憲法29条では財産権・所有権の内容を法で定めると言うのですが、これを定めたのが民法です。
民法
(所有権の内容)
第二百六条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
(土地所有権の範囲)
第二百七条 土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。
せいぜい所有権の及ぶ範囲として、隣地との境界があるだけです。
以下の相隣関係の条文が隣地との関係での出入りを書いた条項です。
第二款 相隣関係
(隣地の使用請求)
第二百九条 土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる。ただし、隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない。
2 前項の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。
(公道に至るための他の土地の通行権)
第二百十条 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
2 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。
以下省略
法律では所有権の及ぶ外側の範囲を制限したに過ぎず、所有権の範囲内で行使出来る権利の内容までは何も書いていません・・何の制限も出来ないと言う意味です。
所有権の及ぶ範囲内では、文字通り「煮て食おうと焼いて食おう」と所有者の勝手です。
これが所有権絶対性の具体的内容です。