一般重症患者・ガン患者、脳梗塞や心疾患その他の病気で、急性期脱却後(手術後1週間前後で)一旦退院して、術後のデータチェックのためなどで通院・・自宅療養となり、通院予定外の日でも「急変したらいつでも連絡してください」というのが現在の医療方式です。
こうして一定比率で病院に戻って来り退院する患者比率を前提に、集中治療室の規模や一般病棟や機器医療スタッフ等のローテーションがなり立っているので、ここに一挙に大量の患者が殺到するとどうなるかの問題です。
通常の通行量前提の道路に一斉に避難民が殺到すると生活道路がパンク状態になるのと同じで秩序立って避難した方が結果的に多くの人が早く避難できます。
一般の病気療養中の人が自宅で容態急変してイザ病院に連絡したところ、(大病院の場合一定率で日々こういう人が発生しているからこそ、一定数の看護師や酸素吸入器などの利用率が上りペイしているものです。
電話するとコロナ型患者殺到により病床が満杯で、担当医師も手一杯で往診にいけないと言われるとどうなるかの問題・・これこそが地域医療崩壊と称すべき状態でしょう
大多数の重症患者の急変事態には、バイタルサイン悪化の最後は呼吸困難になる人が多い・・呼吸困難等の集中管理室対応症状が一般的ですが、イタリアの場合人工呼吸器不足で対応できなくなる現象も報告されているなどから分かるように救急医療と機器的に競合する面があります。
コロナ型患者も本当に酸素吸入が必要な患者の場合、一般患者を優先にする必要はないでしょうから、病院としては受付順対応になりますが、不要不急の患者が押しかけて本来の救急患者の救急治療を妨害しているかどうかです。
救急治療室の空きあるいは、酸素吸入機の余裕がある場合、いずれも緊急にするほどでなくとも患者の強い希望があれば、「マアいいでしょう」と拒否しきれない場合も出てきます。
本来の救急患者(と言っても退院後再入院の場合は救急車でなく家族の送迎中心)は、前もって並ぶ余地がないので大挙押し掛けて並んでいる人がいるとこの人たちが事実上優先権を確保してしまいます。
公共施設・・コミュニテイセンターなどの利用申し込みで団体枠とフリー枠を別に設けないと半年〜1年前から予定の決まっている団体が1年先まで全部申込んでしまうので、一般市民がふらっと、ピンポンやテニスなどしたいと思って立ち寄ってもいつも予約済みで利用できないのと同じです。
検査機器の感度と的中率が問題になっていますが、陽性を見落とすリスクよりも陰性を間違って陽性という結果にして念のため丁寧対応しておいて悪いことはないという方向になりがちです。
パニック状況に押されて行う全量検査の場合、本来の機器精度が低い問題だけでなく、擬似陽性を皆陽性扱いする問題と言っても良いかもしれません。
大事を取る分には問題がないという日常の姿勢が医療関係者の気持ちに染み込んでいるので、いわゆる濃厚・過剰診療の問題が競合してきます。
この倫理観というか保身術自体は医療システムのキャパに余裕あるときには合理的ですが、大災害等で一時的に医療施設不足が起きた時点では、悪しき倫理になります。
事故や脳梗塞等で救急で運ばれて来る人あるいは退院後自宅で療養中の人の容体悪化で再入院する人は救急車でなくマイカーでの入院が多いですが、いずれも寸刻を争う本当に緊急治療必要な人たちです。こういう人と、大事をとって三sの吸入しますか?と医師が仕方なしにやる場合が一緒に並べば、医師は本当に緊急性のある方を優先するでしょうが、先に病床を埋めてしまっていると、病室を追い出したり始めたばかりの酸素吸入機を外す勇気まではないでしょう。
昨日紹介した韓国の記事
「・・もともと疾患を持つ高齢者らが自宅で亡くなるケースも続出している。
という報道はまさにコロナ型以外のその地域で日常的に一定率で発生している救急患者等の一般病人が行き場を失って、そのまま自宅で息を引きとることになっている状態・いわゆる医療崩壊現象が出ているようです。
交通事故や脳血栓その他緊急治療すれば助かる人がせっかく救急車に乗っても引き受ける病院がなくなれば落命することになります。
こういうことによる死亡者は新型コロナウイルスによる致死者に含まれませんが、新型コロナ型ウイルスが検出されると重症者限定せずにドシドシ入院させることによる被害です。
コロナ型ウイルス騒動の収束後に、コロナ型ウイルスの出た死亡者に限定せずにその時期の人口比の死亡率がその前後で上がり平均寿命が下がったかなど疫学的統計で国・地域ごとの成績を決めるのが合理的です。
以下によると大邱周辺で医療崩壊が起きているだけで韓国全体平均すると感染率が日本と大差ないという主張か?が出ています。
東北大震災が日本全体で起きていないから問題がないというような意見かな?
井戸端会議・瓦版
2020-03-13
新型コロナウイルス(covid-19)への対応で「積極的な『PCR 検査』の実施」をした韓国で医療崩壊が発生しました。ただ、それはテグ(大邱)での話あり、韓国全土で医療崩壊が起きたのではありません。
しかし、大阪市(人口274万人)や名古屋市(人口232万人)と同規模を人口を持つ都市で医療崩壊が起きたのです。この点は「問題ない」とは言えないでしょう。
「人口100万人あたりの死者数」で見ると、韓国・テグ(大邱)の深刻度が浮き彫りになる
グラフと筆者の解説は明日の引用とします。