中韓・・中進国の罠3(造船業界の苦境1)

中国にとってはセコンドエンドレベル・・韓国企業が日本技術を模倣して作るだけならば、中国はそんな企業を誘致しなくとも日系企業と合弁する民族系で間に合っている時代が来ているのではないでしょうか?
フランス系の激しい凋落も同様で、この辺は日本人にとって西洋文化の理解が進んで来ると花の都パリーと習って来ましたが・・近代以降イタリア文化の模倣・・アレンジで文化国家の地位を僭称していたに過ぎないと分って来たのと似ています。
中進国の罠を抜け出すには、自国独自の文化を持ちそれで勝負するしかないと言う意見を大分前に書いていたのが先送りになっています。
アメリカは今やプラスマイナスの繰り返しですが、アメリカに独自文化があるのか?と繰り返し書いてきましたが、他所の文化のパクリではないにしても独自文化?レベルが低過ぎるように見えるので・・・長期的には中国に踏みとどまることは出来ない・・その内前年比マイナスに陥ると思われます。
韓国が日韓条約によって、中国よりも約20年早く技術導入した御陰で中国に対して先輩面出来たし、日本製品と似たようなもの・模倣品を割安で作れたので、最先端製品は無理でもセコンドエンド部品供給国の地位もありました。
ところが中国の技術レベルアップが想定外に早く進んだことにより、中国でその地位を失いそうになって来たばかりではなく、チャイナプラスワンでベトナム等への進出した日系企業(だけではなく中国資本の企業もベトナムやミャンマーその他の進出している)への部品供給国の地位を韓国と争う立場になって来ました。
中国がサード配備を名目に韓国企業閉め出しに動くようになったのはこうした背景があります。
以下クルマより技術移転し易い・・早くからある程度のレベルの造船業確立可能な結果、早くから中韓の造船業が競合関係に入っていました。
韓国造船業界の現状を見ておきましょう。
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/26134.html
登録 : 2017.01.04 22:56     修正 : 2017.01.05 11:47                       
韓国造船産業受注残高 1999年以後初めて日本に抜かれ 

政府の造船・海運産業政策の失敗も 韓国造船業の墜落に一役

                                                                   
    韓国・日本造船業注残量の推移(年末基準)//ハンギョレ新聞社
以下は昨年秋頃のデータらしいですが、背景は以下のとおりです。http://n-seikei.jp/2016/09/hanjinshipping-zousen.html
「韓国の造船大手3社の受注が過去最悪レベルで低迷し、今年の受注目標の達成が事実上不可能になった。年末まであと3ヶ月余りの段階で、3社の受注実績は年間目標の10%程度にとどまっている。
韓国の造船大手3社、現代重工業・大宇造船海洋・サムスン重工業は年初から8月までの受注実績が合計32億ドル(約3800億円)にとどまった。
3社の年間受注目標は302億ドル(約3兆1000億円)だが、今月に入っても目立った受注がなく、目標達成率は僅か10.6%という状況。」
    <韓国3大造船会社の受注状況>
大宇造船海洋は、8月までに年間目標の16%の達成率、大手3社の中では最も高いが、受注金額は10億ドル(約1020億円)にすぎない。年間受注額が35億ドル(約3600億円)を下回れば、さらなる人員削減など緊急の対策を講じなければならないと同社は見ている。
現代重工業(現代三湖重工業・現代尾浦造船を含む)は、今年、造船・海洋部門の受注目標を187億ドル(1兆9100億円)と定めたが、受注実績は商船18隻、金額ベースでは22億ドル(約2250億円)と目標額の11.7%にとどまっている。
サムスン重工業に至っては、今年の受注目標が53億ドル(約5400億円)だが、現在までの受注実績はゼロ。昨年10月末にタンカー2隻を受注して以降、11月近くも全く受注がない状態が続いている。
3社とも実質銀行管理下にあり、造船会社としては、世界の海運業界の動向にかかわらず、過大な目標を立てざるを得なかった面も低達成率の一因になっていると推察される。」
上記のとおり、造船業全部が銀行管理下=事実上倒産状況で、造船業城下町では整理解雇で飲食店も商売にならない光景が数年前から報道されています。

中韓・・中進国の罠2

衝突実験の映像でも日本車は人体へのダメージを減らすために車体が衝撃力を吸収するソフトな仕組み・・外形が大破する仕組みになっているのですが、反日騒動以降の中国では敢えてこれを堅牢なドイツ車に比べて危険・・日本車が大きく凹むのは経費をケチって鉄を薄くしている結果、衝撃に弱いかのようなイメージ映像を大量に流していました。
ところが、この1〜2年逆に衝撃吸収のために柔らかくしていると言う一歩進んだ説明が一般化して来たことが影響しているなど・・中国の場合報道規制が厳しいので中国での経済活動の成否は官製メデイアの宣伝次第です。
ちなみに韓国大統領の中国の式典参加は15年秋のことですが、時期だけ分るように簡略に引用しておきます。
http://www.recordchina.co.jp/b117105-s0-c10.html
朴大統領が抗日戦争勝利70年記念式典に出席へ、軍事パレードは未定=米国ネット「さよなら、韓国」「まるで、自分にかみつかせている犬の…」 Record china配信日時:2015年8月21日(金) 8時41分
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_china_2015

国別ブランド乗用車販売シェア (工場出荷台数)

2015年12月 2015年1-12月累計
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同月比(%)
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同期比(%)
民族系 103.64 42.4 21.6 873.76 41.3 15.3
日系 42.58 17.4 8.1 336.43 15.9 8.7
独系 36.70 15.0 24.6 399.82 18.9 1.5
米国系 31.22 12.8 16.7 259.57 12.3 2.8
韓国系 21.47 8.8 17.5 167.88 7.9 -4.9
仏系 7.72 3.2 19.1 72.93 3.5 0.3

資料:中国汽車工業協会発表、各種報道より

上記のとおり15年はまだ政治的には中韓蜜月時代ですが、クルマの販売増減データでは、既にこの年でも韓国車車の売れ行きが落ち始めていたことが分ります。
中韓蜜月時でも減少に向かっていたことから、経済の現場は政治とはあまり関係なく動いていたことが分ります。
上記は象徴的なクルマの例だけですがその他の各種工業分野も同様の流れになっていた筈です。
逆からみれば、この焦りが朴大統領をなりふり構わない中国接近に向かわせたのかも知れません。
中国人民としては最初のうちは、安い韓国車であるいはご飯さえ炊ければ高い日本製炊飯器よりも良かったでしょうが、人民の消費力がつき、民族系が力をつけ始めると外車なら民族系と格段に差のあるクルマでないと売れなくなって来た流れが見て取れます・・韓国車は早くから、民族系との競争に巻き込まれていたのです。
16年を飛ばして直近の変動率を見ておきましょう。

国別ブランド乗用車販売シェア (工場出荷台数)

2017年3月 2017年1-3月累計
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同月比(%)
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同期比(%)
民族系 95.68 45.64 7.30 272.03 45.74 6.54
日系 37.87 18.07 17.50 96.10 16.16 22.98
独系 39.18 18.69 -0.58 117.54 19.76 5.24
米国系 24.62 11.74 2.75 68.07 11.44 -1.20
韓国系 7.20 3.44 -52.66 27.34 4.60 -25.87
仏系 3.73 1.78 -31.18 10.25 1.72 -33.70

資料:中国汽車工業協会発表、各種報道より
4月の中国新車販売は2.2%減の208万台

国別ブランド乗用車販売シェア (工場出荷台数)

2017年4月 2017年1-4月累計
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同月比(%)
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同期比(%)
民族系 73.32 42.57 -1.94 345.34 45.03 4.62
日系 33.23 19.29 16.03 129.33 16.86 21.12
独系 35.04 20.34 1.21 152.57 19.89 4.28
米国系 21.45 12.46 8.77 89.52 11.67 1.02
韓国系 5.11 2.96 -65.21 32.44 4.23 -37.10
仏系 2.86 1.66 -45.52 13.11 1.71 -36.70

資料:中国汽車工業協会発表、各種報道より
上記のとおり毎年〜毎月のようにドイツ系に限らず米仏韓国系を大きく引き離して日系が桁違いに大きく伸びています。
4月に至っては全体の減少分を仏韓が主に引き受けている構図・・他所の技術の模倣でやって来た国は将来がない・・2番手の衰退が激しいのが分ります。
米系は3月がマイナスで4月がホンの少し+・・何とか脱落しないで踏みとどまっている状態ですが、4〜5年して民族系のレベルが上がって来るとどうなるか分りません。
ただし、中国はまだ砂漠や奥地の未開地?が多い点で都会や整備された空間向けの日本の得意分野と競合しない点がアメリカ系クルマに有利で長持ちする可能性があります。

中韓・・中進国の罠1

韓国の対日模倣からの脱皮の苦しみは、・・中国の成功スキーム・・低賃金労働者投入による世界の工場の限界が見え始めた苦悩と同様です。
日本から部品輸入して生産しているだけでは、ローエンド製品かセカンドエンド製品かの違いはあっても、中国と事業パターンが同じですから部品輸出国に脱皮するしかありません。
中国も世界の工場と威張っても低賃金を売りにするしかないのでは、新興国に追い上げられてしまいます。
両国の危機感(具体化する数年以上前から、当然分っていた・・)がタマタマ同時期に起きて来た・・「ローエンドを卒業して〜セコンド製品にレベルアップするのに必要な部品は韓国がちょっとの努力で出来る・・「購入して下さい・・努力して供給出来ますから日本に頼る必要がないでしょう」と言うのが、中韓協力関係成立の基礎でした。
「最早ローエンドの日本進出工場不要」を意思表示したのが改革開放の恩人である象徴的工場・・松下の工場を標的にした反日暴動の計画的実行でした。
暴動とは言いながらプロが火をつけて回っていた映像も出ています。
韓国に取っては世界市場で日本と競争するのは無理があっても中国で買い上げてくれれば、その経験で実力アップ出来ると言う読みがあったでしょう。
その頃から韓国の部品種出も増えて韓国の輸出先はアメリカを抜いて中国が一位になっています。
中国の抗日戦勝利記念行事では、西側諸国ボイコットの中で韓国大統領だけが戦勝国でもないのに、ロシアのプーチン大統領と並んで参列したのもその一環です。
中国の反日暴動の頃には部品輸出国だった日本は既に韓国に負けている//不買運動の結果売れないのではなく元々日本は韓国製に負けていると言う報道が頻りに流されていました。
中韓両国は最早日本に頼らなくとも良くなった・・日本は終わった・・と言う自信に漲った(日本マスコミですが・・)報道が続いていました。
まさに中韓共に目先に迫っていた新興国の挑戦にビビっていた反動で・・自分たちが協力すればやれると言う(根拠のない?)「武者震い」をしていたことになります。
この・・不安の裏返しの反日意識・・「日本に頼らずともやって行ける」と言う自己催眠・・対内国民宣伝・・潜在意識をそのまま剥き出しにするところが・・中韓共に浅ましい・・民度の低さを露呈しただけでしょう。
中進国から脱皮出来るか、その他の新興国の挑戦に巻き込まれて、埋没してしまうかの土壇場・・正念場が迫っている意識・・緊張感の高まりがタマタマ中韓同時期になったので、共同行動的に反日意識が燃え盛った原因と見られます。
ワンランクアップに関しては、中国の方はまだ独自性が不要なので、やって見て便利な方になびけば良いので気楽です。
ハイエンド製品はドイツに、セコンド製品は韓国からと使い分けてみたところ、セコンド部品へも中国企業が自製出来るようになって行くと、韓国との協調メリットが減退して行く一方となってきました。
ハイエンド製品では、日独では日本の方が最先端ですから(燃費偽装発覚のフォルクスワーゲンが象徴的です・・)ドイツに頼るだけでは回って行かなくなった・・反日暴動後意外に早く日本の再投資を懇願する方向に変わってしまいました。
表向き偉そうな顔をしていますが、裏での揉み手外交姿勢は半端ではなくなっています。
韓国だけが置いてケボリを食い・・遂に堪え切れずに、1昨年末に漸く日韓慰安婦合意に至った経緯です。
ただ、日本国民の方はここまでやられた以上は、アヤフヤな合意は許せない・・反日教育をやめて過去の反日教育を間違いだった謝罪しない限り断交状態の方が良いと言う怒りの声が圧倒的でしょう。
ただし、感情論は上記のとおりでも、大人の政治としてはやり過ぎも良くないので政府が高度な政治判断で妥協した以上は仕方がないか?と不満があっても政府の判断を尊重するしかないと言うのが国民の姿勢でした。
ところが、韓国が言い過ぎやり過ぎたことについて国際社会に御詫びするどころか、「民間がやるのは勝手だ」とばかりに合意後なおいっそう激しく日本批判を続けるばかりか、(日韓条約で解決しているのに)戦時中の徴用工への未払い賃金支払い請求の裁判をしたり、軍艦島の世界遺産登録に反対したり、売春婦・慰安婦像を韓国国内でも政府(地方自治体)の許可でドンドン建てている始末です。
これでは日本人の嫌韓感情が収まるどころではありません。
慰安婦騒動以来警戒心高まった日本からの次世代最先端技術移転についても、国民感情が緩まない限り到底前向きには進まないでしょう。
結果的に韓国が当面必要としている日韓スワップ協定締結どころの(国民感情)段階ではありません。
この協定は日本が一方的に韓国経済の保証人になってやるだけですから、反日の韓国を何故保障する必要があるかの不満が噴出します。
この辺は中国の方が大人ですから、直ぐに反日暴動、反日運動を自粛して政府の表向きの偉そうな姿勢とは別に陰陽に積極的に親日のメッセージを出し続けていますが、韓国人はこのような切り替えする智恵がないようです。
韓国の方が中国よりも反日教育期間が長い・・今の60歳台近くまで「日本は悪の権化」とする教育を信じ込んでしまっているために、政府が方針変更出来ない・・自分が長年やって来た悪政に縛られているようです。
これは自分の責任ですから、裏で泣きつかれても日本人が同情する余地がない・・自分で・・民族としてやって来た責任を取るしかないでしょう。
反日教育をやめて謝罪しない限り日本人の感情では韓国の先進国仲間入り・・離陸を助ける余地がないと言うことです。
高度な政治判断でいつ、どうすべきかは信任を受けた政府に御任せするとしても感情世界では上記の状態です。
世界中に「日本は嫌いだ」と言いふらして何の得があるか不明ですが、韓国民の脳内は理解不能です。
ところで、少子化や高齢化でも何でもそうですが、先進国が数十年かかって起きた変化が新興国ではホンの僅かの期間で同時的に起きるのが普通です。
試行錯誤期間がないのと最先端品から亜ローエンド製品まで同時に入って来ることから、適応が早いのです。
ただしその分国内的には西先端に直ぐ適応出来るホンの僅かな人〜ローエンドがやっと・従来型に留まる人と国内がバラバラに適応して行くので内部矛盾が激化します。
韓国が日本からの技術移転を数十年早く受けていた優越性が同じ期間持たない・・中国のレベルアップが予想よりも早くなって、韓国の仲立ちを省略して中国が直接日本から高度技術移転を狙う段階に入って行きそうな気配になって来ました。
中国は反日暴動・・レアアース禁輸その他の敵対行動後方針変更してクルマその他の最先端技術の日本工場誘致によって、従来のように数十年単位で韓国が先に日本から学ぶチャンスがなくなり、同時期入手段階になって来そうな雰囲気になって来ました。
反日暴動時には「日本の技術は遅れて来たもう学ぶべきものがない」と豪語し、だから売れないんだと宣伝していましたが、なお日本から環境技術・省力化投資その他の技術導入が必須と分って方針変更後イキナリ日本車が売れ始めました。
この1〜2年または2〜3年ドイツ車その他の外資系販売増に比べて日本車の前年比大幅増が続いています。

中韓バブルの行方3

メデイアは格差を強調するため(いわゆる角度付け報道の一例です)に僅か何%の富裕層が富みの50%を握っているなどと強調しますが、何%の富裕層と言うときには全人口を前提にしているとすれば・・その家族やその周辺で恩恵を受ける人皆貧困層の分母に数えていることになりそうです。
大手企業社長夫人などの多くは無職ですが・・その人たちが貧困層に計算されることになるのでしょうか?
「層」と言うからには、実際にその収入で消費出来る人など一族を富裕「層」の人数に加えるべきではないでしょうか?
大金持ちであればあるほど比例的に恩恵を受ける取り巻きが増える関係ですが、これを富裕層に加えると・・例えば数%の富裕層が富みの半分を握っていると言う表現が10数%の富裕層が・・と変わります。
これを消費の場面で見ると、一人で食べたり旅行しても楽しくないので家族4〜5人で食事し、旅行し観劇するのが普通ですから、クルマやパソコンなども子供に買い与えるので、消費の量から逆算すると4〜5倍の富裕層がいるような計算になります。
旅行者数やクルマ購入数からの逆算が本来の分布でしょう。
中国の富裕層0、1%で140万人しかいないとしても、その家族で高額旅行し飲食し、クルマを買うのが普通ですから、統計数字の何倍もの人が富裕「層」の生活をしていることになります。
裸官一人に群がる周辺が10人前後いてもおかしくありません。
富裕名義本人は権力抗争に命がけ・・忙しいので楽しむ暇がなく、その奥さんや子供らがスポーツカ−を乗り回し、海外留学したりし食事し観劇し旅行したり良い思いをしているのが普通です。
消費量が大量だから底辺底上げが進んでいるとは限らない・・の旅行者数やクルマ販売量等が、同数の富裕層(者)がいるとは限らない・・極端な格差社会でも結果はそれほど変わらないことを前提にする必要があるでしょう。
格差社会でもその国のトータル経済力にある程度消費が比例する・要は自分の稼ぎで遊べるか、親や雇い主・お金持ちのお相伴でゴルフしたり・・あるいは寄付などで遊べるかの違いです。
大分前に書きましたが、金融・知財等の特殊一握りの巨額稼ぎをする人から税で取り上げて(アップルの巨額利益・・株式時価総額を例にするとその恩恵は株主にしか及びません・・労働現場は中国です)生活水準平準化を図るためにフードスタンプや生活保護レベルの引き上げをして貰うよりは、自分の稼ぎで楽しみたいのであってそのための職場の提供こそが重要です。
ところで、韓国の場合も、海外旅行熱が盛んで15年には日本を追い抜いたと報道されています。
http://www.recordchina.co.jp/b146929-s0-c30.html
配信日時:2016年8月8日(月) 9時20分
「韓国観光公社、韓国統計庁、日本の法務省などによると、15年の韓国人の海外旅行者は1931万人で、前年より20.1%増加した。一方、日本は4.1%減の1621万人に留まった。」
ビールでもピアノでも普及し始めると上昇率がすごいですが、一旦普及すると安定するのと同じで日本の場合は既に「海外旅行熱は10数年前に一巡しているから」と言うのが私の意見ですが、いずれにせよ、今のところ台湾・中韓〜新興国の海外旅行熱が盛んであることが分ります。
内需奨励・・消費者社会になると不足品の供給入手優先を卒業し、より高度な楽しみを身に付けたい階層が増えると先進地域へ行きたくなる・・しかもリピータになる傾向があります。
海外旅行者数を日本と比較することに意味があるのではなく、ここでは中韓の観光客がへらない・・世上中韓経済が大変と言われている割に、一定の安定階層の存在が認められる点が重要です。
個々人が非正規雇用化の増大で大変なのと、国全体が大変なのとは違います。
本当に生活が苦しくて大変ならば、海外旅行する人は滅多(ただし不法就労・・売春・窃盗集団が旅行名目的で日本に入って来る・こう言う人は貴金属強盗や窃取などするとその日のうちに出国するなど超短期に出入りを繰り返すのでその分統計数字としては大きく出ます)にいない筈だからです。
無職無収入でも親の余録で何回も日本に来て高級ホテルに泊まる人が一杯いるでしょう。
この階層の存在が先進国の低金利で借りた借金や投資資金流入が回り回って潤っているとすれば、金利が上がると・・どうなるか?・・底が浅いことになります。
平成27年分ですが、韓国人の日本での消費額を見ておきましょう。
訪日韓国人観光客かどこから日本に入国しているのかも特徴的です。
日本へ入国の際には自国からより近い空港、福岡空港や関西国際空港の利用率が他の国と比較して高く、特に福岡空港は各国からの観光客全体の平均が7.8%に対して訪日韓国人観光客は19.7%です。

訪日外国人1人当たり旅行支出と旅行消費額:観光庁 訪日外国人消費動向調査より引用
訪日外国人1人当たり旅行支出と旅行消費額:観光庁 訪日外国人消費動向調査より引用

韓国の場合、日本との関係が深く気楽に往来しているリピーターが多い関係・割安系を自分で選ベルようになっている点が考慮されるべきですが・・。
韓国内需拡大を見ておきます。
韓国は反日運動以降外需に頼る経済がうまく行かなくなっています。
基幹産業とも言うべき造船事業の受注ゼロ化に始まって韓信海運の倒産・・現代自動車の減益・サムスンスマホの爆発など弱り目に祟り目とはこのことです。
ただし、この数十年に及ぶ日本企業模倣の産業スタイル・・俗にいうところのコバンザメ商法が壁に打ち当たったことによる脱皮の苦しみですから、うまく行けば、次のステージに上がれます。
これをチャンスとして独立国らしい自前の産業構造に転換出来るかどうかがこの先の明暗を分けることになります。

中国経済対策の成否(内需拡大の限界)4

韓国も漢江の奇跡と言われるように高成長を経てある程度中間層が育っていたのですが、アジア通貨危機の打撃を受けて以降非正規労働者化が極端に進んでしまった結果、アメリカの格差どころではない・・国内不満が充満するようになったようにみえます。
セウオール号事件や朴大統領疑惑でも、何か切っ掛けさえあれば国民中が狂ったようになるのは、元来の国民性もさることながら、日頃からの不満が発火点に達しているからではないでしょうか。
中国は漸く工場労働者の生活がマシになって元気が出たばかりですが、これを謳歌する期間が韓国よりもさらに短く・2〜3年の連続賃上げと同時に製造業の中国離れが始まってしまいました。
この結果生き残りをかけて中国企業はサービス経済への変身と省力化投資に邁進していることを紹介して来ましたが、その変化が成功すれば製造業の縮小あるいは省力化転換→大量の労働者の仕事をどうするかが大問題になって来ます。
アメリカがその典型ですが、省力化投資と海外展開で職場を失って多くはサービス業従事者に転落し、非正規化した労働者の不満が渦巻いています。(差−ビス社会化すると賃金が低下して行くことはこの後で書く予定です)
これが格差問題ですが、この格差不満がグローバル化の進展によっては、国際紛争の火種になる時代が来るでしょう。
中国の場合には、外貨取り崩しによる追い貸しや公共投資続行で・無駄な鉄道を造る外にマンションバブルを政策的に誘導して・庶民から資金を吸い上げて建設関連産業(製鐵セメントその他関連産業の裾野が広い)の崩壊を食い止めて来たのがこの4〜5年の政策ですが、無駄な投資でも何でも良いからと言うヤミクモな内需拡大・・財政出動には財政の壁・長期的には国際収支上の資本の限界があります。
金あまり・・過剰流動性が発生すると専門知識不要で誰でも手を出せるし、供給制約がある不動産バブルになり易いのが世界的基本ですが、中国には土地所有制度がないので、中国政府は不動産バブルの代わりにマンションバブルを煽って来ました。
マンションバブルの場合、建築工事の需要・・セメント製鐵その他裾野が広いので景気対策をかねて便利だったからです。
さすがに2戸め3戸めを投機用に買っても・エンドユーザーがいない・・販売増加に限界が来たらしく昨年からの報道では従来のスケルトン渡しの商習慣を改めて、内装を仕上げてから引き渡す商取引が増え始めたと出ています。
こうすれば、同じ1戸のマンションでも付加価値が多くつく・・内装業者等も潤います。
今朝の日経朝刊9pでは、中国の鉄鋼生産が内需目当てにこの3.4月に最高水準にアップしていると言う報道が出ています。
他方で少しでもマンション価格下落を引き延ばしたい苦肉の策なのでしょう。
その代わり内装をすれば好みの合う客層が限定される結果、汎用性がなくなる・・エンドユーザーの顧客の好みに合わないと売れないので床面積の違いだけの規格品としての転がし・・投機目的購入に向かなくなります。
投機目的で5年も6年も使用しないで転がしているだけでも内装設備が陳腐化してしまいますし、内装済みにすると転売目的・・投機目的取得と少しずれて来ます。
投機目的販売に無理が出た・・逆から言えば実需顧客が増えてきたからでしょうか。
ところで、中国では巨額賄賂が報道されるので所得格差が大きいような印象ですが、その割に投機目的とは言え、マンションなどの投機向き商品に限らず・クルマ(年間2800万台以上)であれスマホであれ需要が堅調ですし、海外旅行者数が衰えない(・・これらは投機目的とは言えないでしょう)のを見ると一定の消費が出来、あるいは投機資金の余裕がある中間層が着実に厚みを増していることは確かでしょう。
これが、自己資金によるのか政府のじゃぶじゃぶのマネーサプライ大量供給の恩恵によるのかどうかです。

中国人の海外旅行者数が1億人超に、29歳以下のミレニアル世代が5割に成長 -GFKマーケティング


「GFKマーケティングサービスジャパンは、2015年の中国人の海外旅行者数が1億900万人に上ったとの調査結果を発表した。消費額は2290億米ドルになり、旅行者数、消費金額の両面で、世界のトップレベルであるとしている。」
何やかやと言っても1億人(リピーター率2〜3回とすれば約3000万人)以上も海外旅行出来る人口を抱えている上に、一回当たり消費力も高い事実を直視する必要があるでしょう。
延べ人数としても2290億ドル÷1億人→一人当たり(あるいは1回あたり)約2290ドル消費ですから近隣・日本、韓国、台湾、フィリッピン旅行中心で、一人1回の旅行で約25万円程度使うのですから、まあまあの消費力です。
この海外旅行を支える階層に製造業従事者がなっているかについてみると、中国の製造業工場労働者の賃金水準は以下のとおりです。 http://www.recordchina.co.jp/b170728-s0-c20.html
2017年27日、英紙フィナンシャル・タイムズはこのほど、中国の製造業部門の平均賃金は、2005年当時の約3倍水準まで上昇しており、すでにブラジルやメキシコを追い抜き、10年後にはギリシャやポルトガルに追い付こうとしていると伝えている。写真は中国の自動車工場。
ユーロモニターによると、中国の製造業部門の平均時給は、05年から16年までの間に3倍増加し3.60ドル(約403円)に達している。一方、ブラジルは同期間に2.90ドルから2.70ドルに、メキシコは2.20ドルから2.10ドルに、南アフリカは4.30ドルから3.60ドルにそれぞれ減少している。
中国経済は全体的に賃金水準が上昇しており、すべての部門の中国の平均賃金は、05年の1.50ドルから昨年の3.30ドルに増加している。これは、ブラジル、メキシコ、コロンビア、タイ、フィリピンよりも高い水準だ。 」
年収と言っても非正規と正規では大きく違う外に、工場労働でも職種(金属加工系と家電系では)によって大きく違うなど、イチガイに言えませんが、17年の記事→16年のデータとしても時給400円程度とすれば、月収約12〜3万円と言うところでしょうか?
上記によると、海外旅行で一人平均25万円も消費出来る階層・・ましてリピーターになるには、労働者では無理でしょうし、ホワイトカラー系でも、管理職クラスになっても、家族で来るには無理な印象です。
GDPに占める消費率をhttp://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/entry-12276054471.htmlみると以下のとおりです。
「個人消費の対GDP比は、中所得国の平均で54.2%である。日本は6割、米国は7割である。ところが、中国の場合は37.1%に過ぎない。」
とありますように国全体では中所得国平均の約6割しか消費力がない・・、まだ、まだ全般的に消費レベルが低いことは確かです。
中国の場合、一部富裕層・・14億の1%でも1400万人もいますからこの更に上澄みの富裕層が1割とすれば、140万人が年に何回も旅行すると延べ700〜1000万前後になります。
メデイアの言う富裕層の定義がはっきりしませんが、孫正義氏を例にすると彼の家族数を知りませんが、例えば彼に未成年の子供ら3人がいる場合、その子供ら家族全員が富裕層の数に入っていないとすれば、孫正義氏が家族4人で海外旅行すると一行のうち3人は貧困層の旅行者になってしまいます。
実は億万長者自身は忙しくてグルメ巡りや温泉に行っている暇がない・無収入の家族が高級ホテルを利用しゆったり満喫するのが普通です。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。