政党支持層の変化3

政党は経済合理性で一致するならば、政治姿勢が共通な勢力と連立を組む方が良いのが当たり前です。
日本維新の党が、公明党と支持基盤が競合する大阪でどれだけ勢力を伸ばせるかにかかっているように思われていましたが、昨年末の総選挙では維新の党は伸び悩んだので、政局が様子見状態になっています。
公明党はこの辺の底流を読んでいるのか、このところかなり軌道修正していて、最近平和・防衛関連では自民党への歩み寄りが目立ちます。
外国人参政権付与を強調していると、親韓派のレッテル張りが始まって日本人有権者離れのリスクを感じ始めたので、この辺の特徴を隠そうとしているのでしょう。
自公連立以降、争点によっては、自民党は農民票の取りこぼしで地方の県知事選などで負けるようになって行きますが、負けたことが問題ではなくむしろ負けた分、改革に反対する農民票離れを始めている前向きな現れと国民が評価するべきでしょう。
自民党は改革に協力する農民と反対の農民を分けて行く・・いつまでも農民票全部を当てにしていて改革が出来ないと、日本農業が駄目になってしまう・・むしろ少しくらいの痛み・・得票率減を怖がらずに自民党は農民の中で改革反対の農民票を切り離すくらいの覚悟を示すべきです。
どんな分野でも改革には痛みが伴う・・切り捨てられる分野が生じるものですが、(企業で言えば不採算部門の切り捨てなど)農業に痛みを強いる以上は自民党も支持層の一部切り捨て・・票田の一部を失う覚悟をする必要があります。
昨日書いたように地方自治体選挙でいくつ勝ったかなど問題にしない覚悟と、地方選は地方のニーズによる選挙であり、国政に関する意見ではないと言う意識変化・・地方選を重視するマスコミの間違った意見を是正して行く準備が必要です。
農民票の内、競争反対を基礎票にするのは野党勢力に任せておかないと、日本全体が沈没してしまう危険があります。
政党支持基盤は、今はまだマダラ模様で進んでいます。
この踏み絵になるのが今度のTPP交渉で、(都会人から言えば当たり前のことですが・・農民に痛みを強いる)この妥結が大きな節目になって行くでしょう。
オバマ政権の迷走もあってまだはっきりしていませんが、今後この関係がいよいよ明瞭になって行き、革新系?が改革反対運動の農民を支持し、都会人が改革派の自民党を支持する方向へはっきり変わって行くべきだと思われます。
明治維新の原動力は地方から起き、しかも農民参加の奇兵隊が活躍したように農民自身が保守的ではありません。
農民と言えば保守的なもの・適応能力のないものと決めつける人が多いですが、農民自身保守的なのではなく、農協組織運営が保守的・と言うか社会主義的組織だったから70年の経過で硬直的・受け身になってしまったことによります。
元気な農民は農協離れを起こし始めています・・農協の指導を待っていて政府の施策に反対する頑迷なグループを切り離して、元気印の農民こそを積極的に応援すべきです。
社会主義的組織はすべからく「何々を守れと言う」ばかりで内容的に発展して行く仕組みが乏しいですから、基本が保守的になります。
公害反対も空港設置反対も高速道路反対も総べてそうした運動でしたが、その内日本経済に役立ったのは公害反対だけでした。
公害反対が日本社会の発展に寄与したと言っても、そのときの反対目的であった製鉄所やコンビナート設置反対運動が日本社会に貢献したのではなく、反対運動に鍛えられた企業が公害被害軽減努力したので、日本社会に貢献出来たのです。
新技術が出ると、直ぐに子供がネット浸りで困ったと言うマイナス報道ばかりですが、ネット利用やビッグデータの活用や防犯カメラもそれをやめろと言うのではなく、被害軽減努力の提案こそが重要です。
新薬が出来れば副作用が一定量あるのが原則ですが、新薬の研究開発禁止が先にあるのでは前に進みませんので、研究は研究として進めながら軽減努力の問題でしょうが、この按配が難しいのです。
新規創業でも同じでやってみて失敗する方が多いのですが、これを心配してはいては、新産業は育ちません。
都会票は日々の競争に揉まれている勤労者や経営者が中心ですから、イキオイ「◯◯を守れ・補助金を投入しろ」と言うばかりの主張よりは、「持続的変化によって、世界競争に負けないように頑張りましょう」と主張する政党の方に票が集まります。
ここ数十年以上の経験では、「農業発展のために改革案を立案指導すべき全国農協とその中央組織が、超保守勢力として逆に発展阻害勢力として政治力を行使している」と言う国民理解が一般的になっているのではないでしょうか?
こう言う認識が普通になって来ると、何が何でも(他産業を犠牲にしてでも)「食糧輸入禁止して農業を守れ」と言う主張を応援するのは、革新と言う名の超保守政党しかなくなって行くと思います。
ここ数十年来革新?政党が農業票を当てにするようになって来たことが、この傾向を表していますし、逆から言えば農協組織の内農業部門が広範な国民支持から離れつつあることを示しています。
農業者でも、改革に邁進する業者もいますので、日本農業を再生するに、こうした勢力と頑迷な農協勢力を切り分けして行く必要があるように思います。

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