平和国家と強兵2

日中の対立激化によって、日本ではこれに対峙する海上保安庁の応募者が増えているのに対して、中国の場合、逆に危険な職務だということで尖閣諸島領海侵入を繰り返している海事艦要員の確保に困っていると報道されています。
このように考えると家族もいない独り者・・ならず者が強いのではなく、守るべき・帰るべき家族のいる兵士の方が最後は強いことが分ります。
ならず者が強く見えるのは行動原則・・道義による縛りがないから、相手が法を守っていて大人しいのにつけ込んで何をするか(どんな無法なことをするか)知れないので怖いだけです。
「気違いに刃物」と言いますが、相手が法を守らないし、刃物を振り回すか否かのルールが見えないから怖いだけであって、気違い(覚せい剤で狂っている人)や無法者を兵士にしたら強い訳ではありません。
檻から逃げたライオンやトラが恐いのは・・トラが市街地の道路を歩いて来ることを予想してないときに出くわせば・・いつ牙を剥くか知れないから怖いのであって、こちらも武装して本気で戦えば人間の方が強いに決まっています。
法に守られているので違法なことはされないとみんな安心して暮らしてきました。
日本では徳川幕府以来約500年間も法に守られているので、滅多なことでは違法なことはされないとみんな安心して暮らしてきました。
日本国内では各人が銃で武装し自衛する必要のない安心社会が続いていたのですが、明治開国以来弱肉強食の国際世界に放り出された日本が国内安全を維持するために外壁の強化・・国防に励んだのは当然の帰結です。
津波が来れば、その後防潮堤の強化や避難準備に励むのが普通です。
敗戦後アメリカがこの外壁部分の秩序維持を約束してくれたので、国防の必要性が低下し国内秩序維持だけで良かったのですが、今やアメリカの約束が頼りにならなくなりました。
これに比例して近隣の国が国際法無視でドンドン実力行使して来る気配を示している・・・奥山に逼塞していたオオカミが市街地に出没してきそうな雰囲気になって来ました。
オオカミが奥山を出て来たり、トラが檻を破っていつ市街地を闊歩するか知れない状態になれば、こちらもいつオオカミが人家周辺に出没しても、トラが檻を出て来ても良いように武装準備するしかないでしょう。
イキナリトラやオオカミが市街地に来れば、無防備な民衆は逃げ惑うしかありません。
革新政党の中には無防備でもイザとなれば逃げれば良いと主張する意見もありますが、防衛準備さえしておけば人間の方がオオカミやトラより強いのは確かです。
同胞のために行動する意識のない民族社会では、ちょっと都合が悪くなればゴーストタウンにしてその町やムラを棄てて行く社会です。
アメリカが豊かで住み易そうだからとアメリカに移住した人々は、都合が悪くなれば直ぐにもゴーストタウンにして逃げて行くし、アメリカ全体が落ち目になればアメリカの国自体を棄てて外国へ行くのにためらいの低い人々で成り立っています。
中国では少しでも資金が溜まれば海外国籍取得に精出している人が多いのをヒラリークリントンが批判していましたが、実はアメリカは今豊かなだけでイザ貧しくなればそうなる点は中韓と同根です。
利益誘導的国民で構成されているアメリカ兵は、今までのような圧倒的兵力差がなくなり、同等あるいは僅差の兵力になれば,中国同様に脆弱さが露呈するでしょう。
アメリカの志願兵制度はやる気充分なので国防力強化になると宣伝されていますが、実際には黒人など貧困層が志願して一定期間従軍すると学費免除期待等の利益誘導で応募しているのが一般的(兵士の黒人比率が高いのは社会階層を反映しています)と言われています。
軍役は一種の貧困層対策に使われているのが現状です。
米軍兵士の多くは金のために志願しているに過ぎないのですから、命がけの戦闘行為になると弱点を曝すでしょうし、国民の成り立ちを考えれば戦争に限らず、国際交渉の粘り腰の強弱にもかかわって来る筈です。
アメリカは、圧倒的国力差のある状態下の交渉では、問答無用式の主導権を握れましたが、今後相対的大国に過ぎなくなって行くとタフな交渉には不向きな感じ・・オバマの外交に現れ始めています。

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