中国国内の自動車生産力が5000万台で販売可能数が2500万台と言う報道が出て直ぐに、GMの1台平均100万円もの大幅値引き発表を見ると、今や本国アメリカよりも中国の売上の方が大きいと言われているので、逃げる訳にも行かない・・赤字でも何でも、生き残りを賭けるしかないのでしょう。
5月15日日経新聞夕刊の4面ウオール街ラウンドアップには、アメリカでこの報道が大きな影響を与えていて、GMの株価は大幅に値下がりしていると出ていました。
日本企業は反日教育している中国で、GMのように無理して(赤字でも)頑張る必要はありません・・儲けられる限度で進出し、採算割れになれば早めに撤退すれば良いことです。
中国投資凍結していたトヨタが3月末ころに「投資再開」と出ていたので不思議に思っていましたが、5月16日の新聞解説を読むと合弁相手(中国資本)が増産投資資金全額出すので、トヨタは1銭も出さない予定となっていました。
値引き販売用の増産投資する神経が分らなかったのですが、世界企業は儲からないところは放置ないし縮小して儲かるところで増産すれば良いのですが、現地合弁業者とすれば自社製が売れないし、外国に出て行けないので、何とかトヨタの新型車を増産させて欲しいと言うことでしょう。
中国の新車販売減と言っても、従来箔付け・ステータスに必要だった高級官僚や成功者層が好んだドイツ車等の販売が落ちている外に、ある程度所得が上がって一定の中間層が台頭した結果、クルマの形さえしてれば良かった現地資本のクルマの売りげが激減している結果、技術力で評価の高い日本車は前年同月比増ですから、大きく負けているのは中国現地企業製品が中心のようです。
トヨタなどと合弁企業は自社ブランド生産の売り上げ減で困っているので、合弁しているトヨタ車の下請け生産で行き残ろうと必死です。
平均して26、何%減%ですから、中国現地企業製品のもの凄い落ち込みが分るでしょう。
これは中国人観光客の日本での爆買いにも基礎的に通じている(・・中間層は本物を買えるレベルに上がった)現象です。
関連裾野産業規模が大きい(9月11日ころの日経新聞には中国の自動車関連産業従事者数は4000万にのぼると書いていました)自動車業界の半分が淘汰されるしかないとすれば、この影響の大きさは想像を絶するものがあります。
(鉄道敷設等による乗客獲得競争が始まればその分クルマ需要減少の影響が出ますし、景気後退の過程で更に需要が減退すると、公式発表でも5月には生産力の半分しか需要がないのですから、最終的には半分の淘汰では済まないかも知れません)
※このコラムの原稿を書いた5月ころはこの程度の予想でしたが、8月13日朝刊3pには7月には乗用車に限ると前年比26、3%も販売減少していますから、淘汰の問題は現実化しています。
8月13日日経朝刊3pによると「重慶市では『下請け企業への支払が遅れている』最近ある自動車メーカーを巡る噂が飛び交ったと書いています。
四月の結果だったか最近スマホの販売数が始めて減少に転じたと報道されている状態でいよいよ消費減退が始まったと見るべきでしょう。
自動車業界は外資中心ですから、外資による販売数量発表があって誤摩化せないので需給不均衡がはっきりしていますが、その他の産業分野も需要の2倍程度の過剰生産力になっている可能性があります。
12日紹介したように1年間で日本全土の路線網に匹敵する地下鉄路線新増設ですから、その工事が完成すると工事業者の次の仕事はどうなるの?と言うのが普通の疑問でしょう。
長野5輪で土木建築ブームに沸いた後で、現地業者は仕事が急激になくなって困っていました。
新興国では、鉄道建設事業者・縫製工場その他軽工業から重工業まで全ての分野で短期間に目一杯作ってしまう傾向があるので、過大設備(人員・工事能力)を抱える宿命になるのが中国・新興国型経済一般と見るべきです。
中国では輸出用工場の生産縮小によって貿易黒字が減少するばかりか、その穴埋め目的に・・ヤミクモなインフラ投資・内需拡大を進めて来た矛盾の決着を付けるべき時期がこの原稿を書いていた5月ころ現在でも迫っていることが明らかでした。
鉄鉱石や部品など輸入資源を加工輸出しないで内部で使う・内需拡大して行くと輸入資源や部品代金決済用輸出代金が入らないことからリーマンショックまでの間に蓄積していた資金を吐き出して行くしかありません。