アメリカでは何か行事のある都度、戦争に必須の国旗に異常なほどの熱意を示すのは、(普通の演説程度で国旗に何故そんなにこだわるのか不思議に思う人が日本人では多いでしょう)外敵に向かって団結することしか団結理由になるものがないからです。
国旗・・軍旗が敵味方の目印として始まったものですから、我が国では徳川家の紋章や信長の旗に異常な敬意を払う場面は歴史上知りません。
個々人や所属する組織への忠誠心が問われるだけであって、年がら年中旗指物に敬意をあらわす国民性ではありません。
源平の赤と白の旗も、合戦のときだけ敵と味方の区別を分り易くするために重宝していたに過ぎず日常的に軍旗を飾っていたことはありません。
我が国では国旗の外に海軍旗(旭日昇天旗)という区分けがあるのはこうした歴史に依ります。
団結・忠誠心の基礎には郷土を愛し守り抜く基本思想があって、その上に郷党組織の一致団結があるのです。
アメリカには日本のように郷土を愛する共通価値観がないことが,外的に対抗するために団結する意識しか育たなかったことが分ります。
住んでいる土地が都合が悪くなればあっさりとゴーストタウンにして棄てて行くアメリカ人には郷土愛そのものが理解不能でしょう。
郷土愛には攻めて来る外敵から守ることも含まれますが、それは滅多にない一部の機能であって、災害や飢饉等から郷土の仲間をを守ることなどを中心とする幅広い愛・団結心です。
日本は人間の外敵から守る必要が千年に一回あるかないかの国でしたが、気候不順による凶作や災害の方はしょっちゅうやって来るので、災害時の助け合い意識が根付いています。
日本では災害が発生すれば助け合いに飛び出して行くのが国民性で,この機会に略奪するなど考えられない国ですが、米国の場合,都合が悪ければゴーストタウンにして棄てて行く国民性ですから、郷土を守ると言っても外敵の攻撃から守る程度しか共通目標がありません。
だから警備機能が麻痺するような大災害があると、助け合うどころか逆に100%の頻度で略奪が発生します。
実際にアメリカが侵略の危険を感じたのはいわゆる独立戦争のときだけですから、結果から見れば建国後現在までアメリカが必要として来た外敵の必要性とは、いつも自分が侵略・膨張目的で外敵と戦うことだったことになります。
国旗を中心にいつも気勢を上げるしかない政治・・逆から言えば政治家・指導者が地位維持のためにはいつも外敵を必要としている点では、中国・韓国の政治家と共通です。
アメリカ建国以来の近隣侵略膨張の歴史は誰でも知っているとおりですが、国家制度の成り立ち・・構造要因と言えるでしょう。
第二次世界大戦で日本から南洋諸島や奄美諸島〜沖縄や小笠原諸島などを奪った後には,自分が正義の戦いだったと宣伝している以上は,植民地拡大が許されなくなって、これ以上膨張が出来なくなると世界の警察官と称して,実質的世界支配を拡大・侵略を続けて来たのがアメリカの歴史です。
中韓両国が日本を非難する主張を聞いていると自分の悪い点をそのまま相手がやっていると思い込んで宣伝している・・自白しているかのように見えます。
激しい非難の場合、自分が過去にやって来たことを全て日本もやっていると想定して相手に押し付けて非難していることが多いのですが、日本を軍国主義と決めつけたのはアメリカの制度設計の弱点を言いたかったからでしょう。
日本の政治は平安〜鎌倉、足利、徳川とどの時代をとっても明治憲法でも軍国主義どころか、内政中心で外国と戦うための国・制度設計ではありません。
(幕府成立と言うと如何にも軍事政権のようですが,支配階層が武士層に移ったと言うのが本質であって、武断・恐怖不政治をして来たのではありません・・鎌倉府は史上初めても問注所を作るなど利害調整に腐心してきました)
利害調整能力に優れた人材が党のトップに立ち、総理になって行く我が国では元々対外交渉や攻撃用指導者を前提としておらず、これを必須とする韓国・中国やアメリカはまるで成り立ちが違います。
日本政治家は対外戦争目的の行動力ではなく、内政調整能力が最初に問われる資格です。
アメリカとどちらが軍国主義に馴染み易い体制か?となります。
話題を元に戻しますと、アメリカに限らず大統領制の国では、選任された以上は原則的に一任する制度・・任期中独裁権力行使が前提であることを民意に基づく政治2(大統領制と議院内閣制1)July 14, 2013〜「民意に基づく政治4(大統領制と議院内閣制3)」July 16, 2013等で以前書いたことがあります。