韓国企業の本当の敵は?

7月12日の日経朝刊9ページには中国で内需不振が始まっていて、(14億人の巨大内需で育って来た)中国企業ハイアールその他大手家電メーカーで万単位の人員整理が昨年も今年も続いている状況が報道されています。
多分この方向性は全産業に広がっているでしょうから、中国の内実は大変です。
内需頼みの国内産業が見込みがなくなって来たので、中国民族系企業が慌てて海外進出する方向性を探っているようですが、低賃金を売り物にして来た・・高度技術を持っていない企業が海外進出してもどうなるものでもありません。
改革開放後中国では起業が続いていましたが、自分で磨き上げた技術で勝負しようとするのは例外中の例外で、全て「こうしたら、儲かる」と言う方向性に基づく起業が中心です・・これが中国では基礎技術が発展し難い弱点です。
商売や工場はアイデア次第であって、人の努力を尊重しない・・人の磨いた技術は使えば良いと言う国民性が知財を大事にしない・剽窃を気にしない基礎意識にもつながります。
中国では、進出企業の模倣で成長した民族系企業が大量に国内で生まれましたが、低賃金に頼る輸出パターンが駄目になり、内需も低迷し始めると、生き残りのためには自分も海外進出するしかなくなりました。
中国国内では模倣することがビジネススタイルでも、民族資本として下駄を履かせてもらっての外資と競争ですから何とかなっていましたが、自分もインド等国外にに進出すると、よその国では外資扱いですから、世界企業と対等条件で競争しなければなりません。
世界企業は虎の子の最先端技術を新興国工場に移転していませんので、中国企業は陳腐化した技術を模倣していたことになります。
ハイアールは日本のサンヨー電気を買収したので相応の技術を入手していると思われますが、中国企業の多くは自前の技術を持っていないので、外国へ進出するに足る基礎技術がありません。
日本が今後輸出=貿易黒字に頼らず海外進出するしかないと言う問題・・核心的技術を国内保持して中核部品等の輸出をしながらの海外進出でも国内雇用減に苦しんでいるのと違ってレベルの違う深刻さです。
韓国は対中貿易の方が対日貿易より大きくなったことを理由に、ここ数年反日を心置きなくエスカレートさせ、中国べったり政策を採用しています。
実は韓国にとって日本とは高度部品購入・技術移転を受けるなどの補完関係ですが、中国とは逆にシビアーな競合相手でしかありません。
これまで書いているように、韓国の方が日本との技術交流開始が中国より約20年早いので、技術移転が数段階高度化して進んでいます。
この進んだ技術を持って中国へ進出し、先輩として振る舞っていられる(中国が日本の一番古い新幹線を輸入するとその模倣をして外国に売るように・・)のですが、中国が東南アジアに追い上げられるように、韓国企業は中国企業の追い上げで苦しみ始めています。
この象徴がサムスンの売上減であり12日ころから報道されている韓国第3位のスマホメーカーパンテック(元々の債務超過企業ですから、中国販売不振とは関係がないでしょうが・・)の破綻です。
14日にコラムの末段で書いたとおり、韓国企業も中国人同様に儲けが基準で技術重視のところがありません。
日本の大手企業の松下やソニーやホンダであれトヨタであれ、全て創業者がより良い物を世に出したいと言う信念で始めたものが殆どです。
このような気風がアップルのジョブスに対する日本人の根強い人気の根拠です。
サムスントップ李健煕は日本の創業者のように「良い物を作って・・」と言う技術者魂を聞きません・・単にもうけられるものに目を利かして規模を大きくしただけではないでしょうか?
中国企業も輸出できなくなったので、さしあたり国内競争相手の市場占有率を奪うのに必死ですから、ちょっとした努力で手の届く韓国企業に追い付き追い越すことが好目標になります。
これが、サムスンのスマホが中国市場で中国現地企業の追い上げを受けて急激な売上減に見舞われた原因です。

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