フリーランサー社会3(韓国6)

https://www.decn.co.jp/?p=103846
韓国の建築設計界/フリーランサー急増/52時間労働制導入で、正規職員に代わり残業 [2018年11月14日10面]
労働時間の上限を週52時間とする改正勤労基準法が7月1日に施行となった韓国の建築設計界で、フリーランサーの雇用が急増している。正規職員の勤務時間が52時間に達した時点で、代わりに夜勤を通じて残った業務を行うケースが増えているという。
フリーランサーは、プロジェクトごとに会社を転々と渡り歩き、正規職員らと共に作る数人単位のチームに混じって、仕事の手伝いをする。
これまでは納期を控えた時期に緊急雇用するケースが多かったが、現在はプロジェクト開始時点から構成員として使われることが多い。チーム単位で雇用するフリーランサーはこれまで1~2人だったというが、今は2~4人にまで増えている。

日本の一級建築士のフリーランサー化の事例を紹介してきましたが、上記によれば韓国でも同じようです。
韓国では空前の不況ですので、政府は景気対策としてあんちょこな(根気のいる産業構造転換よりはすぐに効果の出るインフラ整備や不動産景気を煽っている状態です。
この結果建築業界では人手不足になっているのですが・このようなあんちょこなバブルが続くわけがないのを見越した企業は雇用を増やさずに臨時職・フリーランサーにシフトしている構図です。
フリーランサー向け仕事は、業務内容が定型化している業種・IT技術者等一定スキルを身につけた業種向けですが、上記引用の通り正規社員のいやがる仕事?の穴埋め的・深夜・休日勤務などを引き受ける傾向があります。
数十年前の仕事上での経験ですが、富士通等の大手を退職したばかりの新人?人材が起業した場合、当初数年間は最先端技術に通じているということで引き合いが多い・元勤務先関連企業からも引き合いが多いのですが、年を経るごとに日進月歩の技術から遅れていくことと勤務先企業との人脈が薄れるなどから次第に仕事が減って・・発注先はその後大手を退職したばかり「イキの良い」人材を好みますので債務整理に追い込まれた事件でした。
債務整理になるのは企業化していた場合ですが、個人職人として非正規受注している場合にもフリー化してからの年数経過でオファーが低レベル化・単純作業化していくのが普通です。
今朝の日経新聞9p「働くママ」「待遇改善へ声届ける」「フリーランス不安払拭へ」には、フリーランスの生き方が格好いいような紹介記事ですが、内容は所属企業がないので継続的社内訓練を受けられないことや、育児休業補償などがないなど)主張が出ていました。
カタカナ名称を使ってもフリー=休めば収入がないのは当たり前ですし、日進月歩の技術進歩についていくのも自己負担は当然です。
看護師さんも退職後数十年経過した人の場合、「資格のある人何人」という数合わせが普通で多忙な大病院などの戦力としての期待はないでしょう。
今はフリーランサー(と言う名の使い捨て労働者?)の需要急増ですが、前提として正規社員絞り込みが激しくなっている・正規雇用減少の先行があります。
結局は雇用絞り込み→失業増→フリーランサーへの入れ替えが進んでいるということでしょう。
3分の1の大卒未就職者が、毎年のように送り出される社会って?累積していけば社会がどうなる?と思うのが普通でしょう。
韓国ではフリーランサーが3割の社会になっていると言われますが、就職難長期化と相関関係があるのでしょうか?
22日紹介した高率未就職は17年だけではなく前年も67、5%しか就職できていないというのですから・・ほぼ3分の1レベルの未就職者が恒常的に発生していたことがわかります。
毎年約3割もの大卒失業者が積み上がってくる韓国社会って?30歳まで失業積み上がり(内何割かは日雇い労務でもフリーランサーでもするでしょうが・・)だけでも大変な失業者数です。
18年末大卒統計は22日発表の例によれば19年末まで出ないでしょうが、昨年から日本へ就職を求めて大量に押しよせているなど厳しい就職状況・・劇的悪化の報道ですから16〜17年2月卒業生よりもっと悪化しているのでしょう。
https://jp.reuters.com/article/southkorea-economy-unemployment-idJPL3N2076JK

2019年2月13日 / 08:53 / 2ヶ月前

1月の韓国失業率は4.4%、9年ぶりの水準に悪化
ソウル 13日 ロイター] – 韓国統計庁が発表した1月の失業率(季節調整済み)は4.4%と昨年12月の3.8%から上昇し、9年ぶりの水準に悪化した。最低賃金が上昇する中、製造業セクターや建設セクターで雇用が減少した。
1月の失業率は、経済が世界的な金融危機の影響を受けていた2010年1月に記録した4.7%以来の最悪なパフォーマンスとなった。

https://www.recordchina.co.jp/b668339-s0-c20-d0127.html

韓国20代の失業率が日本の2倍に、原因は?

2018年12月5日、韓国・聯合ニュースは「韓国20代の失業率が日本の2倍以上になった」と報じた。
記事によると、韓国の昨年25~29歳の失業率は9.5%で、日本(4.1%)の2倍以上を記録した。20~24歳の失業率も韓国が10.9%、日本が4.7%だったという。
早稲田大学の朴相俊(パク・サンジュン)教授と韓国銀行(BOK)のキム・ナムジュ副研究委員は5日に発表したBOK経済研究の報告書「韓国と日本の青年失業比較分析および示唆点」で「韓国の若者の失業率が日本より大幅に高いのは、良質の雇用が不足している上に大企業と中小企業間の賃金格差が大きいことに起因しているとみられる」と指摘。大・中小企業の賃金格差拡大といった労働市場の二重構造化が若者の失業率増加につながるものとの分析だ。
統計庁の調査から、韓国の50人未満の中小企業の平均賃金は大企業の55%にすぎないことが分かっている。一方、日本は過去20年間、中小企業の賃金が大手企業の賃金の80%水準を維持しており、大卒初任給の場合は90%を上回っているという。

日本の中小企業は江戸時代以来の家内工業の系譜を引き大量生産工程化に馴染みにくい分野を専門にしていた結果、大量生産方式に脱皮できなかっただけで、技術レベルが高いから生き残ってきたのですから、零細でも利益率が高い企業が多く大企業との給与格差が大きくありません。
https://japanese.joins.com/article/383/249383.html

韓国、「今年大卒予定者の10人に1人だけが卒業前に正社員内定」
2019年01月22日08時00分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

大卒就業者のうちで正社員になれた人の割合を見るには、正規非正規の定義自体いろんな定義があるので断定的に書けませんが、大卒時の就職決定率で常識的な印象を見るのには合理的でしょう。

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