中国のバブル崩壊18(中国関連報道の変化)

5月13日の日経新聞朝刊第一面には中国の経済状況が大きく出ています。
表向きはまだ7%成長を少し下回ったが、まだ高い成長率であると(統計が正しければそのとおりです・・・。)従来どおりの書き方ですが、その中身を見ると、3月のセメント生産量は前年比2割減、建機大手の利益は前年比96%減、2位?の中聯重科は赤字と書いていて、上海先物市場の銅価格は11年ピーク時の4割安の価格になっている外に各種の卸売物価は3年連続前年割れが続いていると書いています。
これを合理的に読めば、7%弱の成長に下がっているが日本や世界の国々に比較すれば「なお高度成長だ」と言う正面の意見とは矛盾することが明らかです・・。
(クルマ販売台数は外資系企業の発表があるので誤摩化せませんが、その他業界別統計の信用性がないことは従来どおりですが・・・1応これを信用したとしても)政府のGDP統計とは矛盾する各種業界のマイナスぶりを見れば、数年前からマイナス成長だったと見るのが普通でしょう。
しかも同紙9ページには、中国に大量生産能力を持つGMが1台あたり平均100万円もの大幅の値引きを発表して値引き競走に突入と大きく出ています。
数日前に紹介したように、中国国内ではクルマ生産能力の半分しか需要がない・・2500万台の過剰生産力で自動車業界が苦しんでいる状況が、遂に表面化した様子です。
大手マスコミとしては中国政府発表の7%弱の成長が噓だとは書けないので、(うっかり書くと中国国内での記者証が剥奪されてしまう・・韓国の産經新聞記者のように何らかの容疑で逮捕されるとか?と言うことでしょうか?)記事内容でその矛盾を書いて読者に知ってもらおうとしているのでしょう。
最近中国政府発表を否定しないままで、矛盾した内容を書くようになっただけでも、中国べったりのマスコミとしてはかなりの進歩です。
従来は反日暴動以降進出を縮小している日本企業に対して、「中国は良いぞ!何故進出しないんだ」と言わんばかりの一方的な中国政府の肩を持つ報道ばかりでしたので、ネットでは(中国政府にマスコミは乗っ取られていると)批判されていましたが、結局ネット報道の方が正しかったことになります。
中韓は自分がやっていることを日本にすり替えて主張する(自分が虚偽歴史教育をしているからこれを日本に当てはめて、「歴史を学ばないものは・・」説教しに来る・・)傾向があります。
マスコミはそのまま日本語に翻訳して主語を中韓と日本とだけ入れ替えて使うのが普通でしたから、どこの国のマスコミか?と言う批判する人が増えてきました。
14日まで年金と株式や消費税に関して書いたように、中国のやっている(反日暴動に始まり何でも中国では基本は官製です)理解を日本に持って来て、年金による株式等の購入を「官製相場造り」だと言い張っていたのもこの一例でしょう。
日本がオスプレイ購入など兵器購入したり、集団自衛権を具体化する・・中国の嫌がることは全て反対する方向に決めていて、・・軍国主義化する近隣国に警戒心を呼び起こすなどと言うのも、中韓政府が自分が軍事大国化していることを日本に置き換えて主張しているのと同じです。
中国が日本敵視して軍備大拡張していることには、左翼人権派、平和運動家は一切触れません。
私が弁護士になった頃には、ソ連、中国の公害には一切触れず「社会主義は大成功している。こんなに生産力ある」と大宣伝していましたが、日本の工業生産や生活利便性改革には「あれが駄目これがが駄目」と言っては、反対運動ばかりでした。
どちらが軍国主義化しているか・・軍事力で周辺国圧迫を目指しているかどちらの方が公害がひどいかは、世界衆目の一致するところではないでしょうか?
中国のバブル処理に話題を戻します。
日本の技術導入で高炉を造り銑鉄を一応造れるように習えば(最高級品はまだ無理としても)原料にちょっと手を加えるだけですから、国際価格の何分の1に出血輸出・・安くさえすれば売ることが出来ます。
従来の出血輸出は資源系基礎商品・・あるいは低レベル商品でしたから国際価格無視の安値攻勢が可能だった・・鉄骨や石化製品等の資源系製品・・原料類似の基礎製品は投げ売り的輸出が可能で安ければ売れました。
自動車産業や鉄道車両の場合、需要の2倍も作ってしまうとどうなるでしょうか?
採算無視の車を一杯作って苦し紛れに採算度外視の輸出をしようにも、先進国では排ガス規制があるし、粗悪品では、品質・安全面で心配があるから、半値〜10分の1にしても輸出は無理でしょう・・。
従って国内値引き競争突入しかありません・・これがGMが1台平均百万円も値引き販売を始めた原因でしょう。

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