人民解放軍(北朝鮮)と核兵器保有

中国で現在保有している軍は外国と戦うために創設された軍ではなく、全部が国共内戦・共産党伸張・反対派鎮圧のために始まった軍です。
敵対していた国府軍がいなくなった後は国民の反抗鎮圧目的であれば、どんな反乱があっても民衆の持っている武器は知れているので、核兵器を国民に使う必要はないのですが、無用な長物を何故持っているのは、外国軍の介入を防ぐためにあると解釈すれば合理的です。
北朝鮮はアメリカと戦うために核兵器をほしがっているのではなく、反乱が頻発するようになって残酷な弾圧を始めたときに、悲惨な国民を救済するためにアメリカ軍あるいは外国軍が介入するのを防ぎたいのが本心です。
外国が介入さえしなければ、一般の重火器だけで簡単に鎮圧出来ます。
アメリカまたは諸外国の介入を防ぐにはどうしても核兵器が欲しい・・これさえあれば国内でどんな無茶しても介入されず将軍体制を永久的に維持出来るからです。
シリアの内乱が終息しないのは外国の介入がないからですが、アメリカが介入・・反政府側に武器援助すれば直ぐに解決でしょうが、それさえなければ民衆によるどんな激しい抵抗を受けても政府軍は怖いことがありません。
シリア政府はは核兵器を持っていないので、その命運がアメリカが介入する気になるか否かの意向次第になっているのですが、これが北朝鮮には怖いのです。
現在どんな小国でも軍備が強力ですので、外国軍の介入がない(直接介入がなくとも武器援助が重要)限りどんなに国民が苦しんでいても、反乱が頻発しても政府軍が負けることはありません。
どんなに民衆が苦しもうとも、核兵器を持つ中国に介入出来る国は今のところありません。
中国共産党政府は元々民衆の支持で成立している政府ではなく山賊のように公的組織を簒奪して出来た政権ですので、北朝鮮政府同様に自分の政権・利権さえ守れれば、国民の苦しみがどんなに募ろうともどこ吹く風?という体制です。
この点では、中国は北朝鮮の大型判であると常々書いているとおりです。
暴動が2011年に年間20万件だったのが今後40〜60万件に増えていっても・・政府にとっては暴動は減る方が良いでしょうが、・・暴動がいくら増えてもそれだけでは倒れません。
何しろ大躍進政策の失敗で5000万人も餓死してもびくともしなかったし、文化大革命でも大変な死者が出ましたが、体制には響かなかったのですから日本的意識からすれば不思議な国です。
元々、日本のように政府の存在意義が国民のためにあると言う歴史がなく、王朝のために国民は原材料・牛馬・今で言えば工場設備みたいな存在と言う意識で国民も慣れて来ましたから、国民にもこう言う政府のあり方にあまり不満がないのでしょう。
国民がいくら不満を持ってもびくともしない強固な体制・・中国では何千年単位で国民のための政治をしてきたことはないと割り切って来た変な?自信の歴史があるのですが、とは言え、出来るだけ国民の不満が少ない方が楽に決まっています。
政治経験がないことから、あれこれ(レアアース禁輸〜強制賃上げ/あるいは領土紛争等々)やればやるほど、その効果が出て来ると収拾のつかない状態に陥っているのが現状のようです。
難しいことが出来ないからと言って、強権弾圧ばかりで乗り切ろうとするのは智恵のない話ですから、にっちもさっちも行かなければ、先進経験・智恵のある国や人に相談するのが普通の智恵です。
この点では有史以来国民と仲良くやって来た日本に相談するのが正しい道ですが・・日本はどんなときでも(相手が困っているからと付け入るような国ではありません・・)真摯に相談に乗る国ですが、困っていると見れば付け入ることしか経験のない国にとっては相談するのは怖かったのでしょう。
先人の知恵を借りる能力もなくて、困り切ったので逆方向に進んでしまったのが、中国であり韓国の最近の行動原理になります。
我々弁護士の世界で言えば相談してから行動すれば良いのに,自分の考えででいろいろやって収集つかなくなってから来る人がいます。
韓国の場合も専制君主制の政治しか知らない・・国民の福利など考えたこともない政体で来ましたので、世界中に売春婦が出稼ぎに行く大恥国家・・格差社会の極致になってしまっています。
国内政治がにっちもさっちもいかなくなったので、韓国は既に実行支配中で具体的にもめ事が起きていなかった竹島に敢えて大統領が上陸して日本を刺激した上で、天皇侮辱発言までしたので、相談に乗ってもらうべき日本を完全に怒らせてしまいました。

腐敗政治と最低賃金引き上げ2(暴動の頻発1)

最低賃金引き上げに成功して中国で仮に月額数千円賃金を引き上げても、流入した巨額外資(約1000億ドル)を地方幹部やその上の大幹部が懐に入れたままでは、農地を取り上げられて流民化(農民が都市に追い出されて農民工になっても都市戸籍を貰えない差別があります)してしまっている国民の不満が収まらないでしょう。
ところが、共産党幹部の腐敗政治をやめさせられないので、(これを本気でやると政府首脳の命取りになるので保身のために手をつけられないのが実態です)外資に賃上げを無理に飲ませることにしたのですが、こうなると採算が取れない外資だけではなく国内資本までも国外に逃げ始めます。
その結果、工場閉鎖の続出→失業増大・・あるいは新卒学卒の就職難(・・大卒のネズミ族の発生)で不満が極限に達している・・国内政治がどうにもならなくなっているのが中国政治の現状です。
中国では2011年度には年間に発生した暴動(無許可デモ→一般的には暴力事件に発展して問答無用で収監されますが・・)が20万件(公表データですから実際にはもっと多いでしょう)という日本では想像を絶する数字が発表されています・・殆ど中国歴代王朝政権末期の状態になっています。
タマタマうろ覚えだった暴動件数をサーチしてみたら、以下の文章が見つかりました。
暴動件数だけではなく、最低賃金引き上げに関しても私同様の関心で書いていることが分ります。
(私一人の意見ではなさそうですので安心したと同時に、人が先に書いていたのには驚きました。
ただし私の意見は賃上げの結果、企業が海外に逃げて、失業が増え政府は余計困難な状態になりつつあると言う点に重点があります。)
以下は下記ネットからの引用です。

◆中国の暴動・デモ1日548件 公安費予算9.1兆で国防費上回る
http://news.ameba.jp/20120528-401/
中国政府が、賃金は市場経済で決まるという原則を無視してまで、賃金を上げようとしている理由は、民衆蜂起を恐れているからだ。
中国各地では、貧富の差の拡大や役人の腐敗・汚職に怒った民衆の暴動やデモ(…群体性事件)が頻発しており、昨年は約20万件に達したという情報もある。
なんと1日当たり548件。
収拾不能な数字である。
このため、それを取り締まる公安費(公共安全費)が2010年以降、膨張を続ける国防費をも上回るという異常事態になっている。
2012年予算では公安費が7018億元(約9兆1000億円)、国防費が6703億元(約8兆7000億円)。
もはや公安は公共の安全を守る組織ではなく“民衆蜂起から不正官僚を守る”ための組織に成り下がってしまった観がある。
ことほどさように民衆蜂起の危険性が高まっているため、政府は民衆の怒りを和らげようと、企業にシワ寄せをしているわけだ。
だが、暴動やデモが頻発している背景には、賃上げだけでは解決できない国民の鬱積した不満がある。」

以上のように現共産党政権は現地歴代王朝末期より酷い状態にあるのですが、May 2, 2013「中国共産党→中国政府→人民3(モラルなき社会)」で書いたように近代装備の政府軍・・中国の場合、軍+公安部隊は強大です。
上記コラムでも書きましたが、中国の場合外国から守るための国防軍は存在せず、共産党の私兵=人民解放軍が中国全土を占領したままですから、いずれも共産党を守り、強制するための組織・・対国内戦争用です。
(ここ数年海軍に力を入れていますが、陸軍中心で来た意味が分かるでしょう)
・・・・人民解放という内戦向きの軍・・国内で敵対する相手と戦う軍しか存在しない・・国府軍を台湾に追い払った後には敵は国民しかいないのにまだ軍があると言うギャグのような組織のママですから、上記ネット意見では軍より公安予算の方が大きいと書いていますが、そもそも公安部隊と人民解放軍との区別が論理的には存在しません。
元々国民対策用強制装置の内、公安の方が情報収集や民間を下部組織として使うようになっている違いに過ぎません。
江戸時代にもとは対外戦闘用であった武士が治安を担当するようになって「寄り騎」→与力制度が生まれたと書いたことがありましたが、中国ではこの逆の成長をして来たのです。

腐敗政治と最低賃金引き上げ1 

中国深圳あたりの労働者の平均賃金が月額2〜3万円で(こうした大企業に勤められるのは恵まれた方です)他方で共産党幹部の蓄財が数千億から兆単位というのでは、国民が怒り出すのは当然です。
格差拡大の酷さ・・裸官の実態がネットで暴露されるようになって、政権の正当性を揺るがす事態になって来たので、ここ数年共産党政府は労働者手取りの底上げのために強制的な最低賃金引き上げに動き出しています。
そうなると低賃金を当てにして成り立っている産業(外資に限らず国内資本も)はやって行けないのでベトナム等に逃げて行きます。
日本マスコミでは、低賃金では人が集まり難くなっていると如何にも自然現象のごとく最低賃金の強制引き揚げ政策を擁護していますが、膨大な失業者がいるし農村部にはその何分の1の収入もない人が億単位でいる・・・もっと低賃金でも働きたい予備軍が無限にいるのですから、そんな経済現象はまだまだ先の話し筈です。
元々最低賃金制は市場原理に委ねると最低生活も出来ない人が出て来るから、制度上最低賃金を強制する制度ですから市場の需給で決まるものではありません。
実際深圳周辺のどこかの市では中央で決められた最低賃金の方針を実施しない市(地方政府)もあるようですから、経済原理に反した強制は地域経済に深刻なダメージを与えているようです。
日本でも解雇規制が強過ぎたり、非正規雇用を法で規制すると却って失業者が増えるのと同じで、経済を権力で規制すると無理が出ます。
中国では失業率等の統計自体あてにならないですが、幹部の汚職に対する不満解消のために最低低賃金引き上げに動いた結果、国外移転の加速→工場閉鎖の頻発→大量失業発生によって、大変な事態に陥り始めている筈です。
深圳等で閉鎖された大規模工場の報道が以前には結構ありましたが、尖閣諸島問題で日中紛争が始まると、その後日本のマスコミでは中国に都合の悪いこの種の現場報道が何故か全くなくなりました。
大卒の就職率・失業率(ネズミ族等)その他、中韓の不利な情報・・社会の暗部に関するテーマの情報でも、(データが当てにならないまでも)以前一杯あったのに、最近では何故か大手マスコミから全く姿を消しています。
中国の暗部をテーマ化して報道しないまでも単発的報道・・例えばシャープへの出資交渉で有名になった受託製造大手の台湾の鴻海グループが中国で経営する受託製造工場を縮小・閉鎖する方向になっているなど、同社や個別企業動向として結果的にマスコミにパラパラと出て来ています。
中国の場合、人海戦術の国ですから1つの受託製造工場に5〜6000人もいるのはざらですから、これが1〜2つ閉鎖するだけでも日本では想像のつかないほどの大規模失業が発生します。
賃上げが経済現象として起きるならば、それだけの生産性が挙がっている証拠ですから無理がないのですが、生産性の上昇がないのに賄賂・腐敗政治に対する不満解消のために最低賃金を権力的に引き上げて誤摩化そうとすると、却って職場が減るなど経済的に無理が出るし国民の納得性も低いでしょう。
格差社会になっている点はアメリカと似ていますが、プレスリーやジョブスなどは、自力で稼いだものですが・・、激しい腐敗による超格差社会になっている中国とはその成り立ちが違います。
共産党幹部の腐敗に対する国内不満をなくすには、日本が近郊農民を土地成金として豊かにし、過疎地に何十年も国費を投入して来たように、地方政府や幹部の収賄・・・これこそ共産主義者の好きな「搾取」そのものです・・をやめて、外資が入れば地元民に恩恵がそのまま行き渡るようにするのが先ず第一の王道です。
外資が入って来て地元のただみたいな土地が高額で売れた場合、タマタマ地元で原油が沸いて採掘料金を取れるようになったのと同じで、外資による資金取得は一種の不労所得です。
中国の最低賃金引き上げ命令は、原油利権料をアラブ王族が独り占めしていることによって民衆の不満がたまってきたからと言う理由で、(石油掘削会社に勤める現地人は国民の一部でしかないのに)国際石油資本の現場労働者の賃金引き揚げを求めているようなものです。
共産党幹部の得ている利権料収入・・中国への外資流入は年間1000億ドル=約10兆円・・を国民に分配することこそが国民不満解消の王道です。

中国への外資流入と共産党幹部の錬金術

中国では過去数十年に渡って継続的に流入した潤沢な資金によって(労せずして入って来る金ですから・・)無茶苦茶な採算度外視の投資がはびこっているし、国策遂行のためには実態に反した対外宣伝工作資金として潤沢な資金をドンドン使える構図になっていました。
中国への外資流入と言うとそのお金は外資系企業等外国企業だけが自分で自由に使う・・中国人が自由に使えない資金ではないかと誤解し勝ちです。
また、直ぐ引き上げられそうなイメージですが、日本の都市近郊農家が土地成金になったイメージで考えれば分りよいと思います。
外資が工場用地等を買ったらその資金は売り主・・中国の場合地方政府に入ります。
その資金は借りたものではなく、売った代金ですから、売り主・日本で言えば工場用地等として農地を売った近郊農家が自由に使える資金です。
所謂長期投資した外資が資金を中国から引き上げるには購入した工場用地や工場設備・・スーパー等の店舗を売り払うしかありませんが、もとの農家が買い戻すことはあり得ない・・採算が取れない状態になって売ろうとすると二束三文になるのは当然です。
外資流入の比喩として日本近郊農家の例を書いてきましたが、奇しくも中国の場合地方政府が土地から農民を追い出すことによる錬金術で得た資金で無駄な支出を繰り返し、共産党幹部がその過程で私腹を肥やすのが一般的であると報道されていることが参考になるでしょう。
日本の場合個々の近郊農家に土地代金として巨額資金が入り近郊農家の生活水準嵩上げに繋がりましたが、中国の場合、農家を(都市戸籍のない流民扱いの)農民工として都会へ追い出して地方政府=共産党地方幹部の私腹を肥やす方向へ走ってしまいました。
勿論これの上納システムが働く結果、中央の大幹部一人当たり何千億というヤミの私財蓄積が可能になる仕組みが出来上がっています。
戦後日本では都市に職場があってその需要に引っ張られて、金の卵と言われて中卒、高卒の人材が都会に出たのですが、イギリスも中国も職場の有無にかかわらずその前に貴族や地方政府の金儲けのために、先ずは農民の追い出しから始まった点がすごい違いです。
エンクロージャーで農民を追い出して都市労働者の供給源を作った点ではイギリスの動きと同じですが、イギリスはこれで羊毛の大量生産に繋がりましたが、中国では土地を売るのが目的ですから、裏金(賄賂)の蓄積と海外資金逃避になっただけで今のところ終わりそうです。
羊毛産地になる代わり日本等の工場進出・・工場用地になっているとも言えますが・・・。
日本では高度成長による労働者不足が先にあって、集団就職列車が仕立てられた結果金の卵と大事にされましたが、中国では先に貧困者の都市放出があってのことですから、順序の違いが末端労働者の実質的地位に与える影響は大きかったでしょう。
ネズミ族と言われる貧困状態にある多数労働者と一人当たり何千億円という目もくらむような巨額裏金をアメリカ等へ逃避預金していてイザというときの逃走資金にしているエリート層に大きく分裂しているのが、中国の実像です。
勿論お金だけ海外に逃がしているのではなく、高官の子女も例外なく海外に逃がしているので所謂「裸官」という熟語さえ生まれて来ました。
外国からの資金流入が細ると従来の錬金術が使えなくなり、ゴーストタウンを作ったり乗客がいるかいないかにお構いなしに鉄道網拡大等をする無駄な内需拡大や後進国援助は難しくなります。
中国の対外威圧用に年々ふくれあがる巨額軍事費や後進国援助資金の内実は、実は日本等の外資の化けたものです。
これが出来なくなると、名目上のGDP上昇も急落するでしょう。

外資流入減3と中国経済

国内の無駄な投資の繰り返し・・例えば、無理してオリンピックを開催したが高い料金を払ってまでの入場者がいないので、兵士を動員して強制的に満席を演出する・・新幹線を作っても乗客がいない・・鬼城というゴーストタウンの建設・・建てたばかりの高層ビルが直ぐに倒壊するなど・・こうした無駄な投資の繰り返しが可能になっているのは、外資が入って土地代や設備工事代として資金が人民元に変換されているから出来たことです。
土地成金のどら息子が無駄遣いしているような状態で来たのが、最近までの中国経済でした。
無駄な工事等でも名目上のGDPが上がるし、最末端の最低時給労働で作った製品でも輸出額となれば完成商品額になるので一見膨らみます。
これらを集計して(その集計自体信用出来ないのですが・・・仮に信用出来るとしても)日本を追い越したと自慢しています。
本当に国際競争力のある企業ほど、その実力に比例して国外生産比率が上がって来ているのですが、この時代に国内総生産額を集計しても国力や発展性のメルクマールにはなりません。
ましてや重要部品を輸入して最末端の組み立て工程だけやっていて、最終製品出荷額で威張っていても意味がありません。
日本企業は最末端商品生産国としての中国が駄目なら他所で作れば良いだけですから、(最低レベルの工場なら世界中どこでも立地できますので)大して困りませんが、逃げられた中国では大規模な失業が発生します。
中国では昨夏の尖閣諸島問題以降日本車販売が不振のままです。
これの理由として「日本車の魅力がなくなったからだ」というマスコミ解説が多いのですが、それが本当ならば、中国以外でも販売不振でなければおかしいことになりますが、昨年来中国以外では日本車が最高に売れて売れまくっている説明にはなりません。
所謂「特アグループは放っておけば良い」と言う、ネトウヨの言うとおりになっています。
日本のマスコミは中韓と意見対立すると世界の孤児になるといつも言っていましたが、実際に世界の孤児になっているのは中韓の方です。
部品を輸入してその最終組み立て工程だけ担当して、出荷額が大きいと言っても出荷価格の90〜99%が仕入れ価格であれば、組み立て工場のある現地経済にとって僅か数%〜10%の取り分のために大量の人員を振り向けてそれでも仕事があってあり難いという程度の意味でしかありません。
世界経済の趨勢としては最終製品を組み立てて作る企業は、最低賃金・後進国に委ねるしかないことを以前書いたことがあります。
その意味では自前での最終製品製造にこだわっている日本国内家電産業系が、軒並み不振に陥っているのは当然のことであって異とするにはあたりません。
東レやクラレなど繊維系が日米繊維交渉の後に高機能繊維に特化して世界企業として成功していることを以前書いたことがありますが、電機系も高級部品産業化して行くしかないでしょう。
部品生産になって行くと言っても、炭素繊維のように素材に特化する・・半導体とか液晶という中間部品ではなく、そのまた素材に特化して行くべきです。
中国では輸入した部品を組み立てる最終分野中心ですから、表向きの出荷額は最大ですが、利幅・・付加価値がもの凄く薄い・・低人件費が特徴です。
中国輸出企業が僅かのマージン差で稼いだ貴重な資金で無駄な投資を続けていたら、たちまち倒産ですが、中国の場合は毎年1000億ドルもの外資が流入していたことをこの後で紹介します。
外資は工場用地取得費や工場設備新設費等として全額使います(使うために持ち込むのですから当然です)ので、個人で言えば、土地成金が毎年のように1000億ドルも土地を売って得た資金でそれで無駄遣い・・豪邸やアパート(テナントが入る見込みがなくても借金ではないので気楽です)を建てて来たような状態が中国では続いて来たとしたら合点が行くでしょう。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC