新型コロナウイルス対応の巧拙2(無制限検査)

高齢者や病人に感染させないようにするには、高齢者の身近に感染者がいない方がいいのですが、介護施設等の従業員だけ感染比率を防ぐ秘策など有り得ないでしょう。
せいぜい関連者だけこまめに検査したり老人ホーム入室時にアルコール手洗い義務付けぐらいでしょうか?
その上、施設を利用していない高齢者がいっぱいいますので、高齢者はできるだけ外出を控えてもらうとしても同居の親族等の関係者多数との接触が日常的にある関係で、国民全体の感染比率を減らすのが重要です。
人口比の感染者数を減らすにはどうすれば良いか?
感染が始まったばかりで死亡率が統計的にはっきりしないようですが、WHOの発表では感染者のうち致死率2%とのことで8割は軽症(8割は症状に出ないという人もいます)とのことですから、特別な病気を持っている人以外では、80前後の高齢者以外は感染したからといって普通の風邪をひいたかな?程度で終わるようなイメージです。
ちなみに2%とは、(検査等でわかった)感染者比で人口比ではないようですから、今回のウイルスは感染しても無症状の人がいて、しかもそのまま治ってしまう人もいるようですから、これらの人は2%の分母に入っていません。
4〜5日から2週間経過すれば100%検査に引っかかったり症状が出るかというと、そのまま症状が出ないでウイルスも無くなってしまう(免疫力の方が強くて勝ってしまう?)人もいるようです。
変なものを一緒に食べてもすぐ下痢する人と、少しも感じなかった人もいるし少しお腹がおかしいけれどそのうち落ち着く人がいるような違いでしょうか?
いわゆる潜伏期間4〜5日という意味は、一般的日本語の理解では体内でウイルスが入って増殖中だがまだ発熱等の症状が外に出ない期間のように思いますが、この間は検査しても陽性にならないという意味があるようです。
潜伏とは誰に対する潜伏か?ということですが、素人の直感的判別力で分かる程度の症状(微熱だるい、咳き込むなど)が現れていないというだけなのか、いわゆる検査キットでもわからないほど深く潜伏しているという意味かを決める必要があるでしょう。
感染定義とも関連しますが、体内に入っても(小粒の種子などのように)そのまま消化?あるいは残存しないで一定時間で体外排出されてしまえば、その間の体内存在は、感染とは言わないでしょう。
体内で悪さしそうな闖入者に気がついた免疫系が応戦準備に入り応戦が始まると熱が出るのでしょうが、熱が出る前の前哨戦段階で免疫系にとっては気がついているので、その段階で侵入されたその人が意識として気がつかなくとも、ある検査機器を使えば反応するような製品ができれば、検査機器を操作判定する人にとっては潜伏で無くなるのでしょう。
肺炎で言えば咳が出ない程度の肺炎は潜伏だった症状が、レントゲン撮影できるようになるとレントゲンに写る程度になれば、潜伏とは言わないでしょうし、がん細胞なども検査しないと分からないがん細胞は本人にとっては潜伏状態ですが、検査ですぐ分かるようになるとプロ的には潜伏と言わないのでしょう。
今の時代、レントゲンやMRIなどで分かるようになる直前状態を潜伏というのかもしれません。
検査というのは、ある症状の確定診断のために行う検査と兆候を早めに捉えるための検査があってある程度重複しているのでしょうが、今回の社会的重要性では後者の意味でしょうから兆候判定を前倒しすればするほど検査精度が低くなる宿命です。
テロのために首相官邸に向かっている人を職務質問や注視する場合で言えば、官邸の数十メートル付近の不審行動者限定ならば効率が良いですが、千葉県や神奈川県埼玉県から東京に向かう人全員を・都内全域で千代田区から上野に向かう人までもしかして迂回して最後に官邸に向かうのでないか?とついて歩いたり検問するのでは膨大な人手が必要で、しかも捕捉率が下がります。
ウイルスが体内侵入後迎え撃つ免疫勢と勢力拮抗中の場合・・あるいは犯人がお城に侵入したがまだ建物内に入らず様子を窺っている段階では、分からないということでしょうか?
ところで致死率2%というのは超高齢者を含む数字ですから普通のひとは、まず大丈夫と言えそうなので、超高齢者は別として60歳以下の一般健常者の場合患者のためだけであれば咳や発熱などの症状が出てからの検査で十分であり、(お腹が痛いなど自覚症状があってから診察を受ける一般の病気と同じです)自覚症状のない人まであらかじめ検査する必要性がありません。
血圧、腎臓や腹痛の場合、感染の心配がないので自分さえよければ良いのですが、元気な若者が実はウイルス感染者で他人に感染させる能力がある・・配達員・デパート店員が顧客の高齢者に伝染させると困る・・社会予防のためにはウイルス感染有無に対する事前検査がどこまで必要か?という問題です。
犯罪者の識別・・容貌や物腰態度や身内・・従業員か部外者かで入室基準がわかる人物判定と違い、ウイルス感染有無は親しい人・元気そうな人でも検査しないとわからないので完全を期すると全員検査となるのでしょう。
しかし現在の検査方法では、感染後4〜5日以内では検査しても検出できないのが現状らしいので、数日前から連続検査しないと一回の検査で未感染と判定しても今日感染していないことになりません。
グランドプリンセス号の検疫対応では、閉じ込めて検査しているから次々と感染者が出たような批判報道でしたが、潜伏期間中で一回目の検査で陰性だった人が潜伏期間(このため陰性の人も2週間下船を認めなかった)経過で順次陽性変化しただけ・潜伏期間?2週間経過後の新たな陽性反応がほとんど?ないので検査開始=船内分離後の感染がほとんど?起きていないのが実態のようです。
その上に検査の精度自体がイマイチ・・精度が(簡易キットの場合?)約5割程度?らしいので陽性の人をスルーさせてしまうリスクもあり、(これが下船後の陽性変化?)例えば3回に一回しか出ないとすれば同じ人を別の検査法で何回も検査する必要があります。
風邪の場合でも熱が出ないパターンや咳が出ないパターンなど色々あるように、特定物質の検出方法に頼ると人によっては反応が違う問題があります)
体温チェックのように入室入門の都度簡単にできるシステム開発がない限り、専門検査機関で何時間も並んで一回きりの全員検査は、何%かの感染者を高齢者施設から遮断できる程度で労が多い割に効果がはっきりしないのが難点です。

新型コロナウイルス対応の巧拙(現況)

劇的感染拡大が続いている現在、7日も前のデータは古いですが定点データのつもりで日本国内だけの数字を厚労省データで一部見ておきましょう。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10032.html

1.国内の発生状況(3月8日12:00)
408例の患者、46例の無症状病原体保有者が確認されている。
これに加え、空港検疫で1例患者が確認されており、合計すると455例となる。
【内訳】
・患者409例(国内事例397例、チャーター便帰国者事例11例、空港検疫1例)
・無症状病原体保有者46例(国内事例42例、チャーター便帰国者事例4例)
うち日本国籍387名、退院者80名(患者66名、無症状病原体保有者14名)
3.国外の発生状況

国別に感染者と死者数が出ていますの興味深いですが、日々激しく変動してデータが古くなっているので省略します。
現在の状況と3月8日と比較したいときには参照に便利ですのご利用ください。
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-world-map/
には毎日更新で世界全体の日々の感染者数や死者数がグラフで出ていますのでこれを参照してください。
一時中国に次ぐ3〜4位だった日本が、今やずっと順位が下がって上位に出なくなりました。
文字情報部分の一部引用しておきます。

新たに確認された死者数は中国で2月中旬にピークを迎えた。2月下旬からは中国本土以外で増え始め、新規の死者数は3月3日以降、中国以外の合計が中国を上回る。累計の死者数はイタリアで1000人を超え、中国以外の合計は計1700人を上回る。

朝日新聞の新型コロナウイルス感染者数の推移には、日々更新の感染者と死者数字とグラフが出ています。
3月13日現在では日本の感染者数(累積かな?治った人の数字不明です)659名で死者19人で日々増えている状態ですが、世界各国の増加率とは顕著な差があります。
韓国の場合・釜山領事館の記事です。
https://www.busan.kr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000772.html

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)韓国国内感染者数(3月8日0時発表基準)につきまし
3月8日0時現在 感染者数7,134名(3月7日0時発表時から367名増加)

上記のように1日で367人も増える状況です
https://www.afpbb.com/articles/-/3273287

新型コロナウイルス、現在の感染者・死者数(14日午前2時時点)
2020年3月14日 4:18 発信地:パリ/フランス [ フランス ヨーロッパ ]
【3月14日 AFP】各国当局の発表に基づきAFPがまとめた統計によると、日本時間14日午前2時現在での世界の新型コロナウイルス感染者数は124の国・地域で14万720人に達し、うち5347人が死亡した。
13日午前2時以降に確認された新規感染者は9265人で、死者は422人。
昨年12月末に新型ウイルスが最初に発生した中国では、香港とマカオ(Macau)を除く本土で8万813人が感染し、うち3176人が死亡、6万4111人が回復した。13日午前2時以降、新たに20人の感染と7人の死亡が確認された。
中国以外で被害が大きな国は、死者が多い順にイタリア(死亡1266人、感染1万7660人)、イラン(死亡514人、感染1万1364人)、スペイン(死亡120人、感染4209人)、韓国(死亡67人、感染7979人)。
14日午前2時現在の地域別感染者数はアジアが9万1154人(死者3278人)、欧州が3万4708人(死者1491人)、中東が1万2371人(死者525人)、米国・カナダが1839人(死者41人)、中南米・カリブ海(Caribbean Sea)諸国が284人(死者3人)、オセアニアが189人(死者3人)、アフリカが183人(死者6人)となっている。

中東欧米はこれから増える地域とすれば、先行していた日本に比べて被害拡大レベルの高さに驚きます。
韓国で言えば、3月8日7134人から14日午前2時時点までで7979人ですから6日間で日本の総感染数を超える数が増えています。
日経新聞14日朝刊3pによると日本の13日午後9時半現在の数字は感染者数707の他帰国者や検疫官感染32で、死者21となっています。
13日の午前0時で韓国の死者67人対14日午前日本21→約3倍ですが、韓国人口は日本の約半分とすれば人口比約6倍もの死亡率です。
韓国の言い分は日本より検査体制が充実しているから感染者数が外見上増えているだけだと逆に検査能力不足の日本批判している状況ですが、事前検査体制が充実しているかどうかは実際の死者がどれだけ出るのを防いでいるかの結果によるものでしょう。
(重症〜死亡さえ少なければ普通の風邪ひきと同じどころか無症状のまま治る人の方が多いというのですから、世界中で騒ぐ必要がありません)
検査キット自体の正確性が5割あるかないかの現状の上に、感染後4〜5日はウイルスが少なくて検査しても陰性になってしまう結果、ある日検査で陰性となっても翌日に陽性になるかもしれないので安心できないし、(2週間ほど毎日検査しないと安心できません・・だから帰国後2週間の自宅待機が要請されるのです)早期発見しても治療法がまだわかっていないので入院しても安静にしているだけですることがない?重症化して初めて点滴や酸素吸入器などの出番になるようです。
重症化するまで対応する方法がない→結果的に90代とか死亡直前の重病患者がコロナ型ウイルス感染すると、酸素吸入する程度では体力がないので死亡に直結しやすいようです。
一般的に各種重症患者が、最後に肺炎による死亡が多いのと同じパターンです。
この結果中年でも糖尿病その他重い病気を患っている人は抵抗力が弱いのでコロナ型ウイルス感染すると死亡する人も出ます。
このように考えると高齢者・病人等基礎体力弱者への感染をどうやって防止するかにかかってくるようです。

インフルエンザ特措法と私権制限4

メデイア界は、安倍政権のコロナ型感染症対応が緩いとか、クルーズ船対応が拙劣など批判論調だったのですが、安倍政権が公立学校の全国一斉休校要請すると今度は一転して(周囲の反対を押し切ったのは無謀?)いきなりやって国民は迷惑だという論調に変わり、休校によって国民がどんなに迷惑を受けているかの報道ばかりで、休校要請に従わない市町村を勇気ある決断かのようなイメージ報道をしてきました。
山尾氏はこうしたメデイア界の後押しを背景にして頑張っているのでしょうか?
ところがこの1〜2週間では世界の様相が変わってきました。
日本の休校要請時には日本は中国に次ぐ感染者数だったかな(韓国に抜かれていたのかな)?日本の場合、クルーズ船内感染者数が多かったので世界の耳目を集めていただけで?その後少しずつしか増えず、今でもまだ5〜600人いるかいないかでしょう。
死者と言っても90台の高齢者や80台の高齢者中心で、ちょっとつまづいただけも死亡につながる程度の人たちが、コロナで死んだと言えるかの疑問の高齢者中心の印象です。
世界の流れを見れば、中国との人的交流の多い順に感染者多区順次広がる世界の趨勢から見れば文字通り日本の対応はよくやっている方だったのが、今や突出した成績のようです。
休校措置に対するメデイアの報道姿勢は批判論調でしたが、西欧のちょっと感染が増え始めたばかりの国々でも、日本の休校措置を真似た対応が今や世界の趨勢ですし、今になると安倍政権の対応が世界のお手本状態です。
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/who

トップ、安倍首相を称賛-異例の対応、リップサービスか/ar-BB11a8zG
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が13日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症への日本の対応について「安倍(晋三)首相自ら先頭に立った、政府一丸となった取り組み」と称賛する一幕があった。
テドロス氏が記者会見で加盟国の指導者の名前を個別に挙げ、ウイルス対策を称賛するのは異例。

日本政府のWHOに対する寄付に応じた過剰リップサービスという日本メデイアによる否定的紹介ですが、日本メデイアが国内で垂れ流してきたように日本政府の対応が世界的マイナス評価を受けているどころではない点を否定できないでしょう。
この1〜2週間ではイタリアに始まりイラン〜欧州では大感染流行ですし、13日のニュースでは米国でも千人を超えていて、まだ500人(治った人を引くと実数300人台?)前後にとどまる日本の感染者数をはるかに追い越しています。
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-world-map/
には毎日更新で世界全の日々の感染者数や死者数が出ていますが、一時中国に次2位だったのが今やずっと順位が下がっています。
日本国内だけの数字を見ておきましょう。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10032.html

1.国内の発生状況(3月8日12:00)
408例の患者、46例の無症状病原体保有者が確認されている。
これに加え、空港検疫で1例患者が確認されており、合計すると455例となる。
【内訳】
・患者409例(国内事例397例、チャーター便帰国者事例11例、空港検疫1例)
・無症状病原体保有者46例(国内事例42例、チャーター便帰国者事例4例)
うち日本国籍387名、退院者80名(患者66名、無症状病原体保有者14名)

このように収束とは言えないまでも他国のように急速に何千人規模への膨張を抑えていますが、これはもともとの医療システム充実と迅速対応と国民の協力が功を奏したものであり、この程度のことは緊急事態でなかったという意見ならば、それを堂々と主張すべきでしょう。
山尾氏の議論のパターンは従来の野党行動の延長で本来議論すべきことを議論しないで、揚げ足取り的議論で自己満足している・「どうだ頭いいでしょう」という誇示になりますが、こういう繰り返しを喝采しているようではその政党から民意がどんどん離れます。
野党には高学歴者が多い所以です。
緊急事態宣言に反対する意見が別のネット記事では出ていますが、いくらなんでもこういう主張を国会でするのは無理があるから正面に出ないのでしょう。
https://kosugihara.exblog.jp/i3/

【要請書】参議院議員へ:「新型インフル特措法」改定案に賛成しないでください!
※3月12日深夜に参議院議員の一部にFAXした要請書です。
安倍首相の強権を拡大する
「新型インフル等対策特措法」改定案に「賛成」しないでください!
安倍政権による危険な「緊急事態宣言」に道を開く「新型インフルエンザ等対策特措法」改定案が、3月12日の衆議院本会議で共産党以外の賛成多数で可決されました。

集団自衛権法案や共謀罪法案では特定勢力による「安倍政権による〇〇反対」運動が盛んだった記憶(正確か不明)ですが、安倍政権だから法案の内容の当否にかかわらず反対するというならば、相手が気に食わなければ内容いかんにかかわらず反対するというならば、国会制度が成り立ちませんので国会の存在意義を否定する政党となります。
そういう集団に限って護憲勢力とも言いますが、憲法破壊運動ではないでしょうか?
以上の通り山尾氏の論旨は立憲民主党執行部の説明失敗に対する揚げ足取り批判に過ぎないことが明らかですが、これを輝かしい功績のように詳しい議論を掲載している・・担当記者や編集部としては「スゴイ!」と感心したので詳細をあげたのでしょうか?
今のところ私が見たところ(検索能力不足な面もありますが)ではネットでは朝日新聞ニュースだけのようです。
昨日仕事に行く前に読んだ13日日経新聞朝刊には単に「山尾氏が反対」という程度のニュースです。(紙媒体なのでスペースの限界?)

インフルエンザ特措法と私権制限3

要請に従うように指示した場合の公表の書きぶりを見ると、懲罰としての公表でなく政府指示の妥当性を国民批判に晒す目的のような書き方です。
日本国民税金を使った国際交渉を経て政府チャーター機で帰国しながら、入国時に検査拒否して帰ってしまった人の個人名公表どころか検査拒否者住所が間接的にも判明すると個人情報保護法違反になるので公表できない・・・住所番地どころか、〇〇市も禁止?地域名程度に抑えているようです。
最近では日々新たに判明した国内感染者数の発表がありますが、高知県の・・という程度の公表が限界でどの市町村で発生したかすら個人特定になりかねないという配慮から個別同意がないと公表できない不自由さです。
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/

濃厚接触者2人が感染-神奈川県平塚・鎌倉両管内/ar-BB10ZhmA
20代女性は、3月6日に平塚保健福祉事務所管内(平塚市、秦野市、伊勢原市、大磯町、二宮町)で陽性が確認された80代男性と同居の孫。濃厚接触者として9日にPCR検査を受け、陽性が判明した。20代男性は、2月27日に鎌倉県福祉事務所管内(鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町)で陽性が判明した70代女性の孫で、陽性判明に鎌倉市内のホットヨガを受講していた50代女性の子。

上記のような数市町にまたがるアバウトな地域表現がメデイア界のルールのようです。
記事によっては同意が得られないため性別記載できないとか、国籍を書けないという断り書き付きの記事もあります。
こういう人でも犯罪にならない限り、個人特定情報は報道できないようです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200313/k10012329681000.html

「ウイルスうつす」と飲食店へ 従業員感染で警察が確認進める

新型コロナウイルスに感染し自宅待機を求められていた愛知県蒲郡市の男性が「ウイルスをうつす」などと家族に話したうえで飲食店に立ち寄っていたことが、関係者への取材でわかりました。その後、店の従業員の感染が確認されていて、警察は、業務の妨害にあたる可能性もあるとみて、店の関係者などから話を聞いて詳しい状況を確認しています。

店の業務妨害罪になれば犯罪者としての逮捕情報・氏名公表されるでしょうが、そこまで藩財政の立証がなくともこういう「不埒な」人の個人情報保護の方が重要なのでしょうか?
いずれにせよ個々人を隔離したり医療機関への受診強制や入院強制する仕組みがないらしいので、個人への強制関係は従来からある感染法の守備範囲という住み分けのようです。
感染症法は罹患した患者個人に対する対処法とすれば、インフルエンザ特措法は感染が広がらないように学校やイベントなどの興行停止要請などの権限を付与する・・物資の保管を命じるなど(マスクの買い占め禁止など?)環境設定のための法律ということでしょうか?
3月10日のニュースでは以下の通りです。
https://www.msn.com/ja-jp/news/politics/
新型コロナ特措法案を閣議決定-「緊急事態宣言」可能に/ar-BB10XLZS

政府は10日の閣議で、さらなる新型コロナウイルスの感染拡大に備え「緊急事態宣言」を可能にする新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案を決定した。政府は同日中に国会に提出。自民、立憲民主両党の合意により、改正案は13日の成立が確実な情勢だ。改正法成立後、緊急事態宣言が発令されれば、私権が制約される可能性がある。

ニュースだけでは従来に比べて改正法の条文がどのように変わって緊急事態宣言が容易になったか皆目見えませんが、過去の法律では私権制限を過度に忌避する傾向が強すぎたことが浮き彫りです。
ニュースの見出し自体、この緊急事態下でも正式な緊急事態宣言を「私権制限の悪」という図式で危機感を言外に強調した表現です。
実際に立憲民主党の山尾氏が、緊急事態宣言には国会の事前承認を条件にすべきという立場で、立憲民主党執行部方針に噛み付いた記事が出ています。
緊急事態かどうかの緊急判断を国会の党利党略による引き伸ばし戦術の対象にしていたのでは言語矛盾です。
緊急事態宣言を簡易迅速にする代わりに、決断した者が結果責任を負うことにしないと、緊急事態には間に合いません。
判断をスムースにできるようにしたいという改正論争なのに(党執行部の事前国会報告で妥協することに対する追及論)事前承認制でないとダメという原則論で反対しているようです。
山尾氏の反対論自体は執行部説明の揚げ足取りのような論法で悦に入っているようですが、要は「宣言をし易くする」のに反対のようです。
https://www.asahi.com/articles/ASN3D5DKKN3DUTFK00R.html

山尾氏が造反表明 緊急宣言の承認、党執行部を痛烈批判
新型肺炎・コロナウイルス2020年3月12日 16時32分
立憲の安住淳国会対策委員長は11日、賛成に回る理由として、少数である野党に法案をひっくり返す力がない以上、賛否を採決する「事前承認」も、ただ報告するのみの「事前報告」も事実上同じだという趣旨の発言をしている。
山尾氏は、枝野幸男代表や安住氏を前に「承認があってもひっくり返せないというなら、私たちはほとんどの法案でひっくり返せることはない」と指摘。さらに「それでも真摯(しんし)に質疑に立って、必要があれば与党を説得し、頑張って修正を勝ち取ろうと努力する。その結果がおかしければ、反対することで問題点をいまと未来に残す。それが野党の大事な仕事だ」と訴えた。
そのうえで「野党議員が承認に加わってもどうせ覆らないと言ったら、野党議員のいる意味はない」と痛烈に執行部の対応を批判した。党の法案審議のあり方についても「民主的だとは思わない」と語った。

上記を部分的に読めば正論・/論旨明快ですが、大局から見れば今回のような事態でも緊急宣言が事実上できないような仕組みを、もっとスムースにできるように変えようというのが大方の方向性・・民意と見て、共産党を除く他野党も共同提案?か賛同になったのでしょうから、その価値判断自体に対する正面からの論争・反対をしていない点が姑息です。

インフルエンザ特措法と私権制限2

無自覚で周囲に大量感染させると取り返しがつかないので「人の集まりは当面自粛してください」という要請に対し、自分は元気だしどこで遊ぼうと、勉強しようと自由だという利己主義でいいのでしょうか?
社会生活は自分だけ良ければ良いというものでないのと同じで、地域社会も地域エゴでなく国家社会全体の利益を総合判断すべきです。
マイナスの総合判断は程度問題ですが、国家規模の非常事態認定がある場合(今回はまだ非常事態宣言していないのかな?)4〜5キロ四方程度の狭い地域の利害・・・自治体首長の総合判断に委ねるべきではない・そういう価値判断は全国規模に政治責任を持つ中央政府が決めるべきことではないでしょうか。
要請は強制でないので応じなくとも法令違反ではないので罰則などあるはずもないのですが、罰則の箇所を見ると主に物流業者に対する保管命令等違反に対する処罰のようです。
本来緊急事態ではその場の命令権者を決めて指揮に従わない者には裁判なしの一時的拘束や強制権限を与えるべきです。
これが戒厳令制度の思想ですが、我が国にはこの例外規定をタブー視していることが新型インフルエンザ等の非常事態が起きても政府が迅速に対応できない・・意味不明の法律になっている背景でしょう。

新型インフルエンザ等対策特別措置法
(物資の売渡しの要請等)
第五十五条 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に必要な物資(医薬品、食品その他の政令で定める物資に限る。)であって生産、集荷、販売、配給、保管又は輸送を業とする者が取り扱うもの(以下「特定物資」という。)について、その所有者に対し、当該特定物資の売渡しを要請することができる。
2 特定物資の所有者が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するため特に必要があると認めるときに限り、当該特定物資を収用することができる。
3 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施するに当たり、特定物資を確保するため緊急の必要があると認めるときは、当該特定物資の生産、集荷、販売、配給、保管又は輸送を業とする者に対し、その取り扱う特定物資の保管を命ずることができる。
第七章 罰則
第七十六条 第五十五条第三項の規定による特定都道府県知事の命令又は同条第四項の規定による指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長の命令に従わず、特定物資を隠匿し、損壊し、廃棄し、又は搬出した者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第七十七条 第七十二条第一項若しくは第二項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
第七十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

非常時に必要な直接強制権を用意していない・・何となく遠くから騒いでいるだけのような法律に見えます。
指示に応じない時の手段→有無を言わせない直接強制力・・例えばイベント会場の閉鎖その他の強制力が用意されていないようです。
応じないで指示にまで進んだ企業名を公表するなどの規定がありますが、個人名は公表できません。
公表の書きぶりを見ると、懲罰としての公表でなく、政府指示の妥当性を国民批判に晒す目的のような書き方です。
インフルエンザ特措法非常時に必要な直接強制権を用意していない・・何となく遠くから騒いでいるだけのような法律に見えます。
指示に応じない時の手段→有無を言わせない直接強制力・・例えばイベント会場の閉鎖その他の強制力が用意されていないようです。
要請に応じないで指示にまで進んだ企業名を公表するなどの規定がありますが、個人名は公表できません。

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