一斉に地下鉄路線を大量に敷設すれば、従業員の訓練が追いつかないばかりか、旅客需要が追いつかない・・赤字営業を何年続けられるかの問題が起きますし、仮にうまく大量の需要転換が起きればその分クルマ需要が減るでしょう・・今でもクルマの生産能力の半分しか需要がないと言うのに大変な事態です。
一斉に完成すれば、新設用の製造設備の稼働やこれに従事していた工事業者・従業員の次の受注・仕事はどうするのか?
倒産・失業を防ぐために・・際限のない鉄道建設を続ける訳にも行きません。
鉄やセメントの過剰生産能力だけではなく、鉄道や自動車産業あるいはマンション建設業界等々社会全般的に過剰な工事能力業界を新たに作り出してしまったことになります。
新興国型発展の中国経済構造では、もともと国内需要を無視して輸出用大量生産設備を作ってきた以上は、海外進出しか生産品のはけ口がないのですが、ローエンド製品では東南アジアとの国際競争力を保つのは無理があります。
世界企業は儲けがあるから進出しているのであって、出血輸出までして生産を続けることはありません。
中級品では、・・まだ台湾や韓国からの輸出品を真似している状態ですから、中級品以上になると台湾韓国等との輸出競争するにはまだ無理があります。
5月24日に中国メデイアの引用記事を引用しましたが、12年以降急激に輸送実績などが落ちんでいると報道されていますが、・・これでも昨年まで7〜8%成長して来たと言う無茶な報道がまかり通っているのですが、輸入資源や輸入部品等が急激に落ち込んでいて輸出だけ伸びていると言うのは無理があります。
そこで、需要の有無に関わらない無茶苦茶国内投資して来たのですが、資金的に続かなくなって来たので、国内公共工事の発想延長で、シルクロード構想に行き着いたようです。
資金枯渇推定の理由に付いては、アメリカ国債の保有額減少で明らかになっていることをMay 2, 2015に書き、最近では2015-5-31「中国過大投資の調整7(資金枯渇1)」で29兆ドルもの借入金増加に関するドイツ財務相の発言記事を紹介しました。
どこまで信用性があるか分りませんが、http://thutmose.blog.jp/archives/29344365.htmlによると以下のとおりです。
2015年05月06日00:16
「中国の外貨準備2兆ドルが使途不明 架空帳簿の疑い
中国の外貨準備高は15年3月末に3兆7300億ドルだった。
中国の米国債保有残高は15年2月末に1兆2237億ドルだった。
約2兆5063億ドル不足しているのである。
金の保有額は5億ドル程度で、ユーロでも保有しているし日本国債も保有しているらしい。
中国政府は外貨準備高の内訳を、明らかにしていません。
中国は一時期アジアやアフリカ、豪州、中東などで資源投資を行っていました。
それぞれが数兆円は掛かると思われる投資を世界中でやりました。
その後資源価格の暴落で全て失敗に終わり、膨大な損失を出したと思われています。
行方不明の2.5兆ドルは最悪の場合、こうした資源開発に失敗して消えた可能性すらあります。」
アメリカ国債以外に分散していると言う中国擁護論がありますが、アメリカ国債の何倍も新興国の国債を買っているとは到底思えません。
ソモソモ本当に持っているなら公開すれば良いのに何故隠すのでしょうか?
資金が枯渇して来た結果、国内公共工事を続け切れなくなってきた以上は、シルクロードといえども、無駄な資金を出す余裕がない筈です。
シルクロード構想の資金を出す国がないので、(中央アジアの国は自分で出せないから基金に加入して少しばかりの分担金を出して工事をして欲しくて基金に加入しているのです)世界から資金を出させるために思いついたのが、AIIB設立構想ではないかと反中国系でネットでは言われています。
英独など先進国もその工事参加権を得たくて付き合い程度の捨て金として仕方ないか・・と言う計算でAIIBに参加表明していると思われますが、どこもかしこもみんな中国の資金目当てですが、肝腎の中国が逆に金に困っていて、当面流用させてもらおうと思って計画しているとしたらどうなるかと言う関心で4〜5月ころから中国経済の内実にを明らかにする必要性を感じて、これに焦点を当てて書いてきました。