使い過ぎた・負の遺産を残したことになります。
イギリスが対日戦に協力させる為インドのグルカ兵に独立させるような甘言を弄して期待させたことが大戦終了後の独立運動の元になり、ユダヤ人に建国を約束したことが戦後アラブ対イスラエルの紛争の原因になったのと同じです。
上皇や藤原氏が武士をいいように使っている内に武士の発言力が高まって行ったのと同じで、人をタダでは使えないと言う当たり前の結果です。
ロシアもその後長期的に農奴らの地位向上慾をかき立てて・・欲求不満が高まるし・他方戦争ばかりで財政危機に見舞われるようになった・・エカテリーナ2世死亡後の19世紀後半以降は国内不満が渦巻きその矛盾解決(農奴解放しようとすると大貴族が反対するなど)に苦しんだ挙げ句に解決能力がないまま、ロシア革命に突入してしまいます。
政治と言うモノは矛盾した主張をどうするかの調整能力次第ですが、これがない民度だと暴発になります。
ロシア革命が一朝にして起きたのではなく、長期間の矛盾蓄積によるもの・・その十数年前の日露戦争当時にもその前兆の反乱があって(第一次ロシア革命とも言います)、止むなくロシアが対日講和に応じざるを得なかった経緯を見れば明らかです。
http://www.y-history.net/appendix/wh1401-114.htmlによれば、戦艦ポチョムキンの乱は以下のとおりです。
「1905年、血の日曜日事件で民衆を弾圧し、日露戦争を継続するツァーリ政府に対する不満は兵士の間にも広まった。5月には日本海海戦でバルチック艦隊が全滅し、大きなショックとなった。そのような中で6月、ロシア海軍の黒海艦隊の戦艦ポチョムキンの乗組員が反乱を起こして艦を乗っ取るという事件が起こった。」
日露戦争では初戦では連勝していましたが、既に継戦能力のなかった日本はこれで救われたのです。
日米戦争は途中で終わるために・・仲介してくれる国が想定出来なかったので、無理を言われても隠忍自重して来たのですが、最後に自重し切れずに開戦に踏み切った結果、最後まで戦うしかなくなったので完敗してしまいました。
戦を始めるときは双方ににらみの利く大国・上位機関がタオルを投げてくれる準備が必要です。
信長も都合が悪くなると、足利義昭や朝廷を動かして和議を成立させて時間を稼ぐのが普通でした。
話題がズレましたが、ロシアを見ると独自文化のない国が資源収入による成金→軍事力を持ったと同時に世界中から美術品を買い集めただけのような民族では先がありません。
現在もロシアは原油が安くなると途端に苦しくなる資源頼みの国です。
以下15年と16年で見ておきましょう。
(1)・・15年分では前年比35/7%減の速報ですhttps://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_russia_2015
販売台数速報 2015年
ロシア新車販売、12月は45.7%減、通年は35.7%減の160万台
・欧州ビジネス協会(AEB)が14日に発表した2015年12月のロシア国内新車販売台数(小型商用車を含む)は、前年同月比45.7%減の14万6,963台となった。通年では前年比35.7%減の160万1,216台となり、3年連続でマイナスとなった。
(2)16年分では11%減の速報です。
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_russia_2016
ロシア新車販売、12月は1.0%減の14.6万台、2016年通年は11.0%減の142.6万台
・欧州ビジネス協会(AEB)が12日に発表した12月のロシア国内新車販売台数(小型商用車を含む)は、前年同月比1.0%減の14万5,668台となった。2016年通年の累計販売台数は前年比11.0%減の142万5,791台                       
中国が苦しいと言っても昨日紹介したように昨年は14%増以上ですし、アメリカも3%増(日本は飽和状態ですから更新需要しかありません)です。
ロシアは農業国家ですから、資源が下がってもベネズエラのように食うに困ることはないにしてもクルマの更新需要ほど庶民生活を正確に表す指標がないと思われます。
ロシアは日本の2倍以上の人口を抱えて年間需要が140万台規模で日本の年間販売台数の3分の1でしかなく、これから新規需要が増える途上国であるにも関わらず、15年は前年比35%も減り、原油相場が持ち直した16年でもなお11%も減少するとは異常です。
食品は10日も食わずに先送り出来ませんが、クルマの買い替え需要は、生活が苦しくなれば、6年に1回買い替えていた人が1〜2年先送りすることは平気ですし、この先自分も欲しいな・・と思っていた人が新規購入をためらう・・・・この結果売れ行きが落ちる・・新規需要による前年比増どころか、更新需要の多くが先送りされることほど景況感を良く表す指標はありません。
ベネズエラほどではないにしても、原油価格の上下に連動してロシアのクルマ販売の落ち込みが激しい・・ロシアは資源国家経済の比重が高い点に注意すべきでしょう。
独自文化のない国の将来は限られます。

アメリカの傲慢と中国の適応力2

5月19〜20日に書いたように中国は(国内向けに劣等感の裏返しで)格好付けのためにする対外強硬意見ばかり日本で報道されますが、国内ではしこしこと公害であれ礼儀であれ謙虚に学んでいるように見えます。
他方でアメリカは超大国の威信にこだわり何も学ばない・日本に対して理不尽な要求を押しつけてくるばかりですから、長期的に見て学んだ国と学ばない国との違いが出て来る筈です。
米中共に今はローエンド製品向け民度中心であり、人口大国で(広大な領土保有)共通しています・・ハイエンド技術に上がれる人は限られるので、その他の巨大人口をどうするかの問題に直面することは同じです。
同じならば、学ぶ意欲のある中国の方が、(まして、製造現場が微細技術中心になると、欧米人よりアジア人の方が基本的に器用です)アメリカよりも適応力がある・・民度が伸びる可能性があると言う意見になります。
5月20日の日経新聞朝刊では、上海デズニーランドの入園者が、開園10ヶ月で1000万人突破・・予定どおりで順調と出ています。
開園直後で批判の多かった入園者のマナーも批判を受けて良くなっていると出ています。
また日本国内経済に目を向けると5月20日日経朝刊では、国境をまたいだ通販の発達で訪日観光客が帰国後資生堂などのリピーターになっている状態が報道されています。
帰国後リピータ買い増加の結果、化粧品の輸出が過去3年で倍増し、化粧品だけの貿易収支では、史上初(今までは西欧ブランド品の輸入額の方が多かった)・・・輸出が輸入を上回るようになり、資生堂などは国内工場の増産投資をすると出ています。
その他省力化投資が盛んで、ロボット製造大国の日本企業が潤っている経済ニュースが従来から出ています。
「財政投入で持ちこたえているだけだから資金切れになれば直ぐに行き詰まる筈」と言う批判論ばかり見ていると中国の企業は気息奄々で、従業員もいつ解雇されるか心配している筈ですが、そのような説明では末端消費の力強さと矛盾します。
財投で景気の下支えをしながら着々と省力化投資に邁進している様子が、対日発注の変化から見て取れます。
海外観光客数や国内自動車購買数その他・・末端消費の実数をみると、それだけの消費者が育っていることは確かです。
クルマの年間販売が数年前には2000万台規模だったのがいつの間にか2800万台前後で安定するようになっています。
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_china_2016
2016年の中国新車販売は前年比13.7%増の2,803万台
中国汽車工業協会は12日、2016年通年の自動車生産・販売台数がともに過去最高を更新したと発表した。
・2016年通年の生産台数は前年比14.5%増の2,811.9万台、販売台数は13.7%増の2,802.8万台。伸び率は2015年と比べ生産が11.2ポイント、販売が9.0ポイント上昇した。
・乗用車の2016年通年の生産台数は15.5%増の2,442.1万台、販売台数は14.9%増の2,437.7万台となり、伸び率は自動車全体と比較すると生産が1.0ポイント、販売が1.3ポイント上回っている。」
以下はアメリカです。
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_usa_2016米新車販売、2016年通年は0.4%増の1,755万台で過去最高
「オートデータが4日に発表した12月の米国新車販売台数は、前年同月比3.1%増の169万429台となった。12月の季節調整済み年率換算(SAAR)は1,843万台/年だった。
・1-12月の米国市場の累計販売は1,755万351台で前年同期比0.4%増となり、これまで過去最高であった2015年の1,747万9,469台を上回り、記録を更新した。
・12月の販売は営業日が1日少なかったが、週末が5回あったこともあって前年同月比で3.1%増となった。」
中国では景気対策のために、小型車の減税があったと言え、その程度の臨時優遇策・・(アメリカでは、ガソリン値下がりで良く売れたと言われます)駆け込み需要はどこの国でもあることですから、全体的に2500万台以上の安定した消費力があることが重要です。
また伸び率で見てもアメリカが金融緩和出口戦略で「景気が最高潮」と言うにしては、アメリカ3%に対して不景気な筈の中国が13%増と大幅な違いです。
まだクルマが十分普及していないことから、伸びシロが大きい点があるとしても、絶対数で見てもアメリカの年間1775万台ベースと2800万台を比較すると(事業用も含むので個人保有とは限りませんが一応の目安です)クルマ購入層の人口がアメリカの約1、6倍もいることになります。
人口比の普及率の比較を書いているのではなく、中国の景況がどうかの基準で言えば、着実に安定成長している傾向が見えます。
上記のとおり中国は中国なりにキャッチアップに努力していることが分りますが、さしあたりアメリカの金利上げに追随するしかない点をどうするかが当面の難所
です。
3月15日発表のFRBの金利0、25%上げ・・今後金利上げが引き続く場合・・中国に最後のとどめを刺す始まりになるかはこれからの展開次第です。
EU危機で南欧諸国は不景気でもも独自の金融緩和・金利下げ出来ない難点が世界で認識されましたが、世界経済が一体化しているので、アメリカの金利上げに世界中が影響を受ける点では似たようなものです。
経済力の弱い純に金利を少しでも高くしないと金利の高い国に資金が逃げられてしまう・・たちどころに資金不足に喘いでしまいます・・資金不足・・不景気対策に金融緩和・主権国家だから紙幣をいくらでも増発出来ると言っても、為替相場がそれに比例して下がるので、輸入に必要な外貨を入手出来ない点では同じです。
これが現在進行中のベネズエラ危機・・国民が食糧難に喘いでハイパーインフレになっている通貨的側面です。
アメリカの金融政策の影響がないのは、多分世界最強経済・・最大純債権国の日本くらいでしょう・・。
日本は約20年ほど前から事実上世界基軸通貨国・・世界最低のゼロ金利政策を採用していても資金が集まる有事の「円」と言われる国になっています。
これこそが基軸通貨国の基準です。
表向き言えませんが・・既に日本は事実上世界の基軸通貨国になっていると言うのが私の意見です。軍事力・・物理的強制力がない程度であって、文化発進力でも腕力や宣伝によらずに事実上世界の底辺層に至るまで日本的生き方が世界標準になりつつあります。
文化発信国家と言う基準では、ちょうどエルミタージュ美術館に関する宣伝?映画が千葉劇場(私の事務所の2階にあります)にかかっていましたのでみて来ましたが、西欧の明がなどの紹介ばかり・・文化受容を自慢していることが中心で自国芸術が全く出て来ないのには驚きました。
もしかして独自文化のない民族って?悲しいものだな・・と言う感想を抱きました。
日本の国立博物館・美術館に行って、日本人の芸術品が1つもなくて海外の名作の所蔵ばかりが自慢はでは悲しくないですか?
今のプーチン・ロシアでは民族主義の固まりみたいに見えますが、自国民族の精神の固まりであるべき自国文化を主張しない民族主義って?ロシアって何のための民族国家なのかさっぱり分らない気がして帰って来ました。

アメリカの傲慢(半導体交渉)と中国の適応力1

商品の代わりに人間で言えば難民を送り出すクニがあると、送り出される方の治安や経済情勢が悪化します。
窮乏を基礎にした対外転嫁や先送りはいつか破綻すると言うのが定説ですが・・北朝鮮の例で分るように窮乏化競争では、より貧しい方が競争力があるのが普通です。
中国国内だけ見ると倒産先送り・国内雇用維持になっている代わりに、ダンピング輸出を受ける方にとってはその分国内生産が減る・・失業を輸出されているのと同じ効果になります。
中国人個人で見ても、世界中で世界標準の礼儀作法を守らないで汚しまくる・・大声で騒ぎ顰蹙を買う・・企業では知財の剽窃などルール破りが目立ちましたが、控えめに言って分る相手ではない・トランプ式恫喝が必要だと思う人も結構います。
そうは言っても中国の場合、国際ルールを知らないことに反省している気配が見えて、最近で大分礼儀正しくなっています。
企業行動でも低賃金・人海戦術は先がないとなれば、速やかに省力化投資に精出している様子がこの数年目立っています。
こう言う謙虚な精神がないのがアメリカで、熟練技術者不足となればレベルアップ努力するよりは作業工程を分解して流れ作業方式を編み出して未熟練者の大量採用で対抗する・粗放・大量生産の極大化を押し進めて来ました。
この一態様・・移民受入れ政策で・・要は労働者「数」で勝負する思想です。
粗放・大量生産方式に対して、日本のきめ細かい技術による対抗を受けて、これに再対抗出来ないとなると、先ず第二次世界大戦で一旦叩き潰し、戦後直ぐに再挑戦して来ると世界大国になった傲慢さから工夫するよりは開き直りに徹して来ました。
日本はhもう一度戦争になるとと大変なので、何を言われても「御無理御尤も」の精神で対応して来ました。
日本に追われるようになった繊維〜電気〜鉄鋼〜半導体〜クルマなど(腕力に任せて)日本に負けると次々と輸入制限しただけで安心し、国内での構造改革努力をせずにそれでも日本に負ける分野では海外進出して対抗する・スポーツも負け始めるとルール変更したり、低賃金競争に負けると移民で人口を増やす努力・・国民レベル引き上げの必要性に目をつぶり、その努力しなかったのが、戦後アメリカ政治でした。
いわゆる成功体験が新しい時代への適応を誤らせる好事例です。
日米経済戦争が次々と起きて来る中で最後の半導体では、・・アメリカの粗放生産向きの国民レベルでは、電子機器・・半導体工場等の微細工程をこなすには自国民には無理と諦めたのでしょう・・保護主義だけでは無理となって日本パッシングの道具・対抗馬として韓国企業を育てる方向へアメリカは舵を切りました。
https://matome.naver.jp/odai/2145459542538851901
卑劣 日米半導体協定 ⇒ 日本半導体産業崩壊
更新日: 2016年02月05日
日本は技術・経営で勝利したが,政治で敗北
概略
日本半導体研究開発成功 (大容量DRAM, 技術標準化)
 ⇒【技術的勝利】世界のシェアを奪う
  ⇒【政治的敗北】米国との協定により日本の半導体産業崩壊
   ⇒ 現在,米国と韓国が半導体のシェアを確保」
米国の政治的攻撃:日米半導体協定という不平等条約 (1986~1996年)
日本の半導体の輸出価格をアメリカが決め,日本市場の20%は外国に譲らなければならないという「日米半導体協定」を10年間結ばされ,その間に日本の半導体産業は衰退する。」
アメリカが日本企業の販売価格を勝手に高く決めてしまうことにより、他国と競争出来ないようにしてしまったことになります。
韓国企業を育てる応援を強制されたので?仕方なしに半導体製造装置を輸出せざるを得なくなり、それ以降日本は、いろんな分野で製造装置や部品の輸出で稼ぐ構造になりました。
この辺は逆に今の新たな経済パターンを作り出せて良かった・・ああすればこうする日本の柔軟な戦略にアメリカはいらついていることは確かです。
太平洋戦争に引きずり込まれて日本は痛い目にあったので、どんな無茶を言われても柔軟対応に切り替えていることになります。
この辺は逆に今の新たな経済パターンBt0CからBtoB方式にモデルチェンジ出来て良かった・・ああすればこうする日本の柔軟な戦略にアメリカはいらついていることは確かです。
戦後70年間・・隠忍自重をやって来たので韓国はアメリカの後押しさえあれば日本は何でも言うことを聞くと思い込んでしまったのです。
詳細を省略しますが、上記のとおりの理解・・占領直後に日本の工業生産を禁止ししていたのと似たような強制が1996年当時もあったのです・・サムスンの躍進はこうした米国の政略の後押しによるものです・・が今の常識でしょう。
アメリカにかかると経済原理・正義の基準も何もあったものではありません。
http://www.seminowa.org/seminowa_archive2014/articl_other/semi_news_V26_2.htm
日米半導体戦争
半導体シニア協会 理事長 牧本次生 
「この歴史を振り返って強く感じることは、首位を転落した後の米国の強烈な巻き返しである。超LSIプロジェクトの方式を「日本株式会社」と非難しながら、これが有効となれば、手のひらを返すような形でSEMATECHを設立。なりふりかまわぬ振る舞いには半導体を国家戦略として位置づける米国のすさまじい執念が感じられる。この当時、政府、産業界、大学、マスコミなど国全体で「米国の盛衰は半導体にあり」という認識が共有されていたのだと思われる。」
この後アメリカの応援を受けた中韓による日本に対する明からさまな敵視政策が顕在化して来ます。
話題を戻しますと、日米半導体戦争の決着以降日米経済戦争はあらかた終わりましたが、・・日本はクルマの製造拠点をアメリカ国内に作ることにしてアメリカの怒りをかわすのに成功したこともあり、他方でアメリカによる戦後台頭して来た対日押さえ込み政策が成功を収めていたことになります。
半導体交渉は、日本の輸出自主規制させておきその間に韓国企業を育てる政策であり、中国進出政策でした。
例えばGMは本拠地のデトロイトでの工員のレベルアップを放棄して、日本に対抗するためには中国で大規模生産して漸く生き残っている状態です。
アメリカ企業は、中国等の低賃金攻勢・・あるいはアジア人の器用さを武器にする攻勢に対して低賃金+器用な国に海外進出してしまい国内企業改革をしなかった・これがアメリカ国内産業空洞化の結果ですが・・他方で安い移民を入れる方に走ってしまったのとは違います。
アメリカ「民族系?」企業は嫌がらせされる心配がないので遠慮なく国外進出してしまう・・あるいはアップルのように99%中国工場で生産して逆輸入する・アメリカの産業空洞化を日系企業が穴埋めする入れ替わり現象が起きています。
この数年トヨタや日産、ホンダ等の日系自動車工場の進出先では、韓国系の慰安婦運動その他の反日運動に対する沈静化の支えになっていると言われますが・・。
中国の大規模なダンピングが世界の迷惑になっているかどうかは別として、中国はさしあたり国有企業温存の結果、国内大量倒産を防ぎ大量失業を発生させないで今のところ、何とかなっている・・見た目には成功しています。
これをどう見るかは立場によって違うでしょうが、イチガイに「ダメ」とは言い切れないように見えます。

社会保障や国債と世代間損得論3

国債の日銀引き受けは、満期が来ても日銀がまた引き受ければ良い・・永久に返済不用の国債ですから、債権の株式化の一歩です。
実は・・企業の社債も満期借換債発行の繰り返しで、事実上元本返済をし予定していない点は同じ・・国家破綻しない限り過去の旧発国債保有者は無期限保有出来るようになったと見るべきではないでしょうか?
日銀引き受けは事実上無期限国債と同じですから、政府にとって将来何のリスクもありません。
私の上記理解が正しいと断定する自信がありませんが、今の学問では分らないからと言って何でも反対するのって、責任がある立場の人としては仕方がない(何とかなるのじゃないの!とは言えない)とは言え、発展性がない印象です。
日本の消費税論議の1つの論点でもありますが、景気に硬直的な消費税が占める比重が上がると、景気変動に税収が左右されない・・税収弾性値が低いので財政の安定性を求める財務省が、景気変動に関係の少ない消費税にこだわる傾向があります。
逆から言えば不景気で国民・経済界の所得が減っても、税だけ多く取られるシステムはおかしい・・不景気で収入の減ったときには消費材の価格も下げて欲しいのが普通の景気対策ですが、付加される税率がそのままと言うのは納得出来ないと言う反論も然りです。
財政の立場から言えば不景気のときこそ財政出動のために財源が必要・税収を上げねばならないと言うことでしょうが、民間からすれば不景気で収入減でも税が変わらないのでは変な気持ちがします。
トランプ氏の法人税減税や大規模インフラ投資の選挙公約の財源をどうするのかと言う説明がない点で、実現性が危ぶまれているのも同じ原理です。
財源手当てないまま減税すれば、政府機関の支払不能・政府機関の閉鎖になり兼ねません。
この辺は、消費税でない所得税や法人税でも同じ・・財政政策の財源を税収に基礎を置く限り、景気が良くなれば税収が上がるから消費増税する必要がないと言う意見でも無理がある点は同じです。
不景気が永久に来ないと言う前提ならば分りますが、「景気を良くすれば税収が上がるから消費税を上げる必要がない」と言う意見によれば不景気が来たときに(不景気で税収が下がるから元々の固定経費にも足りなくなる外に不景気対策の財政投入資金が必要でダブルで資金不足になってこの穴埋めのために)大幅増税するのか?と言う矛盾があります。
「消費税を上げて景気を失速させて税収を減らしたら元も子もない」・・「角を矯めて牛を殺すな」と言う程度の意味では正しい意見ですが、いつかは不景気が来るのですから、それに対する備えとしては論理が破綻します。
ここでは、政府対国民の被害者意識で書いているのではなく、経済原理から言っても多分この素人的感覚・・「税金で何もかも賄う発想」そのものに無理があると言う感覚が重要でしょう。
この隘路を打開するために不景気のときに経済にカツを入れるための出費は、税で市場から資金を吸い上げるのでは余計不景気になるので、赤字国債で賄うという現実的発想が生まれて来たのです。
そして好景気のときのその穴埋めをしないなままにすると国債残高が膨らむ一方になります。
学校秀才・既存学習論理から言えば政府財政赤字=大変なことになると言う赤字国債・紙幣大量発行は鬼っ子ですから、経済官僚とその意を受けたエコノミスト総出で「異次元緩和」を批判している構図です。
アメリカ連銀もこの妥協を迫られて一刻も早い異次元緩和の脱却に追われています。
ベネズエラ危機が起きたのは、政府の負債が大きいからではなく、ベネズエラの国家・社会の購買力を負債が超過した・・購買力がなくなったことによります。
現在のハイパーインフレとは、購買力がないから他国が売ってくれない・その国の通貨ではどこも両替してくれない・取引してくれない・・物資不足でいくら国内紙幣を印刷してもその紙幣の国際的信用がなく・・ドルや円などの国際通貨でないと売ってくれないのですが、その外貨を手当てする資金がない・・国内紙幣を印刷しても食料品を生み出すわけではない状態を言います。
政府は社会構成の1主体に過ぎませんから、政府発行の国債残高の絶対額やGDP比には意味がなく、デフォルト危機・ハイパーインフレリスクは、民族国家全体の経済力・・国際収支上の対外債務が支払えないときに起こるもので国債の発行残高とは何の関係もありません。
我が国は世界1の純債権大国です。
ネット空間でも既存論理を前提に現状批判している評論が多いのですが、国債悪玉論だけはなく対中、対韓批判であれ何であれ既存論理煮しがみついている限り無理っぽい印象です。
旧来理論・スキームによる理解では中国の国有企業への財政投入の仕方では、・その内破綻すると言う論調が多いのですが、世の中はいつも動いてるのですから、新しいスキームで考えてどうなるかのかの検証・・意見が必要です。
中国が、赤字輸出の継続や無駄な投資が続く・・続けられているのは、中国大企業の多くが国有企業なので豊富な外貨準備の取り崩しによる下支え効果・ゾンビ企業温存策の結果と一般的に見られています。
ゾンビ企業温存・倒産先送りだからその内行き詰まると言っても、そのような先送りは先進国でもしょっ中やってきたことです。
好不況の波があるので、不況時に公共工事等に財政投資して需要の下支えをして倒産を防いでいるうちに次の好景気が来るのを待つ方式です。
いわゆるケインズ式需要喚起策と金融緩和の組み合わせで世界中がこれの採用で大規模不況や長期化を防いで来ました。
構造不況・・その業界の競争力がない場合には、一時的に輸入制限などで保護している間に構造改革しない限り破綻の先送りでしかなく税金の無駄遣いで意味がありません。
・これこそがゾンビ企業温存策で、アメリカの電気・鉄鋼業などが日本企業叩きで輸入制限してもその間に構造改革努力をしなかったので結局どうにもならなかった例です。
中国の場合、下支えているうちに構造改革に成功する努力があるか否かの検証をしてから未来があるかどうかの議論すべきです。
この努力をしないで「下支えだから直ぐに行き詰まる」とは言い切れません。
中国の将来は出血輸出その他死に物狂いで倒産先送りしている間に(低賃金に頼るこ企業モデルを中進国並みの高賃金?に耐えられるように)構造改革が出来るかによるのですが、日本からロボット購入額がうなぎ上りなっているのを見ると輸入制限で安心してしまったアメリカと違い意外に健闘している様子です。
数日前に中国資本が買収した「ボルボ」の例を紹介しましたが、したたかに高度技術吸収にどん欲な様子が見て取れます。
高度技術が身に付くまでの資金繰りのためには赤字輸出しかないなど・・無茶な行動が世界に迷惑を及ぼしていることは確かです。
中国に取って必要なこととしても、鉄鋼に限らず色んな分野で不当廉売輩出源となって、世界の経済を蝕むマイナス面も考慮すべきです。
中国は、世界に迷惑をかけないで構造改革をする大人の対応が求められていますが、中国は地域大国の歴史しかないので、国内政治の経験しかありません。
まだ世界でスマートな振る舞いをすることに慣れていない・・その結果として出血輸出が目立ちましたが、排出源と言えば、公害出し放題で金儲けさえすれば良いと言う態度とも共通しますが、近隣国は迷惑です。

社会保障や国債と世代間損得論2

話題が国債日銀引き受けからハイパーインフレの原因・金利競走に飛びましたが、国債に戻ります。
内部的リスク・・喩えば、国債に頼るとデフォルトの危険・収入以上に無駄遣いしてしまう・・債務膨張するかのような議論もあります。
これもベネズエラの例を見れば分るように債務超過国の例を超優良資産家・・喩えば、百億前後の資産家が、5〜10万円程度の日用生活品をカードで購入すると知らず知らずの間に無駄な買い物をして借金が膨らんで危険だと議論しているようなもので・・当面と言うか中期的には全く意味のない議論です。
今のところ、赤字国債発行が危険だと大騒ぎすること自体が何とかして日本の内政混乱させたいと言う?「ためにする議論の疑い・・」ではないかの疑いがあります。
官僚の立場を勘ぐれば、古代から続く徴税仕組みを守りたいと言う郷愁が、官僚を奮い立たせているだけではないでしょうか?
強制徴収の税の比率をドンドン下げて税の比重を最低限にして行き、何かのプロジェクトごと・・補助金ごとに国債で賄う比率を上げて行く・・特定目的の国債発行で信を問う方が納税者の意見反映が容易で合理的ではないかの意識でこのシリーズを書いています。
プロジェクトごとの国債が各分野に広がると社会保障税も出来るだけ民営化して行く・・民間保険に委ねる方向に繋がるでしょう。
飛行機にエコノミーからビジネス、ファーストクラスがあるように、保険加入レベルに応じたサービスがあってもいいように思えます。
強制徴収による公営保険は最低限の医療や介護を保障するもので良い・・最高レベルの医療まで含めるのは社会保障の枠組みを越えています。
国債の場合、払いたい人に払ってもらう・・その代わりいつでも返す・・市中売却による回収仕組み・・評判が悪いと市中売却値が下がる・この評価システムが何故悪いのか不思議です。
官僚や為政者にとっては税の強制徴収・税率さえ決めてしまえば、税の場合何に使おうと事実上勝手です。
(国会審議が間接的にあるだけ・保険で言えば、給与天引きの保険料率さえ決めればその先何を保険適用にするかは審議会で決める・・国民の直接意見は無視出来ます)
強制出来る税や保険方式の場合、個別政策に対する市場評価を無視出来る便利な点が好ましいのでしょうか?
5月4日の日経新聞5p「中外時報」で地方自治70年のテーマの記載を読むと、大規模施設建設などの場合に住民投票制度創設案を総務省が作ったが自治体首長の反対で立ち消えになっている例が出ています。
(博物館・美術館学校設備ではリターンは無理がありますので、十字軍遠征のファンドやスエズ運河開設のように目的別国債と言うわけにはいかないでしょうが、非営利分野は神社仏閣の新造営のために行なわれてきた「勧進」のように篤志家の寄付で良いのではないでしょうか?
寄付や国債の任意購入に頼るには、所得税を安くして寄付出来る程度の資金余力を国民が持てるようにする必要があります。
町内会館の建設資金や、近所の私鉄駅の改造請願のために私も微力ながら応分の寄付をしましたが、全て税で賄うよりは出したい人が出す・・合理的です。
株式や社債を買いたい人に買って貰う・・途中換金したければ市場で売って回収出来る・・政府の国債も企業同様に政策に信用があれば優良株式同様に買って貰えるし、売買の対象になるべきでしょう。
社債発行するとその企業に借金が残り将来が危険と言う人がいないのに、(社債集めた資金で何に投資するかが重要であって社債の規模そのもを「悪」とは言いません)国債を社債と何故違った目で見るのかの問題です。
市場評価を経ていない税よりは・・将来の心配・・社債・国債のリスクは買った人の自己責任の問題です。
まして全量日銀引き受けになって行けば、民間の購入者がいないので暴落による損が起きません・・結局は日本の円通貨の信用性問題に帰して行くでしょう。
通貨の信用性は国際収支の長期的結果によるのであって、国債発行残額によるものではありません。
財務官僚が将来が心配・・と必死になるのは、税で取る方が便利で民間に頭を下げる必要がない・・と言うに帰するように見えます。
税金の場合には、過去にいくら多額納税していても何の実績にもならない・コマたっときにその一割も還付してくれるわけではありませんが、軍功があれば子孫まで領地保障してもらえたようなギブアンドテイクがありません。
国債購入で貢献しておけば豊かなときにはそのまま保有していて、イザとなれば子孫の代でも売却回収して生かせるメリットがあります。
寄付した人には応分の名誉が刻まれる・その程度で良いのです。
良い政治をしていれば、投資した国債をお金にして欲しいと言う人もいても、もっと買いたいと言う人の方が増える・・株式相場と同じで何の心配もない筈です。
政治に緊張感を持たせるには国債相場で使い道を監視するのが合理的です。
日銀の国債引き受けは相場の影響を受けない・・民意無視出来る点が、これまで書いて来た効用とは違って来ます。
日銀引き受けが常態化し、且つ新規発行国債だけはなく既発国債の市中売買にもアタマを突っ込むようになると、市場評価・市場性が完全になくなります。
満期が来てもその借換債を際限なく日銀が引き受けるようになると、政府としては有期限の国債を無期限化した・・政府が紙幣発行権を取得したのと同じです。
紙幣発行権を乱用することがあるとハイパーインフレになると言う心配が旧来理論ですが、私はそうは思っていません。
何回も書いて来ましたが、供給不足の場合に紙幣発行を2倍にすると価格が2倍になる論理ですが、供給過剰下では紙幣だけ増やしてもより多く買いたい人は滅多にいない・・どこの社会にも貧しい人がいますので、少しは購入量が増えますが、先進国ではその程度では工場増産+輸入の容易な現在では増産処理で間に合ってしまいます。
だからいくら紙幣発行しても豊かな社会では物価は上がらない・・その紙幣は円キャリー取引(日本は世界最低金利ですから日本で借りて海外運用したら利ざや分だけ簡単に儲けられる)によって、国外に流出して行きます。
これが資本収支上「円」の流出を通じて円独歩高を防いでいる仕組みですし、アメリカの貿易赤字によって流出したドルがアメリカ国債購入を通じて還流・ファイナンスされている関係です。
中国の場合、自国の経済力を反映して当然アメリカ国債より国内金利が高いのですから、アメリカ国債を買うのは逆ザヤですが政治力学上+人民元を割安にするために無理して買っていた損な関係になることも大分前に紹介しました.。
以下は16年10月までのデータですが、アメリカは0、5%中国は4、35%で約4%以上の逆ざやです。
国債や銀行金利と基準金利とは同じではありませんが、ほぼ比例して行くとすれば、仮にアメリカ国債を1兆ドル保有するだけでも年間400億ドルずつ利息で損をする関係です。
chuugokuhahttps://docs.google.com/document/d/1B_k-2lcstvNhZWWRqkWpEo0Evf1mJlU7NLjlDEZOEak/edit
「アメリカの政策金利の推移(2010年~2019年)です。
1月   2月   3月    4月   5月   6月   7月   8月   9月   10月   11月   12月
2016年  0.5   0.5   0.5   0.5   0.5    0.5   0.5   0.5    0.5   0.5
2015年  0.25  0.25   0.25  0.25   0.25   0.25   0.25  0.25   0.25   0.25   0.25   0.5
2014年  0.25  0.25   0.25  0.25   0.25   0.25   0.25   0.25   0.25   0.25   0.25  0.25

中国の政策金利の推移


中国の政策金利の推移(2010年~2019年)です。
1月     2月   3月   4月   5月   6月   7月   8月   9月   10月
2016年  4.35    4.35   4.35   4.35   4.35   4.35   4.35   4.35  4.35   4.35
2015年  5.6     5.6   5.35   5.35   5.1   4.85   4.85   4.6  4.6    4.35   4.35  4.35
2014年  6     6     6    6     6    6    6    6    6    6   5.6   5.6

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。