7月26日に紹介したようにアメリカの個人金融資産保有額は世界1ですが、これについても、石油王や鉄鋼王など一握りの人が巨万の富を持ち・・利権収入の殆どを得てしまう社会では、これを国民の人数で割って一人当たり所得や金融資産を算出しても国民の本当の姿は見えません。
アメリカでは、フードスタンプに頼る人が急増していると報道されていたことがあります。
フードスタンプとは、日本の生活保護費の内食品購入に限定した券(1か月100ドル)を配給することを言うようです。
以下はhttp://matome.naver.jp/odai/2138189755689271201からの引用です。
更新日: 2013年11月21日
「2012年6月のフードスタンプの利用者が過去最高の4,670万人に上ったと米国農務省が発表。アメリカ人口の約15%
出典
フードスタンプ利用者が過去最高へ 不景気から抜け出せないアメリカ/「戸口」下等市民が急増する中国 墨染
2009年3600万人だから実に3年で1200万人も受給者が増えていることになります。現在は5000万人を超えていると言われています。」
図書館で本を読む人は本を買うお金がないとは限りませんから、ただなら食券を貰っておこうとする人も少しは含まれているでしょう。
それにしてもそんな食券を欲しくなる人は、生活保護すれすれの人でしょうから格差社会判定のための大雑把な傾向としてはとるに足りない誤差になります。
October 28, 2011「格差社会1(アメリカンドリーム)」で、アメリカでは1%の人が所得の4分の1を稼ぎ、富(ストック)の40%を保有していると言う論説を紹介しました。
(この論者がどうやって集計したのかまでは、当時メモしなかったので今になると分りません。・・アメリカの場合早くからマイナンバー制度・・国民番号付与制度)が発達しているから可能なのでしょうか?)
逆に負債の方は、億万長者が借金する必要がないので、債務を人口で割っても意味がなく、金融資産を持たない貧しい人が債務者の大多数を占めている筈です。
個人の場合、ローンなどの負債とプラス財産の差引残が正味財産ですが、国全体になると、金融資産合計から負債合計を差し引いて差額のプラス分またはマイナス分を一人当たりで割れば良いという発想では実態が分りません。
最近流行の論説を見ても、ジニ係数や非正規雇用率がどうのと言うフロー収支が中心でストックの格差は出て来ません。
ジニ係数を見てもフローの収入比率を出しているだけでストックを見ませんから、資産家でも、高齢化してフロー収入がなくなると貧困層に括られる矛盾があります。
「フロー収入と貧困率」Published June 10, 2012のこラムで、資産家でも住民票上だけ世帯分離して無収入として、低負担で特養に入る例を挙げて批判しました・・。
特養ホームの自己負担について、一定以上の資産(1000万だったかな?)がある場合、自己負担率を上げるように改正するような機運が出て来たような報道を1〜2ヶ月前に日経新聞で見た記憶があります。
ストックが少なく、金融商品による収入比率が少ない社会では、現役世代の賃金センサスや地代家賃収入等の年収格差で社会構成が大方そのまま出ます。
金融商品・ストックの比率が上がって来ると、フロー収入比率を見る正規、非正規雇用あるいは賃金格差だけでは社会の貧富格差・・構成比が分りません。
ストック社会では、働いていなくとも親の資産で年収1000万円超の人と同じ生活を出来る人が一杯出て来ます。
韓国の格差社会の象徴として、非正規雇用率が5割を超えたと言う報道が頻りですし、その結果格差社会になっている・貧困率が上がっていると言う推測記事が多く、従来私もそのような一般報道に無意識にしたがった書き方をしてきました。