イスラエルの行動原理は,アジアではアメリカ一強、次は中国と読めば,正義の基準に関係なく尻馬に乗る韓国の動きに似ています。
韓国の「事大主義」と揶揄される目先を追う行動は、千年単位で従うべき強国は中国地域で成立した歴代王朝しかなかった・・次に成立した王朝に朝貢すれば良いというと言う単純経験・・覇権は数十年単位で変わって行くものと言う経験がないことによります。
日韓併合は日清露3ヶ国の中で、欧米の応援を受けている日本に着いた方が間違いないと言う判断で日本にすり寄った結果です。
戦後は米国一辺倒・・アメリカに迎合するために反日教育をし過ぎた結果、米国が半端な態度(いわゆるはしごを外される状況)になっても今更反日をやめられないのが一種の国難で反日で貫徹する以上は中国の方がくみしやすいことと,将来は中国と判断して露骨にすり寄ってしまったと思われます。
朴大統領職務停止後の野党の動きは,中国へ韓国企業閉め出し緩和の陳情団を送り込む一方で,1昨年末の「日韓合意破棄」を主張しているのは,反日世論に迎合した動きとしては一貫しています。
無茶な要求でも廻りが無視出来ないアメリカとは違い、小国の場合世論迎合だけで国際関係を無視して行動出来るものではありません・・。
今後米中でどう言う取引が成立するかは別として,当面厳しい対立関係に入ることが予想される現段階で,朴大統領でさえ軌道修正するしかなく,米国の求めるサード配備に同意するしかなかったのに,中国の言うとおりにこの配備を中止・ご破算にするのは・朴政権以上に中国に思いっきり傾斜し直すことが可能かの合理的判断がないのです。
トランプ外交は取引外交が本質なので相手国・・世界中が読み易いので,(トヨタがすぐに米国投資を発表したように)却って安心とも言えますが,二国間協定で相手国の貿易黒字否定が続き,順次攻撃相手が小さくなって行くと,その先どうなって行くかの壁にぶつかります。
国内的に見ると最初は大きな成果が目に見えるので支持率が高まりますが,・・あっという間に対外強迫の成果が目に見えなくなって行きます。
この繰り返しをやって来た・・だから301条が存続出来て来た・・政府=弁護士業務的政府に見れば,仕事がなくならないので良いでしょうが・・これがアメリカ政府でした。
トヨタその他企業を強制して国内投資させても国内市場規模以上のクルマ・家電その他はいらないのですから,輸入制限した穴埋め分の取り合いのときにはまだ何とかなりますが,それも終わると国内競争が激化します。
元々国際競争に負けているコトにカンシャクを起こして歴代政権が輸入規制して来たのですから,現地生産を強制しても民族系企業に競争力がつくわけがありません。
今朝の日経新聞朝刊6pには昨日から私が書いている状況が出ています。
クリントン政権が1995年5月突然日本からのクルマ輸入に100%関税をかけると脅して来た歴史です。
このときもトランプ氏同様に「国内雇用を守る」と言う大義名分(民族系企業を守るためとは言えなかった)でしたので,日本の智恵でアメリカ現地生産+部品調達率アップし国内雇用拡大提案をして6月には合意して100%課税が回避されました。
ここまでは昨日書いたことと同じ・・即ち表向きの大成果には上記合意には新たな衰退の芽を用意していたと言うことです。
現地生産開始歓迎(雇用を守るためと言う脅しでしたから,生産拒否できない・歓迎するしかなかったでしょう)の結果、15年までの10年間ににアメリカ国内での日系車生産量は約150万台に達していて,(その他韓国車75万台、欧州車70万台)輸入規制にすがったアメリカ車は99年から15年までの間に1003万台から641万台へ361万台も減っていると書いています。
輸入規制働きかけたアメリカ企業には,日系車が現地生産を軌道に乗せるまでの一時的恩恵しかなかったことが分ります。
この部分が昨日に続く今日コラムに書いたテーマです。
輸入規制の結果アメリカ系企業が一時的に息を吹き返しても、外資系の現地生産が軌道にのると国際競争が国内に持ち込まれるだけで,結果は同じことになった現実が既に起きていたのです。
27日に保護主義についてちょっと書きましたが,ここでもう一度書きますと,成人前の子供を守るためにいろいろな保護や教育制度があるように未成熟国が独り立ち出来るまで国内産業育成を保護するのは必要なことですし、成人すれば1人前に働けます。
これが従来型の正当な保護主義ですが,アメリカの「保護主義発動」の原理は自分が世界で一番「強い」コトが理由ですから,真逆です。
「強いから保護しろ」と言うのは論理矛盾ですから相手を不公正貿易国と批判するしかないのですが,これは権力を背景に「白」をクロと言い、馬を鹿と言い、相手に反論させない故事と同じで正義無視・・強い者には正義はいらない・・専制的支配そのものです。
日米戦争は,アメリカが道義に反した要求を繰り返して日本を戦争に引きずり込んで戦争になると戦時国際条約に反して残虐行為を繰り返した挙げ句に原爆投下に至ったものです。
自己の非道徳性を誤摩化すために逆にありもしない戦犯裁判を強行し,それでも足りずに南京虐殺あるいは慰安婦騒動をけしかけて来たのと同じ論法です。
慰安婦連行を認めない日本の動きを「戦後秩序否定」と韓国が国際運動するのは,まさに正義かどうかではなく強大な「アメリカの正義」に逆らうのかと言う主張方法ですから,彼らの主張はアメリカがでっち上げの震源であることを自ら語っています。
ところで,未成年者だけではなく高齢者も保護の対象になっていますから衰退産業も保護される権利があると言う主張になるのでしょうか?
高齢者の虐待からの保護は現役を退いた人が対象ですから若者の就職を妨害するものではありません。
ただし定年1年延長は1年分の労働力余剰・・ひいては就職難を生む面があると言う意見をこれまで定年延長問題その他のテーマで01/08/03「ゆとり生活 2」01/07/10「終身雇用制2→若者就職難2」その他何回も書きました。
だからと言って高齢者雇用に反対ではなく,能力があっていつまでも働くのが労働需給に関係するならば、労働力不足を理由にするる移民を入れなければ良いだけのことです。
高齢者保護は時間経過でいなくなるのでその間の退場システム・・企業淘汰と同じ退場システムの問題ですが、後進国ではないアメリカの輸入規制は成長を待ってもらうためでもなければ,退場システム・・緩和目的でもなく、既存企業の淘汰を防ぐためのものですから,いわゆるゾンビ企業を抱え込むリスクを自ら冒していることになります。
ところで不公正の認定が恣意的になり易いので,戦後は国際機関・・ガットに始まり,WTOのパネル協議で公正な基準で決めて行くルールが決まっています。
アメリカは自分だけは勝手に決める権利があると言う?立場で、301条成立前から,ガットやWTOルールによらずに勝手に「認定するぞ」と脅して事実上輸入自主規制などを強制して来ました。
今回のメキシコ攻撃・・ナフタの中止・再交渉宣言は文字どおりこれまでの「不公正貿易国」認定の恣意性・・不当な言いがかりだったことを自白したことになります。
すなわちナフタ(北米自由貿易協定)は相互関税撤廃または低障壁化ですが、この結果低賃金のメキシコからの輸入が増え過ぎていることとアメリカ企業のメキシコ移転・国内空洞化を防ぐと言うのがトランプ氏の主張です。
メキシコに工場設置する企業には高関税をかける脅しで次々と投資予定の撤回を迫っています。
と言うことは,対等条件では競争に負ける・・同一条件下の競争では負けていることを正面から言い出したことになります。