データ・グラフの信用性3(韓国対日依存度変化2)

昨日紹介した2つのグラフを比べると同じ小塩氏の作成グラフなのに対日中依存度の同率点、交点のある年次がまるで違います。
対日中の輸出額同額時点で、対日中依存度も同率であるべきと思うのですが、対日中依存度グラフでは交点(同額時点)が1992〜3年頃なのに、輸出額では2001年頃に逆転時期があって、(それまでは対日輸出の方が大きい)その後中国が急激に伸ばしていることがわかります。
素人の悲しさで、日本への輸出額が中国よりも多いときでも韓国では中国依存度が大きかったという意味が不明です。
元宗主国に対する期待値が大きかったという意味かもしれませんが、上記グラフはGDPに関する依存度であって、文化依存度のグラフではありません。
ところで、対日輸出が6%から5、1%に下がった程度で・・韓国中が歓喜に沸くほど?でしょうか? 小塩氏の以下のグラフでは2010年を起点に見ると途中で対日輸出が逆に増加していて、最大落ち込んだ15〜6年頃でも10年とほぼ同額で1990年代と比べて遜色ないレベルです.

対日輸出入額が大幅に変わっていないならば、しかも韓国の輸出総額が「11年以降全く増えていない」とすれば、なぜ対日依存度が大幅低下するのでしょうか?
結局は、10年頃からの反日運動激化は、対日依存度が縮小したから・というのはこじつけであって、中国の台頭によって今後は中国の手先になるから「日米など相手にしていられない」という意思表示を後先見ずに表明したのではないでしょうか?
その公式表明に当たるのが、中国が実施した抗日戦勝70周年記念式典への出席行動だったでしょう。
私は、「日韓の存在感が相互に低下した方がお互い幸せ!」「できるだけ無関係にした方が良い」「あまり日本を気にしないで!」という立場ですから、小塩氏の主張意見に反対しているのではなく、それなら韓国は日本を放っといてくれればいいのです。
お互い存在感を低くしていくのが合理的ですが、(農村では近隣の存在感が大きすぎて住みにくい・都会生活の気楽さの違いです)本当にそのように進んでいるのかの事実をはっきりしてほしいものです。
ここでの関心は小塩氏の主張によれば11年頃から韓国の輸出が増えなくなって、日本企業(部品輸入等の)依存度が下がったならば「なぜ韓国が躍起になって日本批判を強めているのか?」・・逆に存在感(感情)が強まっている原因は何かの関心で書いています。
慰安婦で不可逆的合意をすれば、今度は徴用工訴訟開始など何かと日本に対する嫌がらせを続けないと気が済まない印象ですが・・。
ですから、輸出が11年以降増えていないという点については、これまで書いてきたように事実の正確性不明ながらそういう実態がありそう!という点では私は同感しています。
李明博大統領上陸や天皇侮辱発言が11年だった記憶ですが、5月7日引用グラフでは輸出量が伸びなくなった11年頃と一致して始まったことがハッキリします。
本当は・・米国が今になって中国の知財剽窃〜強取に対する警戒心を露わにして米中対決になっていますが、日本はもっと早くリーマンショック前頃から技術移転を渋り始めた結果、韓国が中進国の罠にハマるのが遅れて始まったのでは無いか?
日本からの絶えざる技術移転があってこそ「中進国の罠にはまらず」に成長を続けられたのですが、これが止まってみると自国技術は後発の中国に追い上げられて優位性を失う一方で、流通業でいえば仕入れストップになって販売していると在庫がなくなると販売ストップになるような状況になってきたのが10年前後の状況でなかったか?の素人的推測です。
韓国の貿易拡大によるGDPアップ(外需依存経済)がリーマンショック後に止まったのが10年頃の状況だったと思われます。
景気穴埋めのために内需刺激による輸出減退分穴埋めに舵を切るしかなくなるとともにこれによる国内ストレスの矛先を日本へ向けるようになったのではないでしょうか?
その頃慰安婦騒動を収めるには、韓国の要求として、「日本はもっと技術移転すべきだ」という要求が時々ニュースで出ていた記憶です。
日本人としては、「反日運動しておいてイケ図々しい要求だ!というのが大方の感想だったと記憶しています。
当時私は、韓国民度はまだ成熟していないので気持ちをソフト表現できない・中高生が親にどうしてほしいかの要望を言うより先に壁を蹴飛ばしているようなレベルと理解していました。
その時の「お願い」姿勢次第では「技術移転に協力しない」とはっきり言うのは難しかったと思うのですが、慰安婦で脅して要求する高圧的態度だったので、かえって日本世論が硬化してしまい、それまで細りながらもある程度進んでいた技術移転のパイプが逆にぎゅっと閉まる方向になり現在に至っています。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC