大晦日

今年もいよいよ大晦日・大団円と言えるかどうかは人によって違うでしょうが、ともかく全員にとって今年最後の日になりました。
年の終わりと元旦にかけていつもの俗論を忘れて、「来し方行く末」を思う期間となります。
自身が高齢化したからでしょうか、若い頃には来年は良いことがあるように!とか、がんばる系・・飛躍を願う気持ちが普通でしたが、いつの間にか是日々好日的な関心になってきたようです。
年末にして思うことは「無事1年が終わったか!」という感慨中心になってきました。
幸不幸いろんなこともあったのですが、終わってみるとこの程度で済んで良かった的な自己満足・「まあ無事だったことになるか!と総括したくなる自分に驚いています。
こういうオメデタイタイプはうつ病にはかかりにくいのかもしれません。
今年はどういう年であったのかに思いを致すと、多くの人から「母親または父親がなくなったことによる年始の挨拶を失礼します」というお知らせが目につきました。
私の知り合い・前後10年前後の誤差のある世代では多くの方の父母が・・享年90代半ばを中心にする訃報でした。
ついこの間まで享年80代半ばの訃報が多かったのに比べると、ホンの短期間に約10歳前後も寿命が延びている感じです。
統計上の寿命の伸びは微々たるものですが、80代まで元気に生きている周りの目につく人(この街の町内会会長は87歳前後ですが、しっかりこなしています)の健康寿命の伸び(早くから亡くなった人や入院中の人は目につきませんので)と乳幼児期に難病等でなくなる人の寿命の伸びとは、一致していないからではないでしょうか?
人生の終わりや高齢化したのちの問題等については、すでに後期高齢者になってる自分も年齢的にその入り口に立っているのですが、独居高齢者(誰もがいつかは伴侶に先立たれるので)の生き方や人生の終わり・就活に向けた諸問題を見ると、いまだに「人ごと」のような気持ちで相談に乗り、こうしたら良いのではないかなどの、意見・自分に関係のない遠いことのような意識で考えているのが不思議です。
まだ15年以上も先のことだという無意識の気持ちがあるからでしょうか?
自分が後期高齢者になって見ると、(今でも信号が変わりそうになると走ってみたり、電車が来そうになると階段を駆け足で上がったり)後期高齢者という名称が始まった頃の75歳に比べてずっと元気で日常の生活は何も変わらず、ただ弁護士会(東京3会および神奈川千葉埼玉の共同)健保から後期高齢者だけ入る老人健保に切り替わっただけの違いです。
(歩くのが遅くなり疲れるまでの時間が早くなり回復力が落ちるなど、全ての分野で徐々に衰えているのは明らかですがその程度のことで・・)
長年親しんだ弁護士会保険とのお別れで、自分は元気なつもりで弁護士業にしがみついていても法制度上は容赦なく引退勧告・切り捨てられたような気持ちです。
この保険証を出すと誰もが世捨て人というか「もはや現役ではない人」という瞬時の判定ができる仕組みです。
千葉市美術館では年会費で入っていたのと自分が会員ではない東博や歴博などの特別展では、会員になっている娘が持ってくるおまけの入場券で一緒に行くので気が付きませんでしたが、ある日東博では企画展以外の参観は無料になっていると知って驚きました。
70歳を超えたあたりから世の中では世捨て人扱いになっていた・・されていたのに、ようやく気がついた次第です。
医療面でこの一年で見ると、足首あたりが痒くなったのでつけぐすりをもらいにいった程度です。
そろそろ歯科医に行って歯垢を取ってもらう必要があると思いながらも1日伸ばしで今年は行かないで終わりました。
60歳の還暦で周りの人たちに還暦の祝いを企画していただいた時には、「もう今はそんな時代ではないのでないか?」と内心恥ずかしく思ったものでしたが、その後16年の間に社会意識がすっかり変わってしまい、70歳になった時には、誰も気が付かない時代になっていました。
今では60歳でお祝いをするかどうかを迷う人などいなくなったように思います。
最近でもさすがに87〜8歳を過ぎるとお年寄りの印象になりますので、年金支給開始年齢の繰り下げ論・・お金の問題ばかりかまびすしいですが、年齢に関する意識が急速に変化している現状を踏まえると先ずは後期高齢者の名称を実態に合わせて85歳からにした方が良いように思います。
約1週間前の日経新聞だったかネット上だったか記憶がはっきりしませんが、75〜80歳頃まで元気なうちは働きたい人が多いという意識調査が出ていた記憶ですが、今どき75歳以上は病気ばかりしているイメージの保険制度で高齢者意識を煽るのは古すぎませんか?
ましてや「65歳以上の高齢化率何%」としょっちゅう報道しているメデイアの姿勢を「ばかか?」と思っている人が多いのではないでしょうか?
75歳くらいまでは、原則として(体調の悪い人は別として)社会的義務の負担者に加えるべきでしょうし、元気な人は80歳でも社会貢献すべきですし年齢だけでそのチャンスを奪うべきではありません。
その前提として70歳以上?一定年齢以上の人を公的施設で無料化するのをやめるか、無料化する年齢を引き上げるべきではないでしょうか?
お金の問題を描いているのではなく、社会意識変化の必要性を書いています。
もともと個々人の能力には赤ちゃんの時からばらつきがあるものですが、これが5歳〜10歳〜20歳〜30歳〜50歳〜60歳〜70歳と長年の積み重ねで差が開く一方になるのが一般的考えでしょう。
給与で言えば、働き始めの20台ではほとんど差がなくとも60台になるとゴーンさんのように巨額を稼ぐ人と、日雇い人夫等では若い時よりも日当が下がる人との差が大きく開いていきます。
大卒スタート時に同じ企業に就職できた場合(初任給は同じ)でも、70台になるとその間にどこまで出世したかあるいは途中独立して成功したか失敗したかなどの結果で、億単位の資産保有者差・・まだ大手企業の社外取締役で稼いでいる人と月収15万円前後の年金生活との格差が広がります。
我々弁護士や裁判官でもスタート時・司法修習終了時は横1線に並んでいた筈ですが、最高裁判事になったり、大学教授になったり日弁連で活躍する人と食うや食わずの弁護士・懲戒処分を受ける人まで格差が広がっていきます。
話題が変な方向にずれてしまいましたが、まだ庭掃除などの仕事が残っているのでこの辺で大晦日のコラムを一旦終わりにして、正月のコラム終了後に気が向けばこの続きを書きます。
話題が途中で変わってしまう気まぐれコラムですが、1年間ご愛読ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。

国際標準4(マック異物混入2)

中国の毒餃子事件では、無農薬等の先進的役割を果たしていたと信じていた生協のイメージダウンでしたが、結果的に中国製食品は怖いという意識が広まり・・生産地表示義務が徹底されるようになりました。
この結果中国製食品は信用性に応じた低価格でないとスーパーなどで売れなくなり、食品輸入業者のぼろ儲けがなくなり・ひいては中国の食品工場・・毒餃子に関係なかった食品企業までが(「一事が万事・これが中国の衛生基準という」イメージ浸透で)打撃を受けたでしょう。
マックの場合中国工場はどうなったのでしょうか?
http://news.livedoor.com/article/detail/9717976/
中国のグロテスクな異物混入事情 避妊具、金魚の死骸、ウジ虫…

2015年1月27日 7時0分
日本の”食の信頼”が大きく揺らぐ中、ほくそ笑んでいるのが隣人・中国という。
「昨年7月、マクドナルドのほか、牛丼チェーンの吉野家などに、消費期限切れの肉を輸出していた上海市の食品加工会社(上海福喜食品)が摘発されました。
結果、マクドナルドはチキンナゲットの生産国をタイへ変更。だが今回、異物混入のナゲットがタイで生産されていたことから、中国内で非難の声が続出しました」(全国紙記者)
習近平国家主席自身、福建省の省長時代に、
「新しい土地に赴任して、最初にしなければならないのは、ちゃんとしたレストランを見つけること。コメを食べるときは有毒米かどうかを心配し、野菜を食べるときは残留農薬を気にしなければならない」
と、国のトップですら、自国の食が安全ではないと考える恐るべき国なのだ。
北米の中国人向けテレビ局『新唐人電視台』によると、ソーセージの中に死んだウジ虫が入っており、食べた妊婦が、あろうことか流産してしまったという。
また、同社製の別の商品の真空包装を裂き、ソーセージを取り出したところ、十数匹のウジが湧いていた例もあるという。
メーカー側は「真空包装の破損で空気に触れ、さらに、蚊やハエなどの外部汚染源があるときのみ、ウジ虫の発生が可能」とコメントし、自社の責任を否定しているのだ。
中国の食の問題に詳しいノンフィクション作家の奥野修司氏が言う。
「ウジ虫ソーセージの話は有名で、2011年から12年にかけて中国で話題になりました。でも、メーカー側は結局、商品を回収しませんでした。その後、私が中国へ行った際、大手スーパーの店頭に、同社製のソーセージが平然と並んでいたことには驚きましたね」
不衛生極まりない製造現場に問題がある。
中国の中小の食品加工工場では強烈な腐臭が漂い、ハエが飛び交うのが普通の風景。従業員は汚れた床に材料を落としても、平気で拾い入れ、加工する……。
「中国の上海で見た工場の現場も、そういう感じでした。不衛生な工場で加工された商品が、大手メーカーに納められ、日本に入ってくるんです」(前同)
毒入りギョーザ事件”だろう。07年12月から翌1月にかけ、河北省の天洋食品が生産した冷凍ギョーザを食べた千葉、兵庫両県の3 家族、計10人が中毒症状を起こした事件だ。
「食堂でチャーハンを食べようとしたら、干からびたネズミの頭が出てきた事件がありました。具である干しシイタケを作る過程で、ネズミが紛れ込み、そのまま調理してしまったようです。チャーシューとは違うネズミの別の部位らしき肉片もありましたから。調理人がシイタケと勘違いして料理してしまったんでしょう」(前同)
ペプシコーラに腐乱した金魚の死骸が混入した事件もあった。
「ペプシはアメリカのメーカーですが、ボトル詰め(ボトリング)は、中国国内で行います。
その際に混入したんでしょう。
スーパーで買った女性が飲むと、中から金魚が浮いてきたそうです。よく見ると、黒いはずのコーラが赤みを帯び、得体の知れない浮遊物も浮いていたそうです」
(日本の民放テレビ局取材記者)

結局は、後進国で安く上げようとすれば相応のものしかない「安物相応』という諦めが肝要ということでしょう。
毒餃子事件まで比喩的に言えば、国内でもどこそこの桃とかみかんなどの産地別銘柄があっても味の違い程度の際であって、安全面では基礎的水準があると信じていたのですが、以来、素朴な常識が覆りました。
以来、日本人でも人によりますが、まずは国産か否かで選別する人が増えてきたようです。
その波及効果かもしれませんが、国産でも差別化が進むようになり、ひいては農産品の国外輸出の方向性が見えてきたように思われます。
品質差がなければ量産能力が勝負ですが、差別化が進みより美味しいかの基準で売り込むとなれば、量よりは手間暇の掛け方になってくるからです。
国産食品でも銘柄の決まった高品質品と標準品との差別化も進んできました。
千葉そごうで言えば、デパ地下の中でも野菜では「こだわりや」という特別店舗が差別化していますし、事務所近くの旧来の八百屋さんを覗いてみると我が家で長年配送を頼んでいる「大地を作る会」よりも品質的に勝るものを置いていることがわかったので我が家の「大地を作る会」への野菜類の注文はこのところ激減しています。
このように国民の品質選別の目が厳しくできるようになったのは、産地表示義務が厳格化されるようになったインフラ整備が大きな役割を果たしています。
当初はその副作用?産地偽装商品が出回るようになっていたのですが、その摘発が進んできた結果・・10年くらい前の記憶ではこの種法律相談や事件もあったのですが・・この5〜6年では産地偽装事件の相談を滅多に見かけなくなりました。
業者が産地表示を守るようになったからでしょう。
この結果生鮮食品等では、中国製の表示がつくと大幅に単価が違うのが普通の光景になっています。

不祥事発覚と企業体質2(マック異物混入事件1)

汚職がはびこる・多めにみる社会でこれを拒むと何も進まない商慣習のある国で、昨日紹介したタイでの贈賄事件・・司法取引事件の様に、現地公務員から贈賄要求されても拒めるかの難問があります。
新興国や後進国では国内レベル無視で環境や労働規制も先進国基準を制定だけしておいてあとはお目こぼし社会では、ほとんどの企業が守っていないときに先進国基準の国内法令を自分だけ真面目に守れば倒産してしまう社会があります。
賄賂によるお目こぼしが常態化している時に、政敵相手に贈収賄罪でどしどし摘発を始めると政権中枢への擦り寄りしか身の安全を保てない・・それ以外の基準がない状態が出来上がり、習近平の専制支配体制がすぐに確立しました。
この流れは、外資も例外でないどころか以前よりも政府の標的にされないように神経を使わざるを得なくなってきました。
マクドナルド事件はこうした状況下で、次第に米中対決が険しくなってきた矢先に先制攻撃的にアメリカの代表的商品であるマクドナルドに照準が合わされたような印象を受けていました。
もちろん私の根拠なき一方的憶測です。
以下検索してみると、中国人の方が言われなき誹謗を受けた被害者のような受け止め方をしているようです。
26日に書いたように中国人にとっても自国文化度が先進国基準に遠く及ばないのを知っているから、已む無く低賃金や売春婦等で稼いでいるのですから、こんなことで世界の話題になるのは恥ずべき宣伝をされたと思っている人もいるようです。
NGOが中国政府筋の意向を受けて?(証拠があって言うのではなく、そう言う憶測をする人が多いと言う程度の人の意見によればの話です)日本や米国企業を痛めているつもりでも、実は自国の恥を世界に宣伝しているようなものです。
日本マクドナルドに供給する中国内の工場摘発が最初の打撃で、すぐに日本国内でも製品異物混入事件が連続発表され、その直後1〜2年は経営上どん底に陥ったのは記憶にあたらしいところです。
どのような展開であったかネット検索してみました。
https://matome.naver.jp/odai/2142059939551602301によると以下の通りです。

次々に発覚するマクドナルドの商品への遺物混入事件をまとめました。
更新日: 2015年02月07日
中国で期限切れの肉混入
マック 期限切れ肉混入の恐れ(2014年7月22日(火)掲載) – Yahoo!ニュース
マクドナルドが国内で販売しているナゲットのうち、使用期限が切れた鶏肉混入の恐れ。中国の会社が供給。
◼️ナゲットに異物混入◼️
Yahoo!ニュース – 青森のマックでナゲットに異物 (SankeiBiz)
Yahoo!ニュース(SankeiBiz) – 日本マクドナルドは5日、青森県の店舗で販売した「チキンマックナゲット」に異物が
Yahoo!ニュース – マックナゲット異物問題 東京・江東区の店舗でも「5ミリ」ビニール片混入 (産経新聞)
Yahoo!ニュース(産経新聞) – 青森県の1店でチキンマックナゲットにビニール片のような異物の混入が確認された問
チキンナゲットにゴム手袋片 マクドナルド、岡山の店舗  :日本経済新聞
岡山県津山市の日本マクドナルドの店舗で、昨年10月に女性客が食べたチキンマックナゲットに、約3~5ミリの青いゴム片が混入していたことが10日、同社への取材で分かった。タイの製造工場の従業員が肉の裁断
◼️ポテトに異物混入の恐れ◼️
フライドポテトに「歯混入」苦情 日本マクドナルド – スマホ版 – 47NEWS(よんななニュース)
日本マクドナルドは6日、昨年8月に大阪府の店舗で販売したフライドポテトに、人の歯が混入していたとの苦情が客から寄せられていたことを明らかにした。「製造工場、店舗での混
容器の中に虫 保健所がマクドナルド指導 NHKニュース
去年9月、群馬県吉岡町のマクドナルドで、ポテトフライの容器の中に大きさが1センチ程度の虫が入っていたとして、保健所が立ち入り検査をして防虫対…
◼️デザートメニューに異物混入◼️
長野のマクドナルド ソフトクリームに異物 NHKニュース
日本マクドナルドの商品への異物混入が相次いで明らかになっていますが、長野県松本市にある店舗でも、7日販売されたソフトクリームにビニール状のも…
◼️ホットケーキに異物混入◼️
マクドナルド異物混入 京都の店舗でホットケーキに金具が混入:日本マクドナルドの商品に、異物の混入が確認された問題で、2014年9月、京都府の店でも、ホットケーキにアクセサリーの金具が入っていたことがわかった。…
◼️朝マックメニュー◼️
マクドナルド 沖縄でもプラスチック片 NHKニュース
沖縄県北谷町にある日本マクドナルドの店舗で、去年11月、客の4歳の男の子が、食べた商品にプラスチック片が混入していたという報告が寄せられてい…
川越のマクドナルドで針?混入、男性がケガ : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
◼️ハンバーガーメニュー◼️
沖縄のマクドナルド チーズバーガーに異物 NHKニュース
日本マクドナルドの商品への異物混入が相次いで明らかになるなか、那覇市にある店舗でも先月、客が購入したダブルチーズバーガーに、発泡スチロールの…
ハンバーガーに虫、金属片…新たに混入発覚 | 日テレNEWS24
日本マクドナルドの異物混入問題で、埼玉県川口市の店舗でも先月5日、ハンバーガーに約1.5センチの金属片3本が、千葉県船橋市の店舗でも去年9月、ハンバーガーに虫が混入していたことが発覚した。
仙台のマクドナルド “チーズバーガーに紙片” NHKニュース
日本マクドナルドの商品への異物混入が相次いで明らかになるなか、仙台市の店でも、去年11月、チーズバーガーを購入した客から中に紙片が混入してい…
マクドナルド 大分の店でもビニール状異物 NHKニュース
釧路のマクドナルド “ハンバーガーに異物” NHKニュース
日本マクドナルドの商品への異物の混入の報告が全国で相次いでいるなか、北海道釧路市の店舗にも、去年9月に販売されたハンバーガーに差し歯のような…
マクドナルドのハンバーガーに毛が混入 : 社会 : スポーツ報知
福島県郡山市のマクドナルド郡山並木店で昨年12月25日に販売されたハンバーガーの中に、長さ3センチ程度の毛が混入していたことが13日、郡山市保健所などへの取材で分かった。
マックでネジ混入 誤飲の苦情(2015年2月7日(土)掲載)
てりやきマックバーガーにネジが混入していたとの苦情。客は誤ってのみ込んだという。

こんなに次々と異物混入が起きるのって、常識的に見て企業テロの疑い濃厚と思いたくなりますが、警察が動かなかったようです。
海外工場なので日本の警察が捜査できなかったのでしょうか?

不祥事発覚と企業体質1

フェイスブックの情報漏洩の例を見ると「一事が万事」というか、最末端不祥事発生は単なる例外的不祥事に過ぎないか、企業方針として元々個人情報を軽視してきた・倫理軽視の基本的体質が露呈したにすぎないかの見極めが大切です。
検査マニュアル無視や品質偽装問題その他これまで露呈した多くの問題は業界標準的運用・「(この程度は大目に見るというか?・必要以上に短すぎる賞味期限表示同様に「少しくらい問題がない」というような)意識が蔓延している・・自社だけではなく業界で皆がやってるから・・」という意識・不正をしている意識鈍麻から起きていることが耐震強度表示その他各分野で露呈していて次々と同業種間で同種偽装が発覚しています。
日本の誇る高品質の信用はどうしたという批判が聞かれますが、法規制や社外向け品質基準の提示は掛け声だけで実態が追いついていないことを皆が大目に見ていたのを、(実態能力より厳しめの規格にしてそれを目標に進化するという暗黙の合意成立する場合もあります・法的にこれを明確化しているのが公布後施行日まで数年置いて現場が追いつくのを待つとか、当初基準が緩めにして数年ごとに基準数値を徐々に引き上げるなどが合理的ですが、消費税の思考当初のように、年商一定額以下(これも次第に下がっています)は大ざっぱな納税で良い・消費税納付義務を緩める・いわゆる「益税」などの緩和措置もありました)
政治資金規正法などでは急な意識変化についていけない分野ですので、当面多めに見るという暗黙の合意があったように思われます。
当面の暗黙合意に過ぎないのに政治家が「多めに見ることになっている」という意識のまま、法制定あるいは規則強化後10数年も安住しているとある日突然パッシングを受けてうろたえることになります。
辻元清美氏が新人議員の時に土井たか子衆院元議長から伝授された方式でやっていたら、政治資金規制法違反だったかの詐欺罪だったかで実刑判決を受けて服役した事例がこれに当てはまるでしょうか?
我々弁護士会でも、意外に高齢会員が懲戒される事例が増えていますが、法令の変更だけではなく、どの程度まで弁護士がやるべきかの境界が動いています。
弁護士大量供給時代に入って約15年以上経過すると当時若手のサービス過剰?が「可哀想」の対象であったのですが、今や大量合格以降に弁護士になった会員の半数以上になってくると、彼ら若手の弁護サービスが標準的サービスと思われるようになる・・逆に若手同様のサービスをしないと義務違反の不満が出てくるようになってきました。
耐震偽装や、車部品の品質偽装などでは
「法規格以上のスペック提示だから法規違反ではない」と言う声も聞かれましたが、そうは言っても「約束通り」にしろという期待・法意識の合理化が背景にある・民度が上がってきた結果ともいえるでしょう。
不祥事発覚当初は現場個人責任か企業体質によるのか見極められないから、ほんの一例でも不祥事が出れば、日頃の体質・企業倫理姿勢が出たのではないか?との疑いを持ち厳しく批判をするのは合理性があります。
フェイスブックのザックバーガー氏の基本体質、個人情報などに関心を持たない点を昨日紹介した Financial Taimesの意見が厳しく批判しています。
ただし、中国や新興国への生産移管は、元々日本や先進国よりも、衛生基準が低いことや労働条件劣悪・賃金水準が日本より安いこと・品質も日本より数段落ちる前提での生産移管です。を常識的前提でコスト減を目的に国外進出するものです。
それなのに、低賃金〜非衛生環境でこき使っていると批判されるのは企業にとっては・消費者は「中国製であれば品質基準はこの程度」という納得で買っているのではないか?という立場とすれば心外でしょう。
仕入れ業者は、少しでも安いものを仕入れたいから、「安かろう悪かろう」を承知で仕入れているのですが、末端消費者はそれを知らされていません。
私の家でも生協の配達を頼んでいますが、毒餃子事件が起きて生協が中国の工場で作った餃子を仕入れていたことを報道で初めて知ったものです。
最近では生産地表示義務が徹底されていますが、表示さえ正確であれば国民は納得で買う以上、一定の諦めがあります。
「ある程度汚いのは知っているけど半値以下だし安いから良いか」と買った人は少しくらい衛生基準が悪くても中毒事故にさえならなければ「そんなもの」という諦めがあり、怒りません。
(とはいうものの「毒餃子」となれば驚くでしょうが)
現地国にとっても先進国基準で賃金を払って欲しいし、冷暖房完備・衛生的に行き届いた環境で働かせたいが、それでは工場誘致できないので、「先進国に追いつくまでは低賃金でも我慢するので工場進出して欲しい」という妥協でなりたっているものです。
これを中国は汚いと世界中で宣伝されるのは、恥ずかしいし嫌なものでしょう。
不正競争防止法で、どの程度まで国外違反を許さないかは民意をバックにした国会で決めるべきことであって、なんの民主的裏付もない(もしかしたら中国から資金を得ているかすら不明の)NGOが国連にも持ち出して日本批判する資格があるか不明です。
ただし、賄賂を要求に応じないという評判自体良いことですが、それをしないと受け入れう現地企業より不利に扱われれるという意味では内外不平等の原則を受け入れたという中国の国際約束に反します。
衛生・品質基準が日本企業は特に厳しいというブランドイメージが中国国内で定着すれば、日本への輸出基地機能としては利用できなくとも、逆輸入や第三国への輸出基地としての工場進出が終わって中国国内市場での販売目的の進出の時代になると品質ブランド定着が有利に働く面もあります。
MGOによる日本企業批判(反日目的?)運動が、今の訪日中国人観光客の爆買いに繋がっているとすれば、何が幸いするかはわかりません。
先進国では日本だけエネルギーの国外依存度が高かったせい石油ショックで大変ではあったものの、その結果省エネ対策が最先端になって今国際競争j城有利になっているし、左翼による公害反対運動が厳しかったおかげで環境規制対応力で世界に先駆けることができたこともあります。
汚職関連も同様で、中国人上司の指示や部下の進言で賄賂提供に日本人が関与すれば日本人だけ日本の警察に検挙され処罰される仕組みだとかわいそうです。
特に後進国では国際標準な合わせるために、先進国なみの厳しい法令を施行して先進国の体裁を整えるものの実際には摘発しない・・運用が緩やかという例が多いのですが、(中国の知財関連法はその最たる例です)誰も守れないし、守らなくて良い法令でも後進国では作っておけば、政府が処罰したい人物や企業に対しては(習近平が政権を握ると汚職で検挙粛清した)規制違反で処罰できる仕組みです。

異文化尊重と人権4(国際標準3)

排ガス規制や建築あるいは保健衛生規制その他いろんな規制がありますが、それらは原則国内での違反規制であって国外で日本法違反建築をしても日本の建築法規違反や、排ガス規制処罰対象ではありません。
よその国で日本の建築規制に合わない(例えば耐震基準)建築工事しようとその国の耐震基準で適法であれば良いことです。
労働法規も国民を守るための法制度ですから国ごとに違って良いことですし、上記の通り各種規制法は皆同じですが、(殺人行為はどこの国でも処罰されますが、本来国ごとに別で良いのですが、殺人や泥棒などはどこの国でも処罰の必要性が同じになっているというだけの結果であって、だから処罰程度(死刑のある国や鞭打ち刑のある国など)や刑罰程度も国によって違います。
国外で日本の労働法基準以下(日本の最低賃金以下など)で雇用すると不正競争になるのかな?
不正競争という概念は広いので何でもなりそうですが刑事罰対象にするには、「不正行為」というだけではなく具体的な要件事実を法に書いてあるものだけが処罰対象になるはずです。
よその国で日本の残業規制や最低賃金以下の過酷?労働批判は国外処罰規定までは同法にないと思われますが、これを強力に批判するのは実質的競争阻害運動になります。
不正競争防止法を念のために見ると外国公務員に対する賄賂罪が規定されていますが、労働法規違反や低賃金や非衛生などの処罰規定はありません。

不正競争防止法 (平成五年法律第四十七号)

(外国公務員等に対する不正の利益の供与等の禁止)
第十八条 何人も、外国公務員等に対し、国際的な商取引に関して営業上の不正の利益を得るために、その外国公務員等に、その職務に関する行為をさせ若しくはさせないこと、又はその地位を利用して他の外国公務員等にその職務に関する行為をさせ若しくはさせないようにあっせんをさせることを目的として、金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をしてはならない。
以下外国公務員の定義等省略

現地の環境・労働法規その他の各種法規を守っていても日本国内法規あるいは国内価値水準に適合しなければならないのでは、(環境汚染や汚職その他やり放題・・規制のゆるい中国等新興国では、)日本企業の発注先企業にのみ先進国基準を要求するのでは、競争上ものすごく不利になります。
ただし、今や親企業だけではなく子会社の道徳違反や環境無視も親企業の価値観の表れとして批判される時代になっている事実は受け入れるしかないでしょう。
そうでないと汚れ役を現地企業や子会社を作ってそこに押し付けて大手企業は綺麗事を言ってれば良い事になります。
国内法で言えば産業廃棄物違法投棄頻発が社会問題になって以降、産廃法では、末端の怪しげな業者に丸投げによる責任逃れを防ぐために途中どの業者が関与したかに関わらず、(マニフェスト・インボイスが連続していても)違法投棄が発見されれば、排出元・・建築業者等がその虚偽記載に関与していなくとも最終責任を負う仕組みになっています。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)(昭和45年12月25日法律第137号)

第十九条の六 前条第一項に規定する場合において、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあり、かつ、次の各号のいずれにも該当すると認められるときは、都道府県知事は、その事業活動に伴い当該産業廃棄物を生じた事業者(当該産業廃棄物が中間処理産業廃棄物である場合にあつては当該産業廃棄物に係る産業廃棄物の発生から当該処分に至るまでの一連の処理の行程における事業者及び中間処理業者とし、当該収集、運搬又は処分が第十五条の四の三第一項の認定を受けた者の委託に係る収集、運搬又は処分である場合にあつては当該産業廃棄物に係る事業者及び当該認定を受けた者とし、処分者等を除く。以下「排出事業者等」という。)に対し、期限を定めて、支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。

要するにマニフェスト等の書類完備があっても、実はそのマニフェスト記載が虚偽(正規の処理場へ搬入していなかった場合=文書偽造?)、ゼネコン等排出者にはそれを見抜けなかったことに過失がなくとも(有名な豊島事件では原告側は、排出者は処理業者委託に際しての慎重な調査義務があったなどの管理責任を問う法律構成で訴訟に持ち込み和解に至ったようです。)上記事件のように過失を認定しなくともこの条文で「支障の除去等の措置」命令を出せることになっています。
「支障の除去措置命令」とは違法に投棄された産廃の除去命令です。
何年かのちに途中の山林に投棄されていることが判明すると何も知らなかったとしても排出元に最終責任が来るのですから、建築業者等は日頃から信用できる業者に発注するように心がけるしか無くなります。
また経済的にも大手の場合、連結どころか関連企業の不祥事が命取りになる例が出てきています。
日本のバブル崩壊後の金融危機の回顧記事が最近日経新聞でシリーズ的に出ていましたが、1週間ほど前だったか?長信銀の 元副会長だったか?の回顧記事で本体は危機ではなかったが、子会社に問題があったことの発見が遅れたような意見が出ていました。
昨年あたり大騒ぎになった東芝の(倒産騒ぎ?)問題も、結果から見れば米国のウエスチングハウス社を買収して子会社に取り込んだところ、その会社の大幅赤字が屋台骨を揺さぶる結果になったものです。
フェイスブックの信用ガタ落ちの始まりは、研究資料として個人情報利用を許したロンドンの研究者がロシア関連に情報を横流しして選挙介入に利用された疑惑がその始まりでした。
それが今や、アップルやアマゾン、マイクロソフトなど大手企業にも個人情報を利用させていたことが判明しているらしいです。
(日経新聞12月27日朝刊6p Financial Taimesのコラム等の転載記事によります)
フェスブックの不祥事はミスではなく意図的?経営者の金儲けになれば、個人情報保護など気にしないという意識も問題というステージに発展しているようです。

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