米金融政策3と韓国2

https://www.mof.go.jp/jgbs/publication/debt_management_report/2017/saimu2017-3-ho.pdfによると平成28年度末普通国債発行残高は8,305,733億円です。
この海外保有率をhttps://www.mof.go.jp/jgbs/publication/debt_management_report/2016/saimu2016-1-3.pdfで見ると約10%です。
メデイアはしきりに「債務を次世代に残すのか!」といいますが、9割は国内保有ですから国民がその債権を相続するので世代的には差し引きほぼ同じです。
企業保有分は・たとえばトヨタの株主に外資も混じっていますが、結果的に個人金融資産合計が国債発行残高より多ければ、イザという時にはハイパーインフレでしょうから、政府に貸し込んでいた人が損をする・・だけです。
極端な話、99%を外資に買ってもらっていて国民がその何倍も外債を保有しているときにハイパーインフレで国債相場が額面100分の1に下がった?時に外債を売って日本国債を買えば国民が儲かります。
この辺の流れを以前書いたことがあります。
要は税金で国費を賄わないで「国民に借りたことにして」賄っているのですから、貸したつもりの債権がイザという時の帳消しになる・・税に変わるだけのことです。
国民個人金融資産は1829兆円ですから(外国人保有分を値下がりしない状態で次世代が買い戻しても)1000兆年円あまります。
日本は国民の立場が強い・・国民を大事にする国であることが、数字で現れています。
国民を借金まみれにして苦しめておいて、政府だけ黒字では意味がないでしょう。
韓国の現状に戻ります。
https://www.recordchina.co.jp/b205994-s0-c30-d0035.html

国籍を捨てる韓国人が急増、移民先は米国や日本が人気=韓国ネット「当然だよ」「韓国が最高の国なのに…」
2017年11月7日、韓国・ヘラルド経済は「ヘル朝鮮(地獄を意味するHellと韓国の昔の名称である朝鮮を合わせた造語)を脱出する人が増加していることが統計でも確認された」と伝えた。
韓国の移民政策研究院が7日に発表した資料によると、過去10年間で韓国国籍を離脱した人の数は22万3611人に上る。2007年に2万3528人だった韓国の国籍離脱者は減少傾向をたどり、15年には1万7529人を記録。しかし昨年は3万6404人を記録し、前年より約2倍も増加した。韓国の国籍を離脱した人が最も多く取得した国籍は米国で、その数は9万4908人に達する。次いで日本(5万8870人)、カナダ(3万2732人)が続いた。一方、韓国国籍を回復した人の数は2万2974人に過ぎなかった。

https://gangnam.keizai.biz/headline/673/

韓国の男女、10人に7人が「海外移住したい」
2017年01月13日
韓国の就職ポータル「ジョブコリア」とアルバイトポータル「アルバモン」は1月10日、「成人男女10人に7人が海外移住の意向がある」と発表した。
同社では、成人男女4802人を対象に「移住」に関連するアンケートを実施したところ、70.8%が「機会があれば外国に移住したいと考えている」と回答。年代別で見ると、若いほど移住への関心は高く、20代は約73%が海外移住の意思があり、以下、30代は72.4%、40代は62.8%、50代は42.8%の順となった。

韓国の場合アジア危機時の経験で対外債務は改善されていると言われているので、これが事実とすればこの数年で個人債務が急膨張していても国内ツケ回しの問題にすぎず、国家全体の経済危機には関係がないことになりますが、債務負担部門が個人に偏っているので個人の国外逃避騒ぎが起きているのでしょう。
公式統計には現れませんが、世界の売春婦輸出国として韓国が著名になっている現状にも現れています。
売春婦に関しては引用出典が正しいか報道かどうかどうか不明ですが、以下のようなネット報道があります。

https://kaikai.ch/board/23318/

2017/08/08(Tue) 09:40:01
『シアトルタイムズ』は今年7月26日付の報道で、昨年1月に逮捕された売春斡旋グループが韓国で経済的に困窮している女性たちを勧誘し、シアトルなどアメリカ北西部で売春をさせていたと伝えている。
韓国メディア『韓国日報』は「在米韓国人社会に泥を塗った」と報じた
2010年10月の国会国政監査でキム・オギ議員は「韓国人女性10万人余りが海外で遠征売春を行っている」と発言している。
彼女によれば、“遠征売春”を行う韓国人女性は、日本に5万人、オーストラリアに2500人、グアムに250人、その他ニュージーランド、中国、香港、アメリカなどを合わせて10万人に達するのだという。
また、今年3月には「アメリカの公式統計によれば、(アメリカ国内の外国人売春婦の中で)遠征売春に来た韓国女性たちの割合は23.5%」という報道も出ている(『NEWSTOWN』)。これはアメリカの外国人売春婦の中で最も多い割合で、2位のタイ(11.7%)、3位のペルー(10.0%)にも大きく差を付けている。
その背景には、経済的な困窮があることは間違いないだろう。
例えば昨年には経済協力開発機構(OECD)が韓国の青年失業率(15~29歳)を10.7%と発表している。2012年から右肩上がりとなっており、日本の5.2%と比べても倍以上の数字だ。
しかも韓国は男女賃金格差も大きい。『女性新聞』の報道によれば、2016年の男女賃金格差は36%で、日本(27%、厚生労働省発表)を含めたOECD加盟国の中で最も格差があった。
「性売買特別法」の影響  実際、2009年の海外性売買の関する検挙者数は128人だったが、2013年には496人と4倍近くまで増加している。

債務膨張と債務負担部門1・中韓

債務問題はどの部門で債務が大きいかはミクロの問題であって、マクロ的にはその民族全体で対外債務がどうなっているかが重要で、債務をつけまわす場所の違いでしかないというのが長年の私の持論です。
(日本の財政赤字問題は部門別問題に過ぎず、個人金融資産は巨額で、国家全体問題ではない・・江戸時代に幕府財政は火の車でも、農民や町人は豊かに各種文芸を楽しみ、爆亜mtに来日した西洋人が驚くほど社会が高度に発達していた歴史を見れば明らかです。)
国家全体の対外債務によっては、ベネズエラやアルゼンチンのようなハイパーインフレが襲います。
中国の場合、リーマンショック後の財政出動を地方政府にやらせた結果、地方政府が(土地バブルを煽って?)融資平台(シャドーバンキング)利用の債務膨張→不動産バブルが終わって苦しむようになると、この数年採算度外視の鉄道建設に象徴されるようにインフラ投資で国内景気維持に必死になっていた結果この赤字のつけまわし・・、国有企業にこの役割を押し付けて・いわゆる一帯一路政策もこの延長です・・不良債権の積み上げが行われています。
一帯一路計画の一環・スリランカの港湾設備工事の費用をスリランカ政府が払えない→代金支払いの代わりに中国政府が港湾経営権を99年間の運営権獲得したのは「新植民地支配」高利貸し商法」と評判が悪いですが、中国国内経済で言えば、インフラ投資経費を国有企業に押し付けてこの債務を株式化してごまかすやり方と同じ発想を外国政府相手にやっているのではないでしょうか。
中国は古代の原初から民族国家ではない・商業基地・城壁で囲まれた都市国家を未開の地に転々と飛び石状に展開してきたなりたちであることを、このコラムで連載してきました。
この性質上、政府と支配下民族の一体感が元々ない(夜襲されないように日暮れとともに城門を閉め鶏鳴によって朝城門を開く仕組み)ので、(城外の)被支配民族も好きなように国外逃避・・・いわゆる華僑として未知の世界に移住していくことに何のためらいもない民族性です。
こういう国では、国内でどの部門が資金を蓄え、どの部門が債務を負担するかは極めて重要です。
中国では中央政府と地方政府は一体感がない・中央は地方に債務負担を押しつけて中央政府の財政が健全であることが、中央政府の強みになっています。
チベットやウイグル族に対する残虐な弾圧を平然と実行できる所以です。
政府と国民の利害対立論理(中央地方の一体感の差)を日本に当てはめて「中央政府の赤字」を騒ぐのはナンセンスと言うのが私の持論です。
中国式支配構造の歴史に親しんできた韓国の債務負担構造がどうなっているかを見ておきましょう。
https://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=242355

昨年の韓国家計負債増加速度、世界3位
2018年06月18日09時58分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
収入よりも負債が急速に増加したことにより、昨年の韓国の家計負債は主要43カ国中3番目に大幅に増えた。家計負債増加速度は処分可能所得の増加速度の1.6倍であることも分かった。
17日、国際決済銀行(BIS)と韓国銀行経済統計システムによると、昨年末の韓国の家計信用(家計の借金)は家計処分可能所得(所得から税金・年金費用などを除いた金額)の159.8%を記録した。これは1年前に比べて5.2%ポイント高い水準だ。
政府の規制にもかかわらず家計負債が大きく増加した。昨年の家計信用は108兆3000余億ウォン(8.1%)、家計処分可能所得は39兆3000億ウォン(4.5%)増えた。処分可能所得に対する家計信用比率は過去3年間で23.4%ポイントも上昇した。
日本の個人金融資産を比較しておきます。
https://jp.gdfreak.com/public/detail/jp010501004020111045/1
なぜかグラフのコピーができませんが、
https://www.nam.co.jp/market/column/trend/2018/180703_2.html記載の以下の数字は上記政府発表数字と同じで正確です。

2017年度末の家計の金融資産残高は、1,829兆円となり年度末の残高としては過去最高となる。

日本場合、政府財政赤字が進んでもそれ以上に個人金融資産が増えています。
https://www.mof.go.jp/jgbs/publication/debt_management_report/2017/saimu2017-3-ho.pdfによると平成28年度末普通国債発行残高は8,305,733億円です。
この海外保有率をhttps://www.mof.go.jp/jgbs/publication/debt_management_report/2016/saimu2016-1-3.pdfで見ると約10%です。
メデイアしきりに「債務を次世代に残すのか!」といいますが、9割は国内保有ですから国民がその債権を相続するので世代的には差し引きほぼ同じです。
企業保有分は・たとえばトヨタの株主に外資も混じっていますが、結果的に個人金融資産合計が国債発行残高より多ければ、イザという時にはハイパーインフレでしょうから、政府に貸し込んでいた人が損をする・・だけです。
極端な話、99%を外資に買ってもらっていて国民がその何倍も外債を保有しているときにハイパーインフレで国債相場が額面100分の1に下がった?時に外債を売って日本国債を買えば国民が儲かります。
この辺の流れを以前書いたことがあります。
要は税金で国費を賄わないで「国民に借りたことにして」賄っているのですから、貸したつもりの債権がイザという時の帳消しになる・・税に変わるだけのことです。
国民個人金融資産は1829兆円ですから(外国人保有分を値下がりしない状態で次世代が買い戻しても)1000兆年円あまります。
日本は国民の立場が強い・・国民を大事にする国であることが、数字で現れています。
国民を借金まみれにして苦しめておいて、政府だけ黒字では意味がないでしょう。

米金融政策の影響1と中韓

米金融政策の影響1と中韓

米国金融政策の影響力に戻ります。
2日ほど前には、米連邦準備理事会議長の記者会見で、12月の記者会見で発表した19年中2回の利上げ既定路線が否定されバランスシート縮小の年内停止示唆したことを世界の市場は好感し、ひいては日本円高予想になっています。
https://www.smamjp.com/documents/www/market/ichikawa/irepo190131.pdf

2019年1月31日三井住友アセットマネジメントシニアストラテジスト
市川雅浩

米連邦準備制度理事会(FRB)は、1月29日、30日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年2.25%~2.50%で据え置くことを決定しました。利上げの見送りは織り込み済みでしたが、今回のFOMCは全体として市場の予想以上にハト派的な内容となりました。まず、FOMC声明について、重要な変更点が3つありました。

 
 
この結果から政策金利は年内据え置きの予想に変更、バランスシート縮小も年内停止の可能性1月30日の米国株は上昇、米国債の利回りは低下(価格は上昇)で、それぞれ反応しました(図表1)。
米ドルは、米国債の利回り低下や、FF金利先物市場の利上げ回数の織り込み低下(図表2)により、対主要通貨で下落し、ドル円は1月30日に一時108円81銭近くまでドル安・円高が進行しました。
今回はFOMC声明とは別に、バランスシートの正常化に関する声明も公表されました。この声明で、FF金利が金融政策の主要手段としながらも、バランスシートの正常化の完了に向けて詳細を調整する用意があることや、状況によってバランスシートの規模と構成内容を変更する用意があることが確認されました。
ただし、声明に具体的な手段は示されておらず、現時点では基本方針の表明のみなっています」

トランプ氏恫喝に動じたか市場反応によって動じたか不明ですが、議事録公開による説明トーンの変化について書いてきたように、すでに今年2回の利上げは遠のいていると年初から見られていたことの正式確認で扱いです。
これまで、米国金利上げに戦々恐々状態であった世界経済はこれで一先ず息をついて、年初から新興国や先進国低格つけ社債発行などが増えているようです。
中国ではGDP比の負債拡大が大問題になっていても企業救済をやめられないように、世界(日本の財政赤字も同根)は紙幣増刷→債務拡大問題をどうするかのテーマに取り組むべき時期が来ているようです。
産物・供給量同一で紙幣発行量が2倍になれば物価も二倍になる単純論理で結果的に債権債務が均衡(債務帳消し・借金していた人や企業が得する)する仕組みでしたが、閉鎖社会から解放経済になると物価が二倍になれば半値以下の近隣国からの輸入が増えるので、一国で紙幣増発しても物価が上がらないので(日本の場合、平成に入った頃から20〜10分の1以下の中国製品が流入しました)上記のような単純論理での解決できなくなりました。
結果的に債務の帳消し(物価を2〜3倍にすれば債務負担2〜3分の1になりますが)ができないので、債務が積み上がる一方になってきたのです。
財政赤字解消の即効薬として日本では物価上昇を目ざすリフレ政策を採ってきましたが、上記の通り物価をあげれば国内企業の国際競争力が落ちて、輸入が増えてしまうので無理がありました。
この辺の論理構造をだいぶ前からこのコラムで書いてきました。
日本の場合には、国民債務膨張でなく政府債務だけ膨張していく関係・国民は国債を買って債権者になっている関係、中韓では政府債務よりは、国民や地方政府や国有企業債務が膨張していく仕組みでした。
国家が強く国民が弱い国かの違いであって、トータル破綻すれば国民が困るのは同じですが、愛国心の強い民族の場合、いざとなれば(戦時中は鉄不足のために鍋釜お寺の鐘まで供出したし)私財どころか前線の兵士は生命を擲っても国(構成する民族)を守る・敗戦で祖国が食うや食わずになっても皆外国から引きあげて復興に尽くす国民ですので、政府がお金を持っていなくとも国民に資産を持たせておいても心配がないし、愛国心のない民族の場合、個人資金を海外に隠しておいてイザとなれば国外脱出するので、政府は国民を信用していないし、国民も政府を信用していない相互関係です。
中国の場合裸官で知られていますし、韓国の場合国外脱出熱の高さが知られています。
国内的には愛国心を訴え国民を煽る政治家が多く、大袈裟に叫ぶ国ほど(相互信頼がないから)こういう傾向があります。
日本の場合政府・学者が「国際人材が育たない」と心配するほど、多くの若者が海外に行きたがりません。

紫衣事件と象徴天皇制の確定

ここで天皇象徴性への過渡期〜確立までの様相に戻ります。
信長の朝廷費用援助に続いて次期政権秀吉は朝廷への肩入れをし、京の町の復興に力を入れたので京の町衆や朝廷・・現在でも上方では秀吉人気が強いのですが、基本的に朝廷権威が武士の援助による以上は、根底からないがしろにされる時代の流れは止まりませんでした。
天皇家とそれを支える公卿層の独立経済力がなくなった応仁の乱〜戦国末期ころには象徴的役割すら顧みられなくなって、各種儀式すらまともに行えなくなっていたのが、ある程度の実力者が出るようになって儀式に必要な費用程度は出してくれるようになって、象徴の役割だけは復活できたというところでしょうか?
1月25日に天皇家の窮状を紹介しましたがもう一度一部引用します。

https://bushoojapan.com/tomorrow/2013/10/26/8278

「皇や公家達は貧窮しており、正親町天皇も即位後約2年もの間即位の礼を挙げられなかったが、永禄2年(1559年)春に安芸国の戦国大名・毛利元就から即位料・御服費用の献納を受けたことにより、永禄3年(1560年)1月27日に即位の礼を挙げることが出来た」

徳川政権2代目秀忠タイ後水尾天皇との(紫衣事件等の)確執で朝廷は「象徴的役割だけ」(幕府)の承認が必要という関係が確立し現憲法の象徴天皇制・国事行為には内閣の助言と承認が必須に至っています。
紫衣事件に関するウイキペデイアの記述です。

一 紫衣の寺住持職、先規希有の事也。近年猥りに勅許の事、且つは臈次を乱し、且つは官寺を汚し、甚だ然るべからず。向後に於ては、其の器用を撰び、戒臈相積み智者の聞へ有らば、入院の儀申し沙汰有るべき事。(禁中並公家諸法度・第16条)
幕府が紫衣の授与を規制したにもかかわらず、後水尾天皇は従来の慣例通り、幕府に諮らず十数人の僧侶に紫衣着用の勅許を与えた。これを知った幕府(3代将軍・徳川家光)は、寛永4年(1627年)、事前に勅許の相談がなかったことを法度違反とみなして多くの勅許状の無効を宣言し、京都所司代・板倉重宗に法度違反の紫衣を取り上げるよう命じた。
幕府の強硬な態度に対して朝廷は、これまでに授与した紫衣着用の勅許を無効にすることに強く反対し、また、大徳寺住職・沢庵宗彭や、妙心寺の東源慧等ら大寺の高僧も、朝廷に同調して幕府に抗弁書を提出した。
寛永6年(1629年)、幕府は、沢庵ら幕府に反抗した高僧を出羽国や陸奥国への流罪に処した。
この事件により、江戸幕府は「幕府の法度は天皇の勅許にも優先する」という事を明示した。これは、元は朝廷の官職のひとつに過ぎなかった征夷大将軍とその幕府が、天皇よりも上に立ったという事を意味している[1]。

後水尾天皇天皇の突然の譲位によって践祚した明正天皇に関するウイキペデイアです。

寛永6年(1629年)の紫衣事件や将軍・徳川家光の乳母春日局が無官のまま参内した事件に関して、江戸幕府への憤りを覚えた父・後水尾天皇から突然の内親王宣下と譲位を受け[1]、興子内親王として7歳で践祚した。これにより称徳天皇以来859年ぶりに女帝(女性天皇)が誕生した。
徳川家は当初、かつての摂関家のように天皇の外戚になることを意図して東福門院の入内を図ったが、実際に明正天皇が即位することで反対に、公家や諸大名が彼女に口入させて幕府に影響を与えることが警戒されるようになった。譲位直前の寛永20年9月1日、伯父である将軍徳川家光は4か条からなる黒印状を新院となる明正天皇に送付し、官位など朝廷に関する一切の関与の禁止および新院御所での見物催物の独自開催の禁止(第1条)、血族は年始の挨拶のみ対面を許し他の者は摂関・皇族とも言えども対面は不可(第2条)、行事のために公家が新院御所に参上する必要がある場合には新院の伝奏に届け出て表口より退出すること(第3条)、両親の下への行幸は可・新帝(後光明天皇)と実妹の女二宮の在所への行幸は両親いずれかの同行で可・新院のみの行幸は不可とし行幸の際には必ず院付の公家が2名同行する事(第4条)などが命じられ、厳しく外部と隔離されることとなった。

後水尾天皇の突然の譲位はこういう結果になって、将軍家による天皇家に対する蟄居閉門命令に似た厳しい条件の通告で応じたのには、驚きます。
これが以後の朝幕関係の基本になるのですから大変です。
後白河の院政や鎌倉時代の正中〜承久の乱あるいは後醍醐天皇の建武の新政等々全て短期的には華々しく朝廷権力復活に貢献したかのように見えますが、結果的に朝廷権力を自ら低下させて行った歴史です。
水戸学(幕府批判勢力本家の方向性を決定づけた光圀・・寛永5年1624年生まれは、家光と同世代・家康の孫)に始まる幕末の尊皇攘夷思想は、これに対する反作用の拠り所として期待され興ったのでしょうか?
水戸学は(中国の専制支配を前提とする)儒教・朱子学を学んだ社会実態無視の体制批判の好きなインテリの煽りで生じたいびつな議論だったように素人目には見えますが・幕府の冷や飯食い的立場に終始していた水戸家を体制批判方向へ向わせる下地と融合する時代背景があったかもしれません。
光圀が兄の子に家督相続させることにこだわっていた故事といい、いかにも肝炎的正義にこだわわる事績が伝わりすぎているように見えます。
伝説的次席は眉唾としても、光圀が傾倒していた中国思想によって作庭した小石川後楽園の前庭と、日本思想に立脚して作庭された柳沢氏作庭の駒込六義園と比較しても、平安時代の寝殿造以来の庭園の歴史を順次継承した優美な六義園と違い、小石川後楽園の前庭は(小石川後楽園入園者のほとんどが素通りしてしまう状態・・)とても日本人には鑑賞に耐えない酷さ?頭でっかちすぎた作庭と思うのは私だけではないでしょう。
これが明治以降の日本社会を中国バリの専制君主制社会の鋳型にはめ込んでしまった大きな原因というのが私の個人的歴史観です。
日本は戦争に負けて中国式専制・絶対支配の呪縛から逃れ「本来の柔軟な日本社会に戻れた」ということでしょうか?
明治政府の構築した国家体制(いわゆる国体」)は西洋列強から国・民族の奴隷化を守るために日本の伝統的社会構造と違った絶対君主制に似た体制を構築する必要があった(中国の専制君主制に親和感を抱く江戸時代からの水戸学が結合して)かもしれませんが、これが国民を縛りすぎたと言うのが私の基本的印象で長年このコラムを書いています。
女性の地位に関してもフランス民法導入によって「妻の無能力制度」になっただけであるなど・・社会実態としては今なお妻の地位は盤石であるなど紹介してきました。
ところで偶然ですが今朝2月2日の日経新聞を読むと、私の水戸学に対する個人的思い込みが歴史学者の基本理解になっているらしい文章を発見しましたので追記として紹介しておきます。
毎週土曜日に愛読している日経新聞28pの詩歌教養欄の歴史学者本郷和人氏の随筆?です。
廃仏毀釈の嵐が吹き荒れた原因の説明の前提として同氏は

「勤皇佐幕を問わず幕末に人々に多大な影響を与えたのは水戸学である。この政治思想は神道を重んじていて、それゆえ水戸藩では葬送も僧侶でなく神官に委ねられることがすでにあった。そうした水戸学の影響下にあった明治政府が仏教の否定に精励したとばかり僕は思っていた・・・」

以下、実は新政府は、神仏分離を行っただけで廃仏毀釈を指導したものでもないのに、新政府の意向を忖度した(遅く官軍に寝返った藩(例えば松本城で有名な松本藩)では新政府におもねて、率先して寺院解体を推進していた事例が紹介されています。
ここは廃仏毀釈の関心ではなく、幕末〜明治初頭までの思想界では水戸学が非常に大きな影響力を持っていたことが私の想像だけない(実務家になってからは法律書オンリーで歴史書を読む暇がないので高校までの歴史知識・・学校歴史では明治維新が起きた程度の外形しか習わず思想界の状況までは出てこないので)を前提にした推論だけだったのが意外に学界の常識であったことがわかったということです。
以上いろいろ見てきましたが、経済構造が変われば習俗〜正義もルールも変わるので社会の実態無視で過去のルールや正義にこだわるのは(内廷費で見て来たように古ければ良いという皇室尊崇意識も)間違いです。
トランプ氏の破天荒な言動も旧来の学問大系・価値観に合致しないだけのことで、新しい時代に対応した新たなルール・思想がまだできない段階・試行錯誤・百家争鳴の一提案にすぎないかは後の歴史が決めるべきでしょう。
ヘンリー8世が、離婚禁止の旧来型キリスト教秩序に反して離婚するためにローマンカトリックに反抗してイギリス国教会を設立しましたが、当時はとんでもない非常識な国王と思われていたたでしょうが、(当時のキリスト教思想に染まったインテリから見れば非常識な行いですから公然と異を唱えたのは有名なトーマス・モアで、その結果刑死しました)今では離婚の自由を認める方が世界の常識です。
トーマス・モアに関するウイキペデイアの記事です。

トマス・モアは、イングランドの法律家、思想家、人文主義者。政治・社会を風刺した『ユートピア』の著述で知られる。大法官まで登りつめたがヘンリー8世により反逆罪で処刑された。

上皇の生活費を内廷費に加える疑問2

皇太子になると東宮御所として住む場所も違うし行楽等のお出かけ単位も別々、お付きの職員も違うのが古来からのしきたりですから、これを天皇家と同一世帯とは昔から言わなかったでしょう。
古代からそれぞれ生活費拠出者の妻の実家が違う以上は、別世帯感覚だったのではないでしょうか?
内廷費に天皇家と成人した皇太子一家あるいは天皇家と上皇家の家計を一緒にした内廷費を決めて「後は自分たちで決めて下さい」というやり方は、生活保護で言えば、親世代夫婦と子供世代夫婦が別に生活しているのに「一括支給するのであとは自分たちで分配して下さい」と言うのと似ています。
内廷費がここ20年ほど変化ないようですが、民間人同様高齢化で3世代世帯時代になっている・・このため長期にわたる高齢化世帯の生活費問題・・年金持続性が社会問題になっている・・天皇家でも高齢化による負担増は同じです。
約20年で急速に変化した高齢社会問題化が進む中で、過去20年間以上も同額据え置き・・しかも上皇一家も内廷費に組み込まれるのであれば、実質減額ではないでしょうか?
http://news.livedoor.com/article/detail/12666674/

天皇陛下の「譲位」で浮上 「皇室の予算と財産」の問題
2017年2月13日 12時0分
...
山下氏は、皇室をめぐる一連のカネの問題について「戦後70 年間、状況が変わっても、法律の見直しをおこなわなかったことが一因」と語る。
皇室の未来を見据えた法の大改正が、今こそ必要なのだ。<皇室費の内訳をザックリ解説!>
【内廷費】3億2400万円
天皇・皇后両陛下、皇太子ご一家の日常費用。年間額が定められている。「’96年度より同額で、8100万円ずつ年4回支払われます。用途の3分の1は、内廷職員の人件費

一例を挙げれば、天皇家の場合、お出かけになると入場料(美術館1800円の場合)は無償でも入場料以上の身分相応のお下賜金を(相手にとっては接遇のための人件費、警備・入場規制その他莫大なコストがかかります)支出する必要があり、一般人の交際費と比較になりません。
一般人が結婚式に招待されて会費徴収がなくとも会費相当額以上のお祝い金を包むのと同じです。
上記記事は天皇家・皇室経費に対して批判的論調でこの機会に見直すべきという論旨です。しかし、この20年間・物価は上がらなかったにしても高齢化・/人生と100年時代に入りつつある現在、違った角度からの見直しが必要と思います。
一般家庭を例にイメージ的に表現すると、残されたお婆ちゃま、お爺様が息子や娘夫婦と同居して8畳間程度の隠居部屋で日向ぼっこしているイメージの生活・・ちょっとした手元小遣いがあれば足りる想定・これが国民年金支給が月額6〜7万円の制度設計でした。
ところが長寿化の進展で定年後の寿命が延びたことで、80歳前後まで夫婦揃っているのが普通になってくると定年後次世代と同居する人が少数になり親世代と次世代の生活費一体化が崩壊して、大多数では世帯が別になってきました。
そうなると一軒の家の中で隠居部屋だけ維持するのと違い、生活費が二重に必要となり収入源が国民年金しかない高齢者の貧困を引き起こすようになっています。
もともと電気ガス水道や、家の維持あるいは家賃等生活費全部を年金で賄うようになっていなかったからです。
長寿化→年金支給期間の長期化による掛け金と支給額のバランスが悪くなっています。
例えば年金支給期間を10年間平均で想定していて掛け金を設定していた場合に、長寿化により受給期間が20年間に増えると論理的には支給額を半額にしないと収支があわず大幅赤字になります・・金利動向その他の修正要素がありますが以上は単純化意見です。
長寿化や想定外低金利等により年金収支が赤字化し、国庫負担が増える一方になっている状態では毎月支給額を増やすどころではないことから、受給開始年齢の引き上げや元気な人には働いていただき生活費の補充(自助努力)をしてもらうしかない状態に陥っているのが高齢化問題でしょう。
ここで内廷費が高齢化に対応していないのではないかの疑問に戻ります。
従来の内廷費制度は高齢社会が始まりつつあってもまだ少数派時代・・壮年期の天皇夫妻と成人前の宮様の核家族と、残された皇太后お一人がひっそり過ごされる標準パターンを前提としていたように見える点です。
昭和天皇が崩御されて初めて次世代天皇が即位したことが象徴するように、天皇即位後は、皇太后の細々とした生活費だけを前提にしていました。
これがれっきとした上皇御所となると公務員だけも昨日紹介したとおり65人も必要になる規模です。
これに比例して天皇家とは別の活発な行幸啓などの私的費用負担が増えるはずです。
皇室も高齢化の波は同じで、核家族プラス数年の余命を生きながらえる皇太后の細々とした生活費負担程度(旧来の大宮御所と上皇御所の違いです)とは違い、今や、天皇一家と上皇一家という民間で一般化している2世帯住宅・2世帯の生活様式になっています。
上記引用記事によれば内廷費の
「用途の3分の1は、内廷職員の人件費」
というのですからなおさら上皇御所となると大変です。
内廷費によって生活する消費単位(上皇になってもその生活費が内廷費に含まれるとなれば)が、(昔のように核家族プラスおばあさんが日向ぼっこしているだけの時代と違い)2倍近くなっている点を考慮すると20年以上前のまま、内廷費が同額据え置きのままでは実質大幅減額になっているのではないか?という視点での感想で書いてきました。
そのような視点での議論をした上で、もともと内廷費が高額すぎたという結論があるならば別ですが、そういう議論がないまま同額据え置きはおかしくないか?という疑問です。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。