事実報道の重要性2(トランプ旋風)

大統領候補選出手続進展の現実→トランプ氏優勢に合わせてマスコミは仕方なしに意見を修正しつつあります。
現状で見れば民主党員も共和党員もどちらも格差拡大を基本にして、選挙のときだけきれいごとを言って選挙が終われば結果的に庶民のための政治をしない・・どちらの政党幹部もウオール街から資金を得る政治・・・に拒否反応を示していることが明らかです。
庶民の味方を表看板にするヒラリー氏だってウオール街と中国系資金で成り立っていると言うもっぱらの噂です。
以前、アメリカ大統領選は資金量の豊富な方が当選するアメリカ民主主義の実態を紹介したことがありますが、アメリカ国民自体がこのような資金力民主主義にノーを突きつけているとも言えます。
トランプ氏はこの不満に便乗して自己資金だからどこの影響も受けないと逆張り主張しているのですが、だからと言って庶民に政治の恩恵を及ぼす方法が彼にあるかは未知数です。
草の根の不満をどうすれば解消出来るか全く不明ですが、兎も角現状に対する不満が爆発して来た状況が出ています。
ルセフ・ブラジル大統領がスローガンだけ良いことを言って当選したものの、就任後まるで駄目だったことが今回の政治・経済危機を招いていると言われていますが、庶民の味方とさえ言えば良いのは選挙までであって、(日本の民主党政権もそうでしたが)当選後の実際政治運営が難しいので世界の警察官をやめるだけではなく国民の不満をそらすために世界へ強盗(とまでは行かないまでも交渉ルール無視の強引な要求・応じなければ懲罰的制裁・・)に出掛ける方向に変わらねば良いが・・と言うのが私の杞憂です。
中国では大幹部に富が集中する仕組みに不満が高まっている→対外強硬論・・アメリカもウオール街に牛耳られている不満がたまっている点は同じです。
日本国内ではマスコミは格差社会化のキャンペインを継続的に張りながら、本家本元のアメリカ社会の選挙動向報道で、トランプ旋風の背景報道・・初めっからこんな分り切った分析・解説が何故出来なかったのでしょうか?
日本マスコミがこぞって困ったものだと言うムードを流し、日本人の多くがそのように思い込まされたとしても、選挙権がない以上アメリカ人の選んだ結果を受入れるしかないのが現実です。
とすれば、マスコミが何のためにと無駄なエネルギーを使っていたのかが疑問ですが、マスコミが日本国内選挙でいつもそれとなく特定勢力の肩を持つ印象づけ報道をやっている弊害を書いてきました。
いつもの習慣で無意識に一方的非難をしていたのでしょうが、日本人はアメリカ大統領の選挙権を持っていませんので特定候補非難を日本で煽って日本国民を洗脳しても意味がありません。
外国の選挙報道・次期指導者可能性の報道で必要なことは、マスコミの気に入る候補者か否かのムード報道ではありません。
候補者ABCDがいた場合、ABCDそれぞれ誰が勝てば日米関係の項目別に(通商関係・・TPP→成立見込みがないとしても対日通商関係は項目別にどう変化するか、安保条約、対中韓関係その他分野項目別に)どうなるかのシュミレーションでありその分析です。
当選後の現実政治が始まると選挙目当ての過激発言どおりではなくある程度現実化するでしょうが、修正可能程度を知りたいのが多くの国民です。
・・日本の働きかけでABCDそれぞれが、支持母体との関係でどの程度まで修正する余地があるか、されて行くか(・・それぞれの候補者のブレーン解析・・中韓との人脈濃度や日本人脈の有無・形成努力)などの分析報道こそが重要です。
事実報道せずに大統領候補者や西欧の政治変化についてマスコミの意見に合わない政治家や国民の支持動向変化・動きを極右とか、無茶苦茶な主張と言う批判に終始していたのではマスコミとしての職務怠慢です。
事実を報道してくれれば、極右かどうかの判断は国民がすることです。
日比谷テント村のように国内で噓・ヤラセ報道をいくらやっても、日本社会に生きていて現実を知っている賢明な日本人の多くはバカにしているだけでめったに誤解しませんので害が少ない・・報道の中立性を犯していてもあまり実害がありません。
国民全体で見れば、滅多に海外に行かない人の方が多いのですからマスコミ報道の影響力は甚大です。
マスコミ報道しか判断基準のない国際情勢について、ある社会の事実を客観的に報道せずにマスコミが誘導したい方向・・偏った報道ばかりしていると、日本人が国際社会の現実を知り、どうすべきかの行動判断を間違ってしまうリスクがあります。
極右かどうかと言うマスコミ評価の紹介ではなく、どう言う主張をしているかの具体的事実報道コソが報道機関の使命です。

事実報道の重要性1(トランプ旋風)

日本社会でヤラセ報道しても(珊瑚礁報道のように一般人には分らない海の中と違って目の前でテント生活している人がいないのですから)テレビで大々的報道しても国民は(ほぼ100%の人がヤラセ報道と黙って理解していたでしょう)しらけるでしょう。
マスコミはアメリカと日本も同じだと言う虚偽ヤラセ報道するから、(アメリカや西欧の格差社会化も)「大したことがないじゃない?」と言う誤解・・印象に繋がっていたように思われます。
「アメリカや西欧諸国は日本と違い大変なことになっている」と言う現実報道回避して来たことこそが事実報道すべきマスコミの「罪」ではないでしょうか?
アメリカの格差問題は日本マスコミのようにヤラセ報道ではなくむしろ深刻さを増している現実があることは、共和党トランプ氏と民主党のサンダース氏の両極端主張が伸長している事実から明らかです。
いつものマスコミ批判ですが、その生い立ちによるのか「愚昧な庶民を指導してやる」と言う偉そうな姿勢が顕著です。
朝日新聞の「検証委員会の結論」で紹介しましたが、いわゆる「角度をつける報道」が多過ぎます。
マスコミ報道の傾向から見ると、言いたいことを当然はっきり書きませんが、「異民族混在社会化すべき」言う基本的思想があるらしく、「難民受け入れが少な過ぎる」とか「外国人受入れに便宜を図る方向の主張」が中心でこれに反する意見は世界中で全て「極右勢力」「排外主義者」と言うひとくくり肩書きをつけて紹介する傾向があります。
西欧で移民反対論が伸びると「極右勢力が・・」と言う「角度付き」報道ばかりでその政党の意見を具体的解説したりその背景事情等の掘り下げた分析報道がなく、連続テロが起きてもベルギーの治安機関の連携のまずさなどが中心的報道になっています。
先祖代々作り上げて来た共同体「資産」を大切にしたいと言う意見は至極真っ当な意見ですが、何故これが人道に反する排外主義と言うレッテルが張られ人道に反するかのような非難対象になるのか不思議です。
例えば5人で10年間掛けて漸く何か作り上げたときに、後から(特別な技能もなく)仲間に入りたいと言われると、後からはいった人と同じ・・それまでの苦労した分(投じた資金や労力)がただになるのか?と思うと誰だって面白くありません。
企業の場合新入社員がないと永続出来ませんが、その代わり新入社員は当初遠慮していて対等の発言力がなく社風に染まるまで訓練を受けるだけで10数年の下積みをへて係長クラスになって一定の発言出来るようになるのが普通です。
余程困って難民で来た訳でもなく、(日本人が数百年かけて漸く作り上げて来た)日本の環境が気に入ったからと言って気楽に移住して来る人を受入れてすぐに対等の権利行使を認める必要があるかの疑問です。
「心を広く持ちましょう」と言うのは立派ですが、共同体の蓄積が大きければ大きいほど新規参入を嫌がるのが本来の合理的意見・・原則であり、心を広く待つのを要求される筋合いではありません。
無制約に新規参入を認めるのはイヤだと言うのが何故極右・排外主義者と言って非難されるのか分りません。
トランプ氏が共和党候補として浮上して来た当初、移民排斥の極右勢力が伸長するのは困ったものと言う印象操作的報道が中心で、そう言う方向性の紹介が連日行なわれていました。
日本マスコミは客観報道をする気持ちがないのか主観的立場を前提にトランプ氏浮上直後には、その主張を矮小化してバカにしている報道が中心でした。
実際に候補者選びが進みトランプ氏が勝ち進むとマスコミがどのような印象操作をしていても、アメリカ国民の意思は右翼&左翼の両極主張に集約されて来ている・・左右と仕分けすることすら間違い?税金を海外や移民のために使わずに、自分達国民のために使って欲しいと言う至極当然な主張を共通基本にしていることが分ってきました。
マスコミはこれを排外的民族主義主張と言う概念にすり替えてとんでもない候補が出て来たと言う宣伝でしたが,日本でありのまま何故紹介しなかったのか?疑問です。

中国購買力持続性4(債務膨張)

世界中から借金して贅沢していても買ってくれさえすれば売る方は喜びますが、貸す方はデフォルト危機を恐れてその内貸さなくなりますから、結局一定期間経過でアウトになります。
これの先取り現象が為替相場の動向・・人民元での取引量縮小傾向です。
相場には一一時的に行き過ぎがあるとしても、中長期的にはその国の経済力に連動することを否定出来ません。
中韓の発言力維持を期待する立場からは、中韓に対して内需比率が低過ぎる・・内需拡大が必要と言う意見が多いものの、真水の外貨準備が足りない場合、絵に描いた餅・・内需拡大可能なのは資金豊富な国の話です。
内需比率とは個人に喩えれば、収入から自己消費にまわせるお金のことです。
事業者の場合、売上ががいくらあってもそれを仕入れ代金や家賃や労賃に払ってしまい自分が使えるお金がほとんどないのでは、本当の豊かさではありません。
若い世代の場合、仮にAが月収60万、Bが月収35万円とした場合、Aが内30万円を将来のために・・自宅購入資金準備(貯蓄)や老後資金用の貯蓄などに回して、日常生活費が30万円の場合と、Bが月収のうち5万円を貯蓄に回して生活費に30万円使っている場合、ABの生活水準は変わりません。
違いが出るのは、子育てや住宅ローンの支払が終わってからのことです。
高齢化して仮に収入が10分の1になっても過去の蓄積の差・・自宅ローン支払い終わり家賃不要の人と家賃を払い続ける人・・その他取り崩せる貯蓄のある人とない人、個人年金を積んでいた人はそのバックが始まるなどの差がついてきます。
格差社会論で書いてきましたが、高齢化社会ではフローの収入格差見ても実際の豊かさは分りません・・ストックが重要で実際にどれだけ消費出来ているかによります。
現在の統計処理では相互扶助関係の人脈を含めてストック把握が出来ていないので、ストック社会で個々人のフロー収入の統計だけを見て議論してもあまり意味がないことを議論しているのです。
高額所得者の妻や次世代が働きに出ていなかったのが景気が良くて20万程度で働くようになるとこれが統計に出て、低賃金労働者が増える・・格差拡大する統計処理です。
(大きなお屋敷の有価証券何十億と有しているお祖父さんおばあちゃんの収入ゼロだからと最貧層にカウントしても意味がないでしょう)
蓄積の乏しい国・社会ではフロ−収入格差が生活水準に直結するでしょうが、(上記のような大金持ちだけなく1億前後から、5000万〜自宅があるなどいろんな階層がありますが・・)蓄積のある国の場合フロー格差がストレートに生活水準格差に直結しません。
アメリカのニュースを見ているとリーマンショック時の金融危機等でホワイトカラーが解雇されると直ぐに路上生活者になる状態が報道され・フードスタンプに列をなす風景が出ていますが、日本では考えられない風景です。
ただし、日本の日比谷公園でのテント村の報道でもヤラセっぽい(非正規が解雇されたら明くる日から路頭に迷ってテント生活する人って本当にそんなにいるの?)と書いたことがありますが、マスコミが一部だけ誇張している可能性があってアメリカ全体の傾向がどうか不明ですが・・兎も角日比谷テント村騒動の結果、アメリカ社会の格差問題に関する報道まで噓っぽい印象で関心が薄れてしまいました。
日本でヤラセ報道をしたことによって、多くの日本人にアメリカ社会を逆算してアメリカの報道を実態を表していないと印象付けてしまうのはアメリカに限らず西欧その他の国際状況を日本人が見る目を狂わせる危険性があります。
実は、アメリカヤ西欧の格差社会化の問題点は本物でこれが西欧でのテロ頻発の基礎的原因ですし、トランプ旋風でも証明されました。
アメリカ社会の報道の方は実態にあっていたのに、アメリカや西欧の問題点を何でも日本に当てはめて主張したい左翼系文化人が日本社会をこれに合わせるために日比谷公園にテントを張ってマスコミと共同して、ヤラセ・虚偽報道していたことが、日本人の国際情勢把握を遅らされた原因です。

中国購買力持続性3

個人であれ、国家であれ、収入以上の消費を煽ると・・いつか支払い不能が来ます。
アメリカは基軸通貨国ですから双子の赤字を繰り返しても払えなくなればドルの切り下げ・低金利とドル大量発行で「短期的には」どうにでもなります。
中国は人民元が暴落すればドル建て債務の支払額が比例してアップするので、苦しいときに支払額が増えるのではデフォルトになってしまいます。
中国政府が外貨準備の急激な減少(・・自慢の外貨準備が急減少しているのですからこれほど国威毀損の象徴的なことがありませんが・・)に目をつぶってでも、必死になって人民元相場維持を図っている所以です。
中国企業債務膨張の勢いの激しさが昨年来注目されていますが、債務膨張すればするほどいくら借金しても良いように、一刻も早く人民元を基軸通貨にしたいでしょうが、邪念がある・・債務を膨らませておいて踏み倒す目的が見え見えでは、相手国が怖くて人民元建て取引に応じたくなりません。
輸入代金を人民元決済でないと買わないと言われたら売る方は仕方がないから応じるとしてもリスク回避のために先物市場で直ぐにドルに替えてしまいますので、人民元下落を防げません。
売る方にとっては、ドル取引で買ってくれる企業に売った方がリスクが少ないので、人民元決裁にこだわる中国企業は割高な物を買わされるしかなくなります。
中国企業にとっても人民元決裁輸出すると代金を受け取るときに相場下落していると大損です。
5月11日日経朝刊1面「中国と世界」欄には、人民元取引世界シェアーが、昨年8月に日本を抜いて2、79%だったのが、今年3月には1、88%に後退し、日本の円取引が4位に上がり、人民元が5位に下がったと紹介されています。
この結果を見ると、人民元のシェアーが急激に低下している・・海外脱出用の人民元取引が増えているでしょうが、結果的に総取引数が減っている証拠です。
ここまで国際取引に於ける中国のシェアーが低下している状態でなお、中国の札ビラ外交維持目的で内需比率・国民の購買力アップを本当に出来るのでしょうか?
資源等の爆買いが出来なくなったので、観光客絞り込みによる威力誇示と言うケチな手段に移っているようですが、これもいつまで続くかでしょう。
昨年から日本に中国人が殺到しているのはデモで騒いだ香港や、親中派の国民党が選挙で負けたことの意趣返しに香港、台湾への旅行客を4〜5割も縮小した分の振替先になっているだけのようです。
中国は表向き威張っているが本音は何とか日本と修復したい意思表示で旅行者を送って(やって)いるが、日本がこの気持ちを酌まないでいつまでも反中ならば香港・台湾のように蛇口をいつでも占めることが出来るぞ!と言う露骨な態度です。
これが2週間ほど前に岸田外相が訪中したときに中国の序列何百位まで行かないまでもかなり下位の「外相?」が、「反中行動するな」と言う自分は何様か?と言うべき高飛車な「4つの要求」がマスコミを賑わしました。
中国人旅行者の爆買いその内収まるのは自然の流れですからそれが嫌がらせによって粋り縮小するか程度の違いでしかありませんから、「レアア−ス同様にやれるならやったら良いでしょう」と言うのが日本の態度です。
日本は民主党政権時代に衝突を繰り返した中国の乱暴な行為を非公開にしていたことがありますが、今の政権は英国のように中国政府の「無礼な発言」を隠すのではなく、そのままマスコミ公開しています。
外国旅行に必要な証明書の発行を特定国向けを故意に遅くしたり事実上絞り込む結果、台湾香港へ行くのがイキナリ4〜5割も減ったりする・・嫌がらせ力の誇示をしているようです。
12日の日経朝刊には欧州でも中国人客が激減していてブランド品の売れ行きが急減している様子も出ていますので、全体として購買力が落ち込んでいることを隠すために減ってしまった旅行客を日本向けに絞って香港・台湾へのイヤガラセをしているフリ?他方で日本へ恩を着せていつでも他所へ振り向けるぞ!と威嚇に使えるように戦略的に?利用しているだけのように見えます。
日本人から見ればこんなこと見え透いたことをすると却って嫌われるのですが、中国の場合、どうだ!と威張ることに誇りを見いだす国民性?・・例のレアアース禁輸のような繰り返しをまだ期待しているのでしょうか?
旅行客・買い物も国力・購買力減退に比例して減って行くのは当然ですから、これを政権の都合で戦略的に?特定国に絞って脅し・スカしに使ってもどうなるものではありません。
輸入買い物は外貨準備の範囲しか輸入出来ない現実があるので、スターリンが国民から穀物を取り上げて何千万人も餓死させてまで穀物輸出をしていたように国民窮乏化による貿易黒字政策しかないかも知れません。
いわゆる出血赤字の輸出政策は国民窮乏化政策と同じです。
すなわちある製品を100トン生産するのに原材料を5億円で輸入してその他コストを加えて5億円かけて7億円で赤字販売・輸出すると、貿易収支としては2億円の黒字ですが、国内コスト・・電気や人件費・運賃その他5億円の内、2億円しか国内関係者が払ってもらえない・・100トン輸出するたびに国民は3億円損させられる関係になります。
これがスターリンがやっていた貿易黒字の内実で、スターリンの場合生死に直結する穀物だったので何千万国民が餓死することになったカラクリです。
中国の場合穀物を取り上げでないので直接餓死には結びつかないでしょうが、その分下請け代金削減や未払い続出等で弱者を苦しめて回り回って国民が窮乏化して行きます。
これでは貿易黒字さえあれば、内需拡大出来ることにはなりません。
出血輸出による貿易黒字は内需拡大どころか内需縮小に直結して輸入が減るので諸外国に取っては買ってくれることによる恩恵がなくなり、一方でダンピング輸出によって諸外国の産業も被害を受ける・・不況の輸出ですから、迷惑行為でしかありません。
大量に買ってくれていた中国が買わなくなって逆にダンピング輸出で迷惑をかけるようになると今まで仕方なしに我慢していた国が中国の無茶な要求をそのまま聞く訳がないので、発言力が低下する一方になります。

内需拡大と所得再分配(非民主国と対外冒険主義)

貧しい国では、庶民にお金が行き渡らなくとも、先ずは国家規模の黒字を大きくしたい気持ちも必要性も理解出来ます。
その段階では威張るのは早過ぎるのですが、すぐに威張り散らしたくなるところが中韓両国民の底が浅いところなのか、あるいは成果が国民に行き渡らない不満が嵩じて来た結果も知れませんが、不満そらしに対外威嚇を始めたのではうまく行く訳がありません。
難しい対外交渉は本来「満を持して」行なうべきなのに、苦し紛れに言いがかり的に打って出るのでは、名分がない分だけでもマイナスから始まるので多くは失敗します。
昨日からネットニュースになっていて今朝の日経朝刊に出ていますが、昨年習近平の英国訪問についてエリザベス女王が「中国は無礼」だったと言う発言がカメラに拾われていたことが大ニュースになっています。
AIIBへのイギリス参加など英中蜜月演出のための訪問でしたが、イギリスの足下を見た習近平の横柄な態度にイギリスが内心怒っていることが表面化したものです。
札ビラに頼る外交は不満をその分高めている・・本当の敵を作っていることに気が付いていない・・札ビラ外交の場合、内心反感を持たれている関係で札ビラの威力がなくなるとすぐに力を失います。
中国の横暴な発言力・行動力の源泉が札ビラ・力ずくしかないから、中国の購買力持続性に関するテーマでこのシリーズを書いています。
我が国は戦後70年間道義に基づく外交をして来たので、日本をけなすことに存在価値を置いている中韓政府を除けば世界中が信頼してくれています。
信頼に基づいて発言を求められてから遠慮ガチにする発言と誰も聞きたくないのに、金や軍事力を背景に偉そうに言うのとでは、影響力がまるで違います。
中国は黒字蓄積・・大盤振る舞いによる強引な対外威嚇が効かなくなって来たので、今度は内需拡大による輸入拡大→発言力維持策に移行していますが、内需重視政策こそは民主政治化・・国民を大切にしないとうまく行かないので共産党独裁政治に対する試金石です。
内需拡大のためには国民を豊かに・・政府と国民、あるいは共産党幹部や財閥と国民間の所得分配公平化への改革が先決・・待ったなしになって来る筈です。
内需拡大→所得分配公平化のためには、既得権益層に切り込む必要があるのにそれが出来ない場合、国民に金を貸して誤摩化す道を選んで来たのが韓国ですしアメリカのサブプライムローンでした。
言わば先進国がアフリカなど最貧国相手にODAでお金を貸して(貸し主としての事実上の支配継続)製品輸出市場にして来たことを国内でやって来た状態です。
時々最貧国への債務免除がテーマになりますが、韓国でも過去に何回も徳政令が出されて来たと言われます。
韓国の場合大手企業の大半が欧米に買収されて支配されている・・経済植民地支配を受けている状態ですから、正に形を変えた経済支配を甘受している状態です。
中国の場合、資源等の爆買いをテコにした発言力誇示に無理が来たので、貧しくとも人口さえ増やせば人口比で消費が増える→発言力が上がるという倒錯した発想・・折角鄧小平の始めた人口抑制策緩和・人口増に先祖帰りして来たようです。
国民のための政府であれば、指導者の?発言力アップよりは国民の生活水準アップが先決でしょうが、そうはならないところが国民のための政権ではない共産党政権の本質を表しています。
トランプ氏の主張は、海外駐留軍経費を減らす・移民禁止など言い方が乱暴なために批判があるものの、為政者が外国で威張ったり国際会議等でチヤホヤ・よい待遇を受けるために国費を使うのに反対と言うもので、国民のための主張・・民主国家の本質に合っています。
中国政府も国外で威張っても意味がないことは分ってはいるが、経済実態が悪過ぎて、きれいごとを言ってられない・・仕方がないから対外成果を強調するしかない状態なのかも知れません。
ロシアだって経済がうまく行っていたら、ウクライナ侵攻・クリミヤ併合事件は起きなかったと思われます。
経済の苦しいときにシリアまで出て行って空爆する巨額経費を何のために掛けていたかです。
経済的には何のメリットもないどころか大損でしょう。
損をしてでも対外威力を示せば国民が喜ぶ?非合理な国民性があるからです。
そんな火遊びばかりでは国民が余計窮乏化して行きます。
ところで、経済が最悪であっても必ずしも対外冒険主義に走るとは限りません。
ソ連崩壊時・中国の改革開放時には今よりももっと酷い状態でしたが、酷い状態にした責任者がいれ変わっていたことが大きな違いです。
鄧小平にしろエリツイン→プーチンにしろ酷い状態は前時代の責任であって、「これからどん底から這い上がるぞ!」と国民に夢を持たせられたので我慢を強いられたのです。
現在のプーチンは自分の長期政権の結果ですから、責任転嫁出来ませんから対外冒険主義に出ていると解釈出来ます。
習近平の場合、彼の就任前から実体的には経済悪化が始まっていた・・リーマンショック後の約50兆円の財政資金投入による過剰投資・・その後始末に困った反日暴動も彼の就任前から始まっていたし・・本来彼個人責任の問題ではありません。
彼にはゴルパチョフのように過去の政体を破壊し、新体制を標榜するほどの勇気も力量もないので、(安心して選ばれたと思われます)ずるずると共産党政権延命のために前政権が始めた対外膨張活動の延長政策をしているに過ぎないように見えます。
円満退陣して行く仕組みがないと(独裁者失脚の末路は悲惨ですから)為政者が簡単に引き下がれない・・悪あがきするようになるようです。
こうして見ると政治家は(大規模天災や日本政府に責任のないリーマンショックや原油下落など外的要因によるとしても)結果が悪ければ円満退陣する仕組み(選挙)の必要性が分ります。

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