感染者増加と重症化率2

名古屋の例で紹介したようにある日突然死亡するとメデイアで耳目を集めますが、こういう事例はゴク例外で統計的には意味のない数字です。
大方は重症状態を経て死亡するものですから、1697人の感染者がいて重症治療受けているのが59名というのが実際の状態・・これが諸外国に比べて早くから感染にさらされている我が国が・しかも世界最高の高齢者社会であるにもかかわらず致死者の少なさにも繋がっているのです。
大手メデイアが本当に危機感を持っているならば、東京でこの1週間で何人が人工呼吸器対応必要とする重症者になっているかなど調査した上で、このペースによればすぐにも人工呼吸器やICU不足状態が来るか否かなど具体的な調査報道すべきでしょう。
人口呼吸器等不足で大混乱しているアメリカの例を大規模報道して合わせて日本では人工呼吸器が何台あるかすらわかっていないという論調を展開するのは無責任ではないでしょうか。
今回の新型コロナでは、治療薬がないので病院は隔離機能さえ果たせば良いようなイメージですが、(武漢の殺伐とし臨時病院光景)こうなると先進医療技術の有無ではなく、医療関係者のキメ細やかな対応力の差が大きくなるように思われます。
東北大震災で絆の重要性が再確認されたように、苦しい時ほどお互いの助け合いや思いやり精神の重要性・・女性のあたたかな看護ほど嬉しいものはありません。
心配りの差こそが日本と諸外国の重症化率を下げている大きな違いではないでしょうか?
サービス業では日本の顧客対応の細やかさ「おもてなしの心」が世界一の印象ですが、中軽症者の重症転化率の低さ・医療技術のきめ細かさが特効薬がない時にこそ、延命力・・重症から中等度への引き下げに重要な役割を果たすように思われます。
どうせ薬もないのだから・・と隔離が主目的で「感染拡大を防ぐために収容さえすれば」あとは最低限の栄養補給だけで「自分の体力次第です」と荒涼とした空間に放置しておくのと暖かい看護があるのとでは回復力も違うはずです。
国際比較に戻ります。
D   3月31日の状況(令和2年3月31日版)
3月31日現在の状況及び厚生労働省の対応についてお知らせします。(3月31日正午までの各国機関やWHO等から発表された内容を踏まえ、3月30日日報から下線部分を更新しました。)
国内で今般の新型コロナウイルスに関連した感染症の感染者は1,953例となりました。

以下は30日の日報分です。(31日に変更されなかった部分)
内訳は、患者1,494例、無症状病原体保有者233例、陽性確定例(症状有無確認中)226例となります。国内の死亡者は56名となりました。
また、国内での退院者は、424名となりました。
日本国籍の者1,099名(これ以外に国籍確認中の者がいる)

※3 3月29日12時時点資料から「症状有無確認中」の人数を内数とした。
※4 今までに重症から軽~中等症へ改善した者は38名。

3.国外の発生状況
・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと3月31日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり

国・地域 感染者 死亡者
中国 81,518 3,305
香港 682 4
マカオ 39 0
日本 1,953 56
韓国 9,786 162
台湾 306 5
シンガポール 879 3

マレーシア 2,626 34
豪州 4,359 18
米国 160,020 3,008
カナダ 7,437 89
フランス 44,550 3,024
ドイツ 66,711 645
フィリピン 1,546 78
インド 1,218 32
イタリア 101,739 11,591
英国 22,141 1,408
ロシア 1,836 9
スウェーデン 4,028 146
スペイン 85,195 7,340
ベルギー 11,899 513
エジプト 656 40
イラン 41,495 2,757

上記によると日韓の致死数比は56対162でまだ約1対3の比率の基本が変わっていませんが、日々の感染数は26日ころからの東京の感染大規模化以降日本の方が多い日が増えてきた様相です。

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