全く嘘のない正確な事実報道に徹しても、例えば尖閣諸島問題で対中貿易縮小で困っている企業の実情ばかり報道すれば、日本は中国に歩み寄る必要があるような意見醸成に効力があり、中国の訪日観光客が減ってもそれ以上にその他からの訪日客が増えているという報道が多ければ中国観光客など気にする必要がないと言う意見が増えます。
ですから事実報道が正確でさえあれば良いというものではありません。
対象の絞り込みにマスコミの意向によって選別が行なわれることが大きな問題です。
マスコミは、トータルデータを報道すれば良いのであって、中国客にシフトしていた観光業界や中国輸出に頼っていた企業の苦境ばかり大々的に報道するのは、事実には違いないとしても偏った報道になります。
中国の代わりに、東南アジア関連で業績拡大している企業もあるのです。
車では顕著ですが、中国で販売が減ってもアメリカ等で増えて却って史上最大規模に膨らんでいることから明らかなように、世界トータル販売の動向を報道すれば良いことです。
中国経済の失速懸念が大きくなっている今では、この機会にリスク軽減のために数〜5年かけて中国比重をドンドン下げておくのは、日本経済にとって幸運・チャンスとの意見があっても良いでしょう。
このように国際政治では、どの意見が将来の日本に有利に働くか分りません。
事実の取捨選択まで含めた中立維持は難しいので,民主政治を守るためには弱者の立場優先・権力批判に限ってはある程度批判記事を書くのは良いというスタンスが従来許される風潮でした。
国内政治に限ればこれも1つのスタンスでしょうが、対外政策に関しては、相手国の事実主張ばかり正しいかのように報道するのは如何なものかという意見が出て来るのは当然です。
日本の国益を守ると言う点では一致していても、どうするのが国益に資するかは人によって意見が違います。
慰安婦の強制連行があったかのような報道を貫いてこの問題を世界的に広げた朝日新聞の功績は、結果的に「韓国なんか相手にするな」という方向になって日本の国益に資する結果を招いているとも言えます。
韓国はこんな問題で日本を怒らせ続けていることによって、日本から徹底的に憎まれるだけで韓国は何のトクもしておらず政治・経済。文化的に見れば巨大な損失を被っています。
慰安婦問題の報道は朝日新聞が韓国が日本から嫌われるように仕組んでやったので、日本は今後韓国の面倒を見る必要がなくなって得しているだろうと言われれば、そうかも知れませんのでこの問題提起した朝日の記者は国士となります。
尖閣諸島問題も、中国の侵犯行為は結果的に日本が自衛の必要性に目覚めさせてくれた点では,大きな功績がありました。
日本の誰がけしかけたという訳ではないですが、もしもけしかけた日本人がいたとすれば彼は国賊ではなく逆に大した愛国者です。
もしも平和裡にあと数十年も経過して米国の力が今の半分くらいになって、しかも中国の軍事力が今の数倍になってからイキナリ今回のようなことが起きると日本には備えがなくフィリッピンのようにやられっぱなしになっていたでしょう。
中国がまだ大したことがないのにちょっかいを出してくれたので助かったのです。
国際政治では何が後で得するか損する知れないので、それぞれが信ずるところに従っていろんな意見が出ても良いとも言えます。
しかしどんな意見でも,事実に反した意見を書いたり言ったりしていると結果的にマイナスになることが多いように思えます。
慰安婦問題で言えば韓国を引っ掛けようとして日本のためにやったとしても、事実報道に徹するべきで、ないことまででっち上げて報道したとすれば、韓国から騙されて乗せられたというクレームが来るでしょうから結局日本のためになりません。
自己抑制出来ない・・抑制するどころか積極的に特定的立場への誘導や虚偽報道するのに邁進するならば、マスコミとしての存在意義がないだけではなく、害悪があります。
(やらせ報道がときどき問題になっていましたが,虚偽報道が末端→下請けにまで日常化している体質が露呈していたのですから,この時点で下請けの問題ではなく、首脳部→上層→中間管理職→発注者に至る企業全体の企業体質を問題にすべきだったと思われます。)
中国政府宣伝機関である新華社の要員が常駐していると言われるNHK批判に始まり(米軍占領期に占領軍が要員を派遣してマスコミ支配していた構図を中国が引き継いでいる印象です)、今やマスコミ界は殆どが中韓の人脈に握られているとのネット報道もあります。
真偽は別としてそこまで言われるほど、国民の信用がガタ落ちです。