クリスマス・イヴ2(異文化尊重と人権)

クリスマスの特番が今回は変な方向のテーマになってきましたが勢いで続けますhttps://www.bbc.com/japanese/video-45480237

国連、中国政府がウイグル人100万人拘束と批判
018年09月11日
国連人種差別撤廃委員会は8月末、最大100万人のウイグル人住民が刑事手続きのないまま、「再教育」を目的とした強制収容所に入れられているという指摘を報告した。
8月半ばにスイス・ジュネーブで開かれた同委員会の会合では、信頼できる報告をもとに中国政府が「ウイグル自治区を、大規模な収容キャンプのようにしてしまった」と委員たちが批判。これに対して中国政府は事実と異なると反発しているが、「宗教的過激派に染まった者」は「移住と再教育の支援を受ける」と珍しく認めた。

中韓汚染・中間の不利なことを率先して流さない)と言われるNHKでも以下のニュースです。
https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2018/07/0719.html

2018年7月19日(木)
中国でウイグル族大量拘束 今何が?
酒井
「今日(19日)の特集、中国の少数民族が悲痛な声を上げています。」
中国の新疆ウイグル自治区に暮らす少数民族のウイグル族。
中国政府は、ウイグル族の分離・独立運動を警戒し、長年、締めつけを行ってきました。
その締めつけが新たな次元に。
外国とつながりがあるウイグル族の人々などを、次々と拘束。
・・・大量の監視カメラが設置され、住民の監視が強化されています。
さらに、パスポートを没収されたり、中国国外との通信を制限されたりするケースも報告されています。
そして今、ウイグル族の人々が次々と拘束され、国際的な批判が強まっています。」
中国 ウイグル族 “大量拘束”の実態
・・・
収容所に数か月間入れられたという40代の男性です。
隣国・カザフスタンで、アメリカのAP通信に拘束中の体験を証言しました。
拘束された人
「彼らは私をつり上げました。
足は地面に辛うじて着くくらいで、4日間、一睡もさせてもらえませんでした。」
この男性はカザフスタンに住んでいますが、去年、両親に会うため、生まれ故郷の新疆ウイグル自治区に帰省したところ、拘束されました。
花澤
「VTRの中では、拘束されていた人、そこから解かれた人も出てきましたけれども、ああいう人たちというのも一定数いるんですか?」
中央大学講師 水谷尚子さん
「いえ、極めてまれな事例です。
彼の場合は、カザフスタンの国籍も持っていたので、カザフ政府の圧力などによって出てこられたと。
しかしながら、中国国籍者であそこから出てきたという話はあまり聞かないですね。」

アメリカ政府系のメディア「ラジオ・フリー・アジア」は、今年(2018年)この選手が「試合で外国に行ったこと」を理由に新疆ウイグル自治区で拘束され、行方が分からなくなったと報じました。
国際プロサッカー選手会も、選手の釈放を求める声明を発表しています。
「ラジオ・フリー・アジア」が、収容所内部で撮影されたものとして伝えた映像です。
映像省略
そこには、手錠を掛けられた男性たちが、中国共産党をたたえる歌を歌う姿が映っていました。
アメリカ国務省 ナウアート報道官
「我々はウイグル族の大規模な拘束と、空前のレベルでの監視を懸念している。
中国にこの措置の停止と、拘束された人の釈放を求める。」
中国外務省 陸慷報道官
「新疆ウイグル自治区の社会は安定し、経済も発展して、宗教の自由も享受している。
これは中国の内政であり、外国が干渉する権利は無い。」

以下省略しますが、在日ウイグル人が故国にいる親族と連絡がとれなくなっている現状を訴える悲痛な声が紹介されています。
23日以来、米国人の基礎レベル・・異文化理解の低さを根拠なく?書いてきましたが、我々日本の法律家の世界も専門化が進んできた結果幅広い教養がいらなくなったせいか?、あるいは合格者が増えすぎて地位低下による・・許容というのは、究極的には基礎的豊かさに帰する?かの原因不明ですが、若手弁護士を見ると一般教養に関する関心が急速に低下している印象です。
アメリカ人が根拠なく相手国の文化を無視して、「土足で他人の家にズカズカと踏み込む]」ような無礼を繰り返してきたことが、世界的にあちこちで嫌われるようになっている(国力低下に比例して表に出てきた)大元の原因でしょう。
ただ22日に書いたように誰と付き合っても「なくて七癖」というように、自分の流儀に合わない嫌なことはあるものです。
中国古来から続く残虐な国民性は文明国(・・デジタル技術駆使の能力はついたが文化は未発達?)になっても簡単には変わらないでしょう。
その一端があらわれて国際社会をギョッとさせたのが天安門事件でしたし、北京オリンピックにあわせて犬猫を食べる習慣をやめ冴えるキャンペインをしていましたが、この十数年では政治犯でいつの間にか行方不明になっている人民の臓器が闇販売されるようになっているおぞましさです。
天安門事件当時は国力がなく開き直る力がなかったので国際批判に萎縮して日本に頼ったのですが、今は開き直って批判国を逆に経済制裁したり気に入らない国の中国滞在者を拘束してしまえるほどの国力がついたということでしょう。
ファーウエイの副会長が米国の要請でカナダで逮捕されると、中国はすかさず在中国のカナダ人を次々と拘束しています。
ヤクザが警察通報された仕返しにその家族を襲っているようなやり方です。
こういう民族とどうやって付き合っていくか?ですが、あくまで交際の範囲であって、これに外国が介入する権利があるかは別問題です。

クリスマス・イヴ1(GHQ執務場所跡とKITTE内東大博物館見学)

明日はクリスマス・イヴなので、例年の習慣に従って日頃の連載は休んで今日明日の特番です。
今年の年末は、22日の土曜日から23日の天皇誕生日(平成天皇の来春ご退位によって天皇誕生日はこれが最後です)24日は振替休日で3連休となりました。
平成天皇最後の記憶に残るプレゼントになり、良き巡り合わせでした。
私は、12月7日に日弁連の委員会出席の帰り午後3時頃に東京駅前のKITTEという旧中央郵便局を残した高層ビル1階にあるコーヒー店で都内に住む末の娘と待ち合わせてコーヒーを楽しんだことから、偶然東京大学(当時は工部大学校)草創期の旧研究室の備品?らしきものの展示室が目に入り、そこへ入るとレトロな雰囲気と明治初期に研究用に集めた色々な品々の素晴らしさ!窓外に目をやると東京駅前広場を取り囲む高層ビル街の電気のきらめきが一気に気に入りました。
気に入った勢いでこの連休初日・22日に、妻ともう一人の娘の三人で、銀ブラならぬ、丸の内ブラを楽しみながら、KITTEに再び行くことになりました。
日暮れを目指して自宅を出て、まずは旧GHQのあった明治生命ビルの見学をして、日暮れどきの丸の内のイルミネーションを楽しみながら目的のKITTEへ行くコースで楽しんできました。
気候は雨模様でしたが、いきなり寒くなった1週間ほど前の気候にくらべて穏やかな日でしたので、しっとりした空気の中で気持ちよく散策できました。
東京駅前の広場では、多くの人もくつろいだ様子でイルミネーションや高層ビルの夜景を楽しんでいて、見ているだけで平和な社会を実感できて良い雰囲気でした。
私にとっては、旧GHQ本部跡の明治生命ビルの見学は、10年ほど前に妻と一緒に行ったことがありましたし、両方とも2回目でしたが、(今回は各所の説明がデジタル化されていて)2回目の方がよりよく理解できた印象です。
GHQ執務場所跡の方は10年ほど前に行った時と見学者は同じ程度マバラでしたが、KITTEの方は12月7日に行ったウイークデーと違い3連休中初日であったこともあって、しかも中央吹き抜けのクリスマスツリーの大人気のせいか?人出が多く、その余波か?東大博物館?もかなりの人出になっていました。
(12月7日は館内に見学者が4〜5人程度しかいなかったのですが・・)
見ていると、明治初期に欧米の模倣で大学というものを創設しものの、(藩校その他の文系教育の経験があっても)理系学問所としての経験のない日本では、何から手をつけて良いのかわからず手当たり次第に多方面の標本等を集めていたような印象を受けました。
展示品はそれぞれは精巧なもので感心しましたが、今のように理学、工学、電気、化学、鉱石学・民俗学や生物学その他理科系分業の進まない状態で、民俗学的資料に至るまで(アフリカや南米のお面まで)幅広く研究材料を集めていたイメージで、草創期の大学は大変な状態であったことがわかります。
明治生命ビルでは、GHQ接収時には、明治生命ご自慢のせっかくの文化的内装を嫌って?緑いろのペンキを塗りたくられていたので、昭和31年にGHQから返還されると明治生命はすぐに旧に復する工事をした経緯も説明されていました。
ペンキで塗りたくった行為は、庶民ではなく最高司令官の執務場所を仕切る側近の文化レベル・・・日常接している最高司令官の文化レベルを表すのでしょうが(・・幕末ペリー来日時同様に?)他国文化というものを理解できないのが、アメリカの文化レベルというべきでしょうか。
マッカーサーは単なる軍人としてではなく、日本占領統治を委ねられた以上は、幕僚には経済や軍事、法律、宗教や伝統文化関連等の専門家がいたのでしょうが、良い建物だからこそ司令部執務用に接収しておきながら、室内をペンキで塗りたくる神経が異常です。
一般的に言えば現地文化の理解力・基礎教養の低さを表すとも言えるし、逆に征服者の傲慢さを見せつけるためにあえて行った地元文化無視の示威行為だったとも言えます。
この辺は、セブン・イヤーズ・イン・チベットという映画・・中国軍圧迫に抵抗していたダライ・ラマ14世が最後にチベット脱出を敢行したときの映画を見たことがあり、そのとき強烈に残っている印象をもとに書いているのですが、日本撤退後中国軍の圧迫に恐れをなしたチベット側が、中国使節を迎えるために今で言えば式典用に王族等が歩く通路に絨毯を敷き詰める場所に、絨毯の代わりに人民・・チベット族最高技術者を駆り集めたのでしょうが、丹精込めて足元にチベット仏教の精神模様らしきものを描く場面があって、その直後に到着した中国軍人がせっかく丹精込めて作り上げた足元の文様をあえて中国高官が蹴散らしながら、いばり散らして傲慢に宮殿(寺院?)に入っていく状況を活写していました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/セブン・イヤーズ・

『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(Seven Years in Tibet)は、1997年のアメリカ映画。ジャン=ジャック・アノー監督作品。
アイガー初登頂で知られるオーストリアの登山家ハインリヒ・ハラーの自伝の映画化。彼がチベットで過ごした7年間、彼と若きダライ・ラマとの交流を描く。
映画に対する中国の反応など
『セブン・イヤーズ・イン・チベット』の公開後、中華人民共和国政府は、映画の中で中国人民解放軍の士官が意図的に無礼で傲慢な人物として描かれている、また中国人民解放軍兵士がチベット人に対し虐殺したかのような演出がされたとして強く非難した。このため『セブン・イヤーズ・イン・チベット』は中国で上映禁止となった(言論統制)。また、映画の監督および主演者のブラッド・ピット及びデヴィッド・シューリスは中華人民共和国支配地域への立ち入りを無期限で禁止されたが、ブラッド・ピットは2016年11月に出演作の宣伝のため中国を訪問している[3]。

以上によると約20年前に見たことになります。
映画を見たときに「中国って怖い国だな!という印象づけを受けた映像でしたが、(中国が政敵を倒すと何十マン人も穴埋めしたり、生け捕りした敵将に対して捉えた親の肉を切り刻んで食べせるなど、人とは思えない残虐行為の歴史を想起する仕組みでした。
これは米国的価値観による中国批判ではなく、支配者になり優位に立ち被征服民を牛馬や犬猫のごとき扱いをするには、「相手の文化を全面無視にする」ことから始めた方が良いという米国の価値感が背景にあったのかもしれません。
ただし、中国が映画を批判しているようですが、現在ではウイグル族100万人以上を監禁しては拷問などを続けているという批判をうけています。

ロシアとトルコの関係2(トルコ危機?1)

トルコのエルドアンは強権政治(権力維持)の代償として、国是であった欧米依存から、宿敵ロシアにすり寄ってしまった事になります。
トルコとしては、十字軍遠征以来の敵役であった西洋が産業革命以降圧倒的力を持つようになるとその力を借りないとロシアの攻勢から国を守れなくなった象徴がクリミヤ戦争でしょう。
この因縁の地をロシアがウクライナから奪ったのが、この2014年のことです。
この侵略行為に対して欧米は対露経済制裁しているのですが、エルドアンは狂犬支持批判を受け入れたくないために制裁で困っているロシアと手を組んで欧米に背を向けようとしていることになります。
オスマントルコ時代末期から現在に至るまで欧米寄りの姿勢を国是にしてきたのは、国力衰退の現実に合わせて、国家(民族)の存立を図るには格下と思っていた西洋列強に頼るしかないと判断した結果でした。
その行き着くところ、第二次世界対戦以降は対露大規模相互防衛条約であるナトーへの正式参加を許されるなど、対露防衛を盤石化してきたのがトルコでした。
NATO・北大西洋条約機構に関する本日現在のウイキペデイアです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%A4%A7%E8%A5%BF%E6%B4%8B%E6%9D%A1%E7%B4%84%E6%A9%9F%E6%A7%8B

2017年時点で29カ国[1]
加盟した年 国 1949年 アイスランド、 アメリカ合衆国、 イギリス、 イタリア、 オランダ、 カナダ、 デンマーク、 ノルウェー、 フランス、 ベルギー、 ポルトガル、 ルクセンブルク 1952年 ギリシャ、 トルコ 1955年 ドイツ

その後西欧ではEUが結成されたので、単なる軍事同盟だけではなく共同体の一員となることを求めていくら擦り寄っても擦り寄っても西欧(キリスト教社会)の仲間に入れてもらえない差別意識・屈辱感に苛まれることになります。
対露防衛を目的とするNATOという軍事同盟に早くから入れてもらっているが、運命共同体と認めるべきEU参加申請にあれこれと注文をつけられて一向に加盟が認められない現実・・運命共同体になるのは嫌だが、お互いの利を持って軍事面だけで協力関係を築くという露骨な西欧の態度・・これがエルドアンがさじを投げるようになった下地でしょう。
エルドアン個人の意見ではなく(屈辱的関係はゴメンだという)トルコ民族全般に流れる不満が背景と見るべきでしょう。
しかし、運命共同体にまではなれないとしても、どうせ支配下・あるいは他人づきあいするにしても、ロシアの支配下あるいは服従関係に入るよりは、西欧の方が優しいというのが、歴代トルコ指導者や民族の判断だったのではないでしょうか?
実際ロシア支配下に入ったクリミヤ半島などではトルコ系というか、中央アジア系原住民の多くはシベリヤ等へ集団強制移住させられて現地にいなくなっていると言われます。
バルト3国その他でもロシア支配下に入った地域では、ロシア系人口の急増・原住民の激減が見られます→人為的強制移住政策・・シベリア送りが言われてきた・・うろ覚えの記憶ですが、詳細根拠までチェックしていませんので正確性は?と思ってください。
欧米に従うのとソ連・ロシア民族に従うのとどちらが良いか・・第二次世界大戦後の結果・・東独と西独の発展の差・・ソ連軍支配地となった東独では鉄道線路まで剥がして持って行ったと言われています。
日本の場合、北海道がもしも戦後ソ連支配下に入っていれば北海道住民の日本人の大方がシベリア送りになっていて(その多くは反共思想嫌疑対象にされて粛清され極寒の地で死亡してしまい、人種的には消滅?)北海道住民の大方はロシア人に入れ替わっていた可能性が高いでしょう。
60年安保騒動の頃に、メデイアでは公式報道はありませんでしたが、・我々世代は「アメリカがひどいからといって、ソ連支配・服従関係に入るのとどちらがひどいかの選択の問題」だという意見を聞いて育ちました。
満州駐在の関東軍将兵がシベリヤに連行され抑留された過酷な経験もあって(不可侵条約を破って満州侵攻してきた連軍の残虐さ、腕時計など見つかると身ぐるみ剥がれされるような経験、婦女子の暴行など)メデイアが報道しなくとも日本をソ連侵略から守らないと大変なことになるという選択のテーマ・・口コミの恐怖感の方が強かったのです。
実際その時の国民の選択・欧米よりいわゆる西側・・日米安保体制選択が正しかったことは、今や歴史的事実でしょう。
戦後思想界・メデイアを席巻していた左翼・・ソ連系思想界の失敗・・が白日の下にさらされ始めましたが、この批判論台頭に恐れをなしたのか?最近左翼系思想界からの巻返し運動・・60年台から70年初頭にかけての思想あるいは芸術界の過激な動き・吹き荒れた学生運動等の回顧展が宣伝されていますが・・これは批判のうねりに対する最後の反撃のつもりでしょうか。
日経新聞1週間前の文化書評?に高坂正嶤に関して誰かが書いた書物の書評が出ていました。
論壇では左翼系信奉者の多い丸山真男論ばかりで高坂正堯氏に関する評伝が少ない・・安保騒動が歴史になった今になると、高坂正堯氏の思想意見の通りの歴史展開になっているので彼の功績が見直されるべきで時宜を得た書物だというというような書評が出ていました。
文献では60年安保でも表向きの議論ばかりですので後世の人は誤解しますが、現実に生きている当時の人は占領政治に気持ちの良い人はいない・・米軍人による強姦事件多発や日米戦争開始に関する日本側の言い分が100%封じられてしまう不満などいくらでもありますが、(GHQ司令部跡を22日に見てきた感想をクリスマスのコラムで書きますが、せっかくの文化遺産をペンキで塗りたくるのがアメリカの文化度です)「じゃソ連だったらどうなのかの比較が庶民間では行われていた・・メデイアで論じられない重要な価値判断があったのです。
現実生活者の目はしたたかですが、メデイア界の寵児・思想家評論家は(共産社会は貧富の差がない理想の社会という)青臭い議論ばかりで社会体験のない青年を煽っていたのです。
学生運動家上がりの文政権の「最低賃金さえあげれば皆幸せ」という書生論が韓国経済を苦しめているようですが「韓国のアメリカ離れ」中国寄りの動きもトルコの動きと似ていますが、要は選択の問題でしょう。
擦り寄るといえば、ロシアの西欧崇拝も相当なものです。
フランス宮廷風文化取り入れに歴代皇帝は熱心でしたし、今もできれば西欧の仲間に入りたいのに西欧から見ればどう猛な野人扱いで本当の仲間に入れてもらえない悔しさで、今やプイッと横を向いて嫌な中国のご機嫌伺いするしかない状態です。
地理的に見ればトルコもロシアも西欧世界から見れば辺境の地という点で共通的・ひいては粗暴なイメージですから、社会意識・文化的に遠くなるのは仕方がないことでしょう。

フラストレーション度3(ロシアとトルコの関係)

さしあたりできることは、(専守防衛の呪縛を煽るための運動家を養っていますのでその活用によって、)何の反撃もしてこない安全パイの日本攻撃・反日暴動に戻る可能性が高まります。
国内反日キャンペイン再開・国民を煽るだけ煽って〜尖閣諸島海域で漁船や公船という名の軍船?大量投入や南シナ海での通行妨害程度のことから始める可能性がないわけではない・・・皆無ではないと見ておくべきです。
現状は、国際孤立化プラス米国の総攻撃?の結果やむなく日本ににじり寄っていますが、いつでも日本攻撃できるように同時に南京事件の教育強化や南京事件否定意見を禁止するなど着々と布石を打っています。https://www.asahi.com/articles/ASLDD7S52LDDUHBI04R.html

南京事件の追悼式典、習氏ら参加せず 日本へ配慮にじむ
2018年12月13日18時23分
昨年は習近平(シーチンピン)国家主席が出席したが、今年は習氏をはじめ最高指導部の党政治局常務委員の7人は参加しなかった。日中関係が改善するなか、日本への配慮がにじむ式典となった。
南京市では式典に合わせ、市民に1分間の黙禱(もくとう)をこの日に義務づける条例を施行。条例では、南京事件を否定したり、記念館周辺で旧日本軍を連想させるような軍服を着て写真を撮ったりする行為の禁止も盛り込んだ。

習近平が今年だけ?「出席しない」というだけのことで、南京事件否定意見をいうことすら禁止→違反すれば刑務所行き?条例を制定するなど逆に着々と制度強化しているのが実態です。
天安門事件の時に日本にすがりついてきたのと同様で「今困っているから応援をしてほしいだけで、アメリカの攻勢が終われば嫌がらせ復活します」という意思表示ではないでしょうか?
こんな国に誠意があるでしょうか?
朝日新聞は何でも中国をよりよく見せたがるようですが、「配慮がにじむ」どころか「面従腹背」という中国古来の相手を欺く常套手段の一種(現在では養光韜晦)ではないでしょうか?
この後で中国の伝統的味方である独仏を中心としたEUの動きを紹介しますが、少しの間、国威発揚の1形態である制裁合戦の帰趨・・ロシアによる対トルコ野菜輸入禁止に戻ります。
Sep 19, 2016「フラストレーション度2と中華の栄光復活」の続きです。
トルコも野菜輸出出来なくて困りますが、本来我慢競べでは世界から制裁を受けているロシアの方が困る筈ですが、比喩的に10対8の差があっても国民の不満度では、トルコの方が民主化が進んでいる関係・あるいはフラストレーション度がロシア国民より低い関係で対外強行策による支持率アップ効果が低い弱みがあって、エルドアンが遂に謝って関係修復しました。
野菜等を買う方は個々人であって、エンドユーザーは企業人ではありません。
個々人の方は、経済学者が前提にするような合理的行動する人ばかりではありません。フラストレーション度が上がると民族意識鼓舞によって、窮乏我慢力が高くなっているのが普通です。
他方海外輸出する方は,作物を庭先で近所の人に売るような仕組みではなく、企業化されているので、輸出関連業界が成立している外に、半年前に作付けした野菜の処分に困る・・資金繰りが最優先課題で動く面が大きい・・良く言えば合理性が高いのです。
民族意識の鼓舞だけではどうにもなりませんので、その突き上げの方が大きい面があります・持久戦では、輸出禁輸する方が負けるのが普通です。
買う方は制裁に関与していない国から割高でも輸入その他いろんな買い方があるのですが、輸出禁止している国・・輸出国・商売人の方がよその国に商圏を奪われるのと従業員を養い切れない資金繰りがつかなくなるので焦ります。
エルドアンは以下紹介するように6月下旬頃から謝罪の書簡を送っていましたが、謝るだけでは格好つかない状態に陥っていました。
そこで16年7月15日〜16日に起きたクーデター未遂事件に対する徹底弾圧をする一方で欧米価値観に対する挑戦的態度を表明し同時にクルド族との和解を破棄して積極攻勢に転じて国民支持を上げています。
ちなみにこのクーデター未遂事件自体、普通のクーデターでは、最優先対象である筈のエルドアン大統領に対する攻撃ないし捕捉を意図的に避けている印象・・彼がホテルを出て行った後を空爆するなど不自然・・おかしな流れでしたから、もしかしたら手の込んだヤラセっぽい演出を疑う人が多いでしょう。
クーデター直後に1万5000人近前後の裁判官や軍〜政府機関の人物をクーデター関与を理由に解任や拘束していること・・あまりにも早過ぎる点も不自然な印象です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/2016によると以下のとおりです。

「関与したとされる軍関係者が次々に身柄を拘束され、7月18日までに軍関係者、検察当局や判事など司法関係者の約7,500人以上を拘束したほか、警察官約7900人、地方の知事や首長30人を含む公務員8700人を解任した[24]。」

(普通は幹部の検挙から順に芋づる式に割れて行くものですが・・クーデター鎮圧とほぼ同時ですから驚きです。)
この疑問・・人権侵害・・政敵弾圧政策ではないかの疑問を言う欧米に対する「シャラップ」が、ロシアに対する急接近とシリア反政府連合の一員であってアメリカが支援するシリア国内のクルド族攻撃強化です。
http://mainichi.jp/articles/20160810/k00/00m/030/146000c毎日新聞2016年8月9日 23時46分

「ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領は9日、露北西部サンクトペテルブルクで会談した。昨年11月にトルコ空軍機が露空軍機を撃墜して以降 では初めてとなる会談で、両首脳は関係を正常化させていくことで一致した。先月のクーデター失敗後、欧米との関係がぎくしゃくするトルコとロシアの「再接近」にはイランも関心を示す。この3カ国が欧米やアラブ諸国との対抗軸を形成すれば、シリア内戦など中東情勢にも影響を与えそうだ。 」
「エルドアン氏が6月下旬、撃墜事件についてロシア側に謝罪の書簡を送り、半年ぶりに関係改善の糸口が開かれた。 」
「北大西洋条約機構(NATO)と軍事的対立を強めるロシアにとって、その加盟国であるトルコを引きつけることは安全保障戦略上の意義が大きい。
一方でトルコにとっては、クーデター失敗後に強権支配を進めるエルドアン政権と米欧との関係にあつれきが生じる中、ロシアとの良好な関係は有効な外交カードとして使える。エルドアン氏がクーデター失敗後の初の外遊先としてロシアを選んだのは象徴的だ。」

米国の中国攻勢→ファーウエイ副会長逮捕の衝撃5

結局は中国自身が経済原理に応じた投資に戻るしかないのですが、現在では国内企業債務膨張が限界にきているだけではなく、失業率増加に直面しているはずですがそれらが報道規制で表に出ません。
中国の債務問題は過剰設備→過剰生産→国外出血輸出→世界中の生産秩序破壊(漁業で言えば、乱獲と同じ)あるいは南沙諸島の埋め立てなど中国が「のたうち回る」のに追われて世界は鉄鋼の出血輸出規制とか領土侵害対応など目先の対応に追われてきました。
本来震源地の中国が経済不振を正視しないで目先を変えて誤魔化そうとしていたことが原因ですから、(鉄鋼出血輸出の場合、一定期間続けばその企業が倒産しますので国際圧力で縮小したのではありません・・政府が赤字補填を続ければ続きますが、その分国内で債務が累積していきます)内部的には倒産や債務超過が拡大の一途をたどっているはずです。
たとえば以下の通りです。
https://forbesjapan.com/articles/detail/24130#

2018/11/29 06:30
中国の債務問題、対米貿易戦争より重大な理由
米中の貿易戦争は、金融市場に大きな不安をもたらした。だが、この問題もいずれは収束を迎えることになるだろう。メキシコとカナダとの貿易問題と同じように、米政府が終わらせることになると考えられる。
一方、中国の債務問題は、米国には終わらせることができない。この問題は中国、そして世界の経済に大きな問題をもたらす可能性がある。つまり、中国にとって最大の問題は、貿易戦争ではない。国内外にバブル経済の危険を招きかねない、自国の債務の増加だ。
中国の政府債務の対GDP比は、公式には47.60%という低い比率だ。だが、その数値を“非公式に”把握するのは簡単ではない。それは、政府が貸し手であり、同時に借り手でもあるためだ。国有企業(SOE)と郷鎮企業(TVE)が国有銀行から借り入れをしているように、政府の一部門が別の部門に融資をしている。
それでも、いくつかの非公式な推計は発表されている。例えば、国際金融協会(IIF)は先ごろ、中国の政府債務の対GDP比は300%に達するとの見方を示した。
ギリシャとの類似点

以下省略しますが、先進国と違い貸し手が国であり、借り手も国有企業等であることから、最終的に債務カットと言っても市場原理的処理が難しいことが紹介されています。
いつ経済破綻してもおかしくない国際常識下にある中国が目くらまし的に今度は対日紛争激化させること自体が、ストップ安の引き金・・経済大混乱の引き金になる時代です。
習近平政権は自国が率先して大混乱の引き金を引く勇気がないが、国内経済の行き詰まりから目を背けるために南沙諸島の強行埋め立てや尖閣諸島侵犯行為、あるいは一帯一路計画→2025年製造強国計画など矢継ぎ早に行い国威発揚に舵を切ってしまったのですが、これが世界中の反発を受けてうまくいかず困りきっている状態でしょう。
地域大国は周辺小国相手に脅したり見栄をきっているうちは「花」ですが、世界大国の虎の尾を踏んでしまうとナチスのように限界が生じます。
習近平は政権維持のために苦し紛れの国威発揚政策の繰り返しですから、本気で米国の覇権に挑戦するまともな世界戦略があってのことではないので、いきなりトランプ氏にドスを突きつけられても、これに対する慎重な手当を用意しているはずがありません。
ここでアメリカと一騎打ちの勝負に出る蛮勇があるか?ですが、トランプ氏に25%関税を課された当初すぐにアメリカからの輸入品に同額の関税をかけるなど、一見強気に行動していたのですが、実はこけ脅しに過ぎなかったので、12月1日の首脳会談で全面降伏・・90日間猶予申し出になったように読めます。
90日間猶予の内容については、
https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20181206.html

2018-12-06 05:00:00によれば
この休戦条件は中国にとって極めて厳しい内容です。これまで、中国が問題の存在自体を認めなかった5つの分野が検討課題に挙がり、結論を出すことが求められました。
5分野は、下記の通りです。
1.米企業への技術移転の強要
2.知的財産権の保護
3.非関税障壁
4.サイバー攻撃
5.サービスと農業の市場開放

このテーマについて90日間以内に解決策を提案できない・米国が納得するような提案がない限り、追加関税やむなしということですから、勝俣氏の指摘によれば、これまで技術移転強要などないとしていた中国が上記5点の解決策を提案するしかないと追い詰められたようです。
この首脳会談時点では、習近平は知らされていなかったのですが、ファーウエイの副会長逮捕が同時に行われていたのです。
米国を「適当にごまかして先延ばしするのは許さないぞ!」というトランプの意思表示にもなったでしょう。
習近平は「国内政治の矛盾をごまかすための対外違法行為やり放題ができなくなる・・」と、国内矛盾が、まともに迫ってきます。
もともと苦しかったから国民不満を外に向けるために国威発揚政策を始めたのですが、これが逆にアメリカの逆鱗に触れて経済制裁を受けると国内威信が下落する上に国威発揚政策発動前よりも もっと国内経済が難しくなるので、二乗倍になって矛盾激化します。
国内政治的にどうにもならない結果、1日も早くアメリカと手打ちしなければ、ファーウエイその他企業製品採用禁止などの制裁効果が効いてきますので、ほぼアメリカの主張を丸飲みしてでも(・・・例によって、約束だけして結局うやむやして守らない伝統的手法)合意に漕ぎつけるのが当面の目的でしょう。
謝り謝って?米国の制裁解除あるいは先送りをさせられればさしあたり表向き成功ですが、実際の譲歩を伴う(例えば対米輸出削減を飲まされると)以上は、今でも国内経済が苦しいのに謝り続けた挙句に今よりもっと経済が苦しくなっていくと政権を維持できるのでしょうか?
傷ついた習近平の威信をどう回復するかを考えるでしょう。
北朝鮮が現支配体制(金一族の専制支配)維持の保証が対米交渉の最優先事項であるように、彼らにとっては国民のための政治よりは、権力維持・・保身が最優先事項です。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。