表現の自由と組織内意見

話題が報道の質にずれましたが、表現の自由・・海外で日本人が日本批判する自由に戻ります。
August 17, 2018「表現の自由と国外での自国批判(NGO2)」の続きです。
政党であれば思想信条の一致で参加しているはずですから、対外的意見が違えば内部で意見を言うべきでしょうし、意見が合わなければ離党自由ですから党内に留まりながら外部に不満を言うのはルール違反です。
企業人その他組織構成員もみなそうです。
December 19, 2017に紹介した共産党の袴田事件はこれをいうものでした。
しかし日弁連は思想信条の一致共鳴で組織ができているのではなく、各都道府県に(都だけ3個)一つの強制加入組織ですから(千葉県に事務所がある限り、千葉県弁護士会から離脱自由がありませんし、弁護士をやめない限り日弁連から出られません)いわば地方公共団体のような組織・千葉市に居住する限り千葉市住民になるのと同じです。
同じ千葉市住民だからといって、皆同じ意見でなければならない道理はありませんし、千葉市長や県知事がどこかの政党を支持していても、市民や県民がそれに従う義務はありません。
市議会や県議会がいくら民主的に運営された結果であろうとも出来上がった条例等を批判するのは自由でしょう。
・・民主的に選任された市長の行動について、居住地でない東京や大阪で批判意見を発表するのは、文字通り言論の自由です。
労働法関連意見発表について、一般会員に対するアンケート調査があったかどうかすら覚えていないのですが、日弁連は政治的意見に関しては会内アンケート調査しない不文律でもあるかのような印象を受けますので、一切やっていないのではないでしょうか?
私が不勉強なだけか知りませんが、日弁連が19年12月13日に紹介した意見書発表にあたってどうやって会内意見集約しているかすら全く知りませんし(関連委員会意見・労働関連委員会の積み上げだけか?)、一般会員に対するアンケートが仮に来ていてもその当時関心のない時には答えないことが多いし、私の記憶を素通りしているのでしょう。
市民が民主的に構成されている市議会で決議したことに(条例等の効力を受けますが)固有の意見を言えるように、日弁連が民主的手続き・・関連委員会議論を経て決めていることは有効な決議であることと、会の外で反対の意見を言う権利がなくなるものではないでしょう。
日弁連やや千葉県弁護士会の意見は発表されている通り「会の意見であることを認めるが、自分の個人意見はこう言う意見だ」と言う表明権がなくなるとは思えません。
ところで、千葉市をよくするために県内の他市長と連携したり、国内での応援も必要かもしれませんが、それを国外に広げることが許されるのか?
千葉県を良くするために、国外で政治運動することが許されるのか?が今の所私にはよく分かっていません。
文化活動では、国内で評価されない発表が国外で先に評価されて、そのうち国内でも評価されるようになることがあります。
それとどう違うかでしょう。
政治的な利害関係のある国で、そのテーマで自国批判をしてその国で喝采を受けるのではおかしなことになりますが、文化相違の場合、直接的利害のないことがその違いでしょうか?
人権意識のレベル・・どの程度の男女格差が許容範囲かも、文化意識の一態様ですが、その気になれば政治に絡めるのは簡単です。
最近ユネスコのあり方が政治問題化し始めたのは、これを中韓等が露骨に利用するようになったからです。
先進国は文化で後進国に批判されるようになるとは、当初想定しなかったでしょうが、
中韓が自国の人権侵害を棚に上げてシャープパワーを駆使した結果事実上ユネスコを牛耳ってしまっているような印象になってきました。
中国のシャープパワーについては、December 22, 2017,表現の自由と外国の影響(中国シャープパワー)2」まで紹介しました。

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