EU離脱に関するマスコミ論評を見るとイギリスが西欧の金融センターとしての機能を失うマイナス中心報道が多いのですが、イギリスが金融に生き残りをかけても、金融では多くの国民を養えませんので、(マスコミ支配しているユダヤ系には関心があるでしょうが・・)EU離脱で雇用に直結する製造業がどうなるかの方が、国民の関心事でしょう。
南欧の競争力のなさ・・貿易赤字ばかりにマスコミの焦点が当たっていますが、EUの大国である英国もフランスも各種の製造業の衰退化現象は大変な状態です。
日本で言えば新日鉄のようなイギリスの象徴的製鉄会社コーラスをインドのタタ製鉄が2007年買収していたのですが、赤字が拡大するばかりで維持出来なくなって売却に入っているが買い手がつかずに困っている状態が大分前に日経新聞に報道されていました。
・・企業城下町にとっては大変な事態です。
大分前なのでいつ読んだかはっきりしませんし引用出来ませんが、ネット検索すると以下の記事が見つかりました。
象徴的産業であるクルマ製造や製鉄の場合大きな新聞記事になりますが、細かな産業の動きは出ません。
以下を見ると西欧諸国では大手基幹産業だけではなく関連産業が徐々に衰退している・・しょっ中後進国から資本を入れて生きながらえて来たことが分ります。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/03/eu-17.php
インドの鉄鋼大手タタ・スティールがイギリスからの全面撤退を検討していることが明らかになり、衝撃が広がっている。何千人もの従業員の解雇が予想され、イギリスの鉄鋼業界全体が大打撃を受けかねない。
ポート・タルボットの再建断念は、ロザラム、コービー、ショットンなどイギリス各地にあるタタのプラントにも影響を及ぼすだろう。タタが全面撤退すれば、 ざっと1万5000人分の雇用が失われ、工場のあった町の景気も冷え込みかねない。昨秋にはタイの鉄鋼大手サハウィリアがイギリス北東部ティーズサイドの プラントを閉鎖、2200人分の雇用が失われたばかりだ。
フランス製造業の動向はあまり報道されませんが、昨年ルノーの危機?雇用を守るための政府出資に絡んで日産の投資計画にも政府が介入出来るのか?と日本でも大騒ぎになったので記憶している方が多いでしょう・・私もその一人でしたので、「いつだったかな?」と検索してみました。
(元々ルノー危機・・工場閉鎖の動き・雇用を守るために政府資金投入になったと記憶していますが・・今になるとおぼろげな記憶でしかありません)
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9581
2015.05.04
フランス政府の持つ、仏自動車大手ルノーの議決権が2倍になった。これにより、ルノーへの仏政府の関与が強化される可能性が高まった。2日付各紙が報じた。
フランスは昨年、「2年以上保有する株主の議決権を2倍にする」法案を通し、株主が拒否しない限り、原則適用されることに決まった。今回、ルノーCEOのカルロス・ゴーン氏は同法に反対する動きを取ったが、仏政府が株を買い増しし、その動きを阻止した。
仏政府はこの議決権を利用して、ルノーがフランスでリストラを行いにくくなるよう、圧力をかけると見られている。
きっかけは、インド企業が買収したフランスの鉄鋼所を2012年に操業停止した際、失業者が仏政府に対策を講じるよう訴えたことだった。
フランスでは2009年から2013年に、1000人以上の従業員を擁する事業所が700カ所以上閉鎖され、新しく作られる事業所の数を越えた。プジョー と中国企業の提携や、ボルドーの葡萄園の購入など、フランスへの中国資本の流入も急激に増える中で、仏政府の警戒心は当然のものとも言える。」
上記のように、西欧は南欧諸国に限らず(ドイツを除けば)どこもいろんな製造業の長期衰退に直面していて雇用を守るのに四苦八苦の状態です。
タマタマ世界企業ルノー関連・・(ルノーが大株主なので)日産の経営にフランス政府の口出しあるのか?と言う点で影響があるから日本に知られるようになっただけです。
ルノー騒ぎがなければこんな細かいニュースは日本に来なかったでしょう。
上記を見るとインドやタイ中国などの西欧への資本進出が盛んなのに驚きます。
元々Euは市場共通化目的=域外との差別=競争から守るために発展したもので、主目的が当時勃興して来た日本からの防衛・ブロック化政策でした。
これが影響していると思われます。