安倍政権の主張は大胆な金融緩和、財政出動・成長戦略の三本の矢らしいですが、これは飽くまで国内経済政策の問題ですし、多分円安には何の関係もないどころか逆でしょう。
もしもアベノミクス(とは何かがまだよく分っていませんが・・・)が成功して本当に日本の経済力が力強く復興する期待が国際経済社会にあれば、日本経済の評価が上がる・・その先取りとして円は上がる局面になる筈です。
安倍政策の効果を見定めた結果円安になったとすれば、アベノミクスでは貿易赤字の解消は期待出来ない・・もっと赤字が続くだろうという予想があって、円安に振れ始めたと見るべきです。
円安の始まりは長期的大幅赤字継続に陥りそうと言う見通し・・貿易赤字の始まりの結果ですし、国際社会がこれに文句言うのはおかしいと言うことで、ドイツの批判が今のところ収まったに過ぎませんで。
ところが、マスコミは国内政策にケチをつけるのはおかしいという論理がG20で認められて円安批判が収まったかのように、現政権に迎合して(多分虚偽?)報道しています。
「国内政治なら何をしようと文句言えない」などという幼稚な論理が国際社会でまかり通ることはあり得ません。
これが通ったかのごときマスコミ報道は、国内向けに円安潮流が安倍政権の成果であるかのような政権迎合放送をして来た現状に辻褄を合わせたものでしょう。
マスコミは安倍政権支持者によるマスコミ批判に恐れをなしていて、今度は安倍政権に迎合して虚偽報道をして国民を欺いている点では、従来の中国寄り/あるいは韓流報道に傾斜していたのと根っこ・・いつも時流に乗るスタンである点が同じです。
しかし、国際社会が批判出来ないのは、安倍政権の政策によって生じた円安ではなく、市場原理によるものだから文句の付けようがなかったという事実の重みに過ぎません。
逆にマスコミの言うように国内政治の結果・・安倍政権の政策効果であれば、影響を受ける国が「何とかしてくれ」という国際協調上の主張が生じます。
住宅街で言えば、ビニールやプラスチックス系のゴミを燃やしてくさい臭いをまき散らしたり、大音響で騒ぐのが自分の庭でやっているからこそ許されないように、(隣の公園で発生している音響や臭気ならば私の内には関係ありませんと言えば済みます)国際社会にも交際があります。
中国がいくら公害を周辺にまき散らそうと第一次的には国内政治には違いないですが、中国が自分でやるべきことだからこそ、周辺が不満を持つようになるのです。
政治というのは国内政治に決まっていますから、「国内政治ならば周辺にいくら迷惑をかけても何をやっても良いという論理がある」かのようなマスコミ報道は(朝鮮風意識に毒されてしまっている?)間違いです。
中国のように何があっても(毒餃子でもレーダー照射でも)鉄面皮に否認し尽くす・・日本から公害が飛んで来ているなどという真反対の主張までしてしまう国ならば別ですが・・・。
中国みたいな独善主義の国でさえも、大気汚染は自分の国内政治の結果である以上は嘘でも何らかの言い訳・・宣伝が必要になっているのです。
やはり一番完璧な責任回避論は、自分に関係ないという主張であって、「自分のやったことにつべこべ言うな!」という(開き直り)主張を麻生氏がしていたとしたら最低の政治家です。
市場原理に反して円安誘導を目的にして国内政治をやって、もしもその効果が出ているならば、国際協調を重んじる国に対しては外国もこれに文句を付けて(迷惑行為を)「いい加減にしてくれよ!」というチャンスがあります。
昨年末からの円安現象は日本の政策期待の結果によるのではなく、巨額国際収支赤字が一定期間継続しそうなトレンドに市場が反応した結果、円が安くなっているに過ぎない・・今日のコラム冒頭に書いたように、安倍政策に期待出来ないことによって円が下がったとすれば、「もっとしっかりしてくれ」という注文・激励するしかないでしょう・・から、どこの国も現在の円安トレンドに文句を付けられなかったに過ぎません。