信義を守る世界2

アメリカが小国の核兵器保有熱を冷ましたければ、経済制裁等腕力によるのではなく、自らが核兵器を持たない国に対する武力行使(通常兵器による場合を含めて)その他腕力による強制を抑制する姿勢を示すことが先決です。
勿論中国も理不尽な武力行使を控える姿勢を示すことが必要ですが、意識が約100年遅れている中国には難しいことでしょう。
それでも世界平和のためには、憲法前文の精神・・国際信義の存在を信じて行く・・を普遍化するには、世界統一政府が出来るまでは不正品・不正行為その他の解決は、市場経済原理(条約・商道徳を守らない国に対しては取引を縮小するなど)で解決して行くのが正しい選択です。
信義だけに頼るやり方では悪いことをしてもマイナス効果が出るには時間がかかりマドロッコしいですが、縄文以前の昔から濃密な人間関係でやって来た日本ではこれ・・長期的な信義を重んじる価値観道徳が実現しています。
ここ数日前からある刑事事件を担当していますが、共犯者は幼なじみ同士で母親も知り合いという関係ですが、どちらもうちの子の方が悪いという態度で相手に責任を押し付けるようなことはありません。
刑事事件では最近の若い弁護士の立場ではアメリカ風に共犯者同士で戦う・・・相手が主役で自分が脇役と主張して行くのが普通ですが、本来の日本の美風では「俺が責任を取る」と先に言う方が尊重されていました。
友人と食事した後に自分の方が払うと言い、お金の払い合いの競争があり、その後でおつりを受け取る受け取らないの競争があって、結構大変だという記事が今日の日経新聞にも出ていました。
日本では相手が払ってくれるのをそのまま知らん顔して待っていれば、得するという態度は許されません。
上記刑事事件の示談でも同じ光景でした。
被害者は品物がそっくり返って来たので窃盗被害自体は1円もないのすが、営業が中断されたり警察に呼び出されて聴取されたりしてかなりの迷惑がかかっているのですが、被害者の方からいくら弁償してくれとは言えないのが日本的美風です。
犯人側(弁護士)の方から、「ご迷惑をおかけしましたのでこの辺で・・」という解決金を包んで行って相手も「お金まで要らないんだけどなあ・・」という所で、「ま、そう言わずにお受け取り下さい」の繰り返しで示談が成立しました。
日本社会の美風は自分から要求するのはハシタナイと言うか仕方なしに受け取る・・あるいはレストランの会計の場で何回か押し問答をした挙げ句に「ではお言葉に甘えてごちそうになる」というパターンになっています。
これを国際関係に及ぼしても、債務不履行・約束を破ったからと言って、短絡的に法による強制→武力侵攻するのではなく、デフォルトする国には今後物やサービスを売らない・・今後お付き合は遠慮しますという個人破産と似たような態度で臨めば良いことです。
今回中国の反日暴動に対して、邦人保護のためと称して戦前のように軍隊を出さずに今後は中国への経済進出・技術協力を抑制する・・・信用毀損行為があれば、それに応じた行動をとれば足ります。
少しでも損をすれば直ぐに何らかの仕返しを主張する右翼の言動は、アメリカや中国等の文化度の低い国と日本を同じレベルに落としてしまうことで恥ずかしいことです。
日本を除くすべての国が小学生レベルの短絡的行動レベルであると繰り返し書いてきましたが、マスコミはこうした短絡的見え透いた行動を「戦略的行動力」と絶賛し、日本の政治家にはこれががないと批判していますが、見え透いた行動を戦略的と賞賛するマスコミ人の意識自体・・レベルの低い話です。

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