中国人民の腐敗体質〜栄華復活論に戻します。
蒋介石の率いる軍はアメリカからは、「腐敗した国民党軍の崩壊を恐れ」られる状態になっていて、いくら物資をつぎ込んでも無理と分ったアメリカが遂に手を引くようになり、まだ腐敗するほど権力のなかった若き共産軍に圧倒されていく状態が昨日紹介したウイキペデイアに出ています。
共産党も政権を取ればすぐに腐敗が始まっている点は同じ・・今の賄賂体質は国際的に知られています。
この辺は中国贔屓の文化人も否定しないでしょう・・マスコミがなるべく不都合なことは、報道しないようにするていどです。
国民の腐敗体質は政府が号令すれば解決するものではない・・政府が樹立されて腐敗根絶を号令さえすればなくなるものではない・・、これを実行するべき役人や受入れる国民各層にしみ込んだ腐敗体質ですからどうなるものでもありません。
ただ共産党政権は、最後に政権を取った・・「あとだし」じゃんけん的有利さがあります。
国民党を追い出した後は、対抗勢力がないので、汚職のやり放題あるいは何千万人も餓死させた大躍進運動でも責任を全く取らなくとも済んでいます。
これは国民の支持があるからではなく、王朝末期の騒乱時の群雄並び立つ競争勢力が皆無になった後になると後はスキなようにしてよい状態・・国民には選択権がなくなっているからです。
中国の場合空間地域としては大きいものの実は蒸気機関発明前には、物流・人材交流も微々たるもので域外勢力が攻め込んだり大量の人民逃亡があり得ない閉鎖空間でしたので、この地域内で一旦支配が成立すると人民はとらわれの状態・何をされても抵抗出来ない・・もの凄い残虐な弾圧が待っているので、王朝末期の騒乱が始まるまでは黙って耐えて行くしかなかったことが前提です。
過去の歴史を見ると数百年単位の専制的縛りのガタが来て・・王朝末期の騒乱が起きると100年前後の騒乱〜小国乱立(五胡十国や五代十国など)を経過すると、たまっていた不満のエネルギーを使い果たしてしまうので、最後に天下を取った政権をもう一度騒乱で倒すほどのエネルギーが民衆には残っていません。
次にもう一度騒乱を起こすエネルギーが溜まるには、中国地域の場合専制支配体制が強固なために、強固さに比例して約300年周期・・エネルギーの蓄積を待つ必要があったようです。
中国地域動乱の最後を締めくくる政権が再び前王朝と同じ政体・・専制体制でやって来られたのは、長い騒乱で民が疲れ切ってしまい、最後の政権に異議を唱え続けるエネルギーがなくなったのを利用している・・だからいつも同じ政体の繰り返しで(前王朝と比べて何らの改善もないままで)もやってこられたのです。
9月22日以来、中韓社会の権謀術数重視社会を書いてきましたが、この基礎にはどんな悪どいことをしても相手を倒せば良いと言う思想・・今風に言えば国際受注態度・・受注さえしてしまえば後は契約違反(赤字なので契約金を上げてくれなど)でも何でもやり放題意識も、こうした王朝交代・・「政権さえとれば後はやり放題」の経験しかないからです。
王朝末期の騒乱・競争社会を勝ち抜きさえすれば、後は何をしても良い「栄耀栄華が待っていた」王朝成立前後の経験・政敵を完全に葬ってしまえば後で何も言わせない経験・・が彼らの行動原理になっています。
経済ルールで言えば、競争力ある企業が無茶な競争を仕掛けて、同業者を全部をなぎ倒して独占企業になってから法外な高額でないと売ってやらないと言うような悪ドイことを中国歴代王朝がやって来たのを見ているからです。
最近で言えば、レアアース市場で法外な安値受注を仕掛けたので、世界中のレアアース産地が殆どつぶれた後で、イキナリ反日暴動に絡めて「日本に売ってやらない」と言い出して、国際相場が何倍にも急上昇したことがあります。
これが失敗したのは、今の世界は中国型型閉鎖空間でなくなっているコトを理解出来なかったこと・・中国が法外な値段を付けると世界中のレアアース埋蔵地域の生産がすぐに始まったからです。
これには一定期間のタイムラグがありますが、日本企業がこのタイムラグ・中国に頼るリスクを考えて在庫を大量に確保していたことから、日本企業が全然焦らなかったことが大きな保険になりました。
今朝の日経朝刊私の履歴書を見ると、牛丼の吉野家が、米国産牛肉だけに頼るリスク回避のために何年もかけて中南米等から分散輸入が出来ないか試行錯誤していたことが出ています。
政府に限らず、企業経営者と言うものはこうしたリスク回避をいつも考えて行動していることが分ります。
現在の中国による鉄鋼ダンピング輸出も国内不景気を表向きの理由にしていますが、中国人の内心では世界中の製鐵会社を潰してしまう時代遅れの策略が裏にあることは間違いないでしょう。
レアアースのように鉄鋼製品は何年分も在庫を持てませんが、ダンピング輸出では、資金が続かないので世界中の製鉄所を一時休止に追い込むのがやっと(中国はどうなるかと聞かれると資金がその内尽きるから終わるでしょうと答えています・・中国の外貨準備が実際にどうなっているかが重要と考えてこのコラムはその視点で書いています)で競争相手を皆無に出来ませんので、中国が大幅値上げに切り替えれば世界中ですぐに再稼働が始まるでしょう。
共産党政権の腐敗に戻しますと、最後に天下をとった共産党は過去の新成立王朝同様に、後は「煮て食おうと焼いて食おうと勝手」だと言わんばかりに民の意向など問題にしないで・・・・無茶苦茶し放題をして来た点は周知のとおりです。
このやり方が通用したのはいわゆる竹のカーテン効果によります。
近代以前の閉鎖社会に戻すことが中国の安定に繋がる智恵ですが、その代わり経済発展がもの凄く遅れてしまいましたが、民の幸福より政権維持が主目的ですから発展の遅れを気にしません・・自由主義国から交流制限されて来たのは、もっけの幸いだったでしょう。
・・北朝鮮が無茶出来ているのは経済制裁・・鎖国状態のおかげです。
この辺はSeptember 18, 2016前後で経済制裁は逆効果であると書いて来ました。
中国が民に対する圧迫力が尻抜けになるリスクがあってもついに解放せざるを得なくなったのは、中ソ対立が深刻化してソ連戦車群が押し寄せるリスクが切迫して来て、アメリカに身を寄せるしか政権維持が出来なくなったからです。
今直ぐソ連による侵攻が迫っていたのに比べれば、(当時ソ連圏であったモンゴルから戦車隊がなだれ込めばホンの何時間で北京に到達することが日本でも盛んに報道されていました)背に腹は代えられない・・国民の自由度が少しくらい増したとしてもそれらは締め付け強化で何とかなる・・時間稼ぎになると言う決断だったでしょう。
日米では中国社会が世界に開かれれば民主化が進むと期待していましたが、それは間違いであることが分ってきました・・この辺は逆効果である・・公式検閲出来ない・・マスコミによる垂れ流し的印象操作に頼る先進国の方が既存権威崩壊を早めるが、公式検閲・不利益処分・処罰出来る独裁政権の方が情報統制が簡単です。
スマホその他情報機器の発達が独裁国家・中国共産党政府の弱体化に繋がるというマスコミ意見は誤りで、逆に先進民主主義国で先に効果を現すだろうという意見を2012年12月20日「米英系マスコミ支配2とマスコミの限界」あたりから正月のコラムまで連載しました。