避難用地取得のテーマで書いているうちに大分横にそれていましたが、仮に用地取得した場合を書いてきましょう。
予め土地取得して分譲予定の段階では、現実に住むようになるまで道路の形状の造成程度でとどめておくのが合理的です。
緊急時仮設住宅を建設する時に備えて道路造成と水(地下水のくみ上げ・濾過装置・水質検査など)や電気だけは予め引いておく必要がありますが・・・舗装までして何十年も放置していると駄目になるので、できるだけ陳腐化する投資はしない方が良いでしょう・・。
仮設住宅建設予定地あるいは生活利便設備建設予定地への進入道路予定地には、砂利を敷いて道路の形状だけ造っておけば、超期間経過で草ぼうぼうになっていてもイザとなった時にブルで地ならしをすれば、直ぐ仮設住宅・仮設店舗等の着工が出来ます。
自治体としては用地だけ確保しておいて、早めに別荘生活をしたい人は自分で好きな建物を建てて、順次移転を開始して行けば良いのです。
勿論一般商業的な分譲も拒まず、むしろその方面の客が来れば、その客向けの利便設備もそろい易いし、何かと便利です
政府から貰った巨額資金のうち約半分で用地取得や運営センターその他インフラ整備や管理費を賄うこととし、残り半分を個別分配資金として別荘建設・移転等補助金を出せば、(個人にとっては土地代がただですから、)のある程度(一般リゾート分譲地にあるグレード以上)の別荘向け木造家屋が建てられるでしょう。
こうして事故が起きる前から徐々に移転を促進しておけば、危険地域内住民自体が減少しているか、残っていた人でもイザとなっても自分の別荘に一時避難するだけで済みます。
事故発生時までに別荘用建物建築まで進まなかった人たちには、別荘村のセンター建物に(現在の体育館に寝泊まりする代わり)その他の施設に(林間学校用宿舎など)一時避難してもらい、その間に各戸あてに予定していた別荘用地に急いで仮設住宅を建設することになります。
(その費用は各戸あて分配すべき予定資金から控除となります)
徐々に別荘建築が進んでいる途中での放射能漏れ事故の場合、別荘村がある程度機能し始めて顧客向けのインフラ(コンビニ等各種設備)もある程度そろっているので、緊急避難者向けのちょっとした追加設備を造るだけで足りることになります。
私は20年以上前から八ヶ岳山麓の別荘村を開発しているリゾート会員になっていますが、(子供が大きくなってからは20年ほど別荘タイプのそこには行ってないので、今はどうなっているか不明ですが、そこでは長期滞在用に当初からミニスーパーも併設されていましたが、この姿をイメージして書いています。
放射能漏れ事故の場合、1〜2泊ではなく長期移転が前提ですから、避難先には食料品その他生活必需品の供給施設、教育施設(保育所から小中まで)や介護や医療、美容院、ドラグストアー、コンビにやスーパー等生活利便施設の併設が必須です。
現在のようにでたらめに空いている体育館へや廃校舍に避難し、仮設住宅を建てるにしても住宅だけ建てるのでは、そこに入居した人たちの生活が成り立ちません。
現在社会では何もかも(食料が自給出来ないだけではなく身の回りの世話さえ介護業者に頼る時代ですし、医師さえいれば良いのではなく薬局も必要です)外部供給に頼っているので、総合的な一括移転がないと生活が出来ないために、せっかく出来上がった仮設住宅の抽選にあたっても結果的に2割の入居辞退したとも言われています。
村全体でまとまって移転する計画があって、その用地を確保しておけば、原発周辺の人たちもかなり安心出来ますし、こうした予定地に関しては開発行為の特例として法的手続きも整備しておくことは可能です。
(今回はこうした手続き整備もなかったので、空き地があっても農地転用や開発行為の手続きが難しいなどの問題がありました。)
June 19, 2011事前準備6(移転奨励3)まで書いて来た巨額資金を活用すれば、村の機能・人のつながりを維持してそのまままとまって移転するような一定の準備をしておくことは可能です。
仮に事前に別荘建築する人がいなくとも、用地さえ取得しておいて各戸あての分譲予定地まで決まっていれば、残っている住民にとってもイザとなればそこへ行けば良いのだと言う安心感が違います。
まとまって行けば・・役場は言うまでもなくコンビニ(町の規模によっては小さなスーパー)や魚屋、八百屋、居酒屋、美容院、医療機関、介護事業所、学校や保育所その他の町や村の機能(ムラ社会で点在していたのを一カ所にまとめるだけです)もそのまま移転すれば、(ついて行けない農業・牧畜などの例外を除けば、)避難地での生活にも困りませんし、それぞれ元のお店や保育所などがそのまま移転すれば失業も少ないでしょう。
それぞれの仕入れ先・供給ルートに関しては「イザと言う時にはこうして下さい」などの事前協議である程度解決しておくことが可能です。
もしかしたら町内の零細工業所も取得用地内に一定の工業団地的な事業所用地が準備されていれば、人の避難・移転について、一緒に移転するかも知れません。
農業や牧畜自体の移転は難しいようですが、これも山間僻地の大規模用地取得のときには、過疎地で既に休耕・荒れ地になっている農地や採草地が多いので、予め借り上げる契約・・あるいは購入しておけば、イザとなれば牛や鶏なども連れて引っ越し出来ます。
各種事業所なども立地条件次第で、自治体の用意した土地あるいは近くの土地を手当てしたり、あるいは都会に出る個人同様に、まるで関係ないところに事業予定地を自分で手当する企業も出てくるでしょう。