鉱物資源で生活する社会3(ナウル共和国)

今の中国で戦略的に主張している希土類と同じで、誰も見向きもしなかったしょうもないものが科学技術の発達によって、イキナリ脚光を浴びることが有ります。
これの1世紀くらい前の原初版と言うところでしょか?
鳥の糞の堆積物であるリン鉱石が、化学肥料等の発達で注目を集め高額で取引されるようになって、燐鉱石の採掘権益が生じました。
その権益収入だけで国民全員(と言っても1万数千人程度)が生活出来るようになり、公務員のみならず国民は年齢に応じて一定の給付金を得られることとなって全員が遊んで暮らして行けるようになったそうです。
リン鉱石の採掘作業は外国企業と外国人労働者に委ねて、全国民(と言っても1万数千人)が遊んで暮らしていたのですが、80年ほどで資源・リン鉱石(鳥の糞の堆積物ですから当たり前です)が枯渇してしまい、いきなり無収入になってしまったそうです。
燐鉱石がなくなって収入ゼロになったのですが、国民は遊び暮らすのに馴れてしまって勤労意欲がなくなってしまい、最貧国になっても何の仕事もできなくなってしまいました。
先祖伝来の漁法も忘れてしまって誰も何も出来ません。
どうにもならなくなったことから、避難民を受け入れることでオーストラリアか、国際機関からその代償金を支給されて何とか食いつないでいるらしいです。
この点資源国でもアラブ産油国は、王族以外の庶民は働かないと駄目らしい・・貧富格差が激しいので、却って庶民の勤労意欲までは喪失していないらしい様子です。
格差の大きい社会も捨てたものではないと言えるのでしょうか?
アラブ産油国も、自国民があまり働かず外国人労働者に大きく依存している点では共通の問題があります。
我が国は昔から金の産出国として(黄金の国ジパングとして)有名なことはマルコポーロの東方見聞録を通して誰でも知っている通りですが、金だけではなく、銀の方も戦か国時代末期から江戸時代の初め頃に掛けては我が国は銀の輸出で潤っていました。
日本の当時の銀輸出量は年間200トンと言われ、当時の世界総生産量は新大陸の鉱山開発によって激増していたにも拘らずもまだ年間400トン前後しかなかったと言われ
ますので、(いろんな意見が有ります)日本の銀生産量(全部輸出していたのでは有りません)の膨大さが分るでしょう。
新大陸の鉱山開発前の石見銀山を中心とする我が国の生産量は世界生産量の3分の2を占めていたと言われます。
(今のようにきっちりした統計のない時代ですので、人によっては半分という人もいますし、3分の1という人もあるなどいろいろですが、いずれにせよ莫大な銀の輸出国であったことは間違いがないでしょう)
日本は金銀の輸出で今のアラブ産油国並みのぼろ儲けの時代が何百年も(マルコポーロの時代から数えても大変な期間です)続いていたのですが、怠ける方には行かなかったのは歴史上唯一の例外でしょう。

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