全食品の検査1

いろいろな原爆症があっても因果関係が今の学問ではよく分らないから、・・と言うだけの安心感ですから、何十年かしたらそれは放射性物質のせいだったと分るようになるリスクにみんなおびえてるのです。
スモンもイタイイタイ病も最初は原因不明だったのです。
2〜30年して何故だるいのか原因が分かっても手遅れです。
産地ごとに原乳段階で検査してみて、もしも一定以上の放射性物質が出ると東電の補償・賠償対象が増えるだけではなく、全国的パニックになるので、この検査をしないようにしているのかも知れません。
牛肉ステーキは年に何回も食べないし、焼き肉レストランも嗜好の問題ですから当面(後記の通り放射能拡散は一応収まっていますので半年もすれば検査しても出なくなるでしょう)行かなくとも済みますので、(焼き肉レストランにとっては死活問題ですが・・・)牛肉からセシュームが出てもそれほど危機感を感じませんが、(焼き肉レストランは半年も客が来なければピンチですが・・・)牛乳は準必需品・・好みの問題を越えているうえに毎日飲むので蓄積する怖さがあります。
鈍感な私でも牛乳に関しては毎朝飲んでいるので深刻な危機感を感じますので、牛乳・原乳段階での検査をして汚染があるのかないのかはっきりさせて欲しいと言う関心でこのテーマになっています。
検査した結果、茨城以北の牛乳が(もしかして鶏肉や鶏卵豚の肉なども含めて)仮に全部駄目になったら、電力の15%節電(・・エスカレーターが停まるなど大変でしたが・・)どころの騒ぎではありません。
東京電力の電気が100%来なくなって全量中部電力や関西電力の融通に頼るような事態が起きた場合と同じ騒ぎとなります。
稲藁を食べた牛肉から許容量の3倍以上の放射性物質が出ていることから、その地域の肉牛は全頭検査することになったのに、同じ地域の(稲藁を少しでも食べたり牧草を食べた)牛から出た牛乳には問題ない・・検査する必要がないという論理は、理解不能ではないでしょうか?
人間で言えば肉を切り取って(生検)検査したらセシュームが出るが、母乳や尿検査ではよほどの場合でないと出ない筈という論理を強調するのに似ています。
それなら体内吸収・被曝を知るために何故子供の尿検査をしているのか、尿検査しても体内吸収の有無が分らないどころか、結果が出た時には手遅れになります。
体内蓄積が進む前に尿や母乳の方に早く出る傾向があるからこそ、尿検査で済ましているのではないでしょうか?
「検査しないなら怖くて飲めない」といういわゆる風評被害(データ秘匿によるもので消費者の正当な自衛行動です)が発生するのが普通ですが、政府や業者の方は牛乳は準必需品だから風評が起きようが起きまいが、消費者が牛乳を飲まないわけにはいかないだろう式の強気の読みがあるのでしょう。
牛乳は全国的なブレンド可能ですので、関東・東北の牛乳を購入しない選択が困難ですし、ミネラル水のように海外から購入することも出来ないことを見越しているのです。
・・どんな批判があっても無視して(秘密に検査していて、結果が出なくなる・時間切れになるまで公表しないで)押し切るつもりなのかもしれません。
牧草や現地の野菜に付着した放射性物質は、水素爆発の直後が最大で以後次第に低下して行くので、ともかく半年くらい頑張ってから検査すれば許容濃度以下になるのを期待しているのです。
水道水汚染の場合は、ミネラル水が飛ぶように売れましたが、牛乳には(1年前に製造したスキムミルクを買うしかないのかな)代替品がありません。
政府業界が一体化して押しきって来た以上、放射能汚染の収まる半年くらいの間、牛乳を飲まないようにする選択肢しかなかったのでしょうか?
私は肉牛汚染の最初から、話がおかしいじゃないの?と疑っていたですが、それでもどうしょうもないので「薄まってれば良いか?」と自分を騙しながら牛乳を飲み続けて現在に至っています。

肉牛の全頭検査2

平成23年8月1日付き日経朝刊11面「農畜産物への影響調査」東大農学部調査では、原発から50キロ圏の郡山の水田土壌を5月半ばに調べたところ、放射性セシュウムが表面から深さ1センチで1kg当たり1万〜3万ベクレル、5センチで2000ベクレル、7センチ以上になると100ベクレルを下回った」と記載されています。
ちなみに政府は4月に1kg当たりセシュウムが5000ベクレルを越える水田の作付け制限を決めているそうです。(同日夕刊第1面)
小麦の調査では事故当時既に生育していた葉の表面に放射性セシュウムが1kg当たり110万ベクレルも付着していたのに事故後に新たに生えた穂先には468ベクレルしか付着していなかったようで、根から放射性物質を取り込む量は限定的な様子が窺われます。
これらを見ると一旦水田に沈下した放射性物質はそのまま留まっている時間が長く簡単に地下水にしみ込まないし、稲や麦等の作物にも吸収され難いようです。
8月1日の日経夕刊第1面では、千葉と栃木県では県下全市町村でもうすぐ収穫の始まる新米の放射能検査をすることになったと報じられていました。
8月13日現在での予備テストでは、千葉県各地の稲モミには汚染がなかったと報じられています。
この記事は7月頃に基本を書いて8月初め頃にその頃の新聞記事で補正したものですから、その頃の記事によリますが、その後放射性物質の報道が減って来てよく分らなくなりました。
汚染が減って来て報道価値がなくなった結果ならば良いですが、慣れが来ているとすれば怖いものです。
放射性物質は気持ちが馴れても、人間の耐性・抵抗力が増すものではありません。
100歩譲って牛だけの検査で良いとしても藁を食べたかどうかだけを基準にせずに、(乳牛には稲藁をやらないそうですが・・牧草は食べるでしょう)その地域の乳牛も含めて出荷前の全牛乳の検査こそ実施するべきです。
今後(6〜7月頃発覚後の話ですから今は全頭検査を終わったかな?)肉牛は出荷前に全頭検査するというのに、牛乳の出荷段階の原乳検査も何故一緒にしないのかと言う疑問です。
政府が何を言おうとも消費者は怖くて消費が減退してしまいますので、消費者に直接接する業者は敏感です。
私の家では牛乳を2カ所から購入しているのですが、その2カ所とも検査していると通知して来ています。
牛乳に関しては末端の消費者・・スーパー等が自主検査したとしても、そもそも市販されているのは原乳を大幅に薄めたものですし、そのうえ全国規模の業者(明治や森永、雪印など)が各地から集めた分をブレンドしてしまえば、消費者には訳が分からなくなる仕組みですから、末端でいくら検査しても出荷段階の本当のところは分りません。
訳が分からなくとも薄めた結果であろうとも結果的に「口にはいる時に」一定比率以上の放射性物質がなければ良いだろうというのが、政府の指導方針・論理なのでしょう。
しかし、一定率なら良いという学問的証明がされていなくて、ただ「この辺・・」と言う暫定値だけですから、国民は少しの放射能でも心配です。

 肉牛の全頭検査1

放射能汚染された野菜でも「洗えば大丈夫」と言う23年8月9日コラムでの説明との関連で、肉牛汚染問題について少し書いておきます。
(8月9日のコラムの下書き(6〜7月)のときに書いておいたのですが、話題が横へそれていました)
牛肉の放射性セシウム汚染は、牛に与えた稲藁を洗わないまま与えるものだから牛が体内に吸収してしまったという論法が流通していました。
これは、福島・栃木、宮城県周辺の野菜その他を食べても洗って食べているので、人間の体内吸収とは関係がないと言う説明が流布していることに辻褄を合わせたものと思われます・・・本当かな?
稲藁は、今年の5月頃に白河方面から購入したと言う肉牛出荷農家の説明でしたから、昨年秋に米を収穫してから、半年以上も農地に広げていたままで雨ざらしにしていたとすれば腐ってしまいますから、そう言う保管方法をとっていません。
稲を刈り取った後これをまとめて(私の子供頃の経験では積み上げた藁の上に同じわらで屋根を葺いておくのが普通でしたが・・・)今では長距離移動・販売していることから考えると自家使用目的ではなく、売り物・商品になっているようですから、昔のように田んぼにそのまま置いておかないで倉庫保管・商品管理していたものと見るべきでしょうし、そこまで行かなくとも少なくとも屋根を葺いて保管しているものです。
積み上げて雨ざらしにしていると直ぐに蒸れて腐ってしまいますので、昨年秋に刈り取った稲藁が翌年5月にお金を貰って売れるようなものであった筈がありません。
昨年秋に刈り取った稲藁が放射性物質で汚染していたとすれば、その原因が、空から降って来るチリによる汚染によるしかあり得ないことになります。
仮に倉庫に保管していなかったとしても、最低でも屋根がついていて直接濡れないようになっていた上に、積み上げて(表面積が少なく)ある(横に広がっているところに上から降るのではなく縦に積み上がっている外壁面の側面付着しかありません)ので、藁の表面汚染率は、運動場の土壌や雨ざらしの蔬菜類よりも極端に少ない筈です。
学校で言えば校舎の壁に付着している程度の汚染でしかない筈です。
大量に販売用に管理していた形から見ると、仮に倉庫に入れずに仮に田んぼに積み上げてあったとしても、餌になった稲藁の大部分は積み上げた内部のもので、外気に直接当たった部分はごく少なかったことになります。
にも拘らず、肉牛が稲藁を食べたことにより高濃度汚染したとすれば、外を歩き回って外気をそのまま吸い込む人間や野ざらしの牧草・野菜その他を食べる人間・その他の乳牛や畜産類(豚や鶏)はどうなっているのかの疑問が湧いて来ます。
倉庫に管理されていた稲藁からの汚染は微々たるものでしょうから、むしろ空気中に浮遊する放射性物質を吸入したり地域の水・餌(牧草その他)等を吸収したことがその原因の大部分を占めている可能性があります。
そうとすれば、藁を食べる牛に限定する理由がなく、汚染牛の出た周辺地域のあらゆる生産食物(穀物・蔬菜類)・豚や鶏肉・鶏卵などを検査する必要が出てきます。

労働分配率1(韓国民の悲劇)

前回労働分配率を少し書きましたが、ここで労働分配率や所得分配について少し触れておきます。
労働分配率が高い・低いと一口で言っても大方の傾向を見ることが出来るだけであって、経済学者の意見を読むと付加価値=何を母数にするか(金融収支も加えるかなど)の意見も違う上に、他方でそのときの雇用数は年々変わる・・失業者数や求職を諦めている人の数等による面もあって、たとえば景気が良くなって少し遅れて労働分配率が上がってもその多くは雇用数の増加によるものであって、個人個人で見れば給与が上がっている訳ではないなど複雑です。
労働分配率の議論は企業の経常利益総計とそこに従事する労働者総数の統計によるので、一人当たり賃金とは関係がないのです。
我が国では戦後労働分配率は一貫して上がり続けるトレンドで、最近は大方7割前後らしいですが(石油ショック直後とリーマンショック直後は例外)韓国の統計を見ると5割前後で推移していて、それが98年の通貨危機以降IMFの指導下で人件費比率の引き下げを断行して来たことから、1割くらい下がったままになっている様子です。
(一般的には、非正規雇用や下請けの悲惨さが報じられていますが・・私の知識では韓国のことは正確にはまだよく分ってません)
ただし、個人金融資産の内株式等有価証券の保有率が仮に高ければ、株主としての分配もあるので労働分配率だけが国民所得の分配の指標にはならないし、(最近の我が国では所得階層5分類の内下位から第2位の階層の株保有率が上位2番目に浮上しているそうですから、金持ちだけが株をやる時代ではありません)税による再配分や高齢化社会では年金制度の充実度(若年層から高齢層への所得移転)にも絡んで来るので、国民総所得の分配としては労働分配率だけで議論しても意味がはっきりしない印象です。
ちなみに韓国では以下の通りになっているので、労働分配率が下がっている外に、資本利益の半数が外国に持って行かれると国民は???となって不満がたまりはけ口としての日本攻撃や国外脱出熱が盛んになる訳です。
韓国ではウオンの急激な下落で通貨危機の再来が心配されるようになったので、今頃いきなり慰安婦問題を韓国が持ち出して来たこともこうした背景があるのでしょう。
以下は、るいネットに掲載されている吉国幹雄 ( 53 鹿児島 講師 )氏によるデータです。
4大銀行の外人持ち株比率は以下の通り。
1 国民銀行     78%
2 ハナ銀行     72%
3 外換銀行     72%
4 新韓銀行     63%
さらに、韓国の主要上場企業の外人持ち株比率は以下の通り。
1 サムスン     54%
2 現代自動車    49%
3 LG       37%
4 SK       49%
5 KT       49%
6 ポスコ      67%

ちなみに日本ではトヨタや東芝などの外国人株主比率は2006年頃には25〜26%だったらしいですが、最新の統計がないのですが一般的には約3割前後ではないかと言われているらしいです。
外国の年金その他がその名で買うのではなく、日本の◯◯トラストを通じて買うので、外国人比率は株主名簿だけでは正確には分りません。

 円高の原因2

東京メトロ株売却の話題から、国有資産売却の功罪・増税のメリットに関するテーマにそれてしまいましたが、もう一度9月28日の円高の続きに戻ります。
アメリカは日本の逆で1986年から純債務国に転落しています・・蓄積がない国となれば、サラ金地獄同様で借金はフロー収入から返すしかないので年収・GDPが重要な基準になります。
日本は純債権国になって久しく・豊富な外貨準備があるので仮に日本を標的に売り浴びせをしても日本が「じゃあ、外貨準備を取り崩す」となれば、売り浴びせている方の国の外貨が暴落する・・日本の円が上がる結果になるので、どこの国もそんな攻撃は仕掛けられません。
これが現在のところ(日本も将来純債務国に転落すれば話は別ですが・・)究極の避難先として円が選択される・・円高の根源です。
ところで、単に避難先としての臨時的な円高だけではなく、実際には、日本の場合長く続いたデフレ状態で、国内物価が大きく下がっているのに対し、アメリカなどかなりの割合で物価上昇していましたから、(中国でも最近では生活必需品の豚肉の値上がり率が14〜5%にもなっていると報道されています)購買力平価(理論値)で見れば、5〜6年前よりは実質的な円相場水準はまだ円安状態らしいですから、安過ぎている円相場の実力相応への収束過程も加わっていると見るのが正しいような感じです。
何故実力以上に円が安かったかと言えば、08/07/08「国際資本市場の条件1」その他あちこちで円キャリー取引のテーマで書いておきましたが、我が国だけがバブル崩壊後の処方箋として超低金利政策を続けてきたことによって、円キャリー取引が進み、経常収支黒字相当分以上の円の流出が続き、その分黒字累積分に対応するべき円高が押さえられ、流出の方が多かったので円が下落していたのです。
リーマンショック以降アメリカも低金利政策を採用したことによって、投資家が日本から金利の安い円を借りて持ち出すメリットがなくなったことにより・・アメリカへの資金環流システムが崩壊したので、今になってその帳尻合わせ・・復元過程になっているに過ぎません。
ジリジリと続く円高は、結果的に輸入価格を押し下げて行き、国内企業の(たとえば鉄鉱石や原油・天然ガス・食料など)仕入れ価格の低下を通じて、国内物価の低下を進め、国内製造業の製品価格を下げて国際競争力がつくので、長期的にみれば悪でも善でもありません。
人件費だけ下方硬直性があるので、結果的に人件費が割高になる・・裏から言えば、個々人への所得分配率が上がりますから、経営者にとっては苦しい・・これが円高に対する悲鳴の基本でしょうが、これは経済というよりは分配率がどうあるべきかの政治の問題です。
上記に加えてアメリカや中国その他諸外国では上記の通りインフレが進んでいたので、年々ドルや元の購買力が実質低下していたので、そのバランス回復過程との複合過程が最近の円高基調と言えます。
投機筋の思惑で短期的に下がり過ぎたり、上がり過ぎたりしても長期的には、購買力平価に落ち着くのが為替相場ですから、大騒ぎする必要がありません。
乱高下があると短期的には調子が狂いますが、長期的に見れば国の評価が上がっていることですから目出たいことであって、これを悲観するのは異常です。
円がドンドン下がって行き底が見えなくなる方が怖いでしょう。

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