中韓と西欧の緊密化の原因をどう見るかは別として、結果的にこの数年ではっきりと日米対中韓+西欧の陣営に分かれて来た・・アメリカと価値観共有していた筈の西欧が中国の人権侵害や国際ルール違反には目をつむり陰に陽に中国応援をするようになっていた事実を直視する必要があります。
中国の開放政策採用以降中国自身も日本の教えを請うばかりの弟分扱いは我慢がならない・・卒業を究極の目標にしていたことは当然ですし、ちょうど欧米による日本台頭阻止の底流と合致していたこともそのとおりです。
韓国は言うまでもなく日本に支配されていたことに対する報復チャンスさえあれば飛びつく関係ですし、日本がいなくなれば韓国の対中貿易が大幅に伸びる関係です。
勿論西欧にとっても韓国が日本の穴を埋め切れない高度製品に関しては、日本の穴埋めを狙えます。
関係者みんな良いこと尽くめの対日包囲網が出来上がっていたのです。
(ただしロシアが何故参加したか不明です・・ただどんなときでも弱っているのがいたら付け込みたい民族性だけでしょうか?)
約30年かかって中韓の地力が蓄えられ反日包囲網が完成し、チャンスを待ち構えていたところに親中韓政権が出来、地震が起きた・・未曾有の大チャンスが来たと思ったのでしょう。
中国の西欧や韓国企業優遇については、以下の通り非公式の優遇策が複雑に用意されて来たと思われます。
中国の猛反発にも拘らず、5月27日のサミット宣言になった中国の過剰生産品規制宣言関連記事では、中国では以下の引用のとおり何と鉄鋼だけで44件もの補助金が出ていると報道されています。
http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20160527.htmlからの引用です。
米国は不退転の決意で臨む補助金で輸出する違法商法
「中国の補助金は、ゾンビ企業を延命させる上で大きな役割を果たしている。この補助金は、国際的に禁じられている輸出補助金となっている。中国の鉄鋼製品では、補助金の種類だけで何と44件にも達するという。」
上記のとおり背に腹を代えられないダンピング認定のための綿密なアメリカの調査力があってこそ、44件もの項妙な補助制度を拾い出せたのでしょうが、西欧や韓国に対する進出優遇策・・土地取得の便宜〜許認可の便宜・・日本企業にはいくらでも手間ひま掛けさせて嫌がらせするなど・・差別化が簡単です。
中国による英独仏等西欧諸国優遇の実態は間接の間接と言う複雑な仕組みにして、簡単には分らなくなっているでしょうが、相当なものがあると想定されます。
お気に入りの国にたいする依怙贔屓的外資優遇策にはダンピング調査の対象にはなりません。
日本企業追い出しのためにサムスンその他韓国企業を複雑な補助政策で応援していた結果、この4〜5年で韓国の対中貿易黒字が巨額に膨らみ,(5月19日に紹介したとおり、12年は628億ドルの黒字=円で約7兆円・・韓国の経済規模にとっては目のくらむような黒字額です)韓国はその圧力で中国の言うとおり・・パク大統領は属国扱いされても恥を忍んで従うしかなくなっていたと想定されます。
折角中国の属国扱いされるほどすり寄っていた韓国に対する中国のご褒美は何だったかとなります。
中国はイザと言うときに北朝鮮に対する何らの影響力も行使出来なかったし、韓国企業と競合が始まると経済原理にそのまま従うだけならばまだしも、逆に韓国が作っている電池だけ優遇から除外するような姑息なやり方で韓国自動車の売上が急減しているなど、韓国に対する露骨な障壁を設けて韓国の対中貿易黒字が急減状態に陥っています。
世話になった日本を足蹴にして追い出したように、中国は自国企業が韓国との競合品を作れるようになると2年ほど前から、(反韓運動をしないだけで邪魔になればこう言う扱いです)韓国企業閉め出しに動き、13年1年間だけで対中貿易が12%もの縮小です。
韓国の対中貿易黒字と減少幅については5月19日に勝又氏の『朝鮮日報』(11月4日付)の引用記事の引用で紹介しましたが一部再録しておきます。
「13年の628億ドルから昨年は552億ドルへと 12%減少したと指摘。今年1~9月の黒字幅も353億ドルで、前年同期(404億ドル)を13%下回っている。」
属国扱いされても我慢して従っていた韓国も遂に堪忍袋の緒が切れた?中国の機嫌を損なわないために長く受入れに承諾してしなかったアメリカのTHAAD・ミサイル迎撃システム受入れに(但し中国のミサイルを探知出来ない方向しか設置させない?条件付き?)舵を切りました。
ドイツの代表企業フォルクスワーゲンが世界販売の4割も中国に頼っているのですから、韓国のような憂き目に遭うのでは死活問題と思われます。
西欧は中国の言いなりになるか、少なくとも積極的に不利な発言を出来ない状態になっていたと思われます。
上記の韓国切り離しの結果、中韓+西欧の事実上の対日包囲網にほころびが出始めました。