新型コロナウイルス被害の地域差

厚労省令和2年3月4日版と4月10日版でデータ比較すると以下の通りです。

3月4日現在の状況及び厚生労働省の対応についてお知らせします。(3月4日正午までの各国機関やWHO等から発表された内容を踏まえ、3月4日報から下線部分を更新しました。)
1.国内の状況について
3月4日12:00現在、257例の患者、27例の無症状病原体保有者が確認されている。
上記患者のうち入院中または入院予定209名、退院31名、死亡6名
4.国外の発生状況について
・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと3月4日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

国・地域 感染者 死亡者
中国 80,270 2,981
香港 100 2
マカオ 10 0
韓国 5,328 32
台湾 42 1
シンガポール 110 0
豪州 33 1
米国 108 6
カナダ 30 0
フランス 212 4
ドイツ 196 0

厚労省令和2年4月10日版で比較します。

国・地域 感染者 死亡者
中国 81,907 3,336
香港 974 4
マカオ 45 0
日本 5,347 88
韓国 10,450 208
台湾 380 5
シンガポール 1,910 6
豪州 6,108 50
米国 456,828 16,478
カナダ 20,748 509
フランス 86,334 12,210
ドイツ 116,801 2,451
フィリピン 4,076 203
インド 5,865 169
イタリア 143,626 18,279
英国 65,077 7,978
ロシア 10,100 76
スウェーデン 9,141 793
スペイン 152,446 15,238
ベルギー 24,983 2,523
エジプト 1,699 103
イラン 66,220 4,110

3月4日正午までの公式記録では(各地からの報告結果ですので追加修正がありますが一応この時点の公式記録)、死者数は日米同じ6名で、日本の感染数257例に対して米国108例でした。
これが4月10日現在(公式記録)で日本の感染数5347例、死者88名(13倍)に対して米国感染数45万6,828人、死者1万6478名(2474倍)の大差になっています。
米国に限らず西欧先進諸国との比較をしても上昇カーブ差は歴然です。
地域別にみると欧米〜西南アジアの増加率に比べて東アジア系の被害率が低い印象です。
新薬開発成功までは、今や神頼みしかないのですが、肝腎の宗教界も今回はお手上げで宗教心さえ篤ければ・・という自信たっぷりの宗教人は見かけません。
大阪の四天王寺も任しておけ!と言わずに全面閉鎖のニュースが流れていますし、千葉県の成田山も厄除けどころか、一般参拝その他行事中止ニュースです。
この辺はローマ法王も宗教心さえ篤ければ良いと言えないようですし、宗教政治色の強いイランを筆頭にする中東諸国も同様です。
頼るべき支柱がない状態になると流言飛語の出番になるのが歴史の経験です。
新型コロナ特効薬がまだない・・科学的に不明・・大災害の最中=真相不明のパニック時に・トイレットペーパー不足のような流言飛語が飛び交うのと似ている状態です。
・・関東大震災時に不逞鮮人が何をするかしれないという噂が広がったと言われる・事実かどうか不明ですが・・この一種でした。
メデイアは、流言飛語を慎むべきという強化宣伝する役割を果たす一方で、「自分の方だけは格別の扱い」としてお得意の政治批判のチャンスとばかりに精出します。
政府が何か決めると一波万波の波及効果が起きるので、相応の準備がいることをホテルでの受け入れに関連して説明してきましたが、これを無視して決断が遅すぎると批判し、ある程度の準備をして政権が決断すると今度は準備不足でその被害を受ける方の手当がお粗末だ、遅すぎると批判します。
政権批判のできない中国の場合、自画自賛・・「独裁政権の方がうまくやれたお手本だ」これがこれから求められる政治体制と自慢し、トランプ氏は選挙対策もあって、国内対決棚上げ・・いつも標的の必要なアメリカ的発想でトランプ氏が真っ先に「戦争発言」をして対中悪感情をそれとなく煽ってきました。
ソ連崩壊後標的をなくした米国が湾岸戦争を起こし、9.11で「テロとの戦い」を掲げたのもこの一種だったでしょう。
トランプ氏の意を受けた政治好きの人は中国脅威論・・・中国が生物兵器製造に失敗して工場から武漢市内に漏れたのが原因とツイッター等で広め・5Gのような先端技術の中国締め出しの既存方向をさらに拡大してマスク製造のような低賃金国特化生産品でさえも中国に頼るのは危険だと煽っています。
中国側も負けずに事もあろうに報道官が(記者会見での公式意見ではないものの個々人のツイッターが厳しく政府に規制されている中国で、報道官の個人意見とはいえこのような重大発言を公開したのは、政府中央の許可・・非公式発言をさせたと見るのが国際常識です)アメリカが中国でウイルスをばら撒いたと言い返しました。
3週間ほどでようやく報道官としての登板では個人的義憤で表明したと釈明し政府と関係ない個人の意思かのような発言です。
この義憤とは、日本の海上保安庁役人が義憤で尖閣諸島での中国の横暴な行動を画像で公開した事件を想起させる表現です。
中国人民にとっては、アメリカが国内政治上駆け引きのために中国という敵を意図的にでっち上げているという義憤があったのでしょう。
日本で言えば真珠湾攻撃を政府として行ったことで、ルーズベルト大統領が待ち焦がれた対日宣戦布告の口実を作ったようなものです。
これに怒った米国の反応・米国は敵を求めていたので待ってましたと言う反応に驚いた中国はその火消しに必死でしたが、中国政府の政治感覚はこの程度のものか?と政治能力を世界中が認識したようにも見えるし、米国は怖い国!と再認識した人も多いでしょう。
日本庶民の方は、流言飛語・・社会に否定的影響を与える根拠ない情報バラマキはいけないとしても希望を持たせる拡散ならいいだろう式の庶民の知恵・・「納豆を食べる人は感染しない」とかお茶が良いとか、お国自慢が出てくるかと思えば、ちょっと科学的な意見?BCG接種した国との違い(納豆菌がウイルスを食ってしまうというのも科学論の一種でしょうか?)によるなどの、ちょっとした知的装い論も出てきます。
米国メデイアの場合は、とランプ氏が目の敵にする民主党系のメデイアはお得意の格差批判の我田引水が目立ちます。
アメリカの被害が多いというが、本来のアメリカ人は強いのだ?という白人擁護を兼ねた?格差社会論・・貧困層が感染や死者の大多数を占めている→民主党政権の国民皆保険制度創設が必須という主張に結びつける論をばら撒きます。
人種差別に結びつけたい人は、格差社会批判の発展形?で今回の被害拡大は黒人が圧倒的に多い・「奴らは・・もともとどうしょうもない奴らだ!と言いたい?ような非難攻勢も言われるようになりました。
武漢での拡大初期には、アジア人特有の感染症であるかのような欧米の人種差別的意見が流布されて、欧米では黄色人種系アジア人というだけで露骨な差別を受けるようになっていると報道されるようになっていました。
武漢で始まり周辺アジア諸国に広がる段階を経て世界的に伝播してみると感染拡大率で欧米や中東の方が抵抗力が弱い結果が出てきたので今や攻守反転状態です。
アジア人差別を受けた意趣返し的にどうして欧米人種(広く言えばこコーカサイド)が新型コロナに弱いのか?という人種(遺伝子)的特性の疑問が差別を受けた逆反応的に起きてきます。
ところでアジアとはアフリカを除く西欧以外という程度のヨーロッパ人の言い方が広がっただけのことですので、ウイルス耐性力を問題にする人種(遺伝子)的広がりとは違う概念です。
遺伝子的言説によれば、もともと、ホモ・サピエンスの分化説(未知の領域で酢ので確定説ではないですが)に従って、アフリカ系→コーカソイド(中東からインド欧州系人→アジア系の分化過程の最終段階である黄色人種系が遺伝子的に強いのは当然という意見が出てきます。
欧米や西南アジアと遺伝子的に枝分かれしているいわゆる黄色人種(多様な枝別れがあ李複雑すぎるのでここでは大雑把に黄色人種系と書いています)系に被害拡大が少ない特徴からこのような意見が起きてきます。

それぞれ日頃の基本的思考傾向の応用に解を求める傾向が出てきたのでしょう。
世界中が戦時発想の強権発動・市街封鎖行動制限などに飛びつき、その最先端を走った中国が独裁の方がすっきりわかり良い!と自慢するようになりました。

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