豪華クルーズ船対応批判11

検査結果判明後、陽性陰性別の客室変更は、空(から)の別の船に移動するならば簡単ですが、同じ船内移動の場合、例えば、仮に3分の1しか客室は利用されておらず3分の2は空室であった場合、陽性陰性が半々であったとすれば、陽性用の部屋と陰性用の部屋(多分フロワー別?)各3分の1ずつ用意すれば簡単そうですが、実はビルで言えば4階だけ全室空き部屋というものでなく飛び飛びに部屋が空いているのが普通でしょうし、豪華客船=高齢夫婦での乗船が多い特性があって、夫婦で陽性陰性が分かれると単純計算通り行きません。
(乗員を含めた数とすれば、乗員は、各人個室ではないのが普通ですので、これを陽性と陰性に2分すると部屋数2倍必要になります。
もともと3750名→ほぼ満室だったとすれば、以上は机上の空論でしかなく、検査室確保受付の机や検査器具置場、作業机部屋確保からして大変な作業でしょうから、検疫のために乗り込んだ大量職員の休憩場所も必要で、検査後結果出るまで別室隔離する部屋をすぐに用意できないことは想定していたのではないでしょうか?
検体採取後検査機関の施設へ検体輸送しその結果が出るまでの5〜6時間(1検体ごと発送できないので一定数まとめて運ぶのでしょう)あるいは翌日まで、乗客は検査するまでいた船室に戻って待機する仕組みだったと思われます。
検査の番が来るまでもともと同室者は相部屋の人(他人と同室は滅多にないでしょうが)が陽性か陰性か知らないで同室のままで検査順番待ちしていたのですから、
検査後5〜6時間あるいは翌日まで元の部屋で夫婦で待機しても、検査順番が翌日になった場合と差がなく、違和感ない人がほとんどでしょう。
むしろ検体採取と同時に夫婦引き離される方が(夫婦一緒の荷物を2分割するのは難しいし)無理があるように思えます。
この程度の時間誤差は、米国で1ヶ月経過後同じ問題が起きた時に米国では入港させるかどうかさえ決定できず、2〜3日沖合停泊させていたことを考えると検査した結果待ち時間程度は誤差の問題でしょう。
日本でも陽性判明すると(強制入院可能ですぐに下船=入国させて)専用バスで指定病院に搬送していたようです。
そうとすればゾーン分けがないというのは、結果判明前の残留者のゾーン分けの事だったのでしょう。
政府は当然分離努力をしてきたと思いますが、約4000人の食事の供給作業や清掃を休めない・・食事準備と片付け・清掃等の船内要員自体感染者か不明の状況で限られた空間と人材活用の中で短期間の作業工程がどうであったか、手際よかったかどうかでしょう。
米国の場合どのように手際よく分離されていたかの紹介記事が一切出ません。
数少ない専門家で交代要員として派遣されたとすれば、日本全員が未経験作業であるから少しでも多くの参加を得て経験してもらい有益な情報・知見を得る期待で参加を募ったのでしょう。
午前中に乗船して午後には下船しているのですから作業戦力としてどの程度役に立ったか不明ですから・若手に経験させるのは有益・・後日意見を求める予定があったのでしょう。
国家緊急事態下の緊急作業に参加して実務経験をすれば、人材が育って良いのですが、現場で気付いた事を内部提言しないで外部に先に批判意見を発表するのは招待うけた参加者としてのルール違反の印象が強くなります。
批判を受けたからか?日本語の動画を即削除して外国人向け英語での記者会見をしてしまう神経が不思議です。

日本外国特派員協会主催 岩田健太郎氏(神戸大学教授)記者会見 ―「ダイヤモンド・プリンセス号に乗船して」

日本外国特派員協会主催 岩田健太郎氏(神戸大学教授)記者会見 ―「ダイヤモンド・プリンセス号に乗船して」 2020.2.20
全編動画 ※会見は英語で行われました。(55分45秒以降に一部日本語)

記事では記者会見の要旨が出ていません。
朝日新聞が慰安婦騒動では、日本版では訂正記事をしたが海外向けに停止記事だったか謝罪文だったかを出さないと報じらていましたが、岩田氏も日本語のツイッターは削除したが海外向けに記者会見で日本人の多くに理解できない英語で発表していたようです。
現場経験すれば勉強になり色んな意見を思いつく点は彼に限らないと思いますが、自分が気がついたらそれをのちの検討会などで意見発表するのが普通です。
こういうチャンスを与えてくれた一緒に仕事をした仲間内での意見交換をする事もなく、下船直後にツイッターで批判意見を流し、20日に外国人特派員記者会見でほぼ英語で意見を述べた・外国人相手だから当然という主張でしょうが・・結局ツイッターの削除は英語に堪能でない日本人にとっては何を言ってるのか不明になったままということでしょうか?
内容が文字では出ていないのですが、多分削除されたツイッターと同意見だったのでしょう。
NHKその他報道が、日本のクルーズ船対応が海外で評判が悪いというだけで内容のない記事が多いのは、この特派員が打電した受け売り・キャッチボールではないかの疑いで書いています。
事態が落ち着いてから緊急時の緊急政策の点検検証するのは合理的ですが、今まさに緊急処理に着手している時に日本メデイアがどういう批判があるかすら書けない・根拠なく外国で批判があるというキャンペインを張る必要があるのでしょうか?
緊急処理は即時やるべきことで議論している場合ではなく、その瞬間は現場処理部門の実行に一任し実行妨害すべきではありません。
まして国外批判あるいは専門家批判というもののこれといった対案がなくて合理的批判にさえなっていないとすればなおさらです。
大手メデイアが「国外でどういう意見がある」と言えば根拠不要というのでは困ります。
国内で支持されない主張を通すために日本のNGOが国際委員会で日本批判をして置いて、国連委員会でもこんな問題になっている式の政府批判運動のあり方をこのコラムで批判したことがありますが、今回はたまたま同じ企業所属のクルーズ船(規模もほぼ同じかな?)内での感染が起きたことによって米国で特に日本と違った優れた対応をしたわけでないことから、国際世論というものの正体が直ちに暴かれたようです。
日本大手メデイアが提携しているニューヨークタイムズなどに「日本でこういう批判がある」と通報すると同社は日本情報については提携している日本大手メデイアのいう通り信用してそのまま流す運用になっていたような関係が、朝日新聞慰安婦報道が問題になった頃に何かの報道で見た記憶です。
(正確な記憶ないので何で見たかも不明、内容自体も記憶違いかも不明ですので、正確には検証委員会報告書等当時の報道に直接当たってください)
その伝で言えば今回もそうだったのかもしれません。
自社の言いたいことを提携している国外メデイアとキャッチボールして国外でこう言っていると言う式の日本批判は実は自分が言っているというのと同じです。
事件等の説明で「皆が言っている」というのをよく聞くことがありますが、自分が皆に言いふらしていると、聞かされた方はあえて「あんた間違っているよ!」と言わないのが普通で、「そうなの大変ね」とか「ひどい人ね!合い槌を打つと、あの人もこの人もこう言ってたという人がいます。
こういう人とうっかり付き合うと、自分がAの悪口を言っていたのに、よそではあの人も言ってたとすり替えられる危険があって怖い人です。

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