日本人の心=日本教3(伊勢参り3)

昔から「悪知恵」にたけている人と言いますが、一定の才能があっても道徳律に反した悪い方にしか使えない能力では日本人にとっては価値がありません。
中国何千年の歴史と自慢しますが、そんな方向ばかり・・相手の足を引っ張ったり権謀術数・狡猾さばかり発達させているのでは、人智・道徳律の発展という意味では何千年分も退化する一方で来たように見えます。
悪い水に長い間使っていたようなもので、長かった分だけ悪くなってしまったことになります。
私のように(勿論島崎藤村や啄木の詩も好きですが・・)漢詩文に憧れて育った世代にとっては、現在中国の退化し切った価値原理を知るとその落差に驚くばかり・・憧れていた分に比例して失望も大きい状態です。
よく考えてみると私の好きな漢詩文もその裏にはずっと専制政治の弊害・失脚に関連する故事に溢れていたのです。
・・例えば「論仏骨表」の上奏によって韓愈が左遷されて行く途中で、見送りに来た甥に与えた詩が有名ですが・・そうした社会のあり方が人民の正義感に影響している問題点にまで、高校時代には気が回っていなかっただけも知れません。
日本人としてはそれでも良い・・これだけ世界中に日本の悪口を言いふらしていてもまた助けを求められれば、これからも過去を水に流して助けてやりたいというのが我が国の宗教です。
どんな悪人でも頼って来れば助けると言う有り難い教えですが、その分日本人にとっては「甘えの構造」になっている面も否定出来ません。
韓国人はいくら悪辣な日本批判をしても,日本はいつでもこれを許してくれて,いつでも韓国人さえ日本に近づく気になれば、日本と仲良くなれるし日本人はこれを受入れて来れると心底信じている様子が見えます。
悪く言えば甘く見ているフシがありますが、この意味するところは日本人が彼らが言うような悪人ではないと言うことを自白しているのと同じことになります。
安倍総理がいつでも門戸は開かれているというのは、まさに日本人の宗教心から沸いて来る冷静な結果です。
ネット上では今度中韓が困って来ても無視してやれば良いという報復的意見が多いですが、多くの日本人の正常心・・大方の意見はそうではありません。
一国を代表するべきものは落ち着いた大人の対応をする必要があり,この辺では中国が国連で口汚く日本を罵ったり韓国大統領の一国元首の発言とは思えないような低レベルな発言を繰り返しているのを見るとまだまだ国家統治経験が低すぎるという感想を持つ人が多いでしょう。
アメリカ流の弱肉強食の原理・利己主義が蔓延して、戦後少しの期間日本人の心が中韓並みに荒みかけていましたが、生活が落ち着くと縄文の昔から続いて来た本来の日本人の和の心を徐々に取り戻すようになった傾向が伊勢神宮参拝者増加に反映していると思われます。
以下平成24年伊勢市観光統計【資料編】「参宮客の変遷(明治・大正・昭和・平成)」データによります。
戦後の荒廃した一時期・・欧米流の弱肉強食の思想から、日本人の心が縄文以来万年単位で育んで来た正常心・・和の心に戻り始めたのか、昭和28年ころからかなりの参拝者に復元しています。
昭和28年の式年遷宮以降経済復興に連動して順調に伊勢神宮参拝者が増加していますが、バブル崩壊後・・まさに平成という年号のとおり外形的成長は止まっても豊かな生活が始まった平成に入ってから意識的に元の日本人の心に復帰したと私は思っています。
人の心の変化に関する統計は滅多にないので、このような外形の変化で見るのも一方法です。
そこでネット検索すると、(10月16日から書いたようにマスコミ報道は当てにならないので)上記の伊勢市観光統計資料が出ていました。
1ページ目には平成元年以降の月別統計が出ていますので、まずこれによります。
これによると平成元年の内宮参拝者は396万人、平成5年は1年間で(前回遷宮時)552万人で、10〜12月末までの数字では約180万人なのでこれを引くと10月初めの時点では、(月間数字しかないので12日目での比較は大雑把になります)380万人程度であったことが分ります。
一日一日の細かい数字まで発表用の表に載せていないだけで、多分伊勢市当局に問い合わせれば日にち別の数字も当然分った筈(日にち別集計がないと月別集計も出来ません)ですから、マスコミはその気になれば正確な数字を簡単に発表出来たのに、敢えて1年分と9ヶ月あまりと比較する・・伸び率が低く見えるような作為報道をしているのではないかと言う立場で10月16日からマスコミ批判して来ました。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC