不祥事発覚と企業体質2(マック異物混入事件1)

汚職がはびこる・多めにみる社会でこれを拒むと何も進まない商慣習のある国で、昨日紹介したタイでの贈賄事件・・司法取引事件の様に、現地公務員から贈賄要求されても拒めるかの難問があります。
新興国や後進国では国内レベル無視で環境や労働規制も先進国基準を制定だけしておいてあとはお目こぼし社会では、ほとんどの企業が守っていないときに先進国基準の国内法令を自分だけ真面目に守れば倒産してしまう社会があります。
賄賂によるお目こぼしが常態化している時に、政敵相手に贈収賄罪でどしどし摘発を始めると政権中枢への擦り寄りしか身の安全を保てない・・それ以外の基準がない状態が出来上がり、習近平の専制支配体制がすぐに確立しました。
この流れは、外資も例外でないどころか以前よりも政府の標的にされないように神経を使わざるを得なくなってきました。
マクドナルド事件はこうした状況下で、次第に米中対決が険しくなってきた矢先に先制攻撃的にアメリカの代表的商品であるマクドナルドに照準が合わされたような印象を受けていました。
もちろん私の根拠なき一方的憶測です。
以下検索してみると、中国人の方が言われなき誹謗を受けた被害者のような受け止め方をしているようです。
26日に書いたように中国人にとっても自国文化度が先進国基準に遠く及ばないのを知っているから、已む無く低賃金や売春婦等で稼いでいるのですから、こんなことで世界の話題になるのは恥ずべき宣伝をされたと思っている人もいるようです。
NGOが中国政府筋の意向を受けて?(証拠があって言うのではなく、そう言う憶測をする人が多いと言う程度の人の意見によればの話です)日本や米国企業を痛めているつもりでも、実は自国の恥を世界に宣伝しているようなものです。
日本マクドナルドに供給する中国内の工場摘発が最初の打撃で、すぐに日本国内でも製品異物混入事件が連続発表され、その直後1〜2年は経営上どん底に陥ったのは記憶にあたらしいところです。
どのような展開であったかネット検索してみました。
https://matome.naver.jp/odai/2142059939551602301によると以下の通りです。

次々に発覚するマクドナルドの商品への遺物混入事件をまとめました。
更新日: 2015年02月07日
中国で期限切れの肉混入
マック 期限切れ肉混入の恐れ(2014年7月22日(火)掲載) – Yahoo!ニュース
マクドナルドが国内で販売しているナゲットのうち、使用期限が切れた鶏肉混入の恐れ。中国の会社が供給。
◼️ナゲットに異物混入◼️
Yahoo!ニュース – 青森のマックでナゲットに異物 (SankeiBiz)
Yahoo!ニュース(SankeiBiz) – 日本マクドナルドは5日、青森県の店舗で販売した「チキンマックナゲット」に異物が
Yahoo!ニュース – マックナゲット異物問題 東京・江東区の店舗でも「5ミリ」ビニール片混入 (産経新聞)
Yahoo!ニュース(産経新聞) – 青森県の1店でチキンマックナゲットにビニール片のような異物の混入が確認された問
チキンナゲットにゴム手袋片 マクドナルド、岡山の店舗  :日本経済新聞
岡山県津山市の日本マクドナルドの店舗で、昨年10月に女性客が食べたチキンマックナゲットに、約3~5ミリの青いゴム片が混入していたことが10日、同社への取材で分かった。タイの製造工場の従業員が肉の裁断
◼️ポテトに異物混入の恐れ◼️
フライドポテトに「歯混入」苦情 日本マクドナルド – スマホ版 – 47NEWS(よんななニュース)
日本マクドナルドは6日、昨年8月に大阪府の店舗で販売したフライドポテトに、人の歯が混入していたとの苦情が客から寄せられていたことを明らかにした。「製造工場、店舗での混
容器の中に虫 保健所がマクドナルド指導 NHKニュース
去年9月、群馬県吉岡町のマクドナルドで、ポテトフライの容器の中に大きさが1センチ程度の虫が入っていたとして、保健所が立ち入り検査をして防虫対…
◼️デザートメニューに異物混入◼️
長野のマクドナルド ソフトクリームに異物 NHKニュース
日本マクドナルドの商品への異物混入が相次いで明らかになっていますが、長野県松本市にある店舗でも、7日販売されたソフトクリームにビニール状のも…
◼️ホットケーキに異物混入◼️
マクドナルド異物混入 京都の店舗でホットケーキに金具が混入:日本マクドナルドの商品に、異物の混入が確認された問題で、2014年9月、京都府の店でも、ホットケーキにアクセサリーの金具が入っていたことがわかった。…
◼️朝マックメニュー◼️
マクドナルド 沖縄でもプラスチック片 NHKニュース
沖縄県北谷町にある日本マクドナルドの店舗で、去年11月、客の4歳の男の子が、食べた商品にプラスチック片が混入していたという報告が寄せられてい…
川越のマクドナルドで針?混入、男性がケガ : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
◼️ハンバーガーメニュー◼️
沖縄のマクドナルド チーズバーガーに異物 NHKニュース
日本マクドナルドの商品への異物混入が相次いで明らかになるなか、那覇市にある店舗でも先月、客が購入したダブルチーズバーガーに、発泡スチロールの…
ハンバーガーに虫、金属片…新たに混入発覚 | 日テレNEWS24
日本マクドナルドの異物混入問題で、埼玉県川口市の店舗でも先月5日、ハンバーガーに約1.5センチの金属片3本が、千葉県船橋市の店舗でも去年9月、ハンバーガーに虫が混入していたことが発覚した。
仙台のマクドナルド “チーズバーガーに紙片” NHKニュース
日本マクドナルドの商品への異物混入が相次いで明らかになるなか、仙台市の店でも、去年11月、チーズバーガーを購入した客から中に紙片が混入してい…
マクドナルド 大分の店でもビニール状異物 NHKニュース
釧路のマクドナルド “ハンバーガーに異物” NHKニュース
日本マクドナルドの商品への異物の混入の報告が全国で相次いでいるなか、北海道釧路市の店舗にも、去年9月に販売されたハンバーガーに差し歯のような…
マクドナルドのハンバーガーに毛が混入 : 社会 : スポーツ報知
福島県郡山市のマクドナルド郡山並木店で昨年12月25日に販売されたハンバーガーの中に、長さ3センチ程度の毛が混入していたことが13日、郡山市保健所などへの取材で分かった。
マックでネジ混入 誤飲の苦情(2015年2月7日(土)掲載)
てりやきマックバーガーにネジが混入していたとの苦情。客は誤ってのみ込んだという。

こんなに次々と異物混入が起きるのって、常識的に見て企業テロの疑い濃厚と思いたくなりますが、警察が動かなかったようです。
海外工場なので日本の警察が捜査できなかったのでしょうか?

不祥事発覚と企業体質1

フェイスブックの情報漏洩の例を見ると「一事が万事」というか、最末端不祥事発生は単なる例外的不祥事に過ぎないか、企業方針として元々個人情報を軽視してきた・倫理軽視の基本的体質が露呈したにすぎないかの見極めが大切です。
検査マニュアル無視や品質偽装問題その他これまで露呈した多くの問題は業界標準的運用・「(この程度は大目に見るというか?・必要以上に短すぎる賞味期限表示同様に「少しくらい問題がない」というような)意識が蔓延している・・自社だけではなく業界で皆がやってるから・・」という意識・不正をしている意識鈍麻から起きていることが耐震強度表示その他各分野で露呈していて次々と同業種間で同種偽装が発覚しています。
日本の誇る高品質の信用はどうしたという批判が聞かれますが、法規制や社外向け品質基準の提示は掛け声だけで実態が追いついていないことを皆が大目に見ていたのを、(実態能力より厳しめの規格にしてそれを目標に進化するという暗黙の合意成立する場合もあります・法的にこれを明確化しているのが公布後施行日まで数年置いて現場が追いつくのを待つとか、当初基準が緩めにして数年ごとに基準数値を徐々に引き上げるなどが合理的ですが、消費税の思考当初のように、年商一定額以下(これも次第に下がっています)は大ざっぱな納税で良い・消費税納付義務を緩める・いわゆる「益税」などの緩和措置もありました)
政治資金規正法などでは急な意識変化についていけない分野ですので、当面多めに見るという暗黙の合意があったように思われます。
当面の暗黙合意に過ぎないのに政治家が「多めに見ることになっている」という意識のまま、法制定あるいは規則強化後10数年も安住しているとある日突然パッシングを受けてうろたえることになります。
辻元清美氏が新人議員の時に土井たか子衆院元議長から伝授された方式でやっていたら、政治資金規制法違反だったかの詐欺罪だったかで実刑判決を受けて服役した事例がこれに当てはまるでしょうか?
我々弁護士会でも、意外に高齢会員が懲戒される事例が増えていますが、法令の変更だけではなく、どの程度まで弁護士がやるべきかの境界が動いています。
弁護士大量供給時代に入って約15年以上経過すると当時若手のサービス過剰?が「可哀想」の対象であったのですが、今や大量合格以降に弁護士になった会員の半数以上になってくると、彼ら若手の弁護サービスが標準的サービスと思われるようになる・・逆に若手同様のサービスをしないと義務違反の不満が出てくるようになってきました。
耐震偽装や、車部品の品質偽装などでは
「法規格以上のスペック提示だから法規違反ではない」と言う声も聞かれましたが、そうは言っても「約束通り」にしろという期待・法意識の合理化が背景にある・民度が上がってきた結果ともいえるでしょう。
不祥事発覚当初は現場個人責任か企業体質によるのか見極められないから、ほんの一例でも不祥事が出れば、日頃の体質・企業倫理姿勢が出たのではないか?との疑いを持ち厳しく批判をするのは合理性があります。
フェイスブックのザックバーガー氏の基本体質、個人情報などに関心を持たない点を昨日紹介した Financial Taimesの意見が厳しく批判しています。
ただし、中国や新興国への生産移管は、元々日本や先進国よりも、衛生基準が低いことや労働条件劣悪・賃金水準が日本より安いこと・品質も日本より数段落ちる前提での生産移管です。を常識的前提でコスト減を目的に国外進出するものです。
それなのに、低賃金〜非衛生環境でこき使っていると批判されるのは企業にとっては・消費者は「中国製であれば品質基準はこの程度」という納得で買っているのではないか?という立場とすれば心外でしょう。
仕入れ業者は、少しでも安いものを仕入れたいから、「安かろう悪かろう」を承知で仕入れているのですが、末端消費者はそれを知らされていません。
私の家でも生協の配達を頼んでいますが、毒餃子事件が起きて生協が中国の工場で作った餃子を仕入れていたことを報道で初めて知ったものです。
最近では生産地表示義務が徹底されていますが、表示さえ正確であれば国民は納得で買う以上、一定の諦めがあります。
「ある程度汚いのは知っているけど半値以下だし安いから良いか」と買った人は少しくらい衛生基準が悪くても中毒事故にさえならなければ「そんなもの」という諦めがあり、怒りません。
(とはいうものの「毒餃子」となれば驚くでしょうが)
現地国にとっても先進国基準で賃金を払って欲しいし、冷暖房完備・衛生的に行き届いた環境で働かせたいが、それでは工場誘致できないので、「先進国に追いつくまでは低賃金でも我慢するので工場進出して欲しい」という妥協でなりたっているものです。
これを中国は汚いと世界中で宣伝されるのは、恥ずかしいし嫌なものでしょう。
不正競争防止法で、どの程度まで国外違反を許さないかは民意をバックにした国会で決めるべきことであって、なんの民主的裏付もない(もしかしたら中国から資金を得ているかすら不明の)NGOが国連にも持ち出して日本批判する資格があるか不明です。
ただし、賄賂を要求に応じないという評判自体良いことですが、それをしないと受け入れう現地企業より不利に扱われれるという意味では内外不平等の原則を受け入れたという中国の国際約束に反します。
衛生・品質基準が日本企業は特に厳しいというブランドイメージが中国国内で定着すれば、日本への輸出基地機能としては利用できなくとも、逆輸入や第三国への輸出基地としての工場進出が終わって中国国内市場での販売目的の進出の時代になると品質ブランド定着が有利に働く面もあります。
MGOによる日本企業批判(反日目的?)運動が、今の訪日中国人観光客の爆買いに繋がっているとすれば、何が幸いするかはわかりません。
先進国では日本だけエネルギーの国外依存度が高かったせい石油ショックで大変ではあったものの、その結果省エネ対策が最先端になって今国際競争j城有利になっているし、左翼による公害反対運動が厳しかったおかげで環境規制対応力で世界に先駆けることができたこともあります。
汚職関連も同様で、中国人上司の指示や部下の進言で賄賂提供に日本人が関与すれば日本人だけ日本の警察に検挙され処罰される仕組みだとかわいそうです。
特に後進国では国際標準な合わせるために、先進国なみの厳しい法令を施行して先進国の体裁を整えるものの実際には摘発しない・・運用が緩やかという例が多いのですが、(中国の知財関連法はその最たる例です)誰も守れないし、守らなくて良い法令でも後進国では作っておけば、政府が処罰したい人物や企業に対しては(習近平が政権を握ると汚職で検挙粛清した)規制違反で処罰できる仕組みです。

異文化尊重と人権4(国際標準3)

排ガス規制や建築あるいは保健衛生規制その他いろんな規制がありますが、それらは原則国内での違反規制であって国外で日本法違反建築をしても日本の建築法規違反や、排ガス規制処罰対象ではありません。
よその国で日本の建築規制に合わない(例えば耐震基準)建築工事しようとその国の耐震基準で適法であれば良いことです。
労働法規も国民を守るための法制度ですから国ごとに違って良いことですし、上記の通り各種規制法は皆同じですが、(殺人行為はどこの国でも処罰されますが、本来国ごとに別で良いのですが、殺人や泥棒などはどこの国でも処罰の必要性が同じになっているというだけの結果であって、だから処罰程度(死刑のある国や鞭打ち刑のある国など)や刑罰程度も国によって違います。
国外で日本の労働法基準以下(日本の最低賃金以下など)で雇用すると不正競争になるのかな?
不正競争という概念は広いので何でもなりそうですが刑事罰対象にするには、「不正行為」というだけではなく具体的な要件事実を法に書いてあるものだけが処罰対象になるはずです。
よその国で日本の残業規制や最低賃金以下の過酷?労働批判は国外処罰規定までは同法にないと思われますが、これを強力に批判するのは実質的競争阻害運動になります。
不正競争防止法を念のために見ると外国公務員に対する賄賂罪が規定されていますが、労働法規違反や低賃金や非衛生などの処罰規定はありません。

不正競争防止法 (平成五年法律第四十七号)

(外国公務員等に対する不正の利益の供与等の禁止)
第十八条 何人も、外国公務員等に対し、国際的な商取引に関して営業上の不正の利益を得るために、その外国公務員等に、その職務に関する行為をさせ若しくはさせないこと、又はその地位を利用して他の外国公務員等にその職務に関する行為をさせ若しくはさせないようにあっせんをさせることを目的として、金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をしてはならない。
以下外国公務員の定義等省略

現地の環境・労働法規その他の各種法規を守っていても日本国内法規あるいは国内価値水準に適合しなければならないのでは、(環境汚染や汚職その他やり放題・・規制のゆるい中国等新興国では、)日本企業の発注先企業にのみ先進国基準を要求するのでは、競争上ものすごく不利になります。
ただし、今や親企業だけではなく子会社の道徳違反や環境無視も親企業の価値観の表れとして批判される時代になっている事実は受け入れるしかないでしょう。
そうでないと汚れ役を現地企業や子会社を作ってそこに押し付けて大手企業は綺麗事を言ってれば良い事になります。
国内法で言えば産業廃棄物違法投棄頻発が社会問題になって以降、産廃法では、末端の怪しげな業者に丸投げによる責任逃れを防ぐために途中どの業者が関与したかに関わらず、(マニフェスト・インボイスが連続していても)違法投棄が発見されれば、排出元・・建築業者等がその虚偽記載に関与していなくとも最終責任を負う仕組みになっています。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)(昭和45年12月25日法律第137号)

第十九条の六 前条第一項に規定する場合において、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあり、かつ、次の各号のいずれにも該当すると認められるときは、都道府県知事は、その事業活動に伴い当該産業廃棄物を生じた事業者(当該産業廃棄物が中間処理産業廃棄物である場合にあつては当該産業廃棄物に係る産業廃棄物の発生から当該処分に至るまでの一連の処理の行程における事業者及び中間処理業者とし、当該収集、運搬又は処分が第十五条の四の三第一項の認定を受けた者の委託に係る収集、運搬又は処分である場合にあつては当該産業廃棄物に係る事業者及び当該認定を受けた者とし、処分者等を除く。以下「排出事業者等」という。)に対し、期限を定めて、支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。

要するにマニフェスト等の書類完備があっても、実はそのマニフェスト記載が虚偽(正規の処理場へ搬入していなかった場合=文書偽造?)、ゼネコン等排出者にはそれを見抜けなかったことに過失がなくとも(有名な豊島事件では原告側は、排出者は処理業者委託に際しての慎重な調査義務があったなどの管理責任を問う法律構成で訴訟に持ち込み和解に至ったようです。)上記事件のように過失を認定しなくともこの条文で「支障の除去等の措置」命令を出せることになっています。
「支障の除去措置命令」とは違法に投棄された産廃の除去命令です。
何年かのちに途中の山林に投棄されていることが判明すると何も知らなかったとしても排出元に最終責任が来るのですから、建築業者等は日頃から信用できる業者に発注するように心がけるしか無くなります。
また経済的にも大手の場合、連結どころか関連企業の不祥事が命取りになる例が出てきています。
日本のバブル崩壊後の金融危機の回顧記事が最近日経新聞でシリーズ的に出ていましたが、1週間ほど前だったか?長信銀の 元副会長だったか?の回顧記事で本体は危機ではなかったが、子会社に問題があったことの発見が遅れたような意見が出ていました。
昨年あたり大騒ぎになった東芝の(倒産騒ぎ?)問題も、結果から見れば米国のウエスチングハウス社を買収して子会社に取り込んだところ、その会社の大幅赤字が屋台骨を揺さぶる結果になったものです。
フェイスブックの信用ガタ落ちの始まりは、研究資料として個人情報利用を許したロンドンの研究者がロシア関連に情報を横流しして選挙介入に利用された疑惑がその始まりでした。
それが今や、アップルやアマゾン、マイクロソフトなど大手企業にも個人情報を利用させていたことが判明しているらしいです。
(日経新聞12月27日朝刊6p Financial Taimesのコラム等の転載記事によります)
フェスブックの不祥事はミスではなく意図的?経営者の金儲けになれば、個人情報保護など気にしないという意識も問題というステージに発展しているようです。

異文化尊重と人権3(国際標準2)

例えば、日本で禁酒法や禁煙法が制定された場合、外国に行って飲酒・喫煙したのがバレたら帰国後処罰されるのか?となります。
このためになんでも国内法違反行為を外国でしたら、帰国時に処罰されるわけではない・刑法では属地法主義が原則で属人法適用は例外になっている所以です。
例えば殺人などの重罪犯は国外犯も処罰されるし行政法違反等は処罰されないのが原則的法原理です。
刑法

(国内犯)
第一条 この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。
2 日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても、前項と同様とする。
(すべての者の国外犯)
第二条 この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。
一 削除
二 第七十七条から第七十九条まで(内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助)の罪
三 第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)、第八十七条(未遂罪)及び第八十八条(予備及び陰謀)の罪
四 第百四十八条(通貨偽造及び行使等)の罪及びその未遂罪
五 第百五十四条(詔書偽造等)、第百五十五条(公文書偽造等)、第百五十七条(公正証書原本不実記載等)、第百五十八条(偽造公文書行使等)及び公務所又は公務員によって作られるべき電磁的記録に係る第百六十一条の二(電磁的記録不正作出及び供用)の罪
以下省略

(国民の国外犯)
第三条 この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。
一 第百八条(現住建造物等放火)及び第百九条第一項(非現住建造物等放火)の罪、これらの規定の例により処断すべき罪並びにこれらの罪の未遂罪
二 第百十九条(現住建造物等浸害)の罪
三 第百五十九条から第百六十一条まで(私文書偽造等、虚偽診断書等作成、偽造私文書等行使)及び前条第五号に規定する電磁的記録以外の電磁的記録に係る第百六十一条の二の罪
四 第百六十七条(私印偽造及び不正使用等)の罪及び同条第二項の罪の未遂罪
五 第百七十六条から第百八十一条まで(強制わいせつ、強制性交等、準強制わいせつ及び準強制性交等、監護者わいせつ及び監護者性交等、未遂罪、強制わいせつ等致死傷)及び第百八十四条(重婚)の罪
六 第百九十八条(贈賄)の罪
七 第百九十九条(殺人)の罪及びその未遂罪
八 第二百四条(傷害)及び第二百五条(傷害致死)の罪
以下省略

上記のように政策上必要ものに限定列挙形式です。

第五条 外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない。ただし、犯人が既に外国において言い渡された刑の全部又は一部の執行を受けたときは、刑の執行を減軽し、又は免除する。

殺人罪等は国外で犯した場合、処罰規定のない国がないのでそこで処罰されるので、実はそれほどの必要性はありません・・。
上記によると賄賂罪を国外で犯しても日本で処罰されそうですが、これは公務員犯罪ですから日本の公務員に対する贈賄であって、外国公務員は刑法でいう公務員ではありませんから不適用です。
日本の国家秩序を守るための刑法ですから当たり前です。
たまたま、今朝の日経新聞朝刊28pでは、初の司法取引の初公判として、タイの工事現場で現地係官に贈賄要求されて現地担当者が日本本社に相談して贈賄要求に応じた事件(内部通報?)での司法取引(会社側が捜査協力して法人自体が処罰されない取引)内容が公開された記事が出ていました。
え?外国公務員への贈賄がなぜ日本刑法の贈賄になるのか?とよく読んでみると贈賄罪の起訴ではなく「不正競争防止法違反(賄賂)」という記載になっていました。
不正競争は企業間の公正競争の問題ですので、国外での企業間競争を公正にするためには国外の不正競争も取り締まる必要があるので不正競争防止法では国外の不正競争行為でも不正競争取り締まり対象になっているのでしょう。
ところで、第5条で国内で処罰できるとしても国外で処罰された刑罰を(二重処罰にならないように)減刑免除される仕組みですから結局国外で殺人等を犯して検挙されないで日本に帰った時に処罰するメリットが中心でしょう。
弁護士になったばかりの頃にハワイでの殺人事件で服役後強制送還された事件(成田空港で入国後即逮捕です)の刑事弁護をしたことがありますが、日本の裁判で8年のところハワイで6年服役していえば残り2年となります。
警報は国民の善導のために巨費を投じて行うものですから、外国人までいちいち刑務所で教育してやるのは国費の無駄です。
入院患者と比較すればわかりますが、働き盛りの国家公務員(平均年収5〜600万?)が24時間体制で監視し移動時には付き添い、3食支給し収容時の医療体制を講じるなどものすごい経費です。
どこの国でも被害者が自国民でなければ、できるだけ執行猶予等の軽い刑罰にして母国に強制送還して母国(母国では自国民が殺されているし被害感情もあるし、物騒な人を野放しにできないなら自分で再教育や面倒見てもらいたいので、すぐに母国(日本)へ送られてきます。
日本の外国人事件でも余程の重大事件でないと原則執行猶予で即強制送還ですから、オーバーステイプラス売春防止法違反あるいは不法就労や交通事故などの事件では「どうせ執行猶予だろう」という見込みで入管職員が法廷に迎えにきています。
このように刑法では限定的に列挙した行為だけ国外で犯しても処罰されるとなっているのに、日本NGOが外国の発注先企業があたかも日本基準を前提に(正確には言ってません・・イメージ流布だけです)大々的に国連等で批判運動するのはおかしな論法です。
上記の通り、日本の賄賂罪にならないが、不正競争にならないかという内部通報の発達もこの一種でしょう。
実質的競争阻害と言えますが、不正の態様に応じて国外処罰規定のあるのとないのがあると思われますが、そのさじ加減は国会(民意)で決めるべきことです。
国外処罰規定がないことを、NGOが騒いで批判しているとすれば行きすぎではないでしょうか?

異文化尊重と人権2(国際標準1)

お隣の子供がいつも虐待されて泣いているのを見て、隣人は見てられない・・かわいそうだがどうするかの問題に似ています。
地域内のことは児童相談所や警察や学校に通報すれば済むでしょうが、隣の国のことになると放っておくしかないのでしょうか?
粗野な人とどの程度深く付き合うか、嫌な部分を見ないようにして仲良くしていくかは、個人的には大人の知恵の問題です。
それとなく嫌な人とは付き合いを弱めていくしかないでしょう。
安倍外交・国際戦力の基本は価値観共有というスローガンでしたが、粗暴な価値観をひけらかす国とは「一線を画す」という意味でもあったでしょう。
従来権力は家庭に介入しないという基本ルールがあったのですが、(家庭内暴力が昔に比べて増えた結果とは思えないですが)女性の権利意識の高まりによって、まずは家庭内暴力への関与システムが広がり(DV法関連の整備)、続いて(児童虐待の場合には児童が死亡するほどのひどい暴力や虐待は3世代同居などの抑止機能がなくなって、マンション等の閉鎖空間で母親の孤独育児と相まって昔より増えたような印象ですが)少子化で「子供は社会共通の宝」意識の高まりからか、原則としてまだ児童相談所経由ですが徐々に警察の関与する場面が増えてきました。
国際社会がこの延長意識で安易に他国内政にまで「人道といえば介入する権利」があるかのように振る舞うのは、今の所まだ行き過ぎでしょう。
西欧では宗教戦争に疲れた結果、ウエストファーリア条約で主権に介入しない(お互い宗教に口をさない)という国際合意ができたのですが、この20年ほどを見るとNGO等による後進国での労働環境劣悪等の批判で国際企業が対応に追われるようになっています。
人権をテーマにすれば、人類の叡智である主権尊重を無視するようになってきたのが行き過ぎた面もあるでしょう。
日米法人が自分で海外に立地する工場等だけでなく、発注先の現地工場が現地環境保護や贈収賄基準に違反していなくとも日本国内法違反で処罰するようになると企業にとっては後進国進出あるいは、後進国製品が安いので輸入する意味がなくなります。
米国や日本国内での贈収賄や環境保護法に反していれば、非難殺到という状態です。
日本企業ではユニクロの発注先の中国工場が、劣悪な労働環境で現地人を雇用しているとして標的になったことがあります。
https://ironna.jp/article/948

まさに地獄! 潜入調査で見たユニクロ下請け工場の実態
『伊藤和子』
長時間労働と低い基本給
Pacific および Luenthai は基本給をそれぞれ月額1550人民元及び1310人民元としているが、これは最低賃金であり、平均的賃金レベルよりはるかに少なく、時間外労働によって生活賃金を稼ぐことが常態化している。そして、両工場の時間外労働数は驚くほど長い。時間外労働時間数は、 Pacificで月平均134時間、Luenthaiで月平均112時間の時間外労働と推計されている。中国労働法では36時間を超える時間外労働は認められておらず、明らかな法律違反である。
2)リスクが高く安全でない労働環境
排水が作業現場全体にあふれている(SACOM提供) いずれの工場の労働環境も、大変劣悪・危険であり、労働者の健康と安全に深刻なリスクをもたらしている。

 例えば、Pacific工場では排水が作業現場の床全体にあふれている。床が滑りやすいことにより、転倒し、身体不随になるような労働災害を引き起こす可能性があるし、機械の漏電のリスクも高い。
深刻なのは、工場内の異常な高温である。工場の夏季の室内気温は約38℃にまで達しているが、エアコンはない。そのため、男性の多くは上半身裸で作業をし、女性も汗だくだという。聞き取り調査に答えた労働者は「あまりの暑さに夏には失神するものもいる」、状況は「まるで地獄だ」と話した。染料部門では、染料タンクは運転時に非常に高温になるため、室温は38-42℃にまで達し、作業員は100-135℃となる染料タンクのそばに立って、タンクから重い生地を取り出さなければならないが、囲いやゲートはなく、労働災害による怪我のリスクが増加している。
3)厳しい管理方法と処罰システム
4)労働者の意見が反映されない

以上はいずれもユニクロと取引のある中国の現地企業の工場ですが、発注元のユニクロにその改善を要求するものです。
日本に本籍のあるNGOは、国際的に日本非難を展開するための資料集めをしている印象を児童売買春関連で書きましたが、肝心の中国の常軌を逸した人権侵害には何も言わないのが特徴です。
上記告発?を見ると私が弁護士になったばかりの頃に千葉の臨海工場地帯を見学した時の印象・真っ赤に溶けた鉄の塊を入れた箱をレール状で運ぶ人夫・灼熱地獄のような現場・あるいは、子供の頃に普通にあった蒸気機関車の釜に石炭をくべる人夫?の姿など彷彿とさせる描写です。
飲食店等の厨房は長靴で働いているのが普通で、それが進んだ姿でした。
一般家庭の台所は土間が一般的でしたので、水や液体系をこぼすと大変でしたが(不潔になります)、プロの飲食店では床全面がコンクリート式になっていて、しょっちゅう水で床を洗えばいいので非常に衛生的という意識でした。
中国は日本に約40年遅れで追いつこうとしているのですから、いまの日本の衛生基準や労働環境を基準にして非難しても始まらないと思います。
この後で、マックの異物混入事件で紹介しますが、後進国はおもて通りだけ高層ビルを建てても生活の基礎意識まで(表通りの舗装はできても路地奥まで綺麗にするには時間がかかる)急速には変えられないし衛生観念も変わらないということです。)
外地で犯した日本基準の法令違反行為・・NGO摘発によれば、単に日本の衛生観念に届かないという程度で日本でも法令違反と言えないものも批判対象に含まれていますが、現地法令に触れない限り現地生産するのは違法でもないし、現地に行けば現地の衛生観念に従って生活すれば(手を洗ってからでなければ、食べたくないと言っても、手を洗えないところでは仕方がないこともあります・・)良いことではないでしょうか?
国内で言えば禁煙場所で喫煙するのはマナー違反でしょうが、喫煙場所に行って喫煙するのは違法でもマナー違反でもありません。
場所ごとのルールを守れば、非難されるべきことではありません。
各地の現地人がその国の法律を守っている限り日本法令に違反していても処罰できないのに、日本人だけ外国にいるときの日本法違反で処罰されたり、日本の不買運動に企業が晒されるとなれば、なんとなくおかしな気がします。
日本で禁酒法や禁煙法が制定された場合、外国に行って飲酒・喫煙したのがバレたら帰国後処罰されるのか?となります。
日本人や日本企業だけが現地の環境労働法規その他の各種法規に関係なく日本国内法規あるいは国内価値水準に適合しなければならず、(環境汚染や汚職その他やり放題・・規制のゆるい中国等新興国では、)日本企業の発注先企業のみ先進国基準を要求するのでは、競争上ものすごく不利になります。
ただし、衛生・品質基準が日本企業は特に厳しいというブランドイメージの中国国内定着が、日本への輸出はダメでも輸出基地としての利用が終わって中国国内販売にシフトするようになると有利に働く面もあります。
MGOによる日本企業批判運動が今の訪日中国人観光客の爆買いに繋がっているのでしょうから、何が幸いするかはわかりません。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。