表現の自由と思想の自由市場論3

ネットの発達によって中国ロシアなどの思想統制に無理がきて早晩破綻するはずと西側諸国が見ていたのは、実は欧米自身の世界メデイア支配の将来であり、中国の独裁制ではなかったことになります。
中韓の日本慰安婦騒動や南京虐殺などやアメリカによる東京裁判のストーリーの酷さを見ると、彼ら自分たちが戦争で勝ち進めばこう言う戦争犯罪を実行するレベルを前提で高潔な日本軍に無理に当てはめたものです。
彼らのでっち上げ主張自体が米中韓の残虐卑劣な民族本性を自己表明していることになっていることに気がついていないのです。
ネット発達によって欧米は自分のやっている間接的思想支配の限界がくるのを無意識のうちに中露の独裁制に当てはめて推論していたことになります。
ネット発達による思想統制破綻効果が、中国よりアメリカの間接支配の破綻に先に出てきていると言う意見を2013/10/07/「非賢人政治2」にも書きました。
中国の場合公然と言論規制を行っているので、政府に都合の悪い発信はハッキングされたか名誉毀損か事実無根かのまどろっこしい認定(あまりにも困難なのでフェイスブックが昨年末に自己規制放棄を発表したこと紹介しましたが)不要で、政府首脳の意向に反するか否かの基準で瞬時に問答無用で堂々と発禁・削除変更を命じられます。
例えば2週間ほど前の出来事ですが、以下のように官制メデイアが中国政府方針に反するとして瞬時に従来の報道方向を180度変更できる即時性のある社会です。
https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20180210.html

(3)「日本の成田空港で1月24日夜、格安航空会社(LCC)の上海行の便が欠航になり、一部の中国人乗客がLCC側の『対応不備』に強く抗議し、逮捕者の出る騒動を起こした。中国国内では反日ムードが一気に高まったが、『火消し』に奔走したのは中国政府だった。素早い鎮静化への動きには、中国主導の大規模経済圏構想『一帯一路』において、日本政府の協力を引き出すことを見越した、北京の懐柔戦略がちらつく」
(4)「この成田空港騒動は中国国内で大きく取り上げられた。『参考消息』や『新京報』、『環球時報』など官製メディアが1月26日、相次いで中国人客の言い分を引用した記事を掲載した。報道に煽られ、ネットの書き込みからは反日感情の高まりが見られた。
しかし、この反日モードは一日足らずで終了。
中国当局が『火消し』に乗り出したのだ。ほぼ同時にメディアも速やかに方向転換し、批判の矛先を中国人客の身に向けた。中国外交部(外務省)は1月31日、格安航空会社(LCC)を利用して海外旅行する中国人観光客に対し、契約内容を確認し、航空会社に過度な要求をしないよう注意喚起した。在日中国大使館の王軍・参事官兼総領事はメディアの取材で、騒動の発生は日本側には中国語通訳を適時に用意しなかったのが『妥当性を欠く』とする以外、規則違反とみられる行為が一切なかったと話した」
こうなると、哀れな存在が「反日」を煽った官製メディアである。規定方針通りの「反日」記事を書いたら、たったの一日で方向転換を余儀なくされたのだ。官製メディアのメンツは丸つぶれである。日本の『レコードチャイナ』も、この官製メディアの記事を流して、さも日本側の対応が悪いという印象を植え付けた。
(5)「日中両国は過去数年、靖国神社の参拝や慰安婦問題、尖閣諸島(中国名:釣魚島)、東シナ海などで双方の国民感情が揺さぶられる事案は絶えない。
しかし、今回の異例の鎮静化対応は、2016年12月に起きた北海道の新千歳空港でのトラブルでは、大雪による欠航に中国人乗客約100人が抗議し、騒動が起きたが、今回のような早期の火消しが行なわれなかった。今回は、北京政府は成田空港騒動の後、直ちに外交部と宣伝部と協調をとり、高まる反日世論を鎮めた」
(8)「メディアやネットに厳しい規制が敷かれている中国では、いかなる『世論』の背後にも複雑な政治事情が絡んでいる。成田空港騒動の翌日、中国政府のネット管理部門である国家インターネット情報弁公室(網信弁)が中国版ツイッター『新浪微博(ウェイボー)』に対し、『誤った方向性をもつ情報を継続的に伝播した』とし、『全面的かつ完全な』是正を要求した」
驚くのは、今回の騒動で中国メディアが訓戒されている点だ。「誤った方向性をもつ情報を継続的に伝播したから、全面的かつ完全な是正をせよ」と政府から要求されている。かつての「反日騒動」では、政府が先頭をきって煽ってきた。それが、逆の動きである。この一事を以てしても、中国政府が日本に対して腫れ物に触るような報道規制をしていることが分る。」

ネット発信・草の根の意見発信・拡散が可能になってくるとヒエラルキー的社会構造・上層部・教育界等網の目の要所要所を裏で押さえて支配するアメリカ・ユダヤ資本によるソフト?間接支配が不可能・・困難になりました。
道徳教育や思想教育をして教育効果・・自発性に委ねて10万人に1人〜2人のルール違反・・思想・道徳教育に馴染まない例外は、事後処罰で処理して行くのが効率的社会運営方法でした。
表向き表現の自由を保障しても、事実上個人にはデモ等を行う以外公的発信手段がなく多くはそれぞれが属している集団を通してしか意見発信出来ない社会でしたので、個人意見が表面化するまでに相応の整理がされてくるし、最後まで政府トップと意見が合わなくともそれなりの整理がしやすい・・最後はトップ交渉でまとまる社会を前提にしていました。
ネットによるフラットな言論空間になると組織意見や大手メデイアを頂点とするパイプを(修正)通さずにイキナリ我々素人でも全国民宛に発信できるようになります。
内容次第で全国的インパクトが生じる場合もあります。
昨日紹介したように、小川栄太郎という1フリージャーナリストが1冊の本を刊行するのにどこの組織決定・協賛を得なくとも出せる社会になっています。
こうなってくると、支配階層を形成しても「隠然たる睨みを効かせる」ことによる思想・行動支配が効かなくなります。
そして1ジャーナリストがたった1冊の本を刊行しただけで毎日何百万部という発行部数を誇る大手新聞社が言論空間で反論して抑え込めなくなった・(社会への影響力では勝ち目がないと思ったのかな?)訴訟に持ち込む事態になりました。
発信者が(政府あるは国外勢力の工作の及ぶ)大手かどうかではなく論旨が合理的か否かで勝負がつく、文字通りの「思想の自由市場」ができて来たことになります。
ネットの発達によって大手メデイアが「よいしょ」してくれなくとも、敵に回しても・大手取次店を通さなくとも出版できるようになったなど全ての分野でヒエラルキーが崩壊してきた事情が大きいですが、その基礎にはネット広告が広がったことが大きいでしょう。
大手メディアの報道や大手取次店が無視してもネット人気だけで出版してペイする社会が少数意見どころか個人意見の発表を可能にしています。
欧米先進国がこれを「素晴らしいことだ」と放置できるのか、それともソフトコントロールは無理だから中国が人海戦術でやっているモグラ叩きのように・・出る杭をどんどん打つ戦術に頼るのがい良いかの選択を迫られているように思われます。
さしあたり朝日新聞は訴訟戦術で行く・・その一つの「解」を出したということでしょうか?
「言論の自由市場」が機能するには、論旨が合理的であっても引用している前提事実が虚偽であれば読者が誤解してしまいますので、事実適示の真実性をどうやって担保するかにかかって来ます。
これがフェイク論争の基礎的関心です。
事実適示に虚偽がなく同じ事実に対する評価解釈の違いについては、まさに言論の自由市場で勝敗を決めるべきであり、同じ事実についての評価意見の優劣を司法が判断するのは行き過ぎです。
私には事実の真実性についてはどちらに分があるのか全く不明ですが、朝日は事実論争で自信があるからでしょうか?

表現の自由と思想の自由市場論2

メデイア攻撃の手段であるフェイク論争を「自然消滅させてなるものか!」というのが、トランプ大統領による年明けのフェイクニュース大賞の発表でしょう。
日本メデイアでは、この結果アメリカメデイア界との論争拡大が必至であるかのように紹介されていますが、メデイア界は注目を浴びるのがマイナスなので多分黙っているしかないのでしょう。
私がこのフェイクニュースシリーズを始めたのは、フェイクニュース大賞の発表に刺激を受けたものです。
http://www.news24.jp/articles/2018/01/18/10383232.html

アメリカのトランプ大統領は、ツイッターで自らが考案した「フェイクニュース大賞」に、ロシア疑惑を含む11件のニュースが受賞したと発表した。報道機関を挑発する姿勢に批判が高まりそうだ。
トランプ大統領はツイッターで「2017年は不公平なニュース、正真正銘の偽ニュースの年だった」と強調。11件のニュースが「フェイクニュース大賞」を受賞したと発表した。
ニューヨークタイムズは、2016年の大統領選でトランプ大統領が勝利した時に「経済は回復しない」と主張したことを理由にし、CNNテレビは最も多い4件のニュースで受賞したとしている。
また、ワシントンポストは決起集会が始まる数時間前の写真を掲載し、会場がガラガラだったと間違って報道したと主張し、最後にロシア疑惑そのものがフェイクニュースで共謀はないと強調している。

上記を見るとトランプ氏の目的は、フェイク(事実無根)というよりもメデイアの誘導していた「トランプ政権になると景気が悪くなる」というマイナス評価報道に対する批判であることが分かります。
ついでに上記日本の紹介記事自体が、ノーベル賞学者クルーグマンの意見が批判された・安倍政権が彼を招聘したことがあることを引いて「安倍政権が赤恥を掻いた」と言う鬼の首でもとったかのような報道がまっさかりですが・日本メデイアの特質・安倍政権批判に使える記事を中心に紹介していることがわかります。
フェイクニュース大賞として日本メデイアの紹介記事を見ると、事実無根というよりは、一方に肩入れするメデイアの意見主張を批判したもののようです。
英語圏でもメデイアで流通している思想とサイレントマジョリティー・一般意識が乖離してきたからメデイア界のトランプ批判の大合唱にも関わらず草の根の支持を受けたのです。
従来メデイア世界では、英米系ジャーナリズムが思想市場を支配してきた状況を前提に表現の規制は許されない・・「思想の自由市場」=英米系思想/グローバル化思想に合致するかどうかで淘汰されるべきというものでした。
中国の思想統制はネットの発達によって、早晩崩壊するだろうという見立てが15〜20年ほど前には主流でしたが、ハードというかシャープ支配の中国は徹底したネット支配によって見事にこれを乗り切っています。
アメリカの場合、思想の自由市場論・政府規制しない建前にこだわっている結果、逆に教育支配やCIAその他利用による間接的規制が効かないネット空間の自由奔放?あるいはハッキングによる発信力をソフトパワーで誘導するには無理が出てきました。
ロケットを飛ばせるのに電気釜や車をまともに作れない中露の現状について、ロケットなど巨大技術はスパイで盗めるが電気釜やトイレットペーパーなど日用品まで手が回らないからだ書いてきましたが、アメリカによる大手メデイア支配は要路の買収や脅迫・スパイ網で容易だが、草の根のネット発信者を買収・脅迫しきれないということです。
中国のシャープパワーに対する欧米の自慢するソフトパワーとは間接支配の代名詞ですが、昨日紹介したように全国紙4〜5社の意見・(テレビ界はその系列です)で世論が決まっていくのが今までの日本社会でしたが、巨大利権のある電波利用特権あるいは巨大資本を背景にした情報発信独占の時代から、SNS利用・・日用雑貨並みになってきた情報発信支配には間接支配方法が無力化しました。
日本国内の直近の例でいうと朝日新聞の森カケ問題に関する報道にたいする小川栄太郎氏の批判に対してお得意の「思想の自由市場」での反論をせずいきなり5000万円もの巨額賠償請求訴訟を仕掛けています。
思想の自由市場論の代表ともいうべき朝日新聞が自分の得意とする「思想市場」でまともに反論をせずにいきなり個人の評論家相手に巨額賠償訴訟提起したと言われている(これも事実不明ですが、仮に言論市場で反論したならば、メデイアを利用していくらでも反論記事を広報できる筈ですがすぐには見当たりません)のは異常です。
http://blog.goo.ne.jp/momofyumi/e/b2f213421a952bc769ba4ab4973d7113

【小川栄太郎氏が朝日新聞の申し入れに反論
森友・加計問題報道 「朝日新聞よ、恥を知りなさい」
HPに回答書全文を公開】
http://www.sankei.com/smp/entertainments/news/171206/ent1712060016-s1.html
【小川栄太郎氏が朝日新聞の申し入れに反論
森友・加計問題報道 「朝日新聞よ、恥を知りなさい」
HPに回答書全文を公開】
2017.12.6 20:13【小川栄太郎氏(朝日新聞からの申入書への)回答書全文】
2017-12-07 17:30:18 | ネットで拾った記事の保存庫《朝日捏造新聞》
文芸評論家の小川栄太郎氏は6日、10月に出版した自著「徹底検証『森友・加計事件』朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」(飛鳥新社)をめぐり、朝日新聞社から受けていた謝罪や訂正、賠償を求める申入書への回答書を発送し、自身が代表理事を務める「日本平和学研究所」のホームページで公表した。小川氏は朝日に対し「抽象的な苦情の羅列に過ぎない」などと反論した。全文は以下の通り。
回答書
朝日新聞よ、新聞社として恥を知りなさい。
朝日新聞からの申入書への回答に先立ち、貴紙による一連の森友・加計報道について、総論的な結論から申し上げます。
朝日新聞は日本を代表する言論機関です。
法的構成が不可能な言いがかりで一個人を恫喝するのではなく、言論には言論で勝負していただきたい。

以下省略
言論機関が権力による規制を受けて司法救済を求めるのは分かりますが、1個人の言論に対して言論で反論しないで司法権力を頼るのは不思議です。
小川栄太郎氏の意見は上記全文に詳細ですが、朝日の主張を検索しても見当たりません。
小川氏の主張通り、朝日新聞は言論戦を経ないで訴訟提起したのでしょうか?
言論に対して言論戦をしないで巨額訴訟提起するのは外形からみればアメリカで言われるスラップ・恐喝訴訟の疑いさえありますが、朝日新聞はなぜ大々的に反論しないのでしょうか?
言論機関の雄として日頃拠り所にしている筈の「思想の自由市場」は日本では機能していないことを前提にしているのでしょうか?

フェイクニュース8と思想の自由市場論1

米大統領選挙によって表舞台に飛び出したフェイク論議はアメリカによる報道支配・・アメリカ憲法学者の言うアメリカ支配に都合の良い「思想の自由市場」の崩壊・陰りが原因です。
憲法学者のいう思想の自由市場論は、マスメデイアを支配する勢力に迎合する意見発表の自由論です。
メデイア支配者の意に沿わない発言があると・メデイア界で袋叩きにして有力政治家でもすぐ失脚させてしまう実力を持つ社会・言葉尻を捉えて見せしめ的に発掘しては吊るし上げて「失言」ですら如何に怖い目に遭うかを見せつけて自由な発言を萎縮させる社会でした。
日本では安倍政権が誕生するまでは、政治家を続けるには(アメリカ支配・その手先としてメデイア界勢力を張ってしまった中韓勢力の)「メデイアを敵に回したらおしまい」というのが不文律になっていました。
安倍政権はこの不文律に挑戦したので、当初歴史修正主義者・アメリカによる戦後秩序否定論者のレッテル張りされていました。
メデイア界総力あげて彼の追い落としを画策していて、第一次安倍政権では、(根拠なく)如何にも頼りなさげな表情ばかり選んで報道する印象づけ報道で、あえなく退陣に追い込まれましたが、第二次政権では上記に懲りた安倍総理の正面突破作戦でメデイア界の雄であった朝日新聞とフジテレビが逆に追い込まれました。
中国による尖閣諸島海域侵犯行為と反日暴動プラス韓国による慰安婦攻勢激化に対してメデイアが米国による戦後秩序維持・非武装平和論・周辺国に何をされてもじっと黙っている図式を宣伝しても国民が納得しなくなったからです。
昨年夏の小池劇場では、「メデイア(護憲派が選挙のためにだけ改憲派小池氏に近づき選挙が終わったら民進党系多数を頼んで党方針を護憲政党に引き戻す戦略)に逆らったから負けた」とメデイアが宣伝していましたが、私は国民が左翼寄りメデイアの上記策略を拒否したからであることを昨年夏頃に連載しました。
日本では、政治家や公務員等がメデイアの意(結局は米中韓の利益)に反することを言うと「〇〇がそんなことを言って良いのか」という非難の嵐で謝罪に追い込み議員辞職に追い込むのが普通でした。
自由な思想市場など全くない状態です。
大手新聞は朝日、毎日、読売、日経4社の次に中堅の産経が続く程度の寡占市場ですし、テレビ界もほぼ同様です。
この独占的言論市場を占領軍が抑えた上で、その支配を続けるために見張り役を残す英米流の継続支配が続きました。
こういう「自由な思想市場」に任せるとどうなるか?
これが戦後70年も続いた結果、自国のためになることをうっかり言えない・正論は仲間内で「もぞもぞ」としか言えない社会になっていました。
米国→占領終了後は、日本監視役/手先として韓国系を使うようになった結果、今では中韓系多数が入り込むメデイア界では、(将軍家側用人が権力を握るように)アメリカの意向で動くよりも本国中韓の意向反映の方が色濃くなってきました。
靖国参拝問題の政治問題化以降アメリカの手先としての行動よりは、中韓の反日運動目的の軸足を置くようになって来たのですが、それを効果あらしめるために「錦の御旗として」「アメリカの作った戦後秩序・東京裁判を否定するのか!」というテーマにすり替えて来たことになります。
ブッシュ元大統領が日本訪問時に自ら靖国神社参拝を求めたのは、むしろこんな非生産的紛争にアメリカが利用されるのを嫌がっていることを(リップサービスか否かの解釈は別として)意思表示した事になります。
http://www.news-postseven.com/archives/20140510_255131.html

ブッシュ元大統領 靖国参拝申し出たが日本側が明治神宮変更

以後、尖閣諸島や慰安婦騒動等になってくると米国利益のための手先としての行為より中韓の利益が正面に出てくるようになってきました。
アメリカの意向と関係がないからこそ、日本も果敢に反撃できるようになった面がありますし、逆から見れば、「迷惑だから早く収束してほしい」というアメリカの圧力にもなっています。
ただ中韓系人材がアメリカのために日本の内情報告したり日常的細かなアメリカの対日世論誘導工作協力はそのままですから、アメリカは中韓系人材を切ることも出来ず、板挟みになっているのではないでしょうか。
世界政治での日本の存在が大きくなってくると、ついにアメリカも態度をはっきりさせるしかなくなり慰安婦騒動では日本有利な調査結果を出したので、朴槿恵が窮地に追い込まれることになりました。
アメリカは日中韓3国中で日本をとる意思表示を示したのですが、もともと安倍総理敵視から始まったことを想起すれば、ここまで逆転したのは安倍外交の勝利・大成功でしょう。
メデイアと民意の乖離に戻します。
民意=普通は国益を実現するものですが、これとメデイアの誘導したい方向との乖離が起きる原因は、日本の場合、占領されていた後遺症から基本的に国外勢力がメデイア内部を牛耳る体制が確固として構築されていることによると思われます。
アメリカの息のかかったメデイア界を作っておいて「思想の自由市場」で学問の方向を決めて行くといっても、アメリカの意に反する多数意見が成立する余地がないし、この20年ばかりではその手先になっている中韓の意向に反することをちょっと言おうものならばメデイア界で袋叩きになる仕組みでした。
アメリカ支配の時にはまだ婉曲的でしたが、その手先に使っていた中韓が影響力を持ってくると(ソフト能力が低いので)やり方が露骨になったこともあって、彼らの影響力行使が国民にはっきりしてきました。
多数意見・メデイアのでっち上げ(中韓利益擁護)「思想の自由市場」?に頼る社民や民進党が無記名選挙で苦戦するのはこのせいです。
最近英語でもPC(ポリティカルコレクトネス)の弊害が言われるようになってきましたが、英語圏でさえ大手メデイア・主としてリベラリスト・グローバリスト?のでっちあげる「正義」に耐えられない人が増えてきたのでしょう。
国民の健全な意識に反するメデイアに対する不満の爆発現象をフェイク批判のキャッチフレーズで表現しているのがトランプによるフェイク批判ですし、トランプ旋風のエネルギーであったように思われます。
トランプ氏の政策の基本が反グローバル化(国際多角的合意の破棄)であることから見れば、彼の標的がフェイクかどうかではなかった・メデイア界の手放しの(合理的規制不要の)グローバル化賞賛思想支配に対する挑戦であったことが明らかです。
トランプ氏当選以来問題化しているフェイク論争は、実はフェイクかどうかの事実認定の問題ではなく、メデイアによる一定方向への脚色誘導報道に対する反感の問題ですから、フェイクそのものに矮小化してその区別を議論していても解決にはなりません。
メデイア界は、自分らの痛い点に焦点が行かないように意図的に的外れ議論をしているように見えます。
2月4日の「フェイクニュースとは?1」で紹介したように、フェイク対策のために「ファクトチェック体制構築する、あるいはした」と言っていたフェイスブックが、昨年末にこれをやめて参加者の共感度で決めていくと発表したのは、「メデイア界はこの論争をうやむやに終わらせたい」からと深読みすることも可能です。
「ファクトチェックをやめることにした・共感度次第」ということは、事実上放任ですからこれでフェイク論争を自然消滅させようとしていたように見えます。

フェイクニュース7(フェイク拡散防止策1)

産地偽装表示や無農薬表示あるいは薬や化粧品の効能書きがその表現から消費者が受け取るイメージと違っている場合に、不当表示や薬事法違反などとする規制が発達していますが、これに対して「表現の自由」憲法違反として頑張っているのを聞いたことがありません。
輸入産品についても製品化のどの段階までを原産地表示すべきかのきめ細かい規則が発達していますが、それが表現の自由・憲法違反という主張や争いもありません。
食品内容の比率次第で(例えばそば粉何%以上含有で「そば」と表示できるか?の規制があるとした場合など)特定商品名を表示できるかの問題も同じでしょう。
これら規制を見ると商品として流通させる以上は、消費者保護のために一定の商品表示には一定の規格範囲の性能品質がなければならないという社会の要請があります。
自分の好みで自己使用や親しい人に無償で配るのに一定率以下のそば粉しか入れないで、これを自己流の「そば」と言っているのは個人の勝手・表現の自由でしょう。
私は、子供らが小さい頃に自宅の庭で真っ白と焦げ茶色のガチョウ2羽を飼っていたことがありますが、名前をシロとクロと付けて呼んでいました。
これを仮に商品として売る場合には、クロと言うのは家庭内の名前であって、黒い色ではないと説明しないで「シロとクロ各1羽」として売れば表示・契約違反となるでしょう。
以上のように、商品名表示や事実表示の定義については、「業として流通させる場合」には、規制当局がココまでの内容があれば、この表示ができると規格規制していても、それは表現の自由の問題ではないという国民合意が出来上がっていることがわかります。
自分が一般と違った意味で使いたければ、「業」的に流通させないで個人的に利用する範囲で変わった表示をするのは勝手ということでしょう。
ネット発信は個人会話と違うのですが「業」商品として流通目的で発信しているとも言い切れないのでややこしいのですが、個人的に言いたいことを(私のように自己満足で?)書いている人と拡散目的で書いている人とでは規制基準が違うべきでしょう。
目的など内心の意思は判定不能ですが、外形からざっくり言えばSNSへの投稿は「ソーシャル」というとおり拡散率が高いのが特徴ですから、内心目的如何に関わらず実際に流通が予定されている以上事実を適時した発信には合理的根拠を必要とすべきでしょうし、金儲け目的が表示されているアフィリエイト系?などはより厳重基準を適用すべきでしょう。
業として表現する場合には、消費者・視聴者等を誤解させないためにも、表現行為のウチで、物品名だけではなく、事実表示と、他人の意見表明部分の紹介記事、さらには発信者の意見(意見の中での論建て前提事実の場合それも区分けする)とを明確に区分けをして発信するルールを大手メデイアの方から率先して行って手本を示してから、その応用ルールを個人の行うネット発信者にも課していくのが現実的でしょう。
人材の揃った大手メデイアがこれらの区分表示を怠ったまま曖昧に自社意見を事実に混入して垂れ流したまま、ネットのフェイク性だけを強調しても迫力がありません。
特に意見の紹介になるとA意見発表があったことが事実としても、ABC意見のうち自社の気に入ったA意見ばかり優先的・好意的に紹介するのでは、不公正になります。
これが放送の中立性に反した偏向報道の問題です。
大手支配の裏の勢力(日本では敗戦→占領支配・・国外勢力が・米ソ中韓と軸足を移しながら事実上牛耳ってきた疑いが言われています・憶測です)が「表現の自由論」で安住しながら「ネット発信が広がるとこれを目の敵にして?「規制すべし」というのは矛盾ですから・・。
日本では敗戦による米軍占領以来外国勢力によって報道機関を支配されてきた歴史もあって、トランプ氏が選挙戦で偏向報道を指摘する前から、慰安婦報道以来これが大問題になっています。http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/755c0843633b7d1a9d901171fee94662

高市早苗総務大臣は、2016年2月8日の衆院予算委員会で、放送局が「政治的に公平であること」と定めた放送法4条の違反を繰り返した場合、電波法に基づき電波停止を命じる可能性に言及しました。
高市大臣は
「行政が何度要請しても、全く改善しない放送局に何の対応もしないとは約束できない。将来にわたり可能性が全くないとは言えない」

この発言が表現の自由を侵害するかのような危険視する批判がメデア界では大方ですが、元々報道の中立性を求める放送法自体を憲法違反というならば別ですが、中立を求める法がある以上は事案によっては「法の適用がありうる」という答弁は当たり前ですから、この批判論はあたかも大手メデイアには一方的な報道権があるかのような開き直りにしか理解できない「思い上がり」でしょう。
電波の希少性によって事実上独占業界になっている「放送利権」については2月10日現在のウイキペデイアによると以下の通りです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/放送利権

今日、所轄官庁である総務省から新規に地上波放送局の免許を得ることは至難、よって新規事業者の参入がおよそできない状態にあり、日本の放送局は既得権益化しやすい[。
日本放送協会(NHK)を含め、地上波放送は基本的に都道府県ごと(県域放送)であり、民間放送局(民放)であれば、これより派生して、東京にある放送局が事実上地方局を支配しているキー局制度、新聞社が放送局の株式を保有するクロスオーナーシップ[1]、放送局が番組の著作権をもち、制作会社や制作者には著作権があたえられにくい映画の著作権なども放送利権としてあげられている。また日本の放送局は、いわゆる「電波オークション」によるものではないことや、諸外国に比べ格段に安い電波利用料なども議論の対象となっている。
免許事業であり、法によりある種の保護下に置かれていること、加えて新規事業者の参入の心配がおよそないことから、既存局あるいは既存系列同士での、複雑な競争と共栄関係が「両立」している。結果、以下のような実態がある。
・・・・。

有限の電波割り当てを受ける特権的立場・「思想の自由な市場競争」の成り立たない放送事業でさえ、「中立違反を放置しろ」と言わんかの如き放送業界と違い、何らの特権も享受していない「ネット発信者だけフェイク規制しろ」というのは無理・・これがアメリカでフェイスブックの自主規制が腰砕けになった原因でしょうか?
上記の通りいろんな商品表示に関する規制も表現の自由に関係するとしても直ちに「憲法違反」という観念的議論ではなく、実態に即して見て行くことが一般的ですが、思想表現も、商品の1種として市場提供されるようになると、ネット配信の場合、民泊の紹介事業者やスーパーに当たるのがフェイスブックなので、事前規制が可能か?で議論になっていることになります。
大手メデイアは「表現の自由」「思想市場論」と言っても限られた電波の割り当てを受けている寡占市場を無視して市場競争論をふりかざせば視聴者の偏向批判を封じ込められたので一方的報道・・「何でもあり」の時代が続きましたが、その終わりが近づいた「危機感」が今回のフェイク騒動の底流的原因でしょう。

フェイクニュース6(拡散の原動力4)

日本のネット記事も、真面目に読めば根拠薄弱であることが分かるような「おもしろ」「誇大表示」記事らしいものが溢れていますが、政治記事では、面白いギャグだと笑ってばかりいられないとんでもない結果も引き起こします。
中にはクリントン批判のフェイクニュースに反応して店舗襲撃事件まで現実に起きたのが恐ろしいところです。
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20170901/biz/00m/010

偽ニュースが起こした米国「ピザゲート事件」の“狂気”
2017年9月2日 清水憲司 / 毎日新聞北米総局特派員(ワシントン)
「私たちには自分を守れない人々を守る責務がある。いつの日か理解してほしい」。娘2人に宛てたビデオメッセージを撮影した後、男はワシントン市内のピザ店「コメット・ピンポン」に押し入り、ライフル銃を発砲した。
・・・幸いけが人はなかったが、フェイクニュースの拡散を象徴する「ピザゲート事件」として全米を驚かせた。
男は「ヒラリー・クリントン陣営が児童の人身売買に関わっている」というフェイクニュースを信じ込み、子供たちを助けるつもりだった。
・・・ピザゲート事件の発端は、暴露サイト「ウィキリークス」が流出させたクリントン陣営幹部のメールにあった「ピザ」の言葉だった。米メディアの分析によると、ネット掲示板では「チーズ・ピザ」が児童ポルノの隠語として使われており、匿名投稿者たちの妄想をかき立てた。オバマ前大統領の支持者が経営するピザ店「コメット・ピンポン」が次第にクローズアップされた。
無責任な連想ゲームは、繰り返されるうちに「ニュース」としてネット空間に拡散し、エドガー被告が聞いていたラジオ番組でも取り上げられた。3日間悩んだ末に、エドガー被告は自ら事実を突き止めようとピザ店に向かった。

伝言ゲームで知られるように、多くの人を介すれば内容が大幅に変わって行くことが多いのですが、この種冗談や過激な表現はこれに「尾ひれ」をつけた拡散流布自体でこれを見る人は「フェイクかな?」と思いながらも信じないまでも相応のマイナスイメージ刷り込みが出来上がることが多いのです。
デマでもそれを大手メデイアが大規模な話題にすること自体で洗脳効果があります。
トランプ氏は話題性のおかげでの選挙費用が少なく済んだと豪語していることとも符合しています。
https://wired.jp/2017/06/22/journalism-post-truth-era/

TEXT BY JASON TANZ
TRANSLATION BY TOMOAKI KANNO
WIRED(US)
この数年の間にソーシャルメディア、特にFacebookが主要なニュースソースとして出現したことで急加速した。
プロのメディアが世論を方向付ける力は衰え続け、いまではほとんど失われている。ソーシャルメディア以前は、新聞の編集者が、どのネタを発表するか、それをどこに載せるかの最終決定権をもっていた。
今日、その役割を手にしているのは読者である。編集者は記事を発表できるが、それが誰にもシェアされなければ、書かれなかったも同然となる。
読者が新たなパブリッシャーだとしたら、彼らにニュースをシェアさせる最善の方法は感情に訴えることだ。主によくない感情に。
『Human Communication Research』誌に最近掲載された論文によれば、Facebookで情報をシェアするかを決める「重要な媒介メカニズム」は怒りだという。特定の主義に偏り、強い怒りを感じている人ほど、政治のニュースをネット上でシェアする傾向にある。そして、そうやってシェアされる記事は、それを読む人にさらなる怒りを抱かせることになる。「マーケットシェアを獲得するにはラディカルになる必要がある」と、フェイスブックの元プロダクトマネジメント部長サム・レッシンは言う。「穏当では何も得られない」

政治でのフェイクが騒がれていますが、発信者がもともと特定思想に凝り固まっていない純粋儲け主義・遊び感覚でやっていることが、却って拡散効果を発揮しているように見えます。
多くの読者を呼び込めば 多くのスポンサーがついて儲けられるのが基本ですから、彼らは内容の善悪など気にしない・絵空事でも、やらせ、奇抜・過激であればある程効果がある・・何でも良いのが基本です。
フェイクのレッテルを貼られるリスクを恐れない・・単に金儲けになるかどうか・・如何にして注目を惹きつけるかだけに特化する人には伝播性の競争では叶いません。
https://mainichi.jp/articles/20171114/k00/00m/040/021000c

フェイクニュース
作られ方 ブログ管理人が内幕語る
神奈川県座間市で9人の遺体が見つかった事件で、話題性の高い情報を載せているトレンドブログに「父親も共犯?」など事実無根の見出しや投稿を載せた管理人が、匿名を条件に毎日新聞の取材に応じた。
動機を「収益目的と世間のニュースやその裏を追いたい気持ち」と説明。ブログは個人で運営し、収入は多い月で10万円台後半になるという。
閲覧増やすため見出し過激に
トレンドブログは、事件や芸能人のスキャンダルなど注目の話題を取り上げ、クリック数などに応じて報酬が支払われるネット広告(アフィリエイト広告)を収益源とすることが多い。個人運営だけでなく記者を集めて組織的に運営するものもある。

いわゆる大災害時などに起き易い流言蜚語は出所不明の庶民の憶測発信が元ですが、今は日常的なネット発信が容易になった上に金儲けの手段になったこともあって、伝播力が半端でなくなったので量から質に変わったとみるべきべきか?の問題です。
許可制にしてルール整備するようにしているビットコインや民泊同様にして行く必要があるかの問題です。
フェイクの直接取り締まりは、事実認定の難しさの他に憲法の表現の自由の保護があって難しいですが、思いつき的でちょっと乱暴な意見ですが、(その道の専門家による緻密な論議が必要ですが)業法化してしまえれば、違反行為に対する何段階かの行政処分があって最終的には許可取り消し→無許可営業の場合は業法違反による刑事処罰法制化が可能になるので、大規模なフェイク発信だけでも防げるでしょう。
許可業種になり且つ全国展開的大手になると一定期間の(刑事処分まで行かなくくとも)業務停止処分だけでも業績に大規模な影響が出るので、内部チェック規制が厳しくなりフェイクの暴走を防げます。
例えば個人が空き家を利用している民泊の場合、なんらかの違反をしていて1〜2周間業務停止しても大した影響がありませんが、全国展開している仲介サイトが業務停止処分を受けるとその間従業員等の固定コスト負担があり、且つ信用毀損による大規模ダメージを受けます。
農産物の産地偽装や無農薬表示違反があった場合、その農家だけの問題ではなく、これを取り扱っている大手スーパーの方が、その何千倍もの損害を受けます。
農産物の産地偽装や無農薬表示違反があった場合、その農家だけの問題ではなく、これを取り扱っている大手スーパーの方が、その何千倍?もの損害を受けます。
この場合、大手スーパーが「当社は騙された被害者です」と言い張って済ませられないので必死になって再発防止に務めるが普通です。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。