不透明=ヤミルート社会

中国では、秦帝国以来2000年間歴代王朝が毎回庶民の暴動・流民化によって崩壊して来ましたが、今は政府軍武力が巨大で民衆に不満が蓄積して立ち上がっても残酷な殲滅作戦には、庶民は歯が立たないことを大分前に書いたことがあります。
ウイグル族チベット族はどんなに反抗しても、近代兵器の前に屈服させられるばかりですから、政府は公安予算を増やしさえすればどうってことはないと多寡を括っていたのですが、漢民族?自体が経済流民化するようになると政府は持たないと思われます。
人民流民化・国家脱出・人民元売却と言う雪崩のような動きが、今にも政府を押しつぶそうとしているので、もはや格好などどつけていられなくなったと思われます。
株式相場・為替維持政策同様に、世論誘導も目に見えないやり方の場合相応の効果がありますが、言論規制や弾圧が目に見えるようになると政府報道や施策の信用がた落ちです。
国民にとっては規制の逆をやることが、合理的行動基準になって来るとおしまいです。
習近平政権は株の暴落・天津大爆発に端を発して狼狽したのか?なりふり構わない言論統制強化、経済統制強化(大手企業の株式売却禁止など)ですから、最後のあがきに入っていると見る人が増えてきました。
規制強化すればするほど世界市場からは、ついに最後が来たのか?と言う目で見られて売り浴びせが起きます。
人民はヤミルート・ヤミのル−ルに頼るし政府は政府で恣意的規制の濫発に頼ります。
政策が誤っているかどうか以前に、国民の信任を受けた正義の基準によるかどうかが政治の安定には重要です。
山口組等のヤミ組織も一定の内部規律を保つためには、相応の掟を持っていますので、ルールさえ制定すれば良いと言うものはありません・・これと国家ルールの違いが重要です。
ヤミルートにも相応のヤミのルールがあるのですが、それが力の強い者によって恣意的に作られ、あるときは力の強さに比例して相手によって運用が変わる・・恣意的に運用されるところが、民主国家の法(民選代議士によって制定される・・正義の衣をまとっています)との違いです。
民主国家の法の場合、適用が万人に平等です。(法の下の平等)
中国の政治は法治政治ではなく人治政治だと一般的に揶揄されていますが、政権が民主的に信認されていないことから、逆に言えば裸の強者によって作られた「法」であることから運用も強い者・党幹部にあってはいくらでもねじ曲げられてしまうことが普通に行なわれる社会です。
これでは、地下にあるべきヤミのルールが腕力によって国家の法のごとく表面に浮き上がって来ているに過ぎないことになります。
人民からすればヤミ支配者のヤミのルールが入り乱れているなかで、政府規制もそのときの都合によってどちらを選べば有利かの同列線上の選択肢(どこのヤクザの方が強いかどちらの組に頼った方が良いかの選択)程度でしかないのかも知れません。
ただヤミルールが幅を利かして入り乱れた社会では、よそ者が入り込み難いのは確かです。
ルールなきヤミルール社会を泳ぐにはルートが少ないと騙され易いので、地域の複雑ないくつの競合ルートに保険的に関係を持ちながら、良いように騙されないように人脈を駆使しサービスが悪ければあちらを頼むと言う立場を堅持しながら巧妙に生き延びる智恵が必要です。
ヤミの人間の言うままではなく、スカしたりしながら活用しなければなりませんが、5〜10年前に来たばかりの他所者には無理があります。
昨日あたりのニュースでは証券販売業者に対する広範な捜査が行なわれているとのニュースが出ていますが、中国での検挙基準は恣意的ですので、外国証券会社員にとっては人脈もなくどのようにも身を守って良いか分らずに戦々恐々のようです。
目立った売り方をすると容疑不明のママ(国家反逆罪?)早速しょっぴいて行くやり方らしいですから、株式売却を萎縮させる・・株価維持が目的のようですが、これこそギャングの世界そのままの恐怖政治です。
まだ外資は事業所閉鎖まで行かないで様子見状態らしいですが、外資による株や通貨売買を恐怖政治によって規制すると、外資流出スピードは鈍化させられるでしょうが、流入縮小傾向に歯止めがかからなくなります。
よそ者が入り込み難い社会はよそ者を排除出来て良いようですが、そのことが分って来ると、まともな外資が逃げ出す一方ではいって来なくなります。
反日暴動に対して資本引き揚げが出来ないように仕組まれていても、これをやった結果怖くなった日本から新規資本流入が縮小するようになったのと同じです。
次々と外資導入したくて(多分大金を使ってマスコミや政治家を買収して?)赫赫たる中国の将来性を長年宣伝してきたのに、今や目先の株価や通貨維持のためになりふり構っていられなくなったので、馬脚を表した・元はと言えば、共産党と言うよりは匪賊集団が成長したもの・違法集団であった本質を露呈し始めたように見えます。
集金に来た人を脅かせばその場は退散しますが、次の借金が出来なくなるので、これは最後の手段です。
中国政府がが如何に怖いかを宣伝すればするほど→歓楽街・・ヤクザの巣窟みたいなところには、普通の人が近づかなることを知らない筈がないですが、今や先のことを考える余裕がない・・目先の利益のためには昔取ってキネヅカで・・脅かすしか方法がなくなって来たのでしょう。
中国の現状は、格好つけられなくなった結果、山賊かヤクザの大親分が社会を占領していた本質が遂に表面化して来たと見るのが妥当でしょう。
良い社会にして環境破壊するよそ者がはいって来ないようにするのは、一理ありますが、ひどい公害が象徴するように住み難い・危ないことを宣伝してマトモな人が近づかない社会にしても意味がないと思いますが・・。

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