本来保険料率決定は、直近・・例えば集計に必要な期間を加味して喩えば、(レセプトのコンピューター化が進めば期間短縮が進むでしょう)前年6月末までにかかった総医療費と翌年度費用の(伸び率や縮小率)予測を総合して翌年4月以降の会員数で割って一人当たり金額を決めて行くのが合理的です。
これによって年々増えて行く高度医療機器や薬品・手術の利用具合が翌年度保険料へ加味されて行くし、予測誤差も少なくなります。
保険である以上は、負担は平等であるべきですが、国営であるために?収入格差もある程度加味する必要がある・・受診時の自己負担率も収入によってある程度修正するなどの組み合わせが必要・・最近目立っているのは特定寮費に関して自己負担率ではなく、定額負担にしていてしかも負担額を極端に引き下げる制度が発達していることをどのように評価するかです。
クルマや火災保険、入通院保険や生命保険を見れば分るように、金持ちも貧乏人も自分の掛けた保証金額に応じた保険料を納めるのが保険の本質です。
公的保険の場合、収入の低い人は掛け金が少なくて良い・・しかも高額保証を受けるには高額負担が民間保険では原則なのに、自己負担率も低くする傾向があって、総べて保険の本質と逆になっています。
保険の本質に反する逆修正措置が次々と出来て例外が原則化してくると、もはや社会保障の分野であって、保険制度としておくのは無理があります。
全員平等負担を前提にした保険料率のままだとその分だけ赤字が拡大するのは、理の当然です。
「特定難病◯◯の自己負担を1〜2万円の限度額負担にすると、または、この高度医療機器の保険適用を認めると年間利用予定数から見てトータルで◯兆円の赤字です・・これを国民全員で負担すると、一人あたり何円の保険料金アップが必要です。」
と、データを明らかにした上で、これに同意するかどうかの民意を問うてから、負担限度額その他の優遇条件を決めるべきです。
国民に見えない密室運動の強さ・・医薬品・機器業界の圧力に合わせて国民不在で限度額を決めて行き・・民意を聞かないで勝手に決めて来たことから、赤字になっても保険料引き揚げ提案が出来ないで赤字が累積して行く・・これを高齢化の所為にして誤摩化しているように見えます。
昔から高齢者がいたことについては、01/01/03「お正月を迎えて」のコラムで、アリストテレスや孔子あるいは、家康、秀吉の例を引いて昔から70歳でころまで生きていたことを書いてきました。
最近見た例では、藤原道長を引き立てた女性群・・詮子,彰子(以下括弧書きはウイキペデイアによります・・ふじわら の しょうし/あきこ、永延2年(988年) – 承保元年10月3日(1074年10月25日)、穆子、倫子などの生年月日と死亡年月日を見ると大方80〜90歳まで生きていることが分ります。
平均寿命の上昇・・高齢化の大きな要因は、難病等で0歳から2〜3歳ころには、死亡していた乳幼児が高度医療の御陰で15〜20歳まで生きられるようになると、医療費が高額になるだけではなく国民全体の平均寿命が大幅に上がります。
高齢化とは元々高齢だった人が更に高齢になるよりも、出産直後に零歳前後で死亡していた人が助かって5〜60歳まで生きた場合の方が急激に平均寿命が高齢化します。
例えば3人子供を生み、2人が70歳で死亡しその内一人が零歳で死亡した場合、3人の平均寿命は140÷3=46、6歳ですが、零歳で死亡していた子が産院の発達などで死亡率が下がり同じく70歳まで生きると平均寿命がイキナリ70歳に上がります。
難病で3歳でなくなっていた子が20〜25歳まで生きるようになるときも似たように急激な平均寿命の上昇になります。
若年死亡率を下げることが、70歳の人が72歳まで生きるようにするのに比べて、高齢化率・平均寿命が大幅に上がる効率の良い仕組みですし、医療費増加の大きな原因です。
70歳が72〜75〜80歳へと伸びるのは、高額医療費のかかる特定難病の治療効果によるよりは、病気しないことの方が効果が大きい・・医療よりも環境衛生向上の役割が重要です。
(80〜90歳で難病にかかる人は少ないでしょうし、高額医療を受けたい人も少ないでしょう・・)
健康意識や冷暖房やウオッシュレットなどアメニテイ設備、介護能力向上・・交通機関等(エスカレーター等)の発達その他で、高齢者に優しい社会化が進んだ効果が大きいでしょう。