日本の野党文化人?は学校で習った(時代遅れの)近代法の原理原則しか知らないのかな?・・具体論に弱いので各種議論の場では、アラ探しに特化する傾向があります。
共産主義思想は産業革命→工場労働者増加に基礎をおいていますし、労組はその申し子です。
共産・社会主義系野党政治家は、19〜20世紀中葉までの近代社会をモデルにし、工場労働者・労組に足場があっても、古代から存在するサービス系や農業系が脱皮し高度化してきた現在社会の当事者に足場を置いていません。
支持基盤が硬直的・・産業革命で生まれ出た工場労組中心の結果、変化の激しいサービスや知財〜IT分野に足掛りを持っていない点が、観念論に走りやすくているように見えます。
「近代法の法理を守れ」のスローガンに頼る所以です。
原理原則というものは、働き方に限らず刑法の秘密保護法やGPS捜査も同じですが、時代(多くは科学技術)の進展変化によって生活様式や社会のありようも変わるので、部分的に手直しする必要が生じるのが普通です。
テロが頻発し、しかも旧来型でなく突発型でも被害が大きくなってくると、事前情報収集プラス抑止力が必須になってきます。
西欧でのテロ発生後数時間後には犯行グループが大方特定されてそのうち一人はどこそこ方面逃走中などのほか拠点捜索などの報道が出て、その事前行動把握などが報道されていますが、今は事前情報や警戒が重視される時代です。
一方で、なぜ実行阻止できなかったかの政権批判記事も出ます。
テロの頻発を許せば政権が持たなくなるのも現実です。
このように今では為政者は治安の責任者として事前抑止できなかった理由で批判されるのに、一方では個人情報保護違反で犯行前の情報収集が違法と評価される矛盾時代です。
ベルギーテロの時には、各人種ごとに居住区が分かれていて、治安組織もそれぞれになっていてその連携が悪く、事前情報収集がうまく行ってないことが原因であるかのような報道されていました。
http://www.asahi.com/topics/word
ベルギー連続テロ(2017年03月21日 朝刊)
2016年3月22日、ブリュッセル空港とブリュッセル中心部の地下鉄マルベーク駅で爆発があり、32人が死亡、約340人が負傷した。実行犯5人のうち3人は現場で自爆し、残る2人は後で逮捕された。一部は15年11月のパリの同時多発テロにも関与したとされる。また過激派組織「イスラム国」(IS)の拠点があるシリアへの渡航歴があることが判明している。
ベルギー同時テロの続きです。
以下の文章は、結論としてはテロを防ぐのは「政治の問題」だと言う意見ですが、前提的に以下のような治安状況が紹介されています。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48352?page=3
2016・4・9
ヨーロッパの華やかな小国・ベルギーがなぜ「テロの温床」になったのか
自治と共存の伝統はいったいどこに…
文/松尾秀哉(北海学園大学教授・ベルギー政治史研究)
3月22日、ヨーロッパの小国、ベルギーで連続テロが起きた。死傷者は300人を超えるとされる。・・・
まだ昨年のパリ同時テロ事件の記憶も新しいなかで、フランスの隣国ベルギーの首都で、なぜテロが生じたのか。・・・
今後捜査が進み、新しい事実も発見されていくだろうが、現時点の情報を基に、ベルギーの現代政治を調べてきた者として考察してみたい。
ベルギーの「最大の問題」
・・・・この国が抱えてきた最大の問題が言語問題である。1830年の独立の時点で既にフランス語を話す人びととオランダ語を話す人びとがいた。生まれついての多言語国家である。
ベルギーの独立戦争は、フランスの革命思想に憧れて自由と自治を求めた人びとが中心となったが、当時の周辺大国は、革命思想をベルギーで食い止めるために、オランダ語を話す人びとが多く住む地域を併せて独立を承認したと言われている。
「オランダ語圏の中にあるフランス語圏」として、ブリュッセル首都圏は19の区に行政の管轄が分かれ、それぞれに市(区)長がいる。住民のほとんどがフランス語を語る両語圏のなかで、飛び地のようにオランダ語話者の集住地区が存在していることもその原因だ。
・・・ブリュッセル19区とモレンベーク
それぞれの区長たちは協調的であるよりも、自らの支持を集めるために、非協力的であると言われている。警察も6管轄に分かれているため、管轄が異なれば手が出しにくい。
・・インテリジェンス(諜報活動)の管理も多元的で、データはひとつのネットワークで管理されておらず、各地区の公安担当者は、危険人物リストをeメールに添付してやり取りしていると現地ル・ソワール紙は報道している。 こうしたベルギー側の多元的な治安、管理体制の問題は指摘されて仕方ないのかもしれない。
しかし・・そもそもそのすべての人からテロリスト容疑者を峻別することが可能だろうかとも思う。
・・問題は治安体制の瑕疵よりも別のところにあるように思われる。ここで重要なのは「政治」の役割である。
以下省略
と、この著者は情報集取の難しさを言うメデイアの上記前提状況を紹介しながらもテロが起きる温床をなくすのが政治の仕事だろうという意見を書いています。
軍備の必要性の議論に際して、戦争が起きないようにするのが先だというような意見ですが、医療・消防予算・機器更新必要性の議論で火事や病人を出さないように教育したり、建物を不燃化するのが先でないかとの議論で堂々巡りするのに似ています。
現実は両方同時進行で必要なことが多いのですが・・。
この種意見の優劣は別として、ここでは世界的傾向は「テロが起きてからの検挙」では国民が納得しない現実になっている事を書いています。
佐倉惣五郎の時代には、地域の集落代表が何回も協議を重ねてイザ決行となっても集結してから徒歩で行動開始ですから、仮に鎮圧をする予定でもそれからの軍勢召集でも間に合います。
まして戦国時代の一向宗の一揆と違い江戸時代の一揆勢は集団で城下に押しかけて、気勢を上げていると、城方の上使が来てこれに強訴できれば目的達成・解散です。
後は首謀者がお咎めを受ける覚悟と言う穏健なものですから、お城の方でも政治的対応をどうするかを決める(その時になってオロオロ狼狽しない程度の備えが重要)だけのことでした。
戦後盛んに上映された清水次郎長、黒駒勝蔵(千葉でいえば、笹川繁蔵、飯岡助五郎)などのヤクザの出入り(例えば人生劇場で有名な吉良の仁吉の荒神山の出入り)映画でいえば、徒党を組むところから始まるから、その段階で規制すれば足りるというのが日本の戦後(最近できたばかりの共謀罪を除けば現在の!)治安システムでした。