イスラム原理主義的思想と(現在の)経済活動の自由(市場経済主義)とは相容れないところがあることから、原理主義だけでは時間の経過で今の北朝鮮のように内政・経済が立ち行かなくなります。
イランが革命以降イスラム原理主義にこだわって世界から孤立して、経済が停滞・疲弊している点では、共産主義・将軍体制にこだわる北朝鮮と似ていて、核兵器保有にこだわっている点も同じです。
(イランは北朝鮮と違って、原油輸出による収入がありますので、絶対的貧困に見舞われている訳ではありませんが・・ホメイニ革命以降経済が停滞している点は同じです)
そこで仕方なしに外資を導入した場合、共産主義政治のママでの改革開放・外資導入・・市場経済を取り入れた中国のように、イスラム原理主義との内部矛盾が顕在化してきます。
中国の場合、内部矛盾の激化・共産党1党支配の危機が迫って来たのでナチスのように(ユダヤ排撃・国内人種対立を煽る代わりに、排外主義でごまかす誘惑に陥る危険性があります)対外不満を作り出して政権維持に励むことになりかねず、これが世界の危機を生み出すかも知れません。
イランの場合、いつもアメリカとユダヤという仮想敵国があって、あるいは違う宗派との抗争事件・・憎しみ合いを利用して権力を保っていると言えます。
アラブやイラン〜アフガン諸国ではしょっ中テロがあって大変なようですが、逆から見ればテロとの闘争に明け暮れていれば、治安が安定しないので内政不満に目がいかない利点を政権担当者が利用出来ます。
激しいテロがある限りいつまでたっても内部闘争に強いだけが取り柄で、(経済政策能力がなくとも)政権維持出来るメリットがあります。
・・テロがしょっ中あれば、その日その日の身の安全が最優先ですから、停電があろうと食料品に事欠こうと経済運営能力拙劣・生活水準低下に対する市民の不満が起きません。
そんな地味なことよりも、対テロ作戦成功宣伝・・敵を奇襲攻撃して何人殺したという発表の方が喝采を浴び易いでしょう。
一旦このような状態に陥ると国民はマトモな前向き投資の意欲がなくなるので地道な教育に始まっていろんな分野で負のスパイラルに陥って、教育水準その他が生活水準全般が下がる一方になります。
韓国や中国の場合、内部矛盾の激化・経済危機発生が目の前に迫って来たので、反日という排外目標を持ち出しました。
これさえあれば内部対立をしないで済むし、日本からの仕返し攻撃の心配もないから便利です。
中国発の経済危機は経済面に限定しても経済規模が大きくなっているので世界経済に与える影響が大きくなるだけではなく、政治危機が同時発生する危険も無視出来ません。
イラン、北朝鮮等孤立している国は核兵器にこだわるのも共通です。
どのような最新高度技術でも一般化・汎用化して行くものですから、核拡散防止と言っても時間を遅らせる効果しかありません。
核兵器は貧者の兵器と言われるようにコストパフォーマンスが良いので、内部紛争に明け暮れている上に強国からの圧力を感じている最貧国にとっては、とても魅力的兵器です。
今後数十年もすれば、どんな貧困国でも一定の科学水準に達するでしょうからその気になれば核兵器を保有出来る時代が来る筈ですから、ドイツや中国のような大国が暴走する危険だけが問題ではありません。
「韓国や北朝鮮あるいは中国等は気違いみたいだから放っておくのが一番・・」と言う意見が多いですが、あまり孤立させると勝手に暴発しかねないところが不気味です。
通り魔その他精神異常による暴発事件は、相手にしないで放置しておくから起きるのであって適切な治療や社会全体での包容・ケアーが必要です。