大義を滅ぼす小義の強調2

マスコミの宣伝に合わせている政治家の方が本来無責任・オポチュニストと言うべきですが、マスコミ支配の世界の言論では、マスコミに迎合せずに大義を主張する方がオプチュニストにされています。
中韓の主張を見ると、自分が日常やっている卑劣なことを全て日本がやっているかのようにすり替え主張するのに驚きますが、マスコミによるオポチュニスト論のレッテル貼りもその一例です。
我が国もいろんな分野で小義がはびこっていて実は大変です。
死刑廃止論や平和運動のような政治分野だけはなく、経済分野でも同様です。
喩えば、一人1年間に何千万とかかる薬を保険適用するとその人には朗報・・小義でしょうが、可哀相論だけで保険適用を拡大して行くと社会全体が成り立つのかの議論・・大義の議論が抜けています。
この辺は保険赤字の原因として・・マスコミが頻りに行なっている高齢化による保険赤字のイメージ宣伝とは違っていないか?保険適用拡大が大きな原因になっているのではないかと言う趣旨で、February 13, 2016「ダイジェスト報道4と正確(中立)性担保3」で書いたことがあります。
たまたま10月6日の日経新聞朝刊では、高額薬「オプジーボ」(一人年間約3500万円)の薬価基準をようやく25%下げる合意が出来たと報道されています。
収入にもよりますが、原則月額医療費が6〜7万円以上は無料(還付)ですから、使えば使うほど薬品業界が儲けるだけで患者の負担はそれほど大きくありません。
医師の勧めで我も我もと服用すれば、仮に1万人の患者がいると1つの薬だけで年間3500億円です。
透析等の高額治療方法や高価薬品がドンドン出て来ると高価過ぎる薬や治療法は保険適用除外すべきか?と言う議論をタブー視している余裕がなくなって来ました。
「貧乏人は死ねと言うのか!」と言う決まり文句で言論封殺していたのでは済まない事態・・「薬が効けば良い」というものではない・・社会的上限・大義が議論の対象にならざるを得ない状態になって来たものと思われます。
6日の報道はこの大義を正面から議論するのではなく値下げして何とかする弥縫策ですが、利用者がドンドン増えることを前提にすれば25%や30%下げれば済むものではありません。
生活保護受給者の乱診濫用・・これを目的に生活保護受給者ばかり集めて儲けている特定医療機関の存在・・マスコミに出るのは暴力団と提携している特殊な事例だけですが本当はもっとある筈で・・以前から問題になっていますが、これも検討課題の一種です。
我々弁護士業務で散見する例では、アパート経営者にとっては生活保護受給者の方が家賃延滞リスクがなくて最良顧客になっている実態があります。
ヘイトスピート(移民導入論)か人命軽視を許さない・平和を守れと言うスローガンで全ての合理的チェック・議論自体を許さない運動の背後で儲けたり世界秩序を特定方向へ誘導したい集団が背後にうごめいているのです。
ガン特効薬の記事です。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49379?page=3からの引用です。
週刊現代
「オプジーボが保険適用されている非小細胞肺がんによる死者は年間約6万人。彼らの全員にオプジーボを投与すれば年間約2兆円もの保険負担が増える。」
肺がんだけではなく今後「他の病気の人も使いたい」となって来ると莫大な保険負担になります。
上記引用記事の一部です。
「免疫治療薬は適用外の様々ながんへの効果も期待できるので、保険が利かない自由診療でもオプジーボを使用した治療を望む患者が増えている。星野氏のクリニックでも、適用外の処方が進む。
「末期の歯肉上皮がんの患者さんに使用したところ3ヵ月で完治したのです。こんなに早く治るとは驚きでした。他にも膵臓がん、大腸がん、胃がんなど多様ながんの患者さんが当院にいらっしゃいます。」
上記は噓か本当かわかりませんが、いろんながん患者が自費で使い始めると、その内に何故肺がんだけ保険が利くのだと言う議論が起きて来て、その圧力で保険適用が広がって行くのでしょうが、そうなると何兆円では済まなくなって来ます。
個人が可哀相と言う思いやり?=小義をのさばらせて行くと、全体・大義が維持出来なくなる分野が、社会の隅々に広がっています。
当たり前ですが、小義と大義のバランスをどうするかの議論が必要な時代が来ています。
今まで当然あるべき議論がタブー視されて遮断されて来たのが不思議です。
私は、「高額治療や高額薬品全て保険適用に反対とか、死刑制度を何が何でも維持しろ」と言うのではなく、この種の冷静な議論の結果適正な保険適用・・刑罰のあり方を決めて行くべきだと言うだけのことです。
保険で言えば国家・社会として負担出来る限度があるのですから、その枠内で割り振って行くべきでしょう。
死刑廃止論も秩序を重視する人や被害者側の立場・・死刑がなくなれば欧米のように検挙現場で射殺して行く弊害・・双方凶暴化して行き却って社会が荒れて行きます・・。
ニッポンでは大したことをされないと知っているから暴力団員でも大人しく逮捕されているのです・・。
http://blogos.com/article/183840記事
THE PAGE
2016年07月18日 11:21
「年間1000人が警官に殺される米国 「銃を持つ権利」と市民と警察の間の溝」
自国で年間1000人も射殺している米国がフィリッピンを批判出来るか疑問に思う人が多いでしょう。
ちなみにニッポンでは死刑執行されているのは概ね年間10人以内です。
https://www.amnesty.or.jp/human-rights/topic/death_penalty/statistics.htmlアムネステイのデータでは以下の通りです。

日本の死刑執行数推移

死刑廃止論に戻りますと、多様な意見を前提にして解決して行くべき職業団体の弁護士会が、何故犯罪者の人権ばかり一方的に主張するのか不思議に思う人がいるでしょう。
弁護士会の総意をどうやって反映するか?のテーマで以前から以下のとおり書いてきました。
ここ数年で言えば、October 19, 2014,「弁護士会の政治活動2(弁護士自治破壊リスク1)」以来弁護士会自治のあり方を連載し、民主的手続さえあれば、弁護士の総意と言えるのか?と言う趣旨でサイレンとマジョリテイーの重要性をOctober 19, 2015,「サイレントマジョリティ10(会内合意のあり方3)」あたりまで書いている途中でテーマが横に逸れていますが、その内再開するべき原稿はその当時に書いています。
要は「全学連が、民主的手続で執行部を選出しているから革マルや中核派が早稲田などのマンモス大の学生総意を代表していると言えるか?」と類似した問題です。
中韓等が国策として国際機関事務局浸透作戦を継続し事実上いろんな事務局が中韓人脈ばかりになり、ここぞと言うときに賄賂攻勢で牛耳るようになった場合、その内国際機関の権威がなくなって行きます。
この辺は専制支配社会と権謀術数→人脈造りの重要性・・共産主義者との親和性で書いて来ましたし、国際機関の信頼性欠如については「国連報告のいかがわしさ」と言うテーマで書き掛けの続きを再開する予定です。
現在EU不信の高まりも官僚機構がグローバリストに牛耳られている弊害に我慢出来なくなって来た声なき声の噴出によります。
昨日のニュースを見るまで日弁連大会が開催されていることを忘れていましたが、タマタマ昨日のニュースで死刑廃止論が大会宣言になっていることを知りました。
ま、こんな程度の認識・・全学連同様と言うと大分違いがありますが、「活動家に任せておけば良いか」と言うのが一般認識ですから、総意の代表を目指すならば、大会宣言するほどの重大事ならば投票で総意を聞くべきです。
上記連載で「アンケーとくらいとるべきではないか」と書いたことがありますが、この意見に触発されたのか独自の意見か分りませんが、今年の5〜6月ころ千葉県弁護士会の会員が政治的意見の分かれる問題では「アンケートで会員意思の把握をして欲しい」と執行部に申し入れたところ、執行部は適正手続を経て意見表明しているので必要ないと言う趣旨の回答をして応じていません。
本当の会員意思が分るのが怖いのでしょうか?
10月7日のニュースでは、日弁連が死刑廃止論を強調するために瀬戸内寂聴氏の過激な表現を引用したことについて、犯罪被害者団体に謝罪したとのニュースが出ています・・。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6216935
「作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(94)が、日本弁護士連合会のシンポジウムに寄せたビデオメッセージで死刑制度を批判し、「殺したがるばかどもと戦ってください」と発言したことについて、日弁連は7日、福井市内で開いた人権擁護大会の中で「犯罪被害者への配慮がなかったことは、おわび申し上げる」と謝罪した。(産経新聞)」
瀬戸内さんの発言について、あすの会顧問の岡村勲弁護士は「被害者はみんな加害者に命をもって償ってもらいたいと思っている。そのどこが悪いのか。ばか呼ばわりされるいわれはない」と話した。」
世の中は多様な利害で成り立っているのに、これらの利害を慮る能力もなく、マスコミ受けする・マスコミの意向を代弁する軽薄な人物が派手に言えば有名人になれていた人たちが、ネット批判によってこれから淘汰されて行くと思われます。
ミノモンタ氏が熊本の地震に関するツイッタ−で如何にもマスコミの期待する方向に迎合して?上から目線で根拠ない決めつけ発言をして大失敗したばかりです。
http://www.rbbtoday.com/article/2016/04/23/141646.htmlみのもんた、熊本地震のツイートを謝罪
「支援のやり方も甘い。自衛隊きちんとして欲しいね。」
何の実態調査もなしに「自衛隊を邪魔扱いさえすれば良い」と言う安易な主張でした。
これまで歯切れの良い左翼的主張(根拠ないスローガン)がマスコミ受けしていたのでしょうが、今はネットが発達しているので何を前提にしているのだと言う批判が渦巻いてしまったのです。

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