若年離婚の場合、若年者には分与すべき財産蓄積が少ないのは昔から同じですが、昭和50年代中頃までは、離婚に際してたとえば私が解決した事例では将来の養育料の前払いとして800万円を払って貰い、今後一切関係なくする和解をしたことがありますが、このような事例・・親が解決金を出すことが多かったのです。
養育料請求も将来の夫の収入だけが頼りでは、不安定になるのは昔から同じで、そのために夫の実家から一時金で、前払いして貰って解決していたのです。
若年者に不祥事(刑事事件や借金)があると親世代がまとまった資金を出して解決することが多かったので一時金の財産分与に将来の扶養料を含ませる余地のある時代でした。
今でも夫の親が資産家の場合、離婚請求する奥さんから、親に出してもらえないのかと言う人が結構多いのはこうした習慣のDNAによるのでしょう。
実際今年の春に離婚した夫婦の場合、夫が離婚後もマンションローンを支払い続ける約束をしましたが、これは表面上夫の親は出て来ませんが、親の援助がバックにあることが前提でしたから、法的には請求こそ出来ませんが、実際的には結婚相手の実家の経済力は今でも無視出来ません。
親世代にとって子供夫婦がは離婚しても自分の孫ですから、孫のためにいろいろしてやりたいのは人情です。
親世代がいろんな分野で解決金を出す習慣がなくなったのは、サラ金事件が多くなった頃から親と子は経済的には関係がないとする法律通りの解決が(弁護士の主導によるものですが・・・)多くなったことに由来します。
その頃には親や伯父さんが子供(と言っても成人ですが・・・)を連れて来て弁護士相談に来るのが普通でした。
心配している両親や叔父・叔母に対して、弁護士の方はサラ金支払金までは出さなくとも良いと説明するのが普通でしたが、それでも弁護士費用程度までは出したのですが、今では親がお金を持っていても若夫婦にお金がなければ弁護士費用に関しても知らん顔の時代です。
弁護士がそのように長年かけて社会教育して来た結果ですから、仕方がないでしょう。