民族益とは?3

メデイアや学者は時流に合わせて平和愛好家のようなスタンスを宣伝しますが、我が国過去の例によれば報道機関が被害感情を煽る結果、弱腰批判を受ける政府や軍部が戦争への道を突き進むしかないように引き摺られていったことを以前から書いてきました。
日露戦争当時「もっとやれ!満州まで侵攻しろ」という帝大教授やメデイアの無責任運動とこれに煽られた民衆が日比谷焼き討ち事件などを起こしましたが、当時の政府は強かったので、これを相手にせずに講和交渉を押し進められたのですが、昭和に入ると政府や軍部の力が弱まり、メデイアの煽る方向に動くしかなくなっていった経緯を日露講和会議の顛末や天皇機関説事件等のシリーズで紹介しました。
※  日露戦争以降の政治とメデイア2April 9, 2018
※  学問の自由安売り2→天皇機関説事件へApr 11, 2018 12:00 am
外国メデイアの実態を知りませんが、日本メデイアは明治以来外国情勢の皮相な受け売りが多い結果、(日露戦争時のメデイア対応のお粗末さを上記で紹介しましたが・・)彼我の戦力、国際情勢の動き、国情に合わせてじっくり考えて行動する実業界や政府要人の深い読みに比べて4〜5段以上劣る主張が中心でした。
過去のメデイア・メデイアに利用される文化人の主張・・・これに煽られて思慮の浅い若者のデモ等の活動が、日本社会を前向きに変える起爆剤になった事例が一回でもあったでしょうか?
千葉市美術館で数年前に全共闘時代の回顧展?(名称を忘れました)があり、全共闘時代とほぼ並行する当時の前衛芸術家の卵?・・街角で白衣をきて何か消毒でもしているかのようなフリをして歩行者を驚かせる企画や1万円札の巨大版を持ち歩く・・芸術家の卵?が苦闘していたのはよくわかりますが、卵は卵に過ぎずまだ何らの実績ない状態です。
あたかも社会の将来を照らしているかのような主張はおこがましい限りの印象を受けました。
60年安保騒動であれ、全共闘であれ浅間山荘事件であれ、時代に取り残されつつあった敗者の暴発・高校の授業についていけない不良が暴走族になり、デモ隊になった程度のイメージではないでしょうか。
ソ連の抑圧に苦しみソ連のくびきからの解放を求めるプラハのは春やポーランドの連帯運動、天安門事件の学生や今回の香港のようにデモが人の尊厳を守るための運動の場合、・香港デモがどういう結果になろうとも歴史に残る偉業の一つとなるでしょう。
日本の場合日露講和に反対する日比谷焼き討ち事件に始まり、美濃部達吉批判運動や60年安保騒動などをのちに振り返れば、(明治初年の不平士族の欄に始まり)時代錯誤の運動が中心です。
60年安保を見れば米ソ2大陣営のどちらにつくべきかの政治選択問題について、政治のイロハもわからない高校生や大学生が(大人・自分の親世代を牽引するべきなんらの見識もないのに)メデイアを利用した一方の政治勢力に扇動されて中ソ陣営の方が良いという政治運動に引き込まれたものでしかなかったことが明白でした。
ソ連支配下に組み込まれた東欧諸国や北朝鮮の悲惨な実態〜ポルポト政権のおぞましい殺戮、ソ連崩壊後明らかになった内実によれば、どちらの選択が正しかったかは争いの余地のない歴史事実です。
昭和40年代の全共闘運動に至っては、大卒一般化→大衆化によって将来の展望を失った底辺?大学中心に発生した暴発であり、不良の暴走族化対策対象同様の反面教師的役割でしかなかった?(平成のオーム真理教事件の教訓程度)・今後の前向きの展望を主張する運動どころではありませんでした。
芸術家ブル昭和40年代前半芸術家の卵たちの運動は、この全共闘時代の産物ですが、不良少年が落書きして歩いていたのが大人になった程度のイメージ?に過ぎなかったと見るのが実態に合っているでしょう。
大型の万札の模造品を持ち歩くなど・ただ奇抜なだけ・子供の遊びを大人になってもやっているに過ぎないにもかかわらず、メデイアは大大的に取り上げていたようですが、こんなの芸術というのかな?と思われる内容でした。
こんな低レベルな?(個人感想ですし自分がもっと内容の高いものを創作できるという意味ではありません)内容で、時代になんらか前向きの影響を与えたのか?と考えてみると・・一時的に世間の話題になっただけのように見えます。
ノスタルジアで訪れる中年世代が多く見られましたが、このころ夢破れた連中でしょうか?「夢破れた世代」といえば反日系の運動であればなんでも参加したがる中高年が多いと言われますが、こういう運動経験のある連中でしょうか?
奇抜アイデアに頼った時代が続くわけもなく万博を契機に一斉に姿を消した流れはまさに泡が泡と消えた結果に見えます。
高度成長期が終わりを告げ、安定成長への軌道修正の不安が就職機にある学生を大騒ぎさせたが、就職できるようになって沈静したと見ることが可能です。
要するに将来展望があって展望のない社会を指導するのではなく、自分の展望がないのを不安に思って騒いでいただけのことです。
学生と言っても世の中のことを何もまだわからない年代ですから、青二才が社会の指導をするためのデモなどをするなどは、おこがましいにも程があるということでした。
報道機関が物事をよくわからないのに、一方的的立場で扇情的に煽る傾向に戻ります。
近年では慰安婦報道の経緯を見ても、朝日を初め報道界は、客観事実分析をおろそかにして韓国のありえない主張を増幅しました。
韓国では当初半信半疑・韓国人自身が一番よく知っているのでそんなバカなことはないと相手にしていなかったようですが、日本でフィーバーが起きたので韓国でも報道するしかなくなり、韓国政府も主張せざるを得なくなった経緯があります。
靖国参拝問題も(南京大虐殺もそうだったかな?)日本メデイアが執拗に問題しているのに中国が無視できなくなり控えめに報道するようになり、一旦火がつくと政府はこれを問題視せざるを得なくなって現在に至っているようです。
このようにメデイアの動きが日韓関係や対中関係悪化増幅させるばかりで、現在後戻りできないほどの日韓関係悪化を演出してきた罪が大きいものがあります。
中国は反日感情を煽るメデイアの誘惑に簡単に便乗せずに慎重でしたので、いつでも修復可能領域にあるのと大違いです。
中韓との関係悪化を結果的に誘導してきたメデイア・文化人?が、過去の煽り行為の責任を取らず、この段階になって「隣国と仲良くした方が良い」という意見をそれとなく述べ、報道をしても国民の多くは「今更何を言ってるの!という受け止め方が多いでしょう。
隣国関係は引っ越す訳に行かないので、波風立てないほうがいいのは確かですが、相手国が一定限度を超えて図々しくなると少し不便・損しても付き合わない方がいいとなります。
そこまで関係悪化させてしまったのは誰だ!
という不満です。

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