仮に、希望の党・メデイアの宣伝通りとしても300兆円の2%取れるのは一回切りですから、毎年入ってくるべき消費税の穴埋めにはなりません。
何でも強引に決めていく韓国でさえ、過去の蓄積や投資済み部分への課税をできなかった実態を見れば、我が国で仮に内部留保課税を導入しても過去の蓄積全部に課税するなどできっこない公約ですから、実現可能性がないのを知っていて(内部留保課税に限らずいろんな分野で)派手な公約に掲げた疑いがあります。
民主党政権もこのような無茶な公約の乱発で自滅したのですが、野党系はどうせ政権取りまでの逆転までを予定しない前提で実現性のない無茶な標語でも、これに夢を見る階層を目当てに1割でも2割でも多く当選させられれば執行部の成績になるという目先政策に傾く無責任体質になりやすいのでしょう。
希望の党の目標は単独過半数獲得を目標にするのではなく、第二党・・一定のキャスチングボートを握れば現在ドイツの混迷のように、下野を嫌がる自民党内勢力・気脈の通じる石破派党と組んでもつれ込めば、最後は自民党が社会党の村山氏を総理に担いだような展開・「第二党の小池氏を総理に」との話し合い成立期待論でした。
このような場合、公約を実現できなくとも連立の制約・自民党が反対しているから実現できない悪役に仕立てて責任問題が起きない逃げ道があります・・・民主党は勝ちすぎて単独政権になったのでいろんな分野で馬脚を現したのです。
その上韓国の例で言えば、翌年から課税するとなれば、企業が(人件費をあげると次年度減益の場合賃下げできず困るので)一時金ですむ配当を選ぶので、人件費は上がらず税収増は微々たるものになるのは目に見えています。
単年度で二重課税する仕組みの場合、当年度利益が出ても(決算直前に想定利益が固まりますが、その短期間で(研究投資や巨大投資・海外進出などには数年単位の市場調査や土地買収〜人材募集など時間が必須)は当年度中の利益剰余金での投資は難しい(5〜6年平均で課税なら別ですが・・)ので急いでお金を使うには配当を増やすしかない・・そうすれば一時的に株も上がるし・・結果的にハゲワシファンドの(長期的研究投資しないで配当に回るので)餌食になるのがオチの山でしょう。
内部留保課税案は小池氏のブレーンである投資ファンドの意見によるというのはマトを射た紹介です。
もしも過去の蓄積にまで課税するようになると、道義的影響・個人に引き直せば、きちんと納税したのに納税後にまだお金や資産を持っていると言うだけでまた再課税で没収される・個人に引き直せばわかりますが、資産が多いからと買った車や家を処分してでも税を払えとなれば、国家の約束に対する信頼や真面目に働く意欲がどうなるの?と言う疑問が起きます。
内部留保課税の法的性質は所得税ではなく資産課税なのか?と言う議論すらも煮詰まっていないと言われている所以です。
組織の一つである国家が構成員との信頼関係によって成り立っている点は、民主国家と言おう何国家と言おうと組織である以上は根本は同じです。
過去の蓄積にまで課税する無茶な行為は(国会多数で議決すれば民主「的」ですが、民主主義かどうかではなく構成員との信頼維持の問題ですから)いかな強権政治の韓国でも耐えられなくて過去の蓄積は不問とするしかなかったのでしょうし、日本でも仮に内部留保課税を採用するとしてもそうなるのは必然でしょう。
二重課税の裏の問題である借金帳消し政策・いわゆる徳政令の繰り返しによるモラルハザード問題についてみると、借金帳消し政策が繰り返されてきた韓国では、日本で言う所の「全学連闘士」系政治家・韓国で言うところの「86世代」である文政権政権発足同時に大幅な債務帳消し政策が発表されました。
韓国では過去の約束を守るべきという倫理が未発達な社会である(日韓条約であれ慰安婦日韓合意であれ・感情が許さないといえばすべて帳消しにできる気分)ことが底流にあります。
できそうもない壮大な夢を掲げて無茶をやる・(朴前大統領の慰安婦吹聴政策も無理なことに取り組んで失敗したものです)毎回次の大統領が全否定する韓国政治を日本の野党やメデイアは理想化するのか疑問です。
要は嘘ッぽいスローガンをそのまま受け入れる国民がどれだけいるかの民度の問題ですし、日本メデイアが野党の嘘っぽいスローガンや公約を歓迎するのは自分らのレベルがそんなところにあるからでしょう。
内部留保課税が配当にしか回らないでうまくいかないことから、ズバリ法人税アップするという話が出て来ました。
雇用を増やし賃金を上げるならば、内部留保課税などという大上段のスローガンに頼るよりも日本のように賃上げや雇用を増やした企業には法人税を一定額控除するようなきめ細かな政策の方が有効です。
沖縄普天間基地問題も絶対反対や県外へという勇ましいスローガンでは何も解決できませんし、雇用問題もきめ細かな利害調整の地味な努力は選挙用スローガンになりにくい違いです。
日本の革新系政党やメデイア系は文化大革命でさえ大賞賛していたように、中韓の政治は何でも美化・理想化する傾向があります。
韓国で実施している内部留保課税に対する賞賛意識・・日本メデイアや革新系は採用合理性の根拠を示せないまま、革新系原理主義的理想に格上げされてきた印象です。
メデイアや革新系では思考停止洗脳・・断定・例えば土井元社会党党首のように「ダメなものダメ」という問答無用式思考形式?を喝采する傾向があり、日本でも内部留保課税・実質的法人税重課を強制したい運動論のように見えます。
http://www.sankei.com/west/news/170528/wst1705280029-n1.html
産経WEST 産経WEST
2017.5.28 15:00
韓国でまもなく“徳政令”…借金帳消しは経済崩壊の序曲か
韓国で新大統領・文在寅(ムン・ジェイン)氏の選挙公約が実現に向け動き出した。そのひとつが借金棒引きの“徳政令” だ。
新たに大統領になった文氏は、この救済策を上回る「全額帳消し」を公約として大統領選に当選した。10年以上にわたって1000万ウォン(100万円)以下の借金を抱え、返済のままならない人々の借金を全額、国が肩代わりするというプランだ。
東亜日報は、この公約実現に向けて「政府金融当局が本格的な検討に入った」と18日に報じた。
https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/entry-12299982865.htmlによると以下の通りです。
勝又壽良の経済時評
2017-08-12 05:00:00
韓国、「Jノミクス?」ポピュリズム増税で経済成長を抑制
「ポピュリズム福祉」を賄う財源は、一部の大企業と富裕者に的を絞った増税を行なう。一般大衆の負担でない増税だから、こちらは「ポピュリズム増税」と呼ばれている。こうして、「ポピュリズム福祉」は「ポピュリズム増税」でカバーする、という仕儀になっており、漫画チックな構図である。大企業に焦点を絞る増税は、設備投資や研究開発に影響を与え、経済成長に負の影響を与える。これが、世界的な解釈である。いわば、時代に逆行する法人税率引き上げで「反企業」を演出する。
学生活動家上がりの「86世代」が、学生時代にまともな勉強もせず学生運動に没頭し、理念先行の経済政策を行なうとしたら、これ以上の危険性はない。韓国経済の没落は決定的であろう。
法人税の意味を知らない文政権
『朝鮮日報』(8月4日付)は、「法人税増税で再分配? 『貪小失大』の愚を犯す韓国政府」と題する社説を掲げた。
韓国大統領府の秘書官は、「86世代」だから根っからの「企業性悪論」に立っている。ここ2~3年、韓国企業が潤沢な内部留保を抱えながら設備投資に消極的であることが指摘されてきた。法人減税を受けながら、企業は内部に利益を貯め込んでいるという不満である。積極的に雇用を増やせという批判でもあった。今回の法人増税は、そういう巷の不満をすくい上げた『感情的な法人増税』と言える。
法人増税は企業の研究開発投資を縛るし、設備投資へ悪影響を及ぼす。これまで、韓国の株価が上昇してきたが、企業の内部留保に見合った株価でなく、安値に放置されていたことが株式市場に新規資金を呼び込んだ理由である。株価上昇が、韓国経済にプラス効果を与えていることは間違いない。年金基金の運用で利益が出ているはずだ。こうして株価上昇は、広く国民の利益になって還元されるのだ。
『(1)「韓国政府は2日、韓国国内129社の大企業に対する法人税率を引き上げると発表した。大企業の法人税率引き上げは与党『共に民主党』が野党だった時から『富裕層に対する増税』の一環として主張してきた政策だ。ただ国民の多くは法人税を財閥のオーナーたちから徴収するものと誤解しているようだ。政府・与党が法人税率引き上げを『富裕層に対する増税』と表現するのは、このような誤解を政治的に利用するためだ』
文政権は大企業増税と富裕層の増税を抱き合わせているので、世論は今回の大企業増税がどのような悪影響を韓国経済に及ぼすかという認識がゼロである。まさに、政府の巧妙な「法人増税隠し」の批判は免れない。「86世代」にはこういう「悪知恵」が働いている。
『(2)「今、世界で法人税率を引き上げる国などほとんど見当たらない。法人税を上げればその税率分だけ税収が増えるわけではなく、逆に投資が減って経済にマイナスの影響が出るからだ。また企業から直接税金を取り立てるよりも、その企業にその資金で投資を行わせた方が、税収は増える可能性も高い。法人税率が上がれば企業はその分を商品価格に転嫁するため、最終的には消費者に負担がかかるというデータもあり、これは海外でも同じような調査結果が出ている。つまり基本的に法人税には所得再分配の機能はないのだ』
世界の潮流は、法人税を引き下げている。これは、各国の経済運営が財政主導から民間経済活動活発化に期待している結果である。」