朝鮮半島の戦略的地位低下1

反日運動の激化に先行して韓国は10数年前ころから日本文化輸入禁止を徐々に解禁し始めていることを9月7日のコラムで書きました。
韓国は日本文化輸入/生活文化に関して、教えを請う必要性を理性では自覚しています。
劣等感が強過ぎてひねくれてしまっているので、正面から「素直に教えて下さい」と言えないところが韓国・朝鮮民族の不幸です。
このひねくれ根性は明治維新以降の格差拡大に端を発するのではなく、その前の数百年に及ぶ江戸時代の通信使交流時代にも顕著でした。
通信使はせっかく来日して日本を見聞して歩くチャンスがあったのに、日本独自に発達した各種技術や学問の発達を学ぼうとせずに、彼らは毎回「日本は貧しい・遅れていると言う偏った・日本を嘲ることばかりに注力した報告しか出来なかったのは、今の韓国関係者が、印で押したような反日の意見しか言えないのと同根です。
実際には理性的で立派な人が今でも一杯いるようですが、彼らは公式発言になると判で押したように日本批判あるいは如何に日本が劣っているかの強調しか発言出来ないようです。
朝鮮通信使達も日本に来て見るとその違いや発達ぶりに驚くのですが、国にかえってからうっかり「日本に学ぼう」と言えば、本当にクビ切られてしまうので何も言えない・・結局国内改革に結びつかないで数百年過ぎてしまいました。
相手から学ぼうとする姿勢欠如の結果、この間に大きな差がついてしまったので,西洋が押し寄せた19世紀頃には数百年分以上の進歩差がついてしまいました。
(正確には李氏朝鮮成立以前から停滞してしまった・日本の平安〜鎌倉〜室町時代ころから絶え間なく社会が進歩し続けていたことに全く気づかない・・知りたくない・事態を直視したくない民族性に問題点があるでしょう)
以前どこかで書いたことがありますが、日本は白村江の戦いで負けたころから朝鮮半島から縁を切る政策に転換し、遣隋使・遣唐使は朝鮮半島経由から直接揚子江河口・上海付近に上陸する航路に切り替えていたことを書いたことがあります。
この結果、朝鮮半島経由の利点・・日本列島への交通上の通過点の優位性をそのころから失ってしまったことによって朝鮮半島の経済・文化的衰退が始まったことに気がつかないと言えます。
気がついていても,凋落を認めたくないということでしょう。
19世紀末からタマタマロシアの南下圧力があって、日本にとって朝鮮半島が戦略上の価値が高まったので、それまでのように「好きなように言わしておけ」と放っておけなくなってかまって貰えるようになって脚光を浴びていたのですが、朝鮮族は千数百年ぶりに訪れた約100年間のチャンスを活かし切れないまま終わりそうです。
今では陸続きで攻めて来るばかりではなく、海空軍や大陸間弾道弾等が発達して日露の間に中立ないし親日の民族があった方が良いものの、半島が仮にロシアに席巻されたとしても明治初期ほどの緊迫性がなくなってきました。
まして戦前とは違い、超大国アメリカの庇護下に入ったので、ソ連・ロシアの軍事脅威は殆ど誰も感じなくなっています。
結果的に朝鮮半島の戦略上の重要性は戦前に比べて数百分の1ほどの価値に下がり、日本にとって良き隣人ならば別ですが、そうでない限り重要性を全く感じなくなっています。
アメリカとしては前線が遠いほど良いので朝鮮半島を重視して来ましたが、アメリカにとっても直ぐに移動出来ない軍事基地を半島に持つリスク・・人的損失リスクの方が気になっている状態で、最近は出来るだけ後方・・即ち海洋基地に撤退したい本音が見え見えです。
むしろ韓国側で国連軍の指揮命令権の韓国への委譲先送りをアメリカに要望するようになっています。
アメリカは本音では朝鮮半島の支配権がロシア・中国へ移ろうが移るまいが「どうでもいいや!』という態度に変わりつつあります。
中国にとっては元々ロシアと長大な国境を接しているので、朝鮮半島が仮にロシアの勢力下に入っても距離的リスクに関しては50歩100歩でしかなく死活的重要性がありません。
どこの国も朝鮮半島については、それほど重視しなくなっている・・あまりうるさいことを言うなら放っておけば良いというのが、関係国みんなの共通認識になりつつあります。
中国でさえもあまり恩知らずに言いがかり的要求を続ける北朝鮮に愛想を着かし始めて距離を置きつつあることは周知のとおりです。
地政学的距離感の変化を韓国は分っているのか分らないで威張っているのか知りませんが、この焦りが却って反日意識を激しくしているのかも知りません。
日本から見ると韓国は反日だけやっていると思っている方が多いと思いますが、反米だけではなく、スポーツをやれば対戦相手と満遍なく喧嘩する・・外国移住・国外脱出熱が盛んですが移住先でそこの住民と悶着を起こすので、結果的にどこの国でも最も嫌われているのが韓国人気質です。
元々相手の文化が自分より優れていれば、大金を投じて留学生を送ってでも,あるいは高給を払ってでも優秀な人材を招聘(明治のお抱え外国人など)するなど積極的に受入れるのが普通の民族の姿です。
韓国では逆に相手が優れていることを理由に、文化輸入を禁止して来たこと自体が世界でも稀な異常な対応でした。
正々堂々と日本から学ぼうと言わずに、こっそり日本大手企業の技術者を引き抜きあるいは日本文化を盗み、これが元々自国文化だと国民に嘘を教えようとするから、韓国の歴史認識は世界中でファンタジーと揶揄されるようになっていて誰も相手にしない異様な結果になります。
この負い目があって、自国のでっち上げ歴史認識を相手に認めさせることが全ての交渉の出発点になるのですから、集団精神異常になったのではないかと疑う人が増えて来ました。

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