総選挙と民度2(奇策→愚策)

民進党に限らずメデイア等左翼系支持者にとっては、次のような政治効果を期待していたと思われます。
もしも民進党のままで選挙になれば、得票率が6〜7%・・・26年選挙の得票率18%あまりに比較すると約3割しかない・当選者数もこれに概ね比例して大幅減の見込みでしたが、保守・浮動票を取り込む小池新党が立ち上がった結果、都議選の結果を見れば東京だけでも自民党惨敗が予想され、これが全国的立候補になれば、もしかすると大敗どころか過半数割れも夢ではないという予想でした。
大敗しても第1党である限り自民党は簡単に政権を手放さない・・その時の連立組み合わせ候補として小池新党が、最有力の地位を得ることになるシュミレーションが一般的解説でした。
メデイアの多くが小池新党を保守系として(自民党支持者を食う前提)連立組み合わせ想定していた前提から分かるように、希望の党の支持者は民進党支持者と被っていません。
企業合併・買収.提携ならば、同業であるが店舗網が競合しないとか、若者ターゲットの商品に強い企業とミドルに強い企業が提携したり関東に強いが関西に弱いときに地域割り(希望の党と大阪維新の相互協定)すれば、補完作用が期待されます。
民進党で公認した候補が希望の党に合流・希望の党公認で立候補すれば、小池フィーバーの浮動票をいただける・・こんなうまい話はあるのでしょうか?
「下手な考え休むに似たり」と言いますが、左系と右系の政党が合流すれば双方の票が入るのでしょうか?
もしも左右双方から票を得られれば、希望の党の公認で立候補した結果、元民進党公認候補の支持率6〜7%しかないところ3〜40%の得票率になって当選率があっぷするとすれば、保守系プラス浮動票の支持によって当選したことになるのに、民進党系議員の反安保・護憲意見が支持されたとしてすり替え主張することができるメリットがあります。
そして民進党系当選者が希望の党の5〜6割を占めれば、5〜6割の元民進党議員意見が10割の意見・希望の党の公式意見になりますから、仮に希望の党が国会議席の3割をしめる選挙結果になると、もともと7%前後の支持で低迷していた元民進党グループの反安保等の意見を国民3割の意見と主張できる・・錬金術のように膨らませていける勘定です。
「こんなうまい話に乗らない手はない」とばかりに民進党両院議員総会では政策すり合わせの議論もなく「意図的?に素通りして』満場一致で賛成したことになります。
企業の場合、大々的に提携・合併・買収メリットが公表されますが、双方の票をいただきたいという肝心の点を「ほっかむり」しなけれならないところが「後ろめたさ」を表しています。
今回の選挙結果を見ると、以下の通り希望の党50名当選者中45名が民進党出身者というのですから保守系から希望の党に走って当選した中山氏など元々の保守系政治家の意見が希望の党の党議決定でとおる見込みはありません。
上記結果は小池フィーバーが失速した結果によるものですが、仮に小池フィーバーが投票時まで続いて根っからの新人が数十人多く当選していても、その比率で民進党系の落選も減り当選者はも増えるの党内力学はほとんど変わらないでしょう。
都民ファーストに集い希望の党に参加しニワカ研修を受けて選抜される新人はほとんど全部素人・議員経験なしですから、選挙後の党運営は経験のある民進党出身者が党の要職を占めて発言力が高くなる・要は簡単に乗っ取れることが想定されました。
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171004/k00/00m/010/174000cには希望の党の第一次公認内訳が出ていますが、これによると民進党出身が110人、希望の党が74人で民進党公認だった候補者が6割以上を占めているほか、その分類説明によると、民進党を先に離党して希望の党に入っているメンバーは・・例えば、細野豪志氏などは希望の党出身と分類されています。
詳しい名簿に関心のある方は上記を直接ご覧ください。
小池フィーバーは元々革新系+メデイアの推す鳥越俊太郎氏に対するアンチ勢力として保守系支持(だからこそ自民党の票が食われる)をコアにして広まったものでしたから、民進党公認候補の丸ごと合流計画はこれを民進党がそっくり乗っ取る戦略表明にほかなりません。
これが鮮明になった結果保守系浮動票がほとんど引いてしまい、希望の党への投票者自体が民進党支持者に限定されていった結果でもあるでしょう。
民進党が共産党と共闘すると共産党支持の投票が増えるが、その分反共系の票が減ると言われるように、希望の党が民進党と合流すると反民進党系の浮動票が逃げます。
小池フィーバーの浮動票が逃げない場合、比喩的に言えばメデイアによる煽り・フィーバーによる得票数が当選に数%不足の場合、浮動票しかない新人より民進党出身者には6%のコア支持者・・下駄を履ける分だけ民進出身者に有利です。
選挙結果・・希望の党当選者50名であったことは周知の通りですが、50名中民進党出身者が45名も占めていることについてはhttp://www.sankei.com/politics/news/171024/plt1710240045-n1.htmlによると以下の通りです。

民進に所属していた前職、衆院解散時に党の公認候補予想者だった元職、新人を民進出身候補者と分類すると、当選者は希望の党が最多の45人で、立憲民主党40人、無所属20人となった。

・・民進党議員総会で政策方向についてのまともな議論もなく(今頃「節を曲げない」と自慢している立憲民主党議員も含め)満場一致で合流を決めた裏には、(議論すると乗っとり作戦が表に出てしまうので、あえて議論しなかった)公然の秘密として選挙後はほぼ100%民進党系が党内ヘゲモニーを握れる読み・小池政治の保守・浮動票を護憲派支持に擦り変える目論見があったと見るべきでしょうし、私はそのように理解しました。
左右の合流で選挙後左右どちらになるのか政策目標をはっきりさせない合流で、左右双方から支持を得られる・・ごまかせると思ったのでしょうか?
ここで都知事選挙での小池氏支持母体の構図を見直しておく必要があります。
そもそも小池氏は自民党国会議員として経歴を積み防衛大臣まで勤めた人ですし、立候補し当選したのちも自民党籍を残したままでした。
小池氏が組織らしきものもなく都知事選立候補を表明した当初は、自民党候補では飽き足らないもっと右寄りの反中韓意見を主張している人物らが当初選挙運動の中核を担っていたもので、いわゆる「熱心保守系」支持を受けて選挙戦を展開する内に日毎に一般保守に支持を広げて圧倒的勝利を得たものでした。

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