年金支給資金不足問題は、本来積立て基金運営者の責任問題・・住宅ローンなどで多かった低金利の年金融資もその一つですが、高金利時代にバカ安い金利で流用して来た結果穴があいているのではないでしょうか?・・これの妥当性の検証が必要です。
これに対する正面からの議論を避けて、少子高齢化に責任転嫁しているから出口のない議論になっています。
2月2日にどこかの学者が、今の高齢者は(一定年齢合計かモデル個人の数字か、単位も億単位かの単位を聞き漏らしましたが・・)3500くらい積んで6000くらい貰うから不当に利得していて、若者は逆に掛けるより貰う方が少ないから損だと如何にもワケ知り顔で解説していました。
しかしこの論法は一見尤もそうですし、大分前から一般に流布している議論ですが、実はおかしな議論です。
高度成長期に原因する高金利時代であった30年も40年も前から積み立てた結果、(私たちが結婚した頃には高金利時代で、信託銀行に預けると複利計算の結果10年でほぼ2倍になって返って来る時代でした)元金以上に(それも一度ではなく2〜30年かけてちびちびと)貰うのが何故不当なのですか?と言う子供っぽい視点での議論の必要性です。
仮に期中金利を考えなかったとしても、前記の約2倍貰うという数字の意味が(自分の給与天引きされた分の2倍という意味か企業負担分を含めて2倍なのか)はっきりしませんが、厚生年金の場合、企業負担がほぼ同額ですから、給与天引き分のちょうど2倍貰っても貰い過ぎではありません。
企業負担は従業員が働いてこそ負担してくれるものですから、一種の労賃の変形であって次世代から貰っているものではありません。
3〜40年後になって積み立てた合計と運が良くて同額(悪くするとそれ以下)しか貰えないと始めっから説明されていれば、苦しい中を積み立てる人は殆どいなかったでしょう。
殆どの人がマスコミの洗脳によって意識が曇らされていますが、これを取り除いて素直に子どもの心で考えれば、高金利時代に長期積み立てをしていて2倍程度しかくれないのでは少なすぎる・・「誰か使い込んだのか運用ミスをしたのか責任をはっきりして欲しい」くらいの感覚の人の方がむしろ多いのではないでしょうか。
関係者の責任をはっきりさせるべきはさせた上で
1 「払えないものは仕方ない・・今後はちゃんと運用するシステムを整備してくれたら良い」
ことにするか、
2(厳しい新基準を策定している原発最稼働の可否の議論のように)「新運用基準で今度こそまじめにやる」と言っても、最早信用出来ないから政府には任せられない・・。
となるかどちらかです。
今更「今後まじめにやります」と言っても再び結果が出るのは3〜40年先の受給時ですから、おいそれとは信用出来ないでしょうから、自分で民間契約で自衛する方向へ行く人が増えています。
どうせ何をやっても政府年金を信用してもらう見込みがないのだから責任をとる人を出すような議論をしても仕方がないという開き直りが政府の方針でしょうか。
話が飛びますが、原発事故では、あれだけの大事故大損害を国民に与えておきながら、これまで安全だと言い張って推進して来た政府や関係者の誰も責任を取らないままです。
工場やビルのちょっとした爆発等の事故でも警察や検察の捜査がつきものですし、金融システム等を揺るがす大事件では殆どの場合経営者が起訴されています。
今回は桁違いに大きな被害が生じているのに、検察・警察の動き調査すらする気がないのが不思議です。
このところ検察の捜査ではポカが続き過ぎていて、マトモに大きな事件をやる能力が低下しているのではないでしょうか?
一人二人殺せば殺人犯だが戦場で多数を殺せば英雄になるという格言に従って、検察は巨悪を見逃す方針にしたのでしょうか?